「もしかして嫌われてるのかな」と不安になるかもしれませんが、実は猫なりの深い理由があるようです。
誤解されがちなこの行動はどういった理由から起こるのでしょうか。
愛猫との絆をさらに深めるためにも理解しておきましょう。
1.乱れた毛並みを整えたい
2.自分の匂いを付け直したい
3.飼い主さんの匂いを味わっている
4.お返しに「なでてあげている」
5.「もうやめて」のサイン
★ 「嫌われている」と勘違いしやすいポイント
★ 愛猫ともっと仲良くなるための接し方
★ まとめ
猫にとって毛並みを整える「グルーミング」は、生きていく上で欠かせない大切な習慣です。
猫の体毛は体温を調節したり、皮膚を守ったりする重要な役割を持っています。
飼い主さんが良かれと思ってなでたとしても、猫からすれば「せっかくきれいに整えた毛がボサボサになってしまった」と感じることがあるのです。
特にきれい好きな猫の場合、なでられた直後に「元の完璧な状態に戻さなきゃ!」と、鏡を見るような感覚で一生懸命に毛を舐め始めます。
これは決して飼い主さんを嫌っているわけではなく、単に自分のスタイルを維持したいという、猫本来の真面目な性格からくる行動なのです。
2.自分の匂いを付け直したい
猫は縄張り意識が強く、自分の体からする「自分の匂い」に包まれていることで安心感を得ています。
飼い主さんになでられると、その場所に飼い主さんの匂いや自分以外の匂いが付着してしまいます。
すると猫にとっては「自分の匂いが薄まった」と感じる原因となり、なでられた場所をすぐに舐めることで、自分の匂いを上書きして安心しようとするのです。
これは、自分のテリトリーや自分自身をしっかりと守ろうとする本能的な行動です。
猫は「自分の匂いが一番落ち着く」というこだわりがあることを理解してあげると、舐める姿も微笑ましく見えてくるのではないでしょうか。
3.飼い主さんの匂いを味わっている
意外かもしれませんが、猫が体を舐めるのは「飼い主さんの匂いを確認して楽しんでいる」というポジティブな理由もあるようです。
猫の嗅覚は人間よりもはるかに鋭く、匂いから多くの情報を読み取ります。
大好きな飼い主さんの匂いが自分の体に付いたとき、それを舐めることで「大好きな人の匂いだ」と確認しているのです。
中には、飼い主さんの手の塩分やハンドクリームの香りに興味を持って舐める子もいます。
この場合、猫は嫌がるどころか、むしろ飼い主さんとのコミュニケーションを楽しんでいます。
ただし、ハンドクリームの中には猫に害を与える成分を含んでいる可能性もあるので、使用するときは成分を確認して安全なものを使用するようにしてください。
毛づくろいの中に「愛着の確認」が含まれていることもあるので、心配しすぎる必要はありません。
4.お返しに「なでてあげている」
猫同士が仲良く毛づくろいし合うことを「アログルーミング」と呼びます。
これは深い信頼関係がある相手にしか行わない愛情表現です。
飼い主さんになでられたとき、猫がその場所や飼い主さんの手を舐め返すのは、「自分もあなたをきれいにしてあげるね」「なでてくれてありがとう」というお返しのサインかもしれません。
猫にとっては、なでることも舐めることも同じ「親愛の情を示す行為」です。
飼い主さんからの愛情を受け取り、それと同じくらいの愛情を返そうとしてくれているとしています。
もし優しく舐めてくれるようなら、それはあなたを家族や仲間として信頼しきっている証拠といえるでしょう。
5.「もうやめて」のサイン
注意が必要なのは、なでている最中や直後に、少し勢いよく舐め始めるパターンです。
これは「転位行動」と呼ばれ、なでられる刺激が強すぎたり、しつこすぎたりしたときに、そのイライラやストレスを静めるために自分を舐めているのです。
猫には「触られると嬉しい場所」と「そうでない場所」があり、また「今はもう十分」というタイミングもはっきりしています。
なでているときに耳が後ろに寝ていたり、尻尾をパタパタと速く振っていたりする場合は、一度なでる手を止めてみてください。
舐める行動が、猫からの「ちょっと休憩させて」という静かなメッセージである可能性も忘れてはいけません。
飼い主さんがなでた場所をすぐに愛猫が舐めはじめると「せっかく可愛がったのに、汚れを落とすみたいに舐められた」とショックを受ける方は多いものです。
しかし、これは猫の習性に基づいた自然な動きであり、人間が思うような「潔癖」や「拒絶」とは違います。
毛づくろいを始めた愛猫の表情をよく観察してみてください。
身体を舐めながらもゴロゴロと喉を鳴らしていたり、目がトロンとしていれば、それはリラックスしている証拠です。
反対に、本当に嫌なときは舐める前にその場を立ち去ったり、甘噛みをしたりして意思表示をします。
その場に留まって毛を整えているのは、あなたのそばが安心できる場所だからこそなのです。
愛猫との絆を深めるためには、猫の「なでられたい欲求」をきちんと満たしてあげることが大切です。
まずはなでる時間を短めに設定し、猫が「もっとやって」と催促するくらいで止めるのがコツです。
これにより、猫がストレスを感じて過剰に毛繕いをするのを防げます。
また、猫が自分では届かない「顔周り」や「耳の後ろ」、「顎の下」などを中心になでられるととても喜びます。
自分の匂いに敏感な背中やしっぽの付け根は、軽く触れる程度に留めるなど、猫の反応を見ながら場所を変えてみましょう。
自分の愛猫はどこを撫でられるのが好きなのかを見つけて、猫の好みを尊重する姿勢を見せることで、信頼関係はより強固なものになるでしょう。
まとめ
多くの場合、撫でられたのが嫌なわけではなく、リラックスや親愛の証なので飼い主さんは安心してください。
愛猫のしぐさを正しく理解し、心地よい距離感を保つことで、言葉を超えた温かい絆を築いていきましょう。