このサムリングブックマークは、透明な高品質のアクリル素材で作られており、耐久性があり、再利用可能で、壊れたり変形しにくくできています。非常に軽く、あまり負担をかけずに持ち歩くことができます。読書体験を向上させるための滑らかで光沢のある表面を備えていて、ページを開いたまま、片手で本を読むのに役立ち、便利で使いやすいです。学生、読書愛好家、教師など、本を読むことが好きな方へ実用的でエレガントなギフトとしてもおすすめです。
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作者は人間の悪意を書かせたら右に出る者はいないんじゃないかというくらいこれでもか、と抉り出す天才?実に胸糞悪いが妙に惹き込まれて読み切ってしまう。シリーズ第三弾は、卑劣な性犯罪者の利益を守るため、手段を選ばず示談を勝ち取る悪名高き弁護士の小諸成太郎の一人息子が誘拐される。辛酸を舐めさせられた被害者による復讐か営利誘拐か。復讐ものの本質として、加害者に被害者と同じ目に遭わせてやるというのがあるが、海外出張中という父親との連絡が取れずモヤモヤするなかで、実は本質としての復讐が形作られていた。
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結衣が大学生になり、ここからは新章シリーズ。高校に入学した結衣の妹、凛香が新章の主人公かと思いきや新たに隠された優莉家六女の杠葉瑠那が登場。余命1年と宣告された難病を抱えながら、神社の養女として優莉家を知らずに育った、一見触れれば折れてしまうような虚弱体質の少女。彼女たちと同年齢の少女が失踪する事件が続き、事件を追いかける凛香と瑠那。結衣の母、友里佐知子の手で胎児のときに脳への手術受けた瑠那は優莉家に思うところはあるようだが、その半端ない能力が新章で大いに発揮される展開となる。
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「年下の男の子」シリーズ完結編。結婚を決めたものの、親の同意を得られなかった前回をひきずり説得に手こずっていたが、彼氏の達郎がリストラに遭ったのをきっかけにふたりは同棲することに。晶子の仕事は相変わらず忙しく、部下も増えて休む暇などない状態の中、なんと晶子の妊娠が発覚。ちゃんとした大人の恋愛をしているというならデキ婚はなぁ…、親に認められるまでは子ども作っちゃいかんだろと老婆心で思うところはあり、父親の思いもわかるっちゃわかる。それを一発のビンタで封じ込めた晶子母。母親は強い。
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「年下の男の子」の続編。 結婚にむけて晶子の父に14歳年下の彼氏を紹介するも、父から大反対を受けて前途多難の展開に。彼氏の達郎も煮え切らなくて、読んでてイラッとすることもしばしば。晶子は仕事の方もトラブル続きで、女38歳、キャリアと恋愛を両手に抱えた悪戦苦闘ぶりに、エネルギーが続くのかと心配になる。年齢差、収入格差、勤め先の規模の差…変えられないとわかっていても、実の親としては他にもいい男は居るだろうと考えてしまうのかもしれない。それは二人の幸せとは関係ない親のエゴなんだけれども。
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明治天皇の皇后、昭憲皇太后に仕えた女官・山川三千子の手記。私も毎週日曜日の早朝にやってる「皇室アルバム」が好きで時々見ている。今でこそ皇室は身近な存在だが、明治・大正の時代は天皇は生き神様で、庶民には雲の上の存在だっただろう。女官の採用に華族の娘たちの中から候補が集められオーディションのようなことをして陰から陛下が実は見ていて選んでいたのが意外だった。宮中でのことは一切他言できない掟なのに、1960年に本書を刊行したときの世間へのインパクトは相当な衝撃だったのではないかと想像される。
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少女カイアは、親兄弟が次々と家を出ていき、孤独の中、学校にも行かず湿地で貧しく暮らしていた。カイアが子どもの頃からどうやってひとりで生きてきたか、人に傷つきながらも湿地に住む動物たちや自然に癒される姿は、作者が動物学者であるゆえに十分に納得させられる。そんな環境の中でテイトとチェイスという2人の男性と知り合うが、愛し合い、別れがあり、見棄てられる。成長したカイアはチェイスの殺人事件の容疑者として起訴される。弁護士のトムや仲間のおかげで、無罪となるが…。彼女は自然の摂理そのものだったのかも。
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ニール・ケアリーシリーズ最終巻。ずっとウィットに飛んだ会話の中に切なさやほろ苦さを交えたストーリーは秀逸。1作目のときのニールの魅力とはかなり違った印象になっているけれど、今回ニールに課せられた任務は、ラスヴェガスから帰ろうとしない86歳の大物コメディアンを連れ戻すこと。しかしこれがうまく行かない。一方、2ヵ月後には結婚式を挙げる予定のカレンが無性に子どもを欲しがり、自分の父親を知らないニールは、自分が父親になることへの恐怖と葛藤が交差して…。読了後はなぜか爽やかな感情になる不思議な小説。
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ニールの許には愛すべき存在カレンがいることが前3作との大きな違いではあるが、今回は「ある女性に正しい英語を教える事」というニールにとっては朝飯前の依頼。と思いきやカレンを含む3人の女たちにぶんぶんに振り回され、訳者の東江氏がどうやってこの言葉を導き出したのか?の表現にひとり爆笑。前作「高く孤独な道を行け」よりも違う意味でドタバタ比重が大きくなっているよう。シリアスさの中の気の効いたジョークが散りばめられているのが著者の特徴だが、今作はかなりコミカルで軽妙なやり取り場面が多い。
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ニール・ケアリーシリーズ第3弾。中国山奥の僧坊に幽閉され憲法の習得に勤しむこと3年。突然ジョーが仕事の依頼にやって来た。ニールにくだった指令は、ハリウッドプロデューサーが別れた旦那にさらわれた2歳の赤ん坊を連れて帰ること。捜索のはてにニールはネバダの田舎の牧場で自ら手掛かりを掴み、白人至上主義の武装宗教団体から2歳の赤ん坊救出のために決死の潜入工作をはかる。3年の時を経て、戦闘シーンや軽口三昧なのは変わらないものの、ニールの青年から大人の男への成長ぶりが嬉しいようで少し寂しい。
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探偵ニール・ケアリーのシリーズ第2弾。今回はさらにスケールがデカく、探偵ニールの任務は鶏糞から画期的な成長促進剤を開発した生化学者ペンドルトンという人物を探すこと。彼は中国の美人画家に心を奪われたらしく仕事場にも来ず行方が分からないという。サンフランシスコでターゲットを探し当てたニール。しかし彼自身も美人画家イ・ランに恋してしまう。物語はサンフランシスコから香港、中国四川省へと舞台は変わり、文化大革命後の毛沢東と鄧小平の権力闘争に巻き込まれるという骨太で奇想天外なストーリー。
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ストーリーを飽きさせず軽快なテンポで進んでいく。翻訳が素晴らしいのだと思う。ネグレクトのニール少年が巨大な探偵事務所に籍を置くグレアムと出会い、仕込まれて一流の探偵になっていく。お互いに信頼というベースがあって、軽口をたたき合いながらも思いやる関係は微笑ましい。副大統領候補の娘アリーの捜索というデカイ仕事を危ないところもありながら何とかこなそうと奮闘するなかで、師匠であるグレアムとの「親子」の絆、ニールの仕事とアリーとの愛の葛藤。ひとりの青年が成長する姿がみずみずしく描かれている。
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航平、匠、渉太の大学生3人が合宿サークルの下見宿で飲んでいた。追加の酒を買いに出た渉太は戻った直後に何者かに昏倒。気づけば両手足が縛られ、両足の指を切り落とされた下着一枚の状態で風呂場の浴槽にいた。他の2人も別の部屋で同じように監禁され、パソコンからの声によって彼らの過去の罪が暴かれつつ、誰かの爪を剥げ、歯を折れ、目を抉り出せと3人相互で拷問しあう指示が出される。誰が何の目的でこんなことをするのか。同時期に執拗に殴打され殺された女子大生の死体遺棄事件とも繋がり、恨みが深すぎて容赦なし。
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主人公、晶子は37歳の独身OL。14歳年下の児島君が一生懸命アプローチしてくれるにも関わらず、年齢差を理由に自分の気持ちをはぐらかしてごまかして。 四十路目前の独身女性はやはり世間体が気になるわけで、14も年下の男の子となんか付き合ってられないのかなぁ。もっと素直になればいいのに。年齢差っていうけど、今同じ時間に生きているもの同士になれるっていう確率も相当レアだと思う。これも何かの縁でしょう。世間体とかしがらみとか言うのもわかるけど、いくつになってもやっぱり正直に生きるのが一番だと思う。
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「犯罪」から続くシーラッハ3冊目。全て短編の12作品。我ながらすっかりハマってしまったな。原作者はドイツ刑事事件弁護士でもあるので、様々な事件に触れる機会は多いのだろう。しかし現実がベースであったとしても、それを小説にするのは全く別の作業のはず。にもかかわらず訳者との相性が良いのか、巷で暮らす普通の人々が様々な理由で罪を犯し、犯罪に巻き込まれる様を淡々と描いている文体がかえって心を揺さぶる。トリックを駆使した謎解きや名探偵の登場はないものの読み応えある一冊になるのは間違いない。
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リストラ、夫からの離婚宣言、父のALS発症と、主人公アンヌマリーに起こる様々な困難。傷ついた彼女は娘のイーヴァとともに、乗馬学校を営む実家へ帰ることを決める。アンヌマリーは昔、馬術競技のスター選手だったが、競技中の事故で愛馬ハリーを失い、みずからも瀕死の重傷を負って、それ以降馬とは関わらない生活を送ってきた。疎遠になっていた父や母との微妙な関係に悩み、反抗期のイーヴァに手を焼くなかで、疲れ果てた彼女を癒してくれたのは、傷ついた一頭の特別な馬だった…。人間と動物、そして親子の絆を描く。
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世界恐慌時代のアメリカのサーカス団の物語。語り手のジェイコブは70年前に起きたサーカス史上に残る大惨事のなかで行われたある殺人の真相を23歳であった自分を俯瞰して見ながら今と昔を語る。サーカス団に獣医として潜り込んだ23歳の青年ジェイコブと介護施設で暮らしている93歳の老人ジェイコブ。今も彼の胸を去来するその輝かしく煌びやかな世界への追憶と色褪せることのない思いがラストの展開で極まれる。ミステリーであり恋愛小説であり青春ものでもある。様々な要素が混然一体となって読後感がなんともすがすがしい。
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光の三原色「緑・赤・青」と題された三章と最後は三原色を重ね合わせた「白」の章。序章「緑」の章では、文字のひとつひとつに色を感じる共感覚を持つ主人公の写真家ゼバスティアンの生い立ちから成長に伴い彼の内面がどう構成されていったかが語られる。続く「赤」の章で主人公は一転して猟奇殺人の被疑者となり捕まってしまう。そして老練な弁護士ビーグラーが登場する「青」の章。この弁護士も主人公共々クセが強い。果たしてゼバスティアンは罪を犯したのか。犯したのであれば何の罪なのか。そして、最終「白」の章へ。
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新米弁護士ライネンが担当した殺人犯コリーニ。殺害した相手は、ライネンが少年時代に世話になった恩人ハンス・マイヤーだった。人格者として知られたマイヤーをコリーニはなぜ手に掛けたのか。二人には何の接点もなく、コリーニが完全黙秘したことで非常に難しい弁護になるのは必至で、それでも本当の動機を知るために調べ始める。すると動機の根底にはドイツの歴史上、消すことのできない戦争犯罪が隠されていた。著者の後書きで祖父がナチ党全国青少年指導者だったこと、友人の祖父がヒトラー暗殺を企てた人物だったと知り、さらに驚いた。
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寝ながら読書での「両手フリー」を実現!!敷布団の頭上または横にベースを差し込んで使用する、差し込み式の読書スタンドです。ふとんの頭上か横に置いて、ページをめくる以外はフリーハンド!安心して快適な「寝落ち」を体験してください!文庫本からA4サイズに対応し、本のサイズに合った紐掛けができるので、落下せず安心!スタンドの高さ・アームの長さは自由自在。あお向けでも横向きでも好きな姿勢で使えます。本の傾斜調整も手元で簡単!本の下を受ける下部テーブルは、本のサイズに合わせて上下に調節できます。
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数多くの作家が代表作を発表してきた純文学を出版する鳳雛社の編集者である岡田眞博からのオファーに応え、李奈は渾身の新作「十六夜」を書き上げ会社を訪ねるが、副編集長宗武から、結末を変えるように言われ、李奈は困惑し持ち帰ることを決める。すると宗武は、若い女性が難病で死ぬという、お涙頂戴のヒット作を連発している事を笠に着て、李奈にも同様の小説を書いてほしいと依頼。商業出版主義の渦に巻き込まれそうになる李奈だが、編集者の岡田のあるまじき行動で、宗武に危機が訪れてしまう。今回も出版界の裏が覗ける。
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この作品も訳者は「犯罪」と同じ。やはり相性が良いようで、とても読みやすかった。弁護士の私が淡々と語る15件の罪の物語。文体が客観的で淡々としており無駄がない。罪を犯す人間の人生を粛々と報告するかのような語りで綴られるが、事件のドラマ性が絡まってくると妙な味わいを生み出すのが面白い。初っ端の「ふるさと祭り」は9人のバンドマンの中でレイプに加担した8人と無実の1人がいるのだが、無実の1人が誰かを判別することができずに全員無実になってしまうという話で、正直この判決は許されていいのか、と思った。
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10年前に洋食屋を営んでいた父が通り魔に殺害され母も行方不明。家族がバラバラになり姉妹は別々の親戚に引き取られ育つことになる。成人してからも時折会っていた姉妹だったが、ある時、妹の妃奈が殺され遺体で発見された。生前、保険金殺人をしていたのではないかとの疑いをかけられた妹の無実を信じ、姉の美桜が疑いを晴らすために調べ始める。美桜の周囲に搭乗する人物がどれもこれも怪しすぎる。過去と現在の時間軸や物語の視点もくるくると変わり読みやすいとは言えない。結末が衝撃的な割には消化不良の残る感じ。
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シリーズ63弾。火付盗賊改が2年追い続けながらも未だ捉えることのできない狐面の盗賊たちがいた。業を煮やした老中が、南町奉行の内与力・長谷川四郎兵衛を通して青柳剣一郎に密かに探索を命じる。が、剣一郎は調べるうちに盗賊に火付盗賊改の手の内が洩れているのではと言う疑念が湧く。盗賊の頭として筆墨屋「一筆屋」主人である矢五郎に目星をつけたが、同時に火盗改の長官である天野剛之進配下の与力佐久間秀作の動きに不審を抱く。やがて矢五郎が刺殺体となって川に浮かんだ。犯人は誰か?盗賊一味はどうなるのか?
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太宰治の未発見5つめの遺書が発見された。この遺書の真偽を巡る鑑定中に鑑定士が火事で死亡。その事件に、またまた杉浦李奈が警察とかかわり協力することとなる。同時に李奈は2作目の本が本屋大賞にノミネートされ、同じくノミネートされた柊に惹かれるが彼の行方が突然分からなくなる。2つの事件はつながっているのか。私は純文学を読まないので、太宰治も名前は知っているけれど作品はほとんど読んでいない。芥川賞の作品より直木賞のを読みたい人だし。でもちょっと未完の遺作「グッド・バイ」は読みたくなった。
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初作家さん。訳者との相性がよいのかとても読みやすくサクサク読める。ミステリーを想像していたが、弁護士でもある作者が経験を基に「事件録」を綴ったような物語。11の短編を収録。ひとつ一つの犯罪にいたるまでの経緯や犯人が何を思って罪を犯したのかは、はたから見ているだけではとても想像できないものがあり、深い事情が絡んでいる。謎解きは一切なしで、淡々と客観的に語られているにもかかわらず、心が動かされる。作中にに没入していないにもかかわらず、なぜか感情が揺さぶられるという新しい発見。この作家、ハマりそう。
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「ツイてる!」と言っていると、本当にツキがやってくるらしい。私はツイていると意識したことはないし、常々感じているわけでもないが、何事もうまくいくとは信じている。人生は複雑なようでシンプルにできている。ややこしくしているのは自分自身。どんな状況になっても、うまくいく(ツイてる)と思える心根が、次に良いことが訪れるいしずえになる気がする。すべては心の持ちようなのだろう。人生は一度切りだが、フランクルの言う2度目の人生のように生きてみると、人生の選択を大きく間違うことはないような気がする。
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10人目の最後のお弟子さんが書いた本。やはり天才は言うことが違う。
・世界で一番幸せな人間は足りるを知っている人
・出来る人を「すごいねぇ」って褒めてあげられるのが最高の才能
・幸せは自分の心が決める
・合わない人とは会わない
・『天国言葉』「ありがとう」「感謝します」「許します」
・「欲に底なし、地獄に底なし」
ああ、人間という奴は…。
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三大難解哲学書と言われるハイデガーの『存在と時間』。わかりやすくしたであろうマンガで読んでもやはり理解には程遠い。現存在(人間)は世人(世間)に巻き込まれることで、自らの死(自分以外によっては経験できない)という本来性から逃れている(頽落)。良心の声を聞き、自分の行動に責任をとるという決意は、他者の存在を邪魔とみなし、他者の関わりによって自分の行動を振り返る要素が欠けており、そのことこそがハイデガーをナチスに同調する方向に向かわせたとアレントやヨナスといった弟子たちは批判している。
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劣悪な強制収容所から生還したユダヤ人精神科医フランクル。そこでの体験を記した『夜と霧』はあまりにも有名だが、フランクルが本当に伝えたかったことは、ナチスによる残虐行為の数々や非難ではなく、「どんな人生でも、必ず生きる意味はある」というメッセージ。絶望の淵に立たされ続けたフランクルは、何に希望を見出し、なぜ生きる意志を持ち続けることができたのか。フランクルの激動の人生と、その生涯を賭けて世に伝えたかった生きる意味を苦難の中にあっても、生き抜いた道程を探るフランクルを知る格好の一冊。
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シリーズ62弾。大坂東町奉行から与力を殺し江戸に逃げた六輔なる男を捜す依頼を、長谷川様が青柳剣一郎に下すが、大坂の同心は捕縛する気はなく切り捨てるつもりように感じる剣一郎。同時に蝋燭問屋加賀屋で火事が起き、中に飛び込んで赤子を救い出した長次を現場で見た剣一郎はその勇気を絶賛。火事の原因が奉公人のおまきと言う13歳の少女が親元に帰りたくて店が燃えたら帰れると付け火をしたというもの。長次は南町奉行所におまきがつけた火は消えたが、私が再度火を付けたと言って自首。身代わりに火あぶりの刑に処せられる。
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今回は、引っ越したばかりの新居の住所がウィキペディアに晒されたり、ディープフェイクで作られた李奈のホスト遊びの映像DVDが実家に送られたり、李奈名義の官能小説が出版社に届き連絡が来たりと、ある日突然嫌がらせの数々が始まる。李奈を陥れたのは「株式会社エルスト」の鴇巣東造。鴇巣は、明治初期に出版された幻の聖書「丸善版新約聖書」を探せという依頼が来る。渋々調査を開始する李奈だったが、どうやらその聖書に徳川慶喜が遺した埋蔵金の場所を示す暗号文を解くカギがあるらしいことがわかりはじめる。
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今回は「桃太郎」になぞらえた殺人事件と、その謎解きに絡む杉浦李奈。といっても昔話のではなく、昭和の文豪芥川龍之介が独自の解釈で書いた「桃太郎」だが。芥川が「桃太郎」を書いてたことを知らず、まずはそれが衝撃だった。このシリーズは、作中でいろんな小説を紹介してもらえるのも魅力。作家の文学知識の範囲が広くてびっくりする。李奈の家族関係が垣間見れたことや今まではラノベ作家として何とか一人前になりたいと頑張っていたが、まさかの一般文芸からの出版になりそうで、プライベートも大きく変化か。
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日本小説家協会の懇親会会場で火災が発生し、小説家や出版関係者218名が亡くなり生存者は2名という大惨事が起こる。原因は、発火装置を使った放火だが、杉浦李奈は以前の事件で知り合った超売れっ子作家の櫻木沙友理と共に独自に事件を調べていく。出版業界内部の版元と作家の関係性なども外部からは知りようもないことが書かれていて興味深かった。今回は万能鑑定士Qこと凛田莉子こと現在はシロガネーゼとして暮らす小笠原莉子も登場。もちろん鑑定士として。今後続くシリーズでも出番はたくさんありそうな予感。
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夕木春央氏のデビュー作。先に「十戒」を読み、面白かったので手に取ってみたが、大正時代を舞台にしているのもあってか、最初、独特な言葉遣いや時代設定がなかなかすんなり入ってこなかった。読み進むうちにだんだんこの時代の世界観に没入していけたけれど…。元泥棒の名探偵蓮野を始め、妙に行動力のある上割りと有能なワトソン役や、秘密結社の陰謀など、女性陣などもそこそこ活躍をするし、魅力的で愉快な登場人物が多く楽しめる作品。続編があるようなので、同作者の他の大正浪漫あふれる探偵小説追って読んでいきたい。
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5/1から大腸穿孔の疑いで再びの入院を余儀なくされ、点滴と抗生剤を打たれベッドに一日中居て、絶食なので食べる楽しみもなく、気分はふさがる一方だったが、こういう時にこそフランクルを読もうと、再読。当時のフランクルの感情を思うと私のしんどさなど鼻糞みたいなもんだ。少なくとも、私はまっとうな理由もなく突然地獄のような環境にほおり出されて苦しみに打ちのめされているわけではなく、理不尽な差別を受けているわけでもない。どんな環境でも人間の精神次元を信じ、人生にYESと言うフランクルに力をもらおう。
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伯父が亡くなり、所有していた無人島の別荘をリゾート開発すべく、浪人生の理英は、父と4人の開発関係者と共に視察に向かう。上陸後、島に設置された大量の爆弾を発見するが、通報や脱出する間もなく翌日殺人が起こる。玄関には犯人捜しを禁じる他、守るべき十戒が張り出され、見えない犯人に島に閉じ込められる。さらに殺人が起こり、島を離れるまでの3日間の緊張と恐怖がよく伝わった。最後の最後にどんでん返しが来るが、真犯人に対する印象はもはやサイコパス。生き残るためとはいえ常人には決してできない所業。
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新星の如く現れたRENという新人作家。若者の読者を引き込み次々とベストセラーを飛ばすが、作品が盗作なのではと噂され、作家達から訴えられかねない事態に…。小説家というより今や推理の才能の方を評価されつつある杉浦李奈の元に、盗用被害を訴える相談が持ち込まれ、李奈自身の小説からの盗作も判明する。そんな中「シンデレラの原典を探れ」という不審なメールが届き、李奈は二つの事件を追うこととなる。シンデレラの原典探しに奔走する李奈の物語とは別に、シンデレラの原典とは何なのかという疑問そのものに興味津々だった。
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デビューして、瞬く間に2作連続100万部を売り上げたベストセラー作家、櫻木沙友理を発掘した出版社による第二の作家を選ぶ企画で選ばれた8名の中に残った杉浦李奈。祝賀会兼説明会の為に訪れた汐先島は携帯の電波も入らない瀬戸内海の狐島で招待者は3日間外部とは一切連絡が取れない状態に置かれる。初日の夕食中、編集者の「榎嶋裕也」が「明朝7時に扉が開く」という謎のメッセージを残しトリカブトの毒で死亡。一癖ありげな小説家たち、姿を見せない沙友理。解決した思いきや最後まで完璧に騙されてしまった。
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同じ著者が1949年に発生した下山国鉄初代総裁が礫死体で発見された事件を、『下山事件 最後の証言』として先にノンフィクションとして発表しているが、これは下山事件をベースにした小説。GHQの占領下の時代、戦後復興を遂げようとしている陰で、複雑に絡み合う国と国との謀略、精工な計画遂行に戦慄を覚えずにはいられない。この事件は自他殺不明で今も迷宮入りのままだが、政界、財界、検察、警察など多くの人を巻き込み、いくつもの見えない圧力がかかったのだろう。複雑に入り組んだ時代背景も災いの一端に加担している気がする。
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10年前に我が子も含む女児二人を殺害した女性死刑囚・三原響子。遠縁の親戚、ということで、少女の頃一度会っただけの響子の身柄引受人になった吉沢香純は、刑の執行後、遺骨を受け取って郷里の青森へ赴き、三原家の墓に収めて貰うために奔走するが、因習深い地方の持つ息苦しい独特の閉鎖的空気に阻まれ上手くいかない。自分の抱いていた響子の印象が、どうしてもかみ合わない香純は、響子の人生を遡り調べていく。地縁や血縁でドロドロの因習に無意識に加担している人が怖い。気づいていないのか気づかないふりをしているのか。
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ネット上のインフルエンサー<市民調査室>は、体験した食レポ宿レポを真面目に投稿しているなかにフェイクレポを紛れ込ませる。フォロワーはどのレポも真実だと信用しバズらせる。それはまるで大勢の子蜘蛛(フォロワー)を操る親蜘蛛の絡新婦に似ている。いわれなき風評をまき散らされ経営が傾いた宿の経営者夫婦が心中しても、SNSで正義を振りかざす輩は何の疑いもなくそれを良しとして肯定できるのか。現実世界で差別やハンディを課せられて「棄民化」を余儀なくされた人々が鬱憤のはけ口として集まるSNSの現状をとらえた作品。
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リスキリングの後押しになればと読んでみた。本気で夢をかなえる勉強法として何を置いても一番のポイントは「ゴールからの発想」。勉強を始める前に「合格体験記」を書く、とか、それは自分が心の底から望んでいる結果なのか、とか、何かを捨てでも手に入れたいか確信しているか、とか。紙に書いたり、壁に貼ったり、人に話したり言葉にしたりしてみる。どんな言葉でも100万回繰り返していれば事実になるという。夢や理想は頭の中で考えているだけでは実現しないし、「そんなの無理」と否定的な言葉を使う人のそばには寄らないこと。
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ゲームのように同じ性嗜好の者同士がつるみ、痴漢や子どもへの性的虐待、あげく殺人までを平気で繰り返す鬼畜のような大人たち。こいつらを操るモンスターが自分も幼少期に目を覆いたくなるような残酷な性的虐待を日常的に受けてきた真千代という女。彼女の「あたしより惨めなやつ。そういうやつを見ると、胸がすうっとする」というセリフが、理不尽に何度も殺されてきた心に彼女が与えてあげられる薬だったのかもしれない。読了感としては最後まで一貫した鬼畜の所業のまま運よく逃げ出せてしまったため、かなりやるせない。
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跳ね上げ式 1.6倍 (ブラック)。眼鏡の上からかけられるメガネ型ルーペです。クリアな視界で小さな文字もはっきり見え、無理の無い体勢で文字を読めます。遠くを見たい時に不便だったメガネ型ルーペのデメリットを解消したレンズ跳ね上げ式。いちいちルーペを外したりかけたりする必要がございません。 フィットしやすく、開閉テスト済の丈夫なフレームを使用し、痛くなりにくい快適なノーズパットを採用。品質とコストにこだわった逸品です。新聞等の細かい文字、精密作業、手芸、プラモデル作成等、どんなシーンでもお使いいただけます。
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主人公、峰岸晄。幼少期に父は家を出て行き、ホストにいれこむ母親からはネグレクトを受け、狭いアパートの一室に猫と共に置き去りにされた。久しぶりに晄の顔が見たいと父が母を連れて帰ってくるが、猫は餓死し、生死を彷徨う息子が倒れている部屋の惨状を見て思わず母を殴り殺してしまう。その後叔父に引き取られた晄だが、学校ではいじめにあい、卒業後もサラ金の取り立て屋、地面師、小料理屋の女将を破滅させ店を潰すなど悪事に手を染める。それは、晄にとって唯一の拠り所であった「光」のための復讐だった。
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『女が死んでいる』『殺意のかたち』『二重露出』『憎悪』『殺人は難しい』『病んだ水』『母性という名の狂気』『レッツゴー』の短編8篇を収録。今まで著者の短編作品は読んだことがなく、じっくり読み込む長編を書かれるイメージしかなかったが、今回どの作品もいい感じでやってくるどんでん返しが小気味よかった。殺人や児童虐待など、内容はずっしりと重いのに、どこかユーモア的な要素が作品内に漂っている。さくっと読めたものの、もしかすると自分のすぐ隣で起きてるかもしれないという身近さが、恐怖を増長させる。
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隠蔽捜査スピンオフ版。大森署副署長・貝沼の視点から描く。竜崎の転任後、後任となった藍本小百合署長。その美貌とオーラで全ての男性を虜にしてしまう署長会いたさに、毎日のようにお馴染みのお偉い方たちが署長詣でを繰り返していた。そんな中、羽田沖で外国人ギャングによる銃器と麻薬の取引情報が入る。ほんわかした雰囲気は頼りなさそうに見え「私なんて単なるお飾り」と言いつつ、竜崎と同じく原理原則を基本に柔軟に対応。臨機応変に捜査員をまとめ、協力体制を築いて指示を出す。天然なのか切れ者なのか、真の姿は?
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辻浦良太は姉が見た「目が飛出ている怪物」を確かめるために夜の公園に出向く。そこで殺人現場を目撃し、謎の女性「先輩」に助けられる。「先輩」は殺人が日常化しているこの町を監視しているという。人が見たいものしか見ないない「確証バイアス」と身辺で異常事態が起こっても正常だと判断する「正常性バイアス」が働き、異常なのにそれが日常となる怖さ。それは現実なのか妄想なのか。先輩が失踪し、良太は小林親子に殺されそうになるが、それでも多数派同調バイアスで良太もいつしか町にそまり疑問を抱かなくなるのだった。
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娘が産まれるまでしていた仕事は、出産後は子育てと両立ができないことがわかっていたため臨月で退職。娘が1歳の時、パートで仕事を再開。 そこから3度転職。家族、子ども、仕事、全部含めて、その時の生活を楽しむのがモットーなので、どんな時も「わくわく」を持って過ごしたいと思う。そのためにはただお給料を頂くためだけに労働すると割り切るのではなく、面白そうな興味の持てる仕事を探すことが大切。勤め人なら最低でも平日1日7~8時間の拘束があるのだから、仕事を楽しめるかが大切なのではないかな。
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『夜と霧』の著者フランクルのその後の手紙や講演などをまとめた一冊。書簡を通じて、フランクルの感情の移り変わる様がよく理解できる。解放後の講演の内容などで様々な問題提起をしているフランクルだが、現代社会においても当時と何ら変わらない問題が山積している。フランクルのどんな運命が待ち受けていようと、どんな悲しみや苦悩に打ちのめされようと、「それでも人生にイエスと言う」態度は、強制収容所での地獄のような体験をしてもなお人間の精神次元を信じ、良心の存在を肯定する揺らぐことのない信念がある。
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再読。伊坂作品の初期の4つの短編集。深夜に現れる動物園を辞めた人が動物たちのエンジンになっている話「動物エンジン」。人探しに来た探偵黒澤と昔生贄を洞窟に閉じ込めていた村の話「サクリファイス」。一人一人の影響力は小さいけれど、俺たちの曲がまわりまわって世界のためになることもありえるってことだよ。売れないバンドと正義の味方の話「フィッシュストーリー」。空き巣とプロ野球選手の話「ポテチ」。それぞれの話に伊坂ワールドの要素が散りばめられた幕の内弁当のような感じ。初めて伊坂作品を読む方にお勧めかも。
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『後悔と真実の色』の続編。連続して起こる警察官の死。それぞれ事故死、殺人、自死として片付けられ、何の関連もなさそうに見えたが、ある共通性に気づいた所轄刑事・高城理那が、男尊女卑の甚だしい現場で真実の解明に懸命に頑張る姿が凛々しい。警察をやめて警備員として再就職した西條が高城刑事の相談相手として再登場。高城刑事は西條に知恵を借り事件を解決へ導く。誠也が他人と入れ替わっていたのがミソ。弟を守るための強烈な復讐心が警官に向かった結果だが、終盤の弟のレイの挙動がさらなる続編を期待させる。
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シリーズ第9弾。おちかの出産が近づいてきたこともあり、安産祈願も含めて富次郎は、百物語の聞き手を再開をすることに。富次郎が青瓜不動の世界に入りこみ、大ムカデの魔物から頑張って逃げきった時、おちかが小梅を無事に出産した「青瓜不動」。非道な圧政の悲劇に見舞われた娘が作った家族を守る土人形の話「だんだん人形」。自在に描きたいものを描ける不思議な筆を使う絵師。しかしその筆は代償に周りの者の命を喰らうという「自在の筆」。人の心を持つ、人ならざる者たちが豊かに暮らす里で育った者が語る物語「針雨の里」の4編。
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(約)幅55×奥行150×背たれ高95×座面高40cmのゆったりサイズ。ハイバックは頭まで寄りかかれるリラックス気分を味わえるロッキングチェアです!亜麻を使用したやさしく温かみのある生地で肌触りと通気性に優れています。厚みのあるクッションは、高反発性、ソフトでしなやかな質感。人間工学に基づいた座面デザインも体にフィット。背もたれは5段階、フットレストも3段階に調節可能です。座っての休憩はもちろん、テレビや読書の時に自分好みに調整できて、リクライニングを最大まで倒すとお昼寝にもピッタリです。
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きたきた捕物帖第2弾。「子宝船」「おでこの中身」「人魚の毒」の3編。伊勢屋源左衛門が書いた宝船の絵を持つと子宝に恵まれると人気になるが、北一は喜多次が炊きつけ用に拾った紙屑の中に、弁財天が背を向けている宝船の絵を見つける。その後、子どもを失った夫婦が宝船の絵から弁財天が消えたと苦情を訴えだす。更に、北一がよく知る弁当屋の一家三人が殺され、検視与力の栗山の命を受けて現場で目撃した銀杏の入れ墨を入れた怪しげな女の似顔絵をばらまいて事件の真相に迫っていく。今回も二人の「きたさん」の活躍に心が躍る。
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職場を解雇され解雇され、腹いせにその会社に忍び込んだ罪で逮捕された主人公、玲斗。接見した弁護士に依頼人の条件に従うなら釈放すると提案され受け入れることに。依頼人とは、玲斗が存在すら知らなかった母の異母姉である叔母の千舟だった。出された条件は、「クスノキの番人」となること。叔母から引き継いだ仕事に戸惑いながらも、クスノキに祈りに来る人を案内し、番人としてたずさわるなかで、その謎を少しずつ理解してゆく。東野作品のなかでは、誰も殺されないファンタジー要素が強めのハートフルストーリーとなっている。
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不動産会社で働くレイシーに、顧客の女性イザベルが自殺で亡くした娘の残した、他殺の証拠が記されているという日記が託される。しかしそのレイシーは、イザベルが銃で撃たれて殺される瞬間を目の当たりにする。殺人現場に居合わせてしまったために、レイシーにはFBIの「証人保護プログラム」が適用される。運悪く殺人事件に巻き込まれてしまったために翻弄されるヒロインを描いたカタチのサスペンスになっているが、全体的に登場人物に深みがなく、皆さん思考が浅はかなのが気になり、物語に没入できなくて残念。
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神は本当に存在しないのだろうか?キリスト教と仏教との違い、一神教と多神教のこと、無限と有限のこと、数学と論理学などを宇宙・神・心の三つを統一した構図のもとに書き下ろした野心的な科学論。第1章「語りえないこと」第2章「法華経の秘密」第3章「阿弥陀仏の誓い」第4章「仏と四次元時空」第5章「神と無限分割」第6章「啓示の構造」第7章「イエス・キリスト」第8章「ダイモーン」第9章「小さな神々」第10章「場としての神・仏」第11章「さよならウィトゲンシュタイン」第12章「言葉の壁の見えないトンネル」
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若い女性ばかりを狙い、死体から右手人差し指を切断する連続殺人が起こる。いつしか「指蒐集家」と呼ばれるようになった犯人を追う、捜査一課、機動捜査隊、所轄の刑事たち。事件解決に向けて、コンビを組んで聞き込みや被害者の関係者の捜査、証拠品の捜査などを役割分担するが、一見悪と戦い正義を守る警察のなかに、一緒に捜査するコンビの相手との相性や他の奴らを出し抜きたいとか、手柄を先に立てるための妬みや嫌がらせが存在し、ドロドロした人間臭い思惑が潜んでいるのはどの世界も同じかもしれないと感じた。
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1977年発表の小説。「視聴率調査には実体があるのでしょうか?身近に調査員の経験者を聞いたことがありますか?」と、ある演出家の元に一通の投書が届く。その好奇心から視聴率の実態を調査することになるが、すすめるうちに、誘拐事件、失踪事件、さらには殺人事件まで絡んでくる。社会派ミステリー作家として名高い先生だが、この作品のように視聴率調査のカラクリを個人の情念が絡まり合う犯罪に利用するような作品もあるのだ。現代でもテレビの視聴率の数字をどう出してるのかよくわからないが、この時代も同じだったようだ。
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そりゃ毎朝2時に起きればなんでもできるかもしれないけど…、と複雑な思いを抱きながら読み始めた。読むと実は早起きのススメ本ではなく、フツーの主婦が独学で頑張って同時通訳者になるまでの様々な体験と、その体験から得た学習方法・生活法を紹介したサクセス本。もともと東京大学大学院卒という方なので、フツーの主婦という肩書に少々無理を感じるが。主婦モードになる前に、学生モードの貴重な時間を死守することに意味があり、自分をしっかりコントロールする生活を送ることが重要だということが言いたいのだろう。
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ウォッチメーカーが逮捕されるものの、ダンカンという名前はウソだとわかる。さらに実は一人も殺してはいないと釈放されていた男が実は生まれついての殺人者で、ウォッチメーカーの名に恥じず釈放後に次の犯罪を計画するという展開。息つく間もなく二転三転する内容に、読みながらずっとはらはらしっぱなしだった。さすが「どんでん返しの名手」「ノンストップ・ジェットコースター・サスペンス」と呼ばれるジェフリー・ディーヴァー。今回も複雑に入り組んだストーリーを読者に飽きさせることなく読ませる筆力は圧巻。
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ウォッチメイカーと名乗る犯人ダンカンが起こした2件の残虐な殺人。現場には同じ型のアンティーク時計が置かれ、この事件をリンカーン・ライムは追うが、アメリアは別の不審自殺の事件と並行し多忙を極めていた。ライムとは正反対のキネシクスの達人、キャサリン・ダンスが登場。最強のチームで犯人が時計を10個購入していることをつかむ。変質者ヴィンセントと主犯ダンカンは、次のターゲットへ近づいていく。犯人の動向を追い続け犯人の背中が見えているのにもかかわらず取り逃がしてしまう。果たしてウォッチメーカーの殺害動機は何なのか。
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初作家さん。1945年ドイツ・ベルリンで、アメリカ兵相手の食堂で働く17歳の少女アウグステ・ニッケル。戦時下で両親を亡くしたアウグストを匿ってくれたクリストフ夫妻のクリストフ小父が、青酸カリが仕込まれた歯磨き粉を口にして死亡。その事実を妻フレデリカの甥エーリヒに知らせるため彼を探す物語。アウグステの幼少時代、ナチの台頭によって街にファシズムの空気がじわじわと広まっていくところから、共産党員の迫害、ユダヤ人の強制収容といった事柄が、まるで当時のベルリンに自分が置かれたかのように感じられリアルだった。
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青痣与力シリーズ第61弾。剣一郎は剣術の師から近所に住む幸助に関する頼み事を受け調べ始めると、冤罪で江戸を追われた男・卯平に行き当たる。同時に15年前に盗賊半五郎一味に入られ千両を盗まれたうえに主人の嘉右衛門が殺された上総屋は、今、弟が主人嘉右衛門となり営んでいるが、嘉右衛門の息子・正太郎が20歳になったら店を返す約束となっている。しかし上総屋の乗っ取りを企てている弟は、正太郎に店を返したくない。正太郎を亡き者にするため二度仕掛けたが失敗。上総屋の番頭と共に襲ったところを青痣与力に捕まる。
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新塾花園裏交番シリーズ2弾。緊急事態宣言発令中、コロナ禍の真っ只中の新宿が舞台。人々が姿を消した街にカラスが大量発生。24時間保育園からカラスの苦情が入り、坂下と後輩の内藤が巣がありかを調べていると、白骨化した死体を発見してしまう。さらに隣の所轄署ではコロナのクラスターが発生し閉鎖、応援要請のため益々人手不足となり、坂下と内藤もてんやわんや。ビルの再開発に関わる組事務所の対立、宅配便泥棒のミニバン爆発騒動、中華料理店の店員の死亡事件が続き、一日でさまざまなことが起こることとなる。
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ガリレオシリーズ第10弾。テーマは血の繋がり。戦後の混乱期、秀美は娘を育てられず児童養護施設に置き去りする。時は令和に移り、銀座のクラブママになった秀美は、娘の行方を探し始める。娘は亡くなっていたが、孫娘と思われる園香を見つけ出す。園香と同棲していた上辻亮太が殺され、園香は行方不明に。園香は亮太からDVを受けていた。警察は彼女の行方を追い事件の捜査を始めるが、捜査線上に湯川の名前が浮上。入り組んだ人間関係と事件の真相が絡み合い、いつもの科学的な謎解きはないものの湯川の生い立ちの秘密が明らかになる。
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シリーズ第9弾。新興宗教による警察幹部へのテロ作戦を軸に、並行して近藤房子が自分が殺した看護師の娘・麻友を殺人鬼に育成。SROメンバー個人の事情も細かく描かれ、特に息子の審判を待つ尾形の妻が問題の宗教に入信し、公安から緒方本人も潜入捜査を依頼される。別行動でSRO事務職の木村沙織も潜入するが、まんまと取り込まれても交際相手の純一は報告せず。針谷の彼女・貴子の元夫・東郷が教団からの依頼で副総監を撃つが、弾がそれて結果的に阿部部長が亡くなる羽目に。最後は麻友が房子と純一を殺すという怒涛の展開。
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「エンドクリーナー」という特殊清掃の仕事をリアルに描いている作品。部屋に『みんな滅びろ』と呪詛するメッセージを残してゴミに埋もれて死んだ元OL。入浴時に殺され、浴槽で煮溶かされたベンチャー企業家。孤独死した才能溢れるバンドマン。3種類の遺書を残し亡くなった資産家。防護服をまとい、腐敗した死体の臭気が残る地獄のよう部屋の扉を開けて大量のハエやゴキブリ、蛆を片づけていく壮絶な描写が生々しい。さらに部屋に残るわずかな違和感から故人が伝えたかったことを紐解いていく3名の存在感がいい。
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枯滝の屋敷で女中が急死したことを受け、井上家の舷洲先生の口利きで下女としてほうがいくことになる。頑なに心を閉ざす加賀殿といつしか気持ちを通わせていき、阿呆の呆から方角の方に改名してもらい、手習い・算術の教えを受けるようになる。その水面下では、加賀殿を暗殺して丸海藩の新たな守り神に仕立てあげ、怨霊を怖がる江戸の将軍を安心させて丸海藩を無事に存続させる計画が粛々と進められていた。計画実行の大雷の日、すべて承知の加賀殿にほうは罷免される。最後に加賀殿から当てられたほうの漢字は「宝」だった。 →Amazom Books
遠く江戸から讃岐の金毘羅さまを拝むために旅をしてきた9歳の少女・ほう。連れの女中に置き去りにされたものの、縁あって丸海藩の藩医を務める井上家に引き取られ、そこで生活をしながら、一人娘の琴江や若先生の敬一郎に可愛がられるが、ある日琴江が何者かに毒殺される。奇しくも領内の枯滝の屋敷に、江戸で悪鬼の所業を行ったとされる幕府の流人、加賀殿を迎え、領内で起こる不審な事件はみな加賀殿の仕業なのではと噂が立っていた。井上家を出されたほうは、引手見習いの宇佐と姉妹のように暮らし始めるのだが…。 →Amazom Books
折りたたみライトは携帯用の4つ折りデザインで、ランプの先端が360度回転することができます。照明の照射角度を好みに応じて調整でき、また、吊るして使うこともできます。携帯電話のスタンドとしても使用可能です。コンパクトで、デスクに置いてもスペースを取らず、収納や携帯にも便利。折りたたんだ厚さはわずか1cmで、リュックサックやカバンにも入れることができ、もち運びにも便利です。3段階の明るさ調整が可能なため、使用場所や状況に合わせて自分好みの光を自由に制御でき、いろいろなシーンで使えます。
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わが国でも最大級の経営コンサルタント会社、株式会社船井総合研究所の創業者であり、船井総研グループ約30社の総帥。また、人生コンサルタントでもある。“経営指導の神様”といわれる船井幸雄氏の著書。「ピンチはチャンス」「波動の法則」「百匹目の猿現象」など、成功や幸運を手に入れ、上手に生きるための船井理論を、若い人や女性も気軽に楽しめるようにマンガでやさしく紹介している。自分はツイている!と思い続けることが大切。 愚痴、悪態は自分に返ってくるから口にせず、良い言葉を言うように心がけること。
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自分は磁石である。「引き寄せの法則」とは、自分が感じていることと同じものが次々に引き寄せられてくるのだと考えるとわかりやすい。孤独を感じているならば、ますます孤独を引き寄せるし、貧困を感じているならば、ますます貧困を引き寄せる。病気だと感じているならば、ますます病気を引き寄せる。反対に、自分は健康で活力があり生き生きと繁栄していると感じるならば、ますますそのとおりになっていく具合に。今、自分は幸せになっている途上、お金持ちになりつつある途上ととらえて、上を見すぎず、お気楽に行こう。
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恩田ワールド炸裂の一冊。読みながらどうやってこの話をまとめるんだろうと頭の隅で考えてしまった。小説ではあるが、戯曲のようでもあり、読み手も一出演者のような気分に巻き込まれてしまう。独特の世界観があって、いつも(良い意味で)裏切られる。恩田沼に踏み入れた読者にとっては非常に楽しめる作品であり、混乱させられる快感に酔いしれることができるだろう。多くの恩田作品に言えることだが、とても美しい情景が浮かぶ。私的にはツボったと言えるほどに恩田さんの力量が見事に出ていると思う一気に読みきるのがおすすめ。
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ビジネスで成功したいの、それとも人生で成功したいの。この問いに、あなたはどう答えるか? ビジネスとはお金を稼ぐためのものなのか、それとも幸せな人生を送るためのものなのか。その捉え方が、ビジネスで成功できるかどうかにかかっているらしい。ビジネスでお金を稼ぐことは、目的ではなく手段であり、ビジネスの成功は人生の成功の中のひとつにすぎない。マザー・テレサの「思考は言葉になり、言葉は行動になり、行動は習慣になる」の通り、私も目先にとらわれることなく、長期目線での思考や習慣を持ちたい。
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原題「Into the Deep」。イルカの高度な知性と太古の昔から存在する知識の共有体とが、イメージを交信する手段として独自の文化が形成されている設定。苦悩に苛まれる人間界のジメついた話とイルカたちの前向きな姿勢の対比が、リプレイとはまた趣の違った作品になっている。傷付いた人達が織りなす人間の再生を描いているところは、作者グリムウッドの中にある一貫したテーマ性であるのかもしれない。中盤以降、特に物語が佳境に入ってからは引き付けられるように一気読み。著者のイルカ保護活動の姿勢も感じられた。
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この本の主人公のように、18歳~43歳を繰り返し生きることが現実となったら、それはもう苦痛の限りだと思う。主人公も人間なら大抵のヒトが思いつき、やってしまうであろう2度目のリプレイの時にはとにかくお金儲けの限りをつくす。既に未来を知っている人間がまず考えるのはやはりお金を得ることなのか、と。結果がわかっているのだからどんな賭けにも勝てるのは当たり前。しかし3回4回とリプレイするうちに、結局お金なんてほどほどあればもうどうでもよくなってくるというのがのが面白い。なってみたいものだが。
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「仕事ができる人」になるために身に着けるべきコツを、見やすいイラスト、実例を交えて非常にわかりやすく説明されている。 個人的にやってみようと思ったのは、メモを取る習慣をつけること。 メモを取ることで要約力がつき、自分の言葉に置き換えることができる。それによりコミュニケーション力がつくというもの。 また、3色ボールペンで色分けすることによって、段取り・優先順位を把握できるようになるのはその通りだと思った。「イラスト」と「セリフ」がセットになっているので読みやすいしわかりやすい。
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ボタンをタッチすることで、色と明るさの調節が可能なクリップライトです。明るく目に優しいLEDライトで文字がくっきり綺麗に見え、読書灯として最適。電球色から昼白色と幅広く調整出来ます。リチウムイオン電池を内蔵し、最大約60時間使用可能。スマホアダプター、パソコンなどのUSBポートで簡単に充電できます。クリップライトの大口クリップで、書籍・パソコン・机など、様々な場所に固定可能。滑り止め付きで、挟まれたものを傷つけず、しっかりグリップします。クリップライトのアームを丸めて、コンパクトに収納。小型で超軽量でどこへでも持ち運べ、様々なシーンでお使いいただけます。
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中島要『誰に似たのか』、坂井希久子『小夜の月』、志川節子『逃げ水』、田牧大和『須磨屋の白樫』、藤原緋沙子『雪よふれ』、和田はつ子『春北風』の6人の女性作家による時代小説アンソロジー。「家族」という単位から、様々なあり方を表現していて読み応えあり。家族だからこそのすれ違い、悲しみ、怒り、喜びといった感情が物語にちりばめられている。家族の数だけ物語は存在する。その一部を切り取ってストーリーを紡いでくれている作家さんに感謝。志川節子氏、藤原緋沙子氏は初読み。別作品もぜひ読んでみたい。
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ラノベ作家・杉浦李奈は、1週間後に発売される、とある幼女の失踪事件の当事者しか知り得ないはずの経緯を克明に記した単行本の作者が行方不明になっていることを知る。手掛かりは、その単行本の内容に手がかりがあると見た李奈は、ノンフィクション本を書く事を通じて事件の真実に迫る。李奈の奮闘がもたらした真相とは…。このところの非常に厳しい出版業界の裏事情があちこちにぶっちゃけられているのが、知らない世界をのぞき見しているわくわく感があって、ある意味ストーリーよりもそっちの興味が強いかも。
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このミス大賞をとったブレイクスルートライアルの続編。攫われて監禁された丹羽の愛娘とその友人を取り返すために、門脇&丹羽が三か所の指定場所に潜入し、3つのケースをダミーとすり替えて盗み出してしてくるミッションを要求される。3か所も移動して盗まないといけないわりには、ひとつ一つがやけに簡単に成功するので、読んでいてハラハラ感があまりない。監禁された二人の娘の脱出作戦と最後の地上30階の建設中ビルから門脇が二人を助け出すくだりの方が本筋とはあまり関係がないのに読んでいてドキドキした。
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カーソン・ライダーシリーズ。ルーマニアのチャウシェスク政権時代に壮絶な幼少時代を過ごした孤児が起こす連続殺人事件にカーソンが立ち向かう。自分を辱めた本人を直接殺すのではなく、それが何より愛する者を対象にして死の制裁を加え、生きた屍人になるほどのダメージを憎き者に与える。殺害された人達には共通点がないため、無差別殺人をランダムに繰り返しているように見え、なかなか犯人に結び付かない。犯人に振り回されるカーソンが頼ったのは、いつものようにジェレミーお兄ちゃん。今回はあまり出番がなくて残念。
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初作家さん。百合江の一生を軸に時代に翻弄された3世代の女性たちの人生を描いた作品。物語の後ろに借金、DV、アル中など、昭和のドロドロな人間臭さが漂う。百合江は北海道での極貧生活から奉公に出されたが、旅芸人の公演を見てその場で入団を志願し各地を転々と渡り歩く。どんな苦難に遭おうとも運命を受け入れその時の幸せを感じて生きようとするのに対し、美容師となった妹の里実は、お金のある堅実な生活こそが幸せだと自負する。人生の価値とは何か、幸せとは何かを決めるのは自分。他者がとやかく言うものではないのだ。
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ゴールデン街や区役所通りが近い花園裏交番は、場所柄酒がらみのトラブル、ストーカー被害など欲望にまみれたトラブルが多く「裏ジャンボ交番」の別称を持つ。新米巡査坂下浩介は、信頼するベテラン重森所長や先輩巡査達、新宿署捜査一課の鬼警部補、通称「ビッグママ」こと深町しのぶらに翻弄されつつ市民のために日々職務を全うしている。ある日坂下は、高校時代の野球部監督、西沖達哉を見かけ係わりを持つが、ヤクザに転落した西沖に「俺に構うな、もし新宿のどこかで俺を見かけても声をかけるな」と言われ戸惑う。
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高山俊二郎は、同僚の水沢と牧が不正を行なおうとしていることを上役の勘定組頭・波多野善行に訴えるが、ふたりが逆に高山が不正を行なおうとしていると波多野に注進。高山は波多野によって役職を外され浪人となり、波多野が水沢、牧と共に不正を行なおうとしていたと理解する。十年後、裏長屋で貧しい生活をしていた高山が、波多野が勘定奉行になるという噂を耳にしたころ、水沢と牧が殺され、犯人が高山との噂が立ち青痣与力が調べ始める。山茶花の花のごとく自分を律する姿勢を貫く高山の頑なさを青痣与力がほぐしてゆく。
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資産家の老婦人が自分の葬儀を申し込んだその日に何者かに絞殺されてしまう。作家のホロヴィッツは、ドラマの脚本執筆で知り合った元刑事ホーソーンに、自分がこの事件を捜査をする過程を小説にしないかと誘われる。ホロヴィッツが語るホーソーンが超嫌な奴で、かつ、超変人。事件は、被害者が過去に起こしたひき逃げ事故、アメリカ在住の人気俳優の息子、投資していた演劇など様々な関係先にホーソーン&ホロヴィッツの捜査の手が伸びる。老婦人を絞殺するに至った犯人の真の動機が最後の最後に怒涛の如く解明される。
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目に優しい 無段階調光 色温度変更 2000mAh USB出力 タッチセンサー 360°回転可能 スポットライト ウォールランプ ベッドサイドライト 読書に、勉強に、仕事に。アームを曲げられるので、灯りの方向が自由に調整でき、周りの人を気にせずに集中したい場所に指向性の柔らかい光を投影します。なお、1時間のタイマー機能とメモリー機能も搭載しています。タッチで色温度や4段階調光が選べます。ブラケットは接着剤またはネジで簡単に取り付けられます。内蔵電池は最も明るいモードで少なくとも5時間使用可能。ライトが電源接続されていれば追加のUSBポートはデバイスを充電することができます。
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下巻は、作中小説から作中現実に話が替わり、スーザン目線で物語がすすんでいく。作中小説の『カササギ殺人事件』は、名探偵ピュントが犯人を名指しする最終章が紛失し、スーザンが探しまわる。そして『カササギ殺人事件』の作者であるアラン・コンウェイが家の塔から落ちて亡くなり、警察は自殺と断定するが、この自殺に懐疑心を抱いたスーザンは、関係者の一人ひとりと丁寧にヒアリングを重ね、真相に近づいていく。『カササギ殺人事件』の犯人と現実での犯人というダブルのフーダニットが読み手をわくわくさせる。
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初のホロヴィッツ作品。上巻を読み終わったところ、一冊まるっとアラン・コンウェイ作の名探偵アティカス・ピュントシリーズの『カササギ殺人事件』という小説を女性編集者スーザンが読み進める内容。作中小説そのものを上巻まるまる一冊充てるとは驚いた。イギリス郊外の小さな町で起こった邸宅の家政婦の死、そして続いておきた邸宅主人の殺人。これらの事件の謎を名探偵ピュントが解明していく物語。これが面白い。しかしながら真犯人は明かされないまま下巻へと続く。今まで読んだことのないミステリー小説の予感。
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元副総理の孫が誘拐された。犯人の要求は、身代金として日本の財政赤字と同じ1085兆円を支払うか、払えなければ巨額の財政赤字の責任を公式に謝罪し、具体的な財政再建案を表明するかの二択。現実の日本の借金も、今のところ国民一人あたま一千万で、毎年過去最大金額を更新し続けているという状況だから、肌感覚として感情移入しやすかった。思いがけず副総理の孫・雄真と知り合った若者達が国を相手に一芝居打った形なのだが、小学生の雄真君のまっすぐな訴えは、小説を通して現実の政治に一石を投じたのかなぁ…。
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殺した相手の脳を盗む連続殺人事件が巷を賑していたある日、殺人に全く罪の意識を感じない、サイコパスを自認する弁護士・二宮が、怪物のマスクをした男にに襲われ頭部を負傷する。入院した二宮は、自分の頭に脳チップが埋め込まれていることを知るが、身に覚えがない。実は二宮は子どもの脳にチップを埋め込み人造的にサイコパスに仕立て、成長したときにどうなるかの実験を行っていた26年前の〝東間翠幼児誘拐殺害事件〟の被害者だったのだ。脳チップが壊れ、今まで感じた事の無い人の心の温かさを知り揺れる二宮。
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やはり青柳剣一郎は人として真だ。自分の立場が危うくなるのも顧みず、浪人連続惨殺事件に絡む将軍家の八男・家正の悪行を南町奉行に直談判する。結果的に家正を水沼家の世継にしようとする老中飯岡飛騨守の予定調和の結末をひっくり返してしまった。さらに水沼家の世継として国元にあった清太郎は、実は藩主の子ではなく、筆頭家老八重垣頼茂の隠し子であった。それを察した清太郎は水沼家を去り、町人として江戸に戻る。小間物屋の行商から始め、一年後、小間物屋「香木堂」の娘・お絹との約束を守り、迎えに行く。
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青痣与力シリーズ第58弾。浪人連続惨殺事件を追う剣一郎だが、計らずも陸奥国白根藩のお世継ぎ騒動に巻き込まれていく。白根藩の世継ぎである嫡男高時が食中毒で落命し、三月後には現藩主の高政が病に倒れ意識不明となる。江戸家老の市原郡太夫が評判の悪い将軍家八男家正を養子に迎えようと画策するのに対抗し、国元筆頭家老八重垣頼茂は、藩主が部屋住み時代に料理屋の女中に産ませた男子を世継ぎとして迎える決意をする。その男子、小間物屋の手代・清太郎は、夫婦約束した店主の娘・お絹と別れ、国元へ赴く…下巻へ。
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倍率:主レンズ8倍、第2レンズ12倍、20倍率拡大倍率の組み合わせ;3種類の超クリアのアクリルレンズを作られた手持ちルーペ;ガラスレンズより軽く、長時間で使用しても腕が疲れにくい、不注意に落としても壊れなにくい。6倍の大鏡は新聞、雑誌、譜面、地図、観察など比較的大きなものを長時間見る時に
おすすめ;12倍の小鏡は宝石鑑定、骨董品の鑑定や1mm以下の物を見る時におすすめます。20Xレンズは、微細化や専門的な検査に最適です。大鏡にLEDライト6灯あり、3つの照明モードを切り替えて、暗い場所でも読書が可能です。
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ミステリー大賞受賞作品。セキュリティ会社主催の競技イベント、最先端セキュリティを備えたビルに忍び込み、ミッションをクリアすれば一億円が手に入るという「ブレイクスルー・トライアル」に挑戦した人たちのお話。半ばまでは結構引き込まれて読んだが、後半実際にブレイクスルートライアルに赴いてからがあまり盛り上がらない。この手のストーリーに必要なワクワク感が読み進むごとにしぼんでいった。3チームそれぞれの侵入方法や管理人とのドンパチもあり、飛び道具まで出ている割には最後まで没入できなかった。
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おちかから聞き役が移り、富次郎もだいぶこなれてきた感。『賽子と虻』『土鍋女房』『よって件のごとし』三作ともテーマは自己犠牲か。『賽子と虻』虻の呪いから姉を救うため神様が賭け事を遊ぶ世界に紛れ込んだ餅太郎の奮闘、『土鍋女房』どんな悪天候で船を出しても兄サが命をとられないのは水神様に魅入られていたから、しかしどうして土鍋だったのか、『よって件のごとし』命からがらいわゆるゾンビである“ひとでなし”たちから逃れてきた池の向こう側にある羽入田村の人々のために戦う中ノ村の人々の勇気がすごい。 →Amazom Books
警察小説だけれど、妖の要素がある作品で、今まで読んだ今野作品とはちょっと毛色が違う。しかも鬼龍光一メインのこのシリーズ、脈動ですでに第六弾だった。第六弾がシリーズ初読みとは、今野ファンとしてなんてこと。警視庁生安部少年事件課・冨野輝彦は、自覚はないがトミ氏と言う位の高い陰陽師の宗家の末裔と言う縁もあり、元妙道の術者にして女子高生の池垣亜紀、お祓い師・鬼道衆末裔の鬼龍光一と奥州勢の後継・安倍孝景に連続非違行為が続く警視庁本部の調査を依頼する。やっぱシリーズ初めから読みなおそう。
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シリーズ第2弾。前作は、地獄の日々を乗り越え川崎に帰ってきた有坂紗奈こと江崎瑛里華が復讐を果たすまで。今作は、投稿用K-POPダンスの撮影中に川崎の暴力団、衡田組のチンピラと出くわし鉄拳制裁を加え絶息させる。残されたバッグの中から犯罪計画のメモを見つけた瑛里華は、記された日時に渋谷109を目指す。それは、2組の暴力団間における薬物の不正取引きだった。警察の安易な職務質問から4名の警官が殺害され、立てこもり事件へと発展、閉じ込められた瑛里華は、暴力団壊滅に向け凄惨壮絶な復讐劇がはじまる。
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本が重くて、寝転んで読んでいたら指が何度もつった。それでもやめられないのが薬丸氏の筆力。通っていたホストクラブのホストと駅前で偶然に会い一緒にマンションに行くが、そこで襲われ抵抗した警察官垂水涼香は彼を死なせてしまう。この事件の弁護に父親を殺された女性弁護士持月凛子と、元警察官の弁護士西大輔があたる。真面目な女性警察官の涼香がなぜホストクラブに通っていたのか、二転三転する涼香の証言には真実と嘘が見え隠れする。彼女は一体何を考え、どうしたいのか。持月と西は真実にたどり着くことができるのか。
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笹清政市は、社会から辛酸を舐めさせられてきたロスジェネ世代。これまでの鬱憤をはらすため、岸和田駅前で車を暴走、3人を轢き殺し、車を降りてサバイバルナイフで女性と小学生を襲い計7人もの命を奪った。この無差別殺人犯笹清の担当となったのが、感情を顔に出さない「能面検事」不破と事務官の惣領。しかしロスト・ルサンチマンなる人物が爆弾テロ事件を立て続けにおこし、笹清の釈放を要求する。2度目の爆弾テロでは不破検事が重傷を負ういまさに死闘。事務官の惣領はひとりでロスト・ルサンチマンに立ち向かえるのか。
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宝石商の壬生真理子が夫と共謀し、偽造ダイヤを売りつけたフェルナンド・フランコを殺そうと、完璧なアリバイ工作をして実行途中であったにもかかわらず、真理子は家で賊に襲われて殺害され、別荘にいた夫も同じ賊に襲われ逆に夫に殺されてしまう。夫が正当防衛を主張した賊こそフェルナンド・フランコで、実は真理子の愛人でもあった。初動捜査にあたった刑事達はみな夫に同情するが、些細な違和感を見逃さない花房京子が捜査に加わったことで、犯人が計画した犯罪に、真犯人が乗っかった事件の構造に気づき始める。
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沢渡家具社長の沢渡留理は、父親から受け継いだ会社を守るため、専務で異母兄の沢渡要次と秘書で要次の愛人、福田麻衣子を殺害する。アリバイは完璧なはずが、翌日、事件は留理の想像とは違う様相を呈していた。警視庁の刑事である花房京子が担当となるが、この刑事、観察眼がハンパなく現場で感じた小さな違和感をそのままにしておけない。一つひとつ払拭し、犯人を追い詰めていく。読み始めから犯人や犯行動機などが明かされる倒叙ミステリーで、犯人にとって完璧なはずのアリバイを崩し、真実を明らかにしていく過程が面白い。
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『砧最初の事件』『死の黙劇』『銀知恵の輪』『金知恵の輪』『見えない時間』『ふしぎな死体』『ロッカーの中の美人』『密室の夜』『京都発”あさしお七号”』の全9編を収録。大阪市役所勤務を続けながら生涯を市井の推理小説家として過ごし、緻密極まりない作品を執筆した作家、山沢晴雄の作風を一望できる一冊。作品の特徴としては、そのパズル性とアリバイ崩し。俗受け狙いの外連味などなく、いわゆる本格推理の作家のため、マニア以外はとっつきにくいかもしれないが、ミステリが好きという御仁には、オススメ。
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本を読む時に目が滑ってしまい集中できない方は、このリーディングルーラーをあてると一文一文に集中して読むことができます。サイズは19*7cmが8色、19*3.2cmが8色の全16色。読書補助だけでなく、学生のテスト対策、ディスレクシアや読書障害者、疲れ目対策や読み込みの集中力アップのグッズとしてもお勧め。材質:ポリ塩化ビニール (PVC)。重量:55グラム。
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現実の「やまゆり園」事件を彷彿とさせる描写が生々しい。物語の中では高級老人施設で、介護士忍野忠泰の殺戮のターゲットが上級国民(と本人は思い込んでいる)を対象にしているところが、タイムリー。結果、9人を刺殺する凄惨な事件を起こし「生産性のない裕福な老人を殺すことは天誅だ」と確信を持って主張。国選弁護人を引き受けた御子柴礼司は、忍野がなぜそんな思想をもつようになったのかを追う。被告人の死刑回避の利益が避けられなくても、化け物でなく人として本来の姿に戻すために御子柴は法廷で戦う。
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双子の智沙子、次男の篤士、四女の凛香と共に長男の架祷斗と闘う結衣。架祷斗が牛耳るテロ軍団に日本が乗っ取られ、政府をはじめ国全体が大混乱に陥る中、過去に関わり結衣に信頼を置く者たちが「同窓会」と称して森本学園に集まる。事前に察知した架祷斗は、結衣を殺すために森本学園にテロ軍団を送り込む。優莉家の兄妹や懐かしい登場人物とともに戦闘も過去最高にどぎつい。松岡さん別シリーズの登場人物の助けを借りて、結衣がスマホひとつで戦艦を沈めるシーンは圧巻。結衣の高校事変は卒業を持って今巻で終了か。
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凛香は母の市村凛を刺した相手の潜伏先を掴み復讐のため待ち伏せるが、そこにさらに一段階スケールアップしてホンジュラスから北朝鮮を経由して帰国した結衣が立ちはだかる。長男架祷斗が父の計画に沿って緊急事態庁発足し、油田発掘、原子爆弾作成と、いよいよ国を牛耳り始める中で、現実離れしたあり得ない語をぶっこんできた。それでもグイグイ面白く読ませる筆力はさすが。今回はどう頑張ってもそ絶体絶命の結衣だが、千里眼、探偵の探偵といった松岡さん別シリーズの登場人物の助けを借りちゃうところも見もの。
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シリーズ2冊目。どの戦争でも男たちが次々に戦地に動員され、取り残された女と子どもと年寄りが銃後を支える。しかし第2次世界大戦の独ソ戦においては、女たちは狙撃兵として衛生兵として最前線に立ったのだ。手脚を失い、全身が焼け焦げてミイラのように包帯に包まれ、両眼を失なおうとも生きながらえた彼女たちがいる。これが現実だったとなかなか受け入れられないが、当時の少女たちの国のために戦うという絶対的に一途な思いがひしひしと伝わる。
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暗号や謎解きよりも、「へぇ、そういう見方があるんだ」と、筆者の自説に新鮮な驚きを持った。神話や神社についての知識に疎く、日本人の祖先が2700年前にアッシリア人に追放されたイスラエルの失われた十支族の一つだとする「日ユ同祖論」も知らなかったが、内容は非常に興味深く、様々な資料や書物も添付され、ユダヤと日本の共通点、アマテラスからはじまる神々の歴史とユダヤ教・キリスト教との共通点が多様な視点で吟味されている。
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加賀恭一郎シリーズだが、主人公は加賀のいとこ松宮のスピンオフ。上司として加賀も登場する。人口受精卵を他人のものと取り違えるなど、不妊治療に関わる方なら驚愕の医療ミスが事件の発端。恐らく現実としてはあり得ないのではないか?なのだが、ここからさらに驚く物語を紡ぎだすのが東野圭吾。親子とは何か、夫婦とは何かを考えさせられた。辛い人生をおくってきた多由子がラストについた嘘とそれに答える哲彦のやり取りが切ない。
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隠蔽捜査シリーズのスピンオフ第三弾。竜崎と、その周辺で巻き起こる短編9編。竜崎が大森署を異動した後、赴任した美貌の藍本署長の様子や神奈川県警刑事部長となった竜崎、野間崎管理官、戸高、竜崎の家族などがそれぞれの話で活躍。原理原則主義の竜崎が、意外に審議官の「ご機嫌」をとるあたりは、世渡り上手になったと。「協調性はあるつもり」という竜崎に「協調性の意味をちゃんと調べたほうがいいわよ」とモノ申す妻・冴子に破顔。
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人身事故ではないものの、過去1年間で電車の非常停止が6件も発生している下北沢3号踏切。契約記者の松田はカメラマンの吉村と共に、出版社に送られてきた長い髪の女性の上半身だけが写る怪奇写真を調べ始める。すると1年前に踏切近くで身元不明の女性の殺害事件があったことが判明。女性の身元を探っていくと事件の黒幕にヤクザや政治家の不正献金が浮かび上がってくる。タイトル的にはホラー小説だが、ホラー要素はあまり感じなかった。
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「日本のように戦争時は「女子どもは銃後を守る」のではなく、実際に戦場で兵士として戦っていたお話。志高く自ら志願して戦火の中に飛び込んだソ連の若き女性たち。同胞のソ連兵からもドイツ兵からも、女が戦場にいることを揶揄され蔑まれ、女性特有の生理の苦痛も理解してもらえず、手当のすべもなく血濡れのズボンでの行軍を余儀なくされる。どこにいようとも認めざるを得ない現象は、女は女であることを最も象徴的に表していて辛く悲しい。
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「軌道春秋」シリーズ第二弾。妻の介護に疲れ自らとともに命を絶とうと降り立った駅名は「夜明」。娘を亡くし旅したウィーンで母が見たものは、トラムに乗って手を振る娘の姿。その他、鉄道を舞台にした心温まる短編の数々にジーンとさせられる。人生のどこにあっても、突然の不幸や災難はいつ降りかかってくるかわからない。だからこそあとがきにある「なにもしない、でも、傍にいる」バイザインが心を救ってくれることもあるのだ。
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3部作完結編。シリーズを通して不思議で疑問に思っていた敬次郎の呪いと罠や、しつこく絡んでくる謎に包まれた石丸さんの存在理由が、この巻ですべて解決。早瀬の因習にまつわる人間の欲深さ、弱さ、傲慢さ、陰湿さを見せつけられ「人間ってホントイヤな生き物だな」と。それに対する敬次郎と石丸の復讐の執念も凄まじい。呪われた家屋と、古い因習に囚われた早瀬の村を舞台に展開したことで、陰鬱だが現代社会の問題提起を感じ取れた。
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新聞のような小さな文字を読む時に、文字がぼやける、などでお困りの際にお役に立ちます! しおりタイプの拡大鏡ルーペです。しおりタイプのルーペなので、いつも読んでいる本に、しおりとして挟んでおくことができます。薄くて持ち運びにも大変便利です。グリーンとブルーの2個セット。3倍拡大。目盛り入りなので、ものさしとしてもお使いいただけます。約190mm × 約70mm。
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命を奪った奴が生き続けるのは許せないが、死刑となっても被害者遺族が救われるわけではない。中原は娘を殺され妻とはその事件が原因で離婚する。5年後、別れた妻が殺されたと聞いた中原は、元妻の手記から罪と償いに対しての考え方、生き方の変化に触れ、手記を出版しようと動き出す。重いテーマを真正面から提示してくる。加害者の犯した罪への向き合い方、償い方。被害者遺族の葛藤。正解のない問いを避けずに考える続ける大切さ。
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シリーズ10弾になり、元黒ひょっとの拾楽も、絵師として長屋の人たちとの関係を深めるにつれて、情に厚く周りの気持ちを忖度するようになった。今までの拾楽なら表面上は合わせても本音はクールだったのに。おはまちゃんとの仲もどうなるか期待大。今回はさくらがただのお転婆娘猫ではなくなり、大将の右腕としていい成長ぶり。油断ならない鯰永徳と、元拝み屋で札書きの佑斎、飼い犬の天がこの先どう絡んでくるかが楽しみでならない。
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捜査一課宍戸班・春原瑠衣の父親が務めるヤマジ建設で三人の連続不審死が続く。その三人目が瑠衣の父だった。明らかに事件性が疑われるものの、警察の捜査では犯罪として証明できない。憎悪を滾らせる瑠衣の前に現れた元刑事の探偵、鳥海。違法捜査で正式な証拠にはならないが、真犯人を社長とその秘書と確信した瑠衣は、「法律がヤツらを裁けないのなら、他の何者かが裁かなきゃならん」という鳥海の言葉に乗り私刑執行人となる。
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渋谷のスクランブル交差点で起きた無差別通り魔殺人の犯人、小野寺圭一。母親に虐待され、学校にも通わせて貰えなかった彼と母を殺した自分の境遇を重ねるライターの溝口省吾は、小野寺に興味をもち彼の人生を本にして出版しようとする。一方、事件に巻き込まれ一命をとりとめた明香里は、自分を庇って亡くなった男性の「約束は守った…伝えて欲しい」という最期の言葉を誰に向けて伝えるべきなのかを探しつつ、彼の人生を辿っていく。
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今回は、現代まで続く敬二郎の呪いが「かごめ唄」に乗せて、江戸末期の勝海舟の周囲と現代の早瀬亀釣山を舞台に交互に描かれる。汐路の元上司の石丸が地下鉄事故に巻き込まれ、身を盾にしてかばった母子は、早瀬の上古倉屋敷の娘礼子だった。礼子が持っていた金属盤はどうやら敬次郎が作成した物らしく、徳川埋蔵金との関連がありそうなのだが…。フリーのゲームグラフィックデザイナーになった島汐路が、故郷の早瀬で謎を追う。
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横溝正史ミステリ大賞受賞作。横溝正史が描いた歪んだ人間関係を、犬神家のような一つの家ではなく早瀬という地域にまで広げたホラーミステリー。埼玉にあるゲーム制作会社で働く島汐路は、二人の同僚がビルの屋上から転落死するのを目撃し衝撃を受けるが、そこに故郷で中学生の同級生射殺事件が起きたと姉から電話が入る。汐路は死んだ同僚と女生徒が同じアニメキャラクターグッズを持っていたことに気づき帰郷して事件を調べ始める。
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タイトルでは、大友家の政変がテーマのように受け取れそうだが、読むと大友家の忠臣一家の兄弟、吉弘左近鑑理と鑑広が主役で、主君への「義」に生きた鑑理と妻への「愛」に生きた鑑広の物語。忠義を尽くす心根は認めるが、「義」を大義名分に掲げても実行力はなく、責任を放棄しているかのような言動に違和感も少し覚える。周囲の厚意を一切無駄にし、愚策を執り続けたために弟鑑広は愛妻の元に戻れず、後を追うように死んだ楓が哀れ。
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ヤクザと繋がる川崎の不良に毅然とした態度を取ったため、家族と共に逗子で惨殺された女子高生有坂紗奈。不良グループは証拠不十分で野放しとなり悪行は止まらないかと思われたが、江崎瑛里華と名乗る謎の美少女が現れ、鉄槌を下していく。タイトルのJKは女子高生かと思いきや、JK=ジョアキム・カランブーとのダブルミーニング。「追い込まれれば独学で成長できる。窮鼠は学ぶ逆境が師となる。」この言葉が作品のベースとなっている。
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飲料会社宣伝部課長の藤原が会長の石崎から呼び出され、石崎が偶然撮った人命救助のビデオを会社のCM素材として作成するよう命じられる。しかし映像に違和感を感じ、調べるとCG合成であることが判明。会長に指摘した翌日、石崎は自殺。その謎と動機を探っていくうちにただの中年サラリーマン藤原の印象が激変していく。やくざから脅されても全く動じないのは異様に映るが「若」という坂崎の言葉に、あぁそういうこと、と納得。
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新人ラノベ作家の杉浦李奈が、処女作の小説が話題となって一躍時の人となった日本文学研究の第一人者兼作家の岩崎と対談し、その後彼の2作目の盗作騒動に巻き込まれていくお話。私が太宰や芥川をあまり読んでいないので、文学の考察の部分はわからないところもあったが、ストーリー展開として、盗作をめぐる事件は終わりまでとても引き込まれた。この一件での李奈の人間的成長が著しい。シリーズの第二弾を読む期待感が増し増し。
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小学生ながら本物のサイコパスな達也とその母道子に係わったがために、不幸に巻き込まれてしまう圭輔。やっとそのしがらみから逃れ、成長して弁護士となったのに、再び達也から強盗障害致死の弁護人の依頼を引き受けることになってしまう。幼少時のトラウマは、やはり脱却しきれるものでなく、弁護士の圭輔の行動は、もやもや、苛々させられた。理由もなく楽しんで他人を崩壊させる本性を持つ人たちを一生理解できることはないだろう。
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30年前、未来ある若者の罪を見逃したがために、別の人物がその罪をかぶることになり、獄中で自死する。加害者ではないのに後ろ指を指され、苦悩の人生を送ることになってしまう加害者家族。そして罪の連鎖はずっと続いていた。車中で弁護士の遺体が発見される事件が発生。加害者の息子と被害者の娘が、お互いの父の言動とは思えない疑問を究明しようと熱意を込めて動く。その意気込みが警察を動かし、まさかの真犯人にたどり着く。
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タイトルの「探花」とは、古代中国の高級官僚登用最終試験の第三位合格者の事。国家公務員試験になぞらえて竜崎は探花、トップの状元が福岡県警から移動していた八島、二位の榜眼が腐れ縁の伊丹。キャリアのプライドのこだわりにあきれてしまった。横須賀基地近くで殺人事件が起こり、横須賀のやり方で事件に当たろうとする神奈川県警の面々だが、やはり竜崎はいつも通り、原理原則の合理主義を貫き、事件解決に結びつけていく。
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青痣与力シリーズ第57弾。剣一郎は勘定奉行の藤森出羽守兼安から、10年前に部下の与力塩屋五兵衛と密偵の伊勢蔵が殺され、材木商の飛騨屋からの贈賄、菓子入れ箱に入った三百両を返すために置いておいた蔵から盗まれたことを聞く。犯人の卯助と亀二兄弟のうち、弟の亀二が藤森屋敷で盗み見た藤森の愛妾百合の方が忘れられず、奉公にあがり百合の方の命を三度も救う。その縁で最後は百合の方と一緒になるというハッピーエンドの巻。
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両手を使わずにベッドに入りながら本が読めます。ベッドのヘッドボードにブックアームスタンドを固定してご使用ください。販売者も実証済みですが読書がとても快適になります。介護や入院中のベッドの中での読書にも役立ちます。ブックスタンドのクリップを調整してご使用ください。小説から大判雑誌、スマホ・タブレットまでさまざまなサイズに対応。
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青痣与力シリーズ第56弾。奉行の内与力・長谷川四郎兵衛から青柳剣一郎に、旗本屋敷の土蔵から消えた天目茶碗「芝夢」を次回の茶会までに見つけ出してほしいとの命が下る。同時に剣一郎の屋敷に畳職人の丑松らしき人物が十二支を擬人化した謎の錦絵が届けられる。調べるうちにこのふたつに係わりがあることがわかってくるが…。今回も無事に解決に導き、最後に剣之助・志乃、太助と一緒に羊羹をいただく青痣与力の姿が微笑ましい。
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アイヌの人々の生活や言葉、楽器と音楽、そして根源的なアイデンティティの在り様が、雄大に流れる時間感覚や空気感とともに壮大なスケールで描かれている。主人公といえるポーランド人流刑者ピウスツキとアイヌ人ヤヨマネクフの態度や行動を通して、国や民族は違えども、ともに誇りを持って自らの生きざまを貫こうとする熱量が伝わってくる。史実に基づいている小説だけに、かなり重厚感のある読み物であることは間違いない。
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本編の重要サブキャラ、転、弾馬、銀治達の短編集。八丈島に送られた転のその後と、罪を償った後に望んでいる願いが嬉しい。弾馬は紗代を思えばこそ、火消しの女房にはさせられないと身を引こうとするが、紗代の覚悟を見て、決断を翻す。黄金世代より地味で華が無いと言われても、銀治達にも火消しとしての力量と矜持がある。空き家の火事現場で見つかった五人の死体の謎解きは、瓦版も「まさしく銀波の世代といえり」と絶賛。
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高校事変のスピンオフで優莉結衣の腹違いの妹である凛香が主役。ふたりの性格の違いのが面白い。本編での時系列的には、6巻の沖縄戦後と7巻の甲子園戦の間あたり。春休みの間、凜香は千葉の施設から北海道帯広の矯正施設「帯広錬成校」に行くことになったが、そこには、祖父、両親、親族をすべて失い巨額の資産を継承することになった幼い留学生、キム・ハヌルが資産を狙う北海道の武装勢力ヤズリによって施設内に軟禁されていた。
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大学の全共闘運動についての知識がないとわかりにくいかもしれない。登場人物のキャラクターが魅力的に描かれている。22年前、知らずに積んでいた爆弾が爆発して死傷者を出し指名手配されて以来、菊池から島村に名を変え潜伏生活を送っているアル中の中年バーテンダーが、新宿中央公園で起きた爆破事件に偶然居合わせ現場から逃走する。犠牲者のなかにかつての全共闘仲間の名前があることを知り、一人で事件の真相を追い始める。
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私は元恋人の沙也加が失った幼い頃の記憶を取り戻すため、沙也加の亡くなった父が残した家の鍵と地図を手がかりに、ふたりで父親の秘密を探るべく地図の場所を訪れる。家の中には、ある少年の日記をはじめ、置き去りにされたさまざまなものを発見する。少しずつ沙也加の幼い頃の記憶が蘇ってくるとともに、その家の謎も解けていく。ほとんどがふたりでの家の探索だが、物語を大団円に持っていく伏線回収力には脱帽するしかない。
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聞き手がおちかから富次郎に代わって二冊目。前作までは飄々としたただの気のいい兄ちゃんだなぁとしか思わなかったけれど、百物語の聞き手となり、自分の内面や境遇を見つめ直しながら、彼なりに役割や責任を背負おうとしている。きっと聞き手を重ねるごとに富次郎としての生き方を探し当てていくのではないかと感じた。おちかのおめでたで店が沸き立つ中、最後に不穏なセリフを残していったあの男がこの先も絡んでくるのだろうな。
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下巻はスウェーデンの大量殺人の犯人を追っているうちに、アメリカ→北京→アフリカ→ロンドンと場面が移りまくり、メインのお話が中国の資本主義改革派のヤ・ルーと保守派のホンクィの姉弟闘争物語に。全体を読み通すと、150年前にアメリカの鉄道建設の奴隷として過酷な強制労働を強いられた祖先・サンの復讐物語ではあるが、上巻の読み応えとは裏腹に伏線は回収しているように見えるものの、あっさり終わりすぎて拍子抜け。
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スウェーデンのほぼ親類間だけで成り立つ過疎の村で、19人もの老人たちが惨殺された。その殺され方には怨恨の深さが窺い知れ、村には裁判官ビルギッタの亡き母の養父母の家もあった。彼女は判決に私情を交えず職務をこなしているものの、そのストレスから体を壊し、医者に2週間の休暇取得を言い渡される。この機会にと赴いた現地で、事件の証拠を見つけ容疑者の存在を警察に伝えるが、別の白人男性が逮捕され自供を始めていた。
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下巻。甚兵衛出現で大騒ぎの江戸市中。ぼろ鳶組が真相に迫っていくなかで、ついに源吾は甚兵衛の口から父の死の真相を知ることとなる。鳳凰の名に恥じない、甚兵衛の不死鳥のごとき復活。今、火消法被の裏地に鳳凰を纏う源吾は、憧れの火消・甚兵衛とたった一度の共闘に馬を走らせる。そして18年前の自分たちを見るような藍助、慎太郎、慶司の新人火消3人。先人たちが次の世代を育て、後を繋ごうとする想いを源吾は喜び理解する。
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シリーズ第十弾。新米火消の慎太郎と藍助は、尾張藩屋敷の屋根を突き抜け立ち上る炎を目撃する。その場に居合わせた進藤内記と共に逃げ遅れた家人の救助に入る。現場の只ならぬ炎の状態から源吾らは、この火事が、源吾が父重内を失い、尾張藩火消元頭取である伊神甚兵衛も死んだと思われる18年前の尾張火消の事件に繋がると確信。再び出火した時、源吾の前に死んだはずの甚兵衛が現れ「この火付けは俺が止める」と言い残し消えた。
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エピソードゼロ。16才の若かりし源吾をはじめ、勘九郎、内記、漣次、秋仁たちが、有望な若手火消「黄金の世代」と呼ばれ、火消し番付にはそれぞれの親等が名を連ねていた。源吾の憧れ伊神甚兵衛率いる尾張藩の火消たちが幕閣らの陰謀で壊滅。唯一生き残った甚兵衛が復讐のため毒煙がでる付け火をおこす。その真中に「火消はどんな命でも救うのだ。それが悪人であろうとも。たとえ己が死ぬことになろうとも」と飛び込む源吾の父。
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フリップクリップ ブッククリップ、ピンクとブルー2色のバリエーション。開いたページを優しくホールド。ゆるめに挟むため、本に跡がつきにくく、押さえながら片手でページめくりが可能です。軽量コンパクトサイズで、持ち運びにも便利。文庫本から雑誌サイズまで標準サイズと厚さの本なら、ほぼ対応できます。少し大きかったり、厚めの本には、片方だけ使うことによって対応できます。
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シリーズ第九弾。今巻は星十郎が主役。続発する炎の旋風「緋鼬」を食い止めるために野条弾馬から協力を依頼された源吾は、星十郎、武蔵を伴い大阪へ向かう。星十郎の風読みの知識をもってしても消す方法が見つからず、牢獄の野狂惟兼を頼る。管轄外での火消しはしないと反発し合う大阪の火消五組に源吾は策を講じて、大阪鳶達に「火消しの願いはみな同じ。命を救う、町を守る。それだけでいい」と啖呵を切り結集させるのはさすが。
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シリーズ第八弾。今巻の主人公は鳥越新之助。お見合い先の「橘屋」へ縁談を断ろうと立ち寄った折、押込み火付けの嫌疑をかけられ、お見合い相手の琴音と共に逃走。さらに源吾ら新庄藩火消したちには圧力によって出禁のお達しが。身動きが取れない絶望的状況の中、長谷川平蔵の足で聞き込む必死の捜査が実を結び意外な犯人にたどり着く。他にも勘九郎、内記に辰一まで、新之助を信じる火消たちが陰ながら協力して事件解決に挑む。
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納得のできない刑罰のあと、のうのうと生き続ける犯人にどう怒りをぶつければよいのか。犯罪被害者の家族にとっての苦しみは終わることがない。過去の犯罪に対しあまりにも軽い刑罰で済んだ者が殺される事件が発生。連続殺人、交換殺人と広がり、警部となった新田浩介を含めた捜査一課の三人の警部がホテル・コルテシア東京に潜入し捜査を始める。最後の新田の処遇に、ホテルマン新田としての物語が始まりそうな予感がして期待大。
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シリーズ第七弾。組による鳶の優劣が偏らないように、公平に新人鳶を選ぶ「鳶市」が開かれるが、その最中に明和の大火の犯人である秀助を彷彿とさせる火事が起こる。火消し番付の上位者の面々が急遽火消連合を作り、燃え盛る江戸の町を火消したちが駆け巡る。時を同じく番付火消ばかりが襲われる番付火消狩りが発生する。藍助・新之助・慶司といった個性強烈な新しい人物も今巻から登場し、1巻毎に物語が拡がり面白さも増し増し。
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シリーズ第六弾。吉原で次々と火付けらしい火事が起きる。吉原で火事になれば、新しい妓楼に建替えができる上に税が免ぜられて営業できるため、楼主たちはは吉原が燃えることを望む節さえあるという。その燃える妓楼の中で、花魁・花菊は死をもって苦界から逃れようとしていた。そこへ飛び込んできたのが、ぼろ鳶組纏番・彦弥!花菊が叶えたい4つの願いを彦弥ががっちり受けとめ救いだす。火消しと探索を兼ねてボロ鳶が大活躍。
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シリーズ第五弾。火消組を存続させるために火消番付を上げなければならなくなり、躍起になって火事場に赴き他の火消から手柄を奪おうとする仁正寺藩の柊与一。世間から菩薩と崇められているが、何か胡散臭さが鼻に付く源吾は八重洲河岸の新藤内記をあまり快く思っていない。あるとき放火を目撃した火消し専属の読売書きの文五郎が消息を断つ。親と慕う鳶たちを駒としか見ず、人身売買にまで手を染める菩薩とは正反対の所業に絶句。
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シリーズ第四弾。源吾、武蔵、星十郎達は、京都西町奉行の長谷川平蔵から「火車」と呼ばれる火を用いた面妖な連続殺人事件の探索に呼ばれ、人が発火するという火事の真相を平蔵の息子・銕三郎や淀藩常火消頭の野条弾馬と共に追う。水番の武蔵は、はるばる京都に来たからと火消道具の絡繰師・利兵衛の元を出向くが、これが実は事件と深く繋がっていた。最後、業火の中に留まり、煙管を手に消えゆく平蔵の壮絶な最期が凄まじい。
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シリーズ第三弾。放火のすきに皆殺しの押し込み強盗を働く千羽一家は、最強の火消と名高い、に組の九紋龍こと辰一の悲しい過去に深く関与していた。今回ぼろ鳶組は火消しだけでなく犯人確保にも奔走するが千羽一家の頭は取り逃がす。地産品のお披露目商談前に新庄藩家老が病に倒れ、代わりに深雪が引っ張り出された。数字には強い深雪も大丸の作り手の質問には答えを窮してしまう。それを救ったのは、御連枝、戸沢正親だった。
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シリーズ第二弾。火事がおきても管轄の武家の定火消が太鼓を打たない限り半鐘を鳴らせない決まりを逆手に取り、江戸を火の海にしようと企む卑劣な悪は火消しの身内を攫って太鼓を鳴らせば殺すと脅かし火消の出動を妨害する。そしてぼろ鳶頭取並鳥越新之助の身内に間違われたお七ちゃんと加賀鳶筆頭、大音勘九郎の娘も標的になり攫われる。江戸の民を守る為に娘の命さえも厭わない苦渋の決断をする火消しとしての矜持に涙腺が緩む。
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羽州ぼろ鳶組シリーズ第一作目にして著者のデビュー作。全盛期は「火喰鳥」と呼ばれ人気番付も上位にいた松永源吾。5年前のある事件をきっかけに火消を辞めて貧乏浪人をしていたところに壊滅寸前だった出羽新庄藩羽州火消組の御頭として仕官の話が。妻の深雪の後押しで仕方なく引き受ける。前半はまずは立て直しのためにぼろ鳶組の主力になるメンバーへの勧誘、後半は江戸を震撼させる「狐火」という放火犯との闘いが描かれる。
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溜め込んだ塵芥が重すぎて止まったまま流れることがない川。岸辺の杭に身を寄せる藁屑や落ち葉は、夏を迎えて腐り始め、梅雨には川底から呻くような臭いが立つ川の周辺を心(うら)町で、差配の茂十がつなぐ訳ありな住人たちの物語。江戸の最下層ともいえる掃き溜めのような場所で生活する人々の人間模様を綴った6つの短編。貧困に喘ぎながらも心(うら)川の流れに任せるように生きるなかで、ささやかな幸せを得ながら人生は続く。
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92歳にして平日9時~17時の勤務をこなされているだけでも尊敬なのに、まだ己の伸びしろを信じて日々アップデートをはかっておられる態度が素晴らしい。私も社会人になって久しいが、玉置さんまでまだ30年以上。自分にはとても真似できない。長年培った彼女の仕事への取り組み方、『拙速でも巧遅でもなく巧速を目指す』。へたでも仕事は速い、巧みだが仕事が遅い、のどちらでもなく、巧みで仕事もはやい、を私も目指したい。
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文庫~A5サイズまで、フリーサイズで対応できます!サイズ合わせもカンタン!色んなサイズの本に調節でき、使い勝手が抜群です。バンドでしっかりセットするので、だぶつくことなく本にフィットします!外れにくく、見た目もきれいで肌触りも良いのが特徴。重量感もあって読書の楽しみがますます増えそうです。大切な本を持ち運ぶ時の傷み防止にも活躍します。
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第13回松本清張賞受賞作品。JR東海道線膳所駅のホームから転落した初老の男性が新快速電車に轢かれ死亡した。ベテラン保険調査員の村越は、男性の保険金支払いに関わる調査を引き受け、周囲の証言を元に調査結果を纏めていく。自殺か事故かの判断が、納得の得られるものではっきりしていればそれで足りるという保険業界の理論を「一応の推定」と言うことを初めて知った。ストーリーは地味だが、だからこそ味わい深く引き込まれる。
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猪苗代湖で2015年から7年間、毎年開催されていた音楽フェス『オハラ☆ブレイク』で配布された書き下ろし連作短編小説を書籍化。小さい世界と大きい世界、彼女に振られた新人会社員と、別の世界で元いじめられっ子だったスパイのいる、ふたつの異なる世界がいくつも重なって、しかも何かが3つ揃うと別の世界に通じる扉が開いて行き来できるなんて想像するだけで楽しい。歌詞の意味はわからないけど、さらっと読める御伽噺風小説。
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バリスタ兼店長の切間美星と正式にお付き合いを始めたアオヤマだったが、KBCで嫌な思い出のある石井がイベント企画会社の社員、中田朝子を連れてくる。そして2人は第一回京都コーヒーフェスティバルに出店することに。予想通り初日から何者かによって妨害事件が発生。親友だからこそ相手への羨望と嫉妬が絡み合い揺れ動くのかもしれないが、その複雑な感情とどう向き合うかで、人生の方向が決まるともいえるのではないだろうか。
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キャッツキル山地に建つリゾートホテル『ホテル・ネヴァーシンク』。ユダヤ人移民シコルスキー一家によって有名リゾートホテルに成長するが、ホテルで子どもの失踪事件が起こり、その人気は凋落していく…。ミステリーとすれば違和感があるが、ストーリーは面白い。1950年の開業から廃業までの約60年の歴史を、3代にわたって紡いでいく。語り部は各章毎に次々に変わり、彼らの人生の中心であるホテルに翻弄される様子が面白い。
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ある日突然若い娘が文化人類学者・仲澤を訪ねてくる。惨殺された祖父の家の縁の下に埋められていた呪術符を見つけたが、人格者だった祖父がなぜ呪われるほどの恨みをかっていたのかを調べてほしいと孫娘の真由に依頼される。ふたりは少ない手掛かりと地方の因習を頼りに、健一郎の死の原因を調べるが、徐々に恐ろしい呪いの真実を突き止める。歴史の闇に隠された呪術師の存在と59年前の健一郎が関わる事件が生み出した真実とは。
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ある日突然若い娘が文化人類学者・仲澤を訪ねてくる。惨殺された祖父の家の縁の下に埋められていた呪術符を見つけたが、人格者だった祖父がなぜ呪われるほどの恨みをかっていたのかを調べてほしいと孫娘の真由に依頼される。ふたりは少ない手掛かりと地方の因習を頼りに、健一郎の死の原因を調べるが、徐々に恐ろしい呪いの真実を突き止める。歴史の闇に隠された呪術師の存在と59年前の健一郎が関わる事件が生み出した真実とは。
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ユレックが仕掛けた罠に、ヨーナの恋人バーニーがまんまと嵌められ命をおとし、彼女を助けられなかったヨーナはとことん痛めつけられる。医者にあるまじきスケベ変態のアンデシュもユレックの手によって殺されてしまう。サーガも警察も自分たちがユレックを騙していると思っていたが、真実はまったくの逆で、すべてはユレックに見透かされていたのだから恐ろしい。ヨーナ・リンナ警部シリーズはこの先も読んでいきたい。
→Amazom Books(下)
環境に優しく、美しく、個性と品位を兼ね備えた栞。塗装された黒檀のしおり(ラッキーツリー)2個セット、絶妙なパッケージの青いギフトボックス、シンプルな雰囲気。木目は自然で美しく、模様はクリアで、絵画と彫刻の組み合わせ。鮮やかでゴージャス、レトロなハンギングビーズ、絶妙でエレガント、豊富な品種、斬新なデザインしおりのサイズ:約14.5cm * 3cm * 0.2cm、ギフトボックスサイズ:約18cm * 12cm * 2cm。
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シリアルキラーのユレックに誘拐され、13年間行方不明になっていたミカエルが、ストックホルム郊外の線路近くで保護される。一緒にさらわれた妹のフェリシアの行方を追いヨーナ警部は捜査を始めるも、ユレックの恐ろしさは誰よりも認識していた。精神科閉鎖病棟に幽閉されたユレックから共犯者の情報を得ようと、公安警察のサーガ警部が閉鎖病棟に患者として潜入捜査をすることに。果たしてユレックから監禁先を聞き出せるのか。
→Amazom Books(上)
沢村依理子シリーズ第2弾。新しく札幌に誘致され開校した大学院大学内で、記念講演の行われているさなか学長室で爆弾が破裂、女性2人が犠牲になった。犯人は何の目的で誰をターゲットに事件を起こしたのか。次第に明らかになってくる犯人像。本物の天才数学者でも女性というだけで奇異の目で見られ男性と並ぶことすら望まれず…。思い込みによるジェンダーバイアスは、誰もが一度や二度は陥ったことがあるのではないか。
→Amazom Books
セイディには養子に出した子どもがいるためか、70年前に湖畔荘から消えたセオの行方が気になって仕方がない。登場人物が心に長い間抱えていた秘密を吐露するとき、70年前のあの時に何があったかが明らかになっていく展開は、最初に抱いた印象をどんどん変えていく。なかでもセオの姉で、現在はミステリー作家となったアリスがセイディ協力して事実が明かされていく過程は、ぐいぐいと引き込まれて読了するまで離さない。
→Amazom Books(下)
1933年に起きた幼児行方不明事件が、70年後の2003年に解き明かされる物語。刑事のセイディは謹慎中の祖父の家に身を寄せていた。偶然散歩中に湖や森に囲まれた荒廃した大きな屋敷を見つける。そこでは70年前に幼児失踪事件がおきていた。未だ迷宮入りとなっている事を知ったセイディは調査を開始。現代と過去とを行ったり来たりしながら物語は進むが、上巻は過去のエダヴェイン家の細やかな描写に留まっており、謎は深まるばかり。
→Amazom Books(上)
シリーズ7作目にして短編集。バリスタ・切間美星が来店されたお客様の話す謎を珈琲店タレーラン内で解決すしてゆく。作者が実際にあった事を題材に書いたお話を集めたものらしい。『ビブリオバトルの波乱』『歌声は響かない』『ハネムーンの悲劇』『フレンチプレスといくつかの嘘』『ママとかくれんぼ』『拒絶しないで』『ブルボンポワントゥの奇跡』の7編。普通の人々が過ごす日常の中にも解けない謎はたくさんあって…。
→Amazom Books
第67回江戸川乱歩賞受賞作。博士号取得後、大学で研究することをやめ、30歳過ぎて道警に入った沢村依理子が主人公。5年前の誘拐事件で攫われた少女の遺体が見つかり捜査が始まるが、誘拐時と同じくまたも迷宮入りに。その誘拐事件の捜査資料が漏洩し、犯人の濡れ衣を上層部から着せられそうになった彼女は、粘り強く捜査を続け真相を暴く。物語の本筋に関係ない工藤や兵頭、冬華関連の売春情報はいらないのでは?続編の複線?
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珈琲店タレーランを始めた切間美星の亡き大叔母千恵さんの、青春ノスタルジックメモリーを追いかける巻。きっかけは狭心症を発症して倒れた現在のタレーランのオーナー・藻川又次が、コーヒーカップを割ったことに激怒して千恵が一週間も家出した理由を突き止めてほしいと美星に依頼したことから始まる。美星と青山、又次の孫の小原都の3人で、かつて千恵と付き合っていた画家:影井について調べ始める。
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文字がそのまましおりになった。言葉がフォントごと切り取られたような巧緻で美しいデザインが特徴。木材パルプや綿を原料とした環境素材を採用し、耐久性・耐水性に優れたファイバーの特徴を活かすことで、言葉がフォントごと切り取られたような巧緻で美しい『文字のしおり』のデザインが実現。本好きの方にはもちろんのこと、受け手の反応を楽しむことができるコミュニケーションツールとしてプレゼント、自分用に。
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江戸の中心から離れた渋谷町で薬を作っている医者の守屋真が主人公。彼が関わる4つの事件を集めた短編集。アンソロジーで読んだ『料理茶屋の女』が面白かったので手に取ってみた。1話が短いわりに内容が複雑なので、何か物足りない。守屋がなぜ渋谷に住むことになったのかなど、人物のバックボーンが見えないので、不思議さだけが残って落ち着かない。シリーズものでなくこれで終わりのようなのでもう探れない。
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高頭冴子シリーズ第二弾。新疆ウイグル出身の留学生カーリが死体で発見され警察に保護を求めてきた同僚レイハンが中国公安部に拉致された。高頭は部下の郡山と中国へ乗り込むが、高頭が敵の手に落ち凄惨な拷問にあう。終盤、郡山のランボー級の救出劇で、高頭もレイハンも日本に無事に戻れたとはいえ心身共に相当なダメージがあるはず。小説とはいえ中国政府によるウィグル人の人権侵害や迫害によくここまで焦点を当てたと思う。
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青痣与力シリーズ第55弾。15年前に深川の吾妻橋から大川に飛び込こもうとした茂助一家を止め、督促無しで60両もの大金を用立ててくれた市兵衛。賢い飼い犬のシロが繋いだその恩を忘れずに、茂助が恩返しをしようとする心暖まる物語。シロと茂吉一家、探索に当たる青痣与力と町同心が中心で、太助や妻多恵はちょっとだけ登場。娘のるいはまったく登場せず。どんな事件にも真実が見えるまで調べつくす青痣与力には頭が下がる。
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田代ファミリー亡き後、さらに最大の敵が。彗修高校の3年生によるホンジュラス国際交流訪問のニュースを聞き、結衣は父親の匡太の過去の犯罪計画がよぎり忠告に赴くが門前払いされる。実際その計画通りの事が起き、生徒や教師達が事件に巻き込まれる。ホンジュラスに乗り込む結衣と、彼女を守り続ける傭兵の磨嶋と弥藤。もはや「架祷斗を殺して自分も死ぬ。私の人生にはもう、それしかない。」と結衣の戦闘に終わりは見えない。
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作家となった毒島は、刑事技能指導員となって警察に戻った。今回も毒気たっぷりに相手をネチネチと追い詰めるのは小気味いい。保守系出版社に、何者かが火を放つところから事件は始まる。毒島は公安一課の淡海奨務とともに、左翼集団の犯行とみて捜査を始めるが、毒島が講演した大学祭で邦画倶楽部部長が殺害されたり、沖縄の米軍基地問題で抗議活動中に作家が死亡したり、それがみな「急進革マル派」に通じ、実は犯人は……。
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ファンタジーの雰囲気をオブラートしつつ、内容はピリピリとした現実的なメッセージが込められた作品。今までの作風とは全く違うが、こちらの方がのめり込んで読めた。架空の国で羽虫と呼ばれ虐げられる人々。人権侵害、戦争、新しいウイルス、希望の持てない未来…、まるで今の私たちではないか。本当に人間はやるせなくて愚かで、なんて悲しい生き物なんだろう。これから現実の社会は、いったいどこへ向かっていくのか。
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去年読んだ植松三十里著の「リタとマッサン」とはずいぶんイメージが違う。芯がとても強く、故郷と決別し日本人となる道を選びどんな困難も乗り越えていくたくましさの裏がえしとして、完璧主義でそれを無意識に誰に対しても押し付ける女性。養女沙羅との確執と葛藤から、沙羅が突然家出をしてしまう原因を実はリタが作っていたことも自覚できない。妹のエラもそうだが、私もこういう女性とは深く関わり合いたくない。
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「任侠シリーズ」第六弾。今までは、日村や親分が、極道の流儀を組織の立て直しに当てはめて、それがハマって良い結果を生み出すという物語だったが、今回は少し毛色が違って、立て直しというより組織内の人間同士の対立を解消するために出向く趣向。日村の過剰な心配性と親分の「物事は、なるようにしかならねえ」の対比が面白い。クラシックにもジャズにも詳しくないので、どっちが上でどっちが下云々の話はまったく分からなかった。
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フェリーでの激闘から公安の監視を受けながら学校生活を送る優莉結衣だったが、心因性発熱による体調不良、集中力低下という状態が続く。この状態で残る最大の敵、田代勇次と対峙できるのか。しかし勇次の和美先生に対する執着はおぞましい。ここまで病んでいる相手に対して、教師としてどうすればよかったのかと、結衣に問う和美先生の気持ちが不憫。真面目で生徒に寄り添おうとする良い先生ほど、こんな葛藤が大きいのだろうな。
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光を柔らかく明るさに均一に拡散し、他の人の邪魔をせずに目の前の領域だけを照らします。長時間の作業でも目が疲れにくく、子供にも大人にも目に優しいデスクライトです。スイッチボタンを2秒間押し続けると、色温度(3000K / 4000K / 6500K)が変更。読書灯としてだけでなく、ベッドサイドランプや授乳用ライトとしてもお使いいただけます。授乳やおむつ替えの時、明かりが赤ちゃんに刺激を与えません。
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女流作家六人による短編集。期待して手に取ったが、初読みは澤田瞳子氏と中島要氏のみ。他はみな一度既読したものだった。再読でもやはり和田はつ子氏の「五月菓子」や梶よう子氏「煙に巻く」、宮部みゆき氏「鰹千両」は、シリーズ自体がよかったので、一作抜き出して読んでも面白い。時代小説は好みの作家とシリーズを見つけると制覇たい癖があるので、アンソロジーは新作シリーズ探しのとっかかりになっていい。
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最初から最後まで「凛」とした空気が漂う一冊。水野忠邦が老中につき、外国船の来航がみられるようになった頃、主人公の雪江は、理由もわからぬまま嫁ぎ先から離縁され、奥祐筆の家柄である旗本の実家に戻り書道の指南所を開く。若い娘の弟子たちに振り回されながら、フランス水兵への発砲と殺害の事件真相解明に関わっていく中で、離縁の理由が明らかになってくる。常に自分で人生を切り開いていこうとする雪江の姿が清々しい。
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女性作家6人による「食」をテーマにした短編集。それぞれシリーズものから抜粋されたアンソロジーではあるが、元のシリーズを知らなくても、どれも読み切りものとして十分楽しめる。餡子、鮎、煮豆、桜餅、清正人参(セロリ)、稲荷寿司と蕪汁。この時代の「食」が、どれもたまらなく美味しそうに描かれている。坂井希久子氏、青木祐子氏、中島久枝氏が初読みだったので、シリーズものを読んでみたいと思う。
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生活保護をテーマにした社会派ミステリー。福祉事務所の職員に続き県会議員が縛られたまま放置され、餓死という残酷な方法で殺害された。生活保護申請を却下された遠島けい婆さんを、最後はティッシュを食べ餓死に追い込んだ奴らへの復讐。最低限の生活ができない状態になっても、国に迷惑はかけられないと生活保護の受給を遠慮する人がいる一方で、平然と不正受給する輩もいるこの現実に胸が締めつけられた。
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5名の作家の名前の一番上の文字を並べたタイトル。宮部みゆき氏、辻村深月氏、薬丸岳氏、東川彰良氏、宮内悠介氏によるリレー方式のホラーアンソロジー。作家同士が作品をリレーしながら繋げるものってあまりないので新鮮な気持ちで読めた。どの作品も短めなのでサラッと読了できたが、それなりに「ゾッとする」ところは感じられた。宮部氏はやはり安定の怖さと面白さ。辻村氏の毒親のテーマも外さなかった。
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経験を 第一の経験(感覚的経験) 第二の経験(社会的経験) 第三の経験(神話的経験) 第四の経験(物語的経験) に分け、偶然と必然の謎を解き、人はどのようにして、偶然を生きていくのか。また、人間としての幸福をつかむ術を探っていく。成功にリスクが伴うように、幸福にもリスクが伴う。幸福はそれ自体が持つリスクを追究者の目から覆い隠す。偶然を必然的、運命的、実力と勘違いするケースはほんとに多い。
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ゲーム賭博で逮捕された元ホステスの詩子を、彼女と同房になった女受刑者幸恵と、彼女に全てを奪われ亡くなった男の友人との約束で詩子に近づくライター、蒲田の視点で交互に描く。高級クラブでナンバーワンとなり政財界に裏の人脈を持ち、戦後の日本社会の裏側で男も女も手玉に取ってきた詩子。私には強引で、自分の思い通りに事を運びたいだけの女で、人間的魅力は感じず。なぜ皆が詩子に心酔するのかがよくわからなかった。
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琵琶湖近くの介護療養施設で100歳の男の不審死を発端に、施設の介護士、取り調べる警察官、スクープを追う雑誌記者が抱える鬱憤や閉塞感、やりきれなさなど、様々な人間の狂気が暴かれていく。朝霧に包まれる静かな琵琶湖、冬の満州を舞う丹頂鶴といった、美しい風景と対比して、殺人、731部隊の蛮行、薬害隠蔽事件、冤罪を作り上げる警察といった人間の闇。幻想的だが奇妙に歪んだ空気が全編に漂っている混沌とした小説。
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10代将軍家治の世継ぎ家基の急死に絡んで、家基を暗殺したと疑われている坂木蒼馬の許婚志津乃は、蒼馬を探す決心をする。章ごとに語り手が替わる展開がその立場からの主観に終始してわかりずらい。家基を誰が殺したのかという犯人捜しでなく、それぞれの運命や生き方考え方を、登場人物の立場として描きたかったのかもしれないが…。
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著者が周囲に取材をし、実話をもとに集めた「泣ける話し」がテーマの、33話からなるショートストーリー。泣くというよりは、目頭が熱くなる、じわっとくるかんじ。不思議な話も多かったけれど、物語を読んでじんわりと心が暖かくなったり、頑張ろうと共感できるからこそウルッと泣けるのだし。人間同士の関わり合いって煩わしいと思う反面、人を信じる気持ちや寄り添う気持ちがきっと良い世の中を作るような気がする。
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悪い座り方がクセになると、腰やお尻のトラブルの原因に。ラ・クッションは、デスクワーク 在宅勤務 など、長時間座る機会が増えたことで、姿勢が崩れ腰に負担がかかっている方や、産後の切開傷や痔などにより、普通に座るのも辛くなった方にアシスト。前面傾斜仕様 高反発 ドーナツクッション 安全基準クリア (ブラウン)他グレー、ネイビー、ブラックあり。
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自分の魅力を武器に、女だてらにの天下を取ると決め、家康69歳の時に若干14歳で側室にのしあがったお六の物語。幼馴染の千之助への初恋を封印し、北条家の残党の娘が一家の栄華を勝ち取ろうとする強い欲望に燃える。家康の死後、尼を還俗して古河公方へ再嫁したが、29歳の時、再嫁先から家康の年忌で日光東照宮参詣時に急死したことになっている。諸田さんはその裏に初恋がらみの企てを仕込んで、物語の余韻を醸し出す。
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24年前に失踪した妻の美紗を殺害したと疑われた悠木良二と冤罪被害者の会で知り合った鶴見弁護士。悠木は失踪した妻を探して毎年郡上踊りを訪れている。妻に似た若い女性を見つけ、母親が美沙ではないかと面通し、初めは否定するも鶴見の独自の調査で、女性がやはり元妻だろ判明する。その頃ジャーナリストの辰巳が刺殺され、悠木が罪を認める。犯人は別にいるのに美沙の犯行と思い込んだ悠木が罪をかぶったのだった。
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「仇」と書いて「ユダ」と読ませるタイトルに「誰がユダ(裏切者)なんだろ」と読み始める。インドでの律子の家族生活はほのぼのと描かれていて、スパイもやはり平穏が大事だよねだとか思っていたら律子は秘密の独自作戦中だった。そして、そりゃあこんなヘビーな任務を重ねてたら律子の精神も病んで幻聴や幻視にもみまわれるさ、と思ってたら。まさかの演技だったとは…恐すぎて言葉も出ません。
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国産ウイスキー造りに命を懸け、本場のウィスキー造りを学ぶためにスコットランドを訪れた竹鶴政孝・通称マッサンと知り合ったイギリス人女性リタの人生物語。あくまでもフィクションらしいが、かなり実話に近く丁寧に取材したのではないか。マッサンの夢の実現は山あり谷ありで、控えめで慎ましくも芯の強いリタが、日本に馴染み、日本を学び、日本人となって夫に寄り添い、支え続けた姿勢が素晴らしい。
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働きながら大学受験を目指し、つつましく生活していた20歳の女性・高村小夜が一人暮らしのアパートで殺害される。被害者の心に寄り添い、犯人の心にも寄り添う目黒警部は、小夜の遺体引き取りを拒む祖母の不可解さから、彼女の周辺には何かあると犯人を挙げるために奔走する。遺骨がキーポイントとなっており、犯人が代理ミュンヒハウゼン症候群で、恐ろしい行動をせざるを得なかった心境が切ない。
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「利他…」で稲盛和夫氏が紹介されていたイギリスの自己啓発作家で哲学者、ジェームズ・アレンの著書。自分の人生を作り出すのは自分で、よきにつけ悪きにつけ心の中の「思い」が原因となり、環境や健康と病気、成功や失敗、富や貧困、喜びや悲しみといった結果をもたらすとしている。自分の意識と見方によって世の中はいかにも変わるようで、いつも「希望・愛・豊かさ」に気持ちをフォーカスすることが大切。
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稲盛氏が紹介したジェームズ・アレンによる心の持ち方の言葉が響く。「人間の心というのは庭のようなものだ。もし心の庭を手入れしなかったら、そこには雑草の種がいつの間にか舞い落ちて、あっという間に雑草が生い茂ってしまう。もしあなたが心の庭を本当に美しく、優しさに満ちた庭にしようと思うなら、こまめに雑草を取り除いたり、肥料や水をやったりして、きれいな草花の種を植えて丹精込めて育てなければならない」
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シリーズ第2巻。実は徳川光圀が親の仇であったことを知った了助。復讐心に苛まれる了助だったが、新たに師となった剣の達人・柳生義仙の導きにより「極楽組」一味を追って日光街道を旅しながら修行を積むことになる。「活人剣」の教えを身に着けるべく、まずは地面から歩き方を教わる了助。禅の呼吸、心の置き方を学んでいく。誰が真の敵なのか味方なのか錯綜した状態で、何の解決の糸口も見いだせないまま次巻に持ち越し。
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読最大500ルーメンの明るさを実現したポータブルLEDクリップライト。高輝度LEDチップを30灯搭載、明るく対象物を照らすことが出来ます。屋外キャンプ、書斎、寝室、居間の本棚、ベッド、テーブル、デスク等の場所で違和感なくご使用頂けます。ライト本体のボタンを押すことで明るさを100%/50%/20%の三段階に変更可能。属の角度調節器で前後約180度、左右約350度に角度調節でき、希望の方向に光を当てる事ができます。
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徳川光圀が、天下に騒動を起こそうとする浪人達「極楽組」の 差し迫った問題の解決を父頼房より託される。水戸光國は捨て子を幕府の隠密組織「拾人衆」として諜者として育てあげる。父を殺され、養父を大火で失い、天涯孤独の無宿者として生きていくために我流の剣法を磨く了助も、とある事情から若き光國と出会い、拾人衆の一員となり、人として成長していく。「極楽組」との対決、そして光圀と了助との因縁の果てはいかに。
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妻殺しの濡れ衣を着せられ、国を出奔した竹中信兵衛。江戸への途中、真の下手人富樫与三郎を討ち取り、辿り着いたのは、奇しくも与三郎の落とし胤・竹太郎を預かる浅草の米問屋『佐野屋』だった。主のの厚意で、三津五郎と名を変え士分を捨て商人として生きることを決めたが、その矢先三津五郎の留守中に夜盗が押し込みが入る。残されたのは竹太郎と妹の伊予の幼子ふたり。兄妹の仇を討つべく三津五郎は下手人の探索に挑む。
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シリーズ最終巻。16年前江戸に出店したあの日、我が子の晴れ着を買えなかったその人が娘の晴れ着を買うために連れだって暖簾をくぐる。あの日の言葉「いずれ、きっとお迎えできる日を心待ちにして私どもも精進させて頂きます」。そして16年後の再びの来店に幸と奉公人全員が揃って「お待ち申しておりました」の言葉は、涙なくして読めないほど感動。商売人はかくあるべき、という教えがたくさんちりばめられているいい作品。
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再び浅草呉服太物仲間の認可がおり、太物と並行し呉服商に戻る五鈴屋。幸の信条「買うての幸い、売っての幸せ」通り、重い反物をもっと手軽に売買できないかと考え、呉服切手を思いついたり、不吉とされた暦にない日食を忠告して旗本本田家の婚礼を延期したり。評判はうなぎのぼりになるものの、一方で庶民に手の届かない店になる寂しさを聞き及び、今後の五鈴屋のあるべき姿に思い悩む。時代を超えた商売の本質を学べる。
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作者の毛色とは違う雰囲気の作品。主人公は神保町に暮らし、神保町を愛する大学教授・吾妻幹。神田神保町の楽器店からオークションで1億2000万円で落札された幻のギターと呼ばれる「ギブソン58」が盗まれた。さらに競り落とした吾妻の後輩で中古ギター専門店の店長安田が殺され、ギターの盗難と後輩の死に繋がりがあると考えた吾妻が調査に乗り出す。本筋よりも神保町に実在する飲食店が数々登場しグルメガイドさながら。
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6名の女流作家による「猫」をテーマにした時代小説アンソロジー。諸田玲子「お婆さまの猫」、田牧大和「包丁騒動」、折口真喜子「踊る猫」、森川楓子「おとき殺し」、西條奈可「猫神さま」、宮部みゆき「だるま猫」を収録。猫好きにはたまらんタイトル。諸田さんの狸穴あいあいシリーズは未読なので、最初から読んでみようと思う。田牧さんは既読で、読み進み中のサバ猫長屋シリーズ。めちゃ面白くておすすめ。
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自衛官にスポットをあてた胸キュン短編集。真面目に職務をこなし、自分の身の安全を顧みず、いつ死ぬかもわからない故に家族や大切な人との結び付きを真剣に考える。結婚式で「夫婦喧嘩は次の日に持ちこさないで。いつ何が起こってもおかしくない職業だから。」とスピーチで必ず言われるのもよくわかる。いつ事故に遭うとも事件に巻き込まれるともしれないし、自衛官でなくても夫婦喧嘩はその日のうちに和解したいものだ。
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早春のペンションに集められた男女7人の若者たち。演出家東郷のオーディションに合格した役者で、雪の山荘に閉じ込められたという設定のもと、3泊4日で殺人事件が発生する状況の演技を求められる。実際に一人また一人と徐々に減っていくが、おきている殺人が芝居なのか現実なのかがわからなくなり、仲間同士で疑心暗鬼になっていく。読み手としては、本当に殺されている前提で読み進めたが…見事にハズレた。
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ゲリラ豪雨の最中に下校していた第七小学校五年生石岡葵が行方不明に。誘拐か家出か事故か、どの可能性も捨てきれず、警察の捜査もむなしく時だけが経過してゆく。冒頭に漫画を描いていれば幸せな葵のイラストが、終盤に犯人を限定させる決め手になる。現実の事件でも、聞き込みや参考人で事情を聴いた中に、実は犯人が潜んでいるということもあり得るのだろうなと感じた。奈良警部補の執念がすごい。
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シリーズ第54弾。今回も長谷川様に10年前の未解決殺人事件を解決しろと無理を押し付けられる青痣与力こと南町奉行所風烈廻り与力・青柳剣一郎。その事件と関係のある殺人事件が起こり複雑に絡んでいく。同じ身内の臨時廻り同心の柏木辰之助が絵をかいていたんだから、10年前に解決することはムリゲーだろうね。今回は猫の蚤取りの太助が大活躍。身分違いを乗り越えられるか、大店の娘さんとの今後の恋の行方も楽しみ。
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読書用 ステンレス クロス 生命の樹しおり。素材:ステンレス製、サイズ:3*14cm。カフェや電車での読書に、一つ持っていると普段の読書が更に楽しくなりそうなアイテムです。しおりの綺麗さを味わいながら読書を楽しみましょう!“Jovivi Mak”ギフトバッグを提供。Jovivi Makブランド品。
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いよいよ田代ファミリーとの決戦の火ぶたが切られる。優莉結衣を辱めて殺せば最大12億7千万円の懸賞金ゲームを午前零時にスタートさせるとグループ内SNSにて拡散。欲に目が眩んだ半グレ集団が呼応するも、結衣の居場所には新任教師の伊賀原が北朝鮮から入手したウランから作り上げた原爆が仕掛けられていた。結衣が爆発を未然に防ぎ、半グレ集団、異母兄妹たちに助けられて、田代父、母を成敗する。
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1959年の作品。ある秋の夜、くつろいでいた仁木兄妹の住む家に電話がかかってくる。女の悲鳴とともに電話は切れてしまうが、ふたりは相手が悦子に言いかけた「近越」という脚本家の家に向かう。林の中の家に辿り着くと、中で女が殺されており、思わぬ形で事件にかかわることになる。物語全体で登場人物が多く、相互関係も似かよっていて正直読みづらいが、兄妹の活躍が楽しく、連続殺人のわりにほのぼのしている。
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自称紙芝居画家をしている父親とスナックをやりながら観葉植物の盗癖癖をもつ母親がいる椎橋彬の心の支えはマジック。両親の離婚の原因が自分にあることを知り、15歳で家出決行。年齢を詐称して運よく警備会社のアルバイトに雇われる。マジックの技量を活かして万引きGメンとして活躍する一方、自らそのテクニックで万引きを繰り返す。桝城刑事と里見沙希が協力して、同じ孤独を抱える彬との交流に胸が熱くなった。
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552頁のボリュームだが、稲盛氏が成し遂げた業績に圧倒された。京セラの設立から第二電電への挑戦、JALの再生まで、圧倒的な情熱を傾けすべての仕事を成し切られたのだと感じた。「思無邪」「動機善なりや、私心なかりしか」「儲けるという字は信じる者と書く」「利他の心」など、稲盛氏が経営や仕事、人生について自問自答する中で生まれたフィロソフィは、社会人として心に留めておくべきことばかり。
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「出身成分」とは北朝鮮国家が指定した身分制度。核心階層、動揺階層、敵対成分に分けられ、様々な差別・区別が義務付けられている。北朝鮮の保安署員クム・アンサノが過去の殺人・強姦事件の再捜査を命じられ、捜査を進めるうちに思ってもみなかった真実が明らかになってゆくストーリー。脱北者の証言に基づいて描かれたというだけあり、リアリティ十分。他人事ではなく、いつ自分事になるやもしれぬ危うさを感じた。
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葬儀に使用される霊柩車のドライバー、怜座彰光を主人公にした物語。数多くの遺体を回収し運んできた長い経験で培われたその鋭い観察眼は、物言わぬ遺体に残されたわずかな手掛かりを捉え正しい死因を特定することにたけており、捜査のプロである警察の面目を失わせてしまうくらいに真実を見抜く。霊柩車ドライバーというなじみの無い異質で狭い業界の舞台裏に迫り、陰謀に挑む孤高の男の大胆な活躍を描く。
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高井田、影山、石垣、大友、松下の5人のホームレスが人質のふりをして狂言誘拐を企て、新聞社やテレビ局から身代金をせしめる物話。日頃、人権問題を声高に叫ぶマスコミは、犯人側の要求に断固とした態度を貫けるのか?マスコミによる印象操作や裏の思惑、命の値段についても触れられる。社会の底辺に堕ちた男たちの復讐劇は読みごたえ抜群。いわゆる劇場型の犯罪に、犯人VSマスコミ&警察の読みの応酬はどこまで当たるのか。
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「任侠シリーズ」第五弾。今までは傾いた組織に組長や代貸日村たちが乗り込んでの立て直し物語だったが、今回の映画館は少し毛色が違った。会社にはまったく問題はないため、立て直しというよりも外部からの利権がらみの話。日村の初映画館での高倉健さんと香苗の初任侠映画で、ふたりともなりきり健さんがしばらく取れず…笑。昔は任侠映画を見た後、皆、肩で風を切って映画館から出てきたそうな…という話を思い出した。
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乗馬クラブのオーナーが牧場内で死亡し、同じ日に馬も一頭亡くなる出来事が続いていることを聞いたSROは、念のためにと捜査を始める。実は、死んだ馬はみな北海道浦河町の牧場で生まれ、牧場が火事で全焼した際にひとり生き残った牧場の子どもで現在獣医学部学生の恭介が、友人の山中と一緒に思い出の馬の今をたどり、悲惨な老後を見かねて安楽死させ、罰としてひどい扱いをしたオーナーを殺していたのだった。
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ファッション性と確かな機能性にこだわった眼鏡式ルーペなら、両手が自由になるから本を読むときも、新聞を読むときも、前かがみの姿勢になって文字を追う必要もありません。通常のルーペより広い範囲を拡大し対象物が見やすい。仕事で細かな文字や図面を見る際、趣味のネイルや手芸や裁縫、釣りなど細かな作業をする際にあなたをアシストします。メンズ・レディース共用。LEDライト付きの电池式ルーペ。
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SROメンバー対シリアルキラーの子ども集団。ダーとマム2人が虐待から逃げ出した子供達を操り連続殺人を実行させる。並行して家族関係に疲弊した看護師が、医療刑務で担当している近藤房子に調教されながらシリアルキラーに変貌していくストーリー。娘を食い物にする金貸しと姑を殺した後、何の関係もないSROメンバー麗子を狙わせ友人(彼氏?)を刺し殺してしまい、自分は房子に殺される。そして、房子は脱獄成功。
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こちらも2016年7月に前作を読んでの更新。シリーズで順番に読もうとするも、読みたい本が多すぎて途中で置き去りが多発してるな。今回は近藤房子が逮捕されたので、登場せず。しかし四重人格の新しい殺人鬼林葉秀秋が登場。人格のせめぎあいが一人の人間の肉体の中で矛盾しながらも、協調して進む。SROメンバーのプライベート部分が沢山描かれ、具体的な人物像のキャラが見えてきた。今後展開してゆくのかが楽しみ。
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2015年10月にシリーズ前作を読んで以来、7年ぶり更新。忘れていたが、読んでいくうちに思い出した。純喫茶タレーランのバリスタ切間美星が日常の謎を解き明かすミステリー。今回はアオヤマが理想のコーヒーを追い求めるきっかけとなった初恋の女性眞子と11年ぶりに偶然再会するところから始まる。昔の言葉遊び源氏香がキーワードなので源氏物語を知らないと、昔、授業で習っただけではなかなかピンとこない。
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登場人物のすべてが、人間臭い。誰も悪人でなく、誰もが悪人ともいえる。主人公で加害者の祐一は果たして「悪人」なのか。人間にはそれぞれ立場があり、環境があり考え方がある。小説という架空の世界の出来事でなく、とてもリアルで現実味を帯びた作品。やりきれなさ、切なさが交差する人間模様に引き込まれつつ、これが自分の生きている現実世界の姿かもしれないと思うと、読了感は重かった。
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杉村三郎シリーズ5。これでひとまずシリーズ読了。杉村さんが3つの事件で奮闘。どの話もとも、自分さえよければ誰かが犠牲になっても何も感じず、自分以外は興味もないというサイコパスの描写オンパレード。サイコパスは見るからにサイコパスではなく普通に社会生活して紛れ込んでいる。全体的に後味の悪い重い話ばかりですが、そのなかで竹中夫人の江戸っ子らしさが清涼感となって気持ちいい。
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シリーズ第7弾。過去に甲子園球場で起こったライフル魔騒動と、コロナ拡大によって閉鎖されている現在の甲子園球場を並行しながら物語は進む。過去編の父が率いた半グレ同盟に所属していた男と再会し、球場にひそむライフル魔との戦い、現在編は警察や田代グループとの血生臭い戦闘。今回も命を張って仲間を守ろうとする結衣の闘いが描かれたが、同級生、担任、神藤刑事等、心の通じ合う人達が増えたのも事実。
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書房、学園、病院に続く「任侠シリーズ」第四弾。阿岐本組長の兄弟分永神から懇願され、東京赤坂に取り残されたような昭和感漂う住宅地にある銭湯の経営立て直しに手をつける。リサーチのため道後温泉に出向くが、いつも神経をフル回転させている日村が、組長に突然の休暇を言い渡され、戸惑いながらも少しでもゆったりしようとする姿にほっこり。今回は銭湯のみならず家族の再生まで成功した感じがする。
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「任侠シリーズ」第三弾。潰れかけた病院再建に首を突っ込む阿岐本組。経営悪化の原因は、病院清掃など、病院の外注の仕事をまるっと引き受けている会社が原因。しかもその会社には、耶麻島組という暴力団が絡んでいるらしい。どうすればいいのかと頭を抱える日村に、苦労性だなぁと、軽くいなす親分。自らの仕事に誇りを持つ、医師、看護師始め病院関係者たちと阿岐本組が団結し一緒に戦っていく。
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「任侠シリーズ」第二弾。阿岐本組組長のきまぐれで今回は経営難に陥った私立高校の再建を引き受けることに。阿岐本組長が理事長に代貸の日村は理事に就任。乗り込んだものの唖然するほど荒廃した学校には、無気力な生徒や教師たちばかり。とりあえず花壇の整備や校内清掃といったことから始める日村だが、いつの間にか生徒や先生たちを巻き込み、生徒にはだんだん慕われ、先生にも共感されていくさまが面白い。
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ENERGはAmazon限定ブランドです。独自技術によって、他社製品にはないPWM制御・自動修復機能・非常保護回路装置などを搭載。高い安全性・安定性と低い消耗を維持しながら電池切れまで安定した光を提供し続けられます。業界初大容量3200mAhバッテリー搭載、100%検品という業界検品基準を遥かに超える品質を誇ります。十分な明るさを維持しながら最大15時間以上(弱モード)使用できます。
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「任侠シリーズ」第一弾。「とせい」から改題。今時珍しい昔かたぎの任侠道をわきまえた阿岐本組の代貸日村は、一見好好爺のように見えつつけじめには厳しい組長阿岐本の気まぐれにいつも振り回されている。倒産寸前の出版社の立て直しに乗り出したものの日村の心労は計り知れない。それでも命よりも大事な面子の為に出版社の社員と共に奮闘しながら、任侠ならではの視点と人脈で様々な障害を乗り越えていく。
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グラント郡シリーズ第一弾。カリン・スローター初読。小児科医兼検死官であるサラは、レストランのトイレで血まみれの女性を発見する。それはサラの元夫、警察署長のジェフリーの配下の女刑事の双子の姉だった。彼女は身体を切り裂かれレイプされていた。サラとジェフリーが別れて2年後の話。サラといい関係になりそうなジョブが、まさかの残虐きわまりないレイプ魔だったとは。サラの辛い過去との因縁にも注目。
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東日本大地震で行方不明になっている苫篠刑事の妻の死体が海岸で見つかるが、確認すると全くの別人。苫篠が真相を探り始めたさなか、別の殺人事件で男が殺される。免許証をもとに男の妻に確認すると「これは夫ではない」と。どうやら東日本大震災の行方不明者の戸籍が売買されているらしい。津波で人がゴミのように流されていく震災の描写が心に痛い。心が壊れるほどの無力感、絶望を強く感じた。
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人面瘡探偵シリーズ第2弾。相続鑑定士の三津木六兵は長崎県の絶海の孤島、仁銘島(別名人面島)へ派遣される。当主行平を亡くした鴇川家は憎悪や嫉妬がうずまく島の名家である。相続を巡っていがみ合うなかで次々と相続人が殺されていく。今回もジンさんとヒョーロクの掛け合いがテンポよく気持ちいい。鍾乳洞のマリア観音などは六兵の幻だったのか、それとも実際に存在していたのか…。
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第25回松本清張賞作品。薩摩島津藩の樺山久高・琉球王国の官人で密偵の真市・朝鮮王国の被差別民「白丁」の明鐘、この三人を中心に人生が交錯する物語。軸になるのは人としての生き方、聖人や賢人の教義や実践が記された儒学。『中庸』や『論語』などの言葉が諸所に出てくる。人は何を持って禽獣と分けられ、人となるのか。久高の生涯の問いを今も問い続ける人は大勢いるだろう。久しぶりの重厚な歴史小説だった。
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著者ロブサン・ランパは、有名な「第3の眼」を書いたことでも有名だが、他にも数冊著書があるようなので、機会があればさらに読んでみたいと思う。若い時から人間の精神世界に惹かれる部分が強い私にとって、凡人がわからない未知の世界を、こうして経験者として書かれたものを読むとやはり説得力がある。全ては自分の寿命が尽きて、向こうに帰った時に氷解する問題なのだから、慌てなくてもいいのだが。
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生まれつき両腕のない著者が、人それぞれのコンディション(身体・精神などの状態、世間が一般に障碍と呼んでいるものを彼はコンディションと呼ぶ)のあり方をとらえて前向きに生きる姿勢が大切かを教えてくれる。ないものを嘆くのではなく、神様が自分に与えてくれた自分にあるものをどううまく使うか。それは「彼といると次第に彼に両腕がないことを忘れてしまう」という彼の親友の言葉が現している。
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本書は2000年の出版以来、アメリカではすぐに増刷を重ね、とても人気があるのだそう。国籍や人種を越えて誰もが好奇心をくすぐられ覗いてみたくなるのが、死後の世界かもしれない。退行催眠をかけることで、生まれる前の記憶を呼び起こし、死んだ直後のこと、魂の所属するグループ、魂にはみなついているという霊的なガイドの話などを思い出させることができるという盛りだくさんな一冊。
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輪廻転生、生まれ変わり、魂と肉体の関係、ソウルメイトについてなど、読みごたえのある一冊。このセッション自体が真実かどうかは別として、自らの魂がチャレンジを重ねてレベルアップする努力をしているというのが面白い。天国と俗人が呼ぶ向こうの世界は居心地がよくて、肉体に帰りたくない魂もたくさんいるのだそう。魂は永遠なので死は魂が肉体からはなれるだけだと思えば怖くないのかな。
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この小型のブックライトには5つの明るさレベルがあり、目に最適なレベルを選択できます。5つのLEDビーズがあり、本のページに均等に光を分散できるように科学的に設置されています。この小さなブックライトには、琥珀色の読書モード(1800K)、温白色な読書モード(4000K)、昼白色の読書モード(6000K)の3つの異なる色温度があります。標準のUSB充電式。
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十三階シリーズ第4弾。このシリーズのエログロさに辟易し、もう手に取らないかもと思ってたが、やはり黒江律子のその後が読みたくなり…。テロリストと対峙する公安と赤子を産んだばかりの母の立場が一人の人間に重なると心が壊れてしまうのも頷ける。元々精神的に不安定気味な律子だが、もう崩壊寸前。第二の「黒江」候補生も自分で殺してしまい、育成できなかったし。次作は今作の回答編になりそう。
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読了してもタイトルが意味するところがわからないままだった。見た目は白人なのに一滴でも黒人の血が入っていればそれは黒人だった差別の時代。双子の姉妹、デジレーとステラは二人一緒にマラードの町から家出したものの、かたや黒人と結婚して真っ黒な子、ジュードを産み、かたや「なりすまし白人」になり、白人と結婚して娘ケネディを授かる。娘同士が母と叔母が入れ替わったような性格で血は争えないと思った。
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捜査支援分析センターを志望し追跡テストで落第したものの、黒瀬係長の引きで合格した森口泉がスペカンと馬鹿にされながらも懸命に事件の解明に挑む。夢中になって読んだが、現実では人生で接点を持つことはないであろう公安の世界はしょせんは小説の世界でしかない。まだまだ男尊女卑の警察内の話として、努力で得た能力を活かし、認められていく姿が頼もしいし、女性が頑張っている姿は気持ちいい。
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室町時代を含む中世の日本人の生態をユニークな視点と軽妙な語り口で綴った一冊。人身売買の話、後妻打ちの話、寺社の落書きの話、呪いの話などを当時の記録からわかりやすく説明している。いつから日本人は、同調圧力に弱く支配層に従順になってしまったのだろうか。現代は、まったく中世が足りていない!今こそこの時代の日本人を見習ってアナーキーエッセンス取り入れ、日本人を立て直さないと未来は見えない気がする。
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どれほど社会的に成功している人がいても、有様が金、名誉、地位などを貪るようにエゴむき出しで追い求めているものであれば、美しい生き方とは感じないだろう。逆に謙虚で慎み深い人生を送っている人を見ると、そこには美を感じる。この美しさを本書では「深美意識」と呼ぶ。経済成長主義の世の中でどれだけ「深美意識」をめざす方向へ舵を切れるのかは分からないが、その方向に光があり人が進むべきなのは頷ける。
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「自分がなぜこの地上に存在しているのかを知りたければ、まず神から始めなければなりません。あなたは神の目的に従って、しかもその目的のために生まれたのです。」生きる意味を聖書から考える本書。 人間が何かのお役目をもって生まれ、生きるということならば、私の人生、私の将来、私の夢、という自分中心ではなく、何のミッションを成し遂げるための人生なのかを敏感に感じて生きなければと感じた。
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AIBOを開発した理系の技術者が、運命という数値では表すことができない、目で見ることもできないものについて書いているところが非常に面白い。うぬぼれや思い上がり、自己過信の感情が、身の破滅の始まりになる、という一節は、わが身をかえりみて肝に銘じておおこうと思った。万事がうまくいっているときこそ、気を引き締めて慎重に考えて行動することが大切なのだろう。
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チップとデールの愛らしいブックカバーです。サイズは、縦21.8cm*幅35.9cm*厚さ1cmまでのA5判サイズに対応しています。ソフトな手触りが特長の高級PUブックカバーで、大切な本をキズとホコリから守り、抜群の耐久性と汚れが付きにくい防汚機能でお手入れも簡単です。
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引き寄せの法則や思考は実現するというのは事実だという。CDやアイボを開発し、天下のソニーで執行役員にまで上り詰めた著書の文章には、不思議な説得力を感じる。思考力や感受性が他の人とはどこか少し違うのがもしれない。こういう俗にいうバリバリの理数系の人間だと思われる人が、集合無意識やカルマの法則と言った、スピリチュアルの世界やその存在を語っていることがとても面白いと思う。
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ソニーのような大企業にも、こんな人物がいたんだなというのが正直な感想。著者はCDを共同開発された方で、無から有を生じさせる、思考を現実化させることを実践された方とも言える。今は当たり前にあるテレビやスマホも、ほんの数十年前は、世の中に存在してなかった。結局、物理や科学、数学は、精神学や哲学、宗教学ともつながっていて、理系も文系も究極に突き詰めれば同じ学問じゃないかとさえ思う。
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砧順之介シリーズは、手堅い本格ミステリといった感じで手を変え品を変え楽しませてもらった。 表題作の「離れた家」はさすが。「本格の鬼」と呼ばれる山沢晴雄の傑作集。「砧最初の事件」「銀知恵の輪」「金知恵の輪」「扉」「神技」など、凝りに凝った謎解き短篇から、メタミステリ、幻想奇譚まで、選び抜いた作品が一挙収録されている初めての作品集は是非一読をおすすめする価値あり。
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この本はあと寿命が7日間しかないとわかったときに、 あの世に行ったときに困らないように何をするかという手ほどきが書かれている。なので死んだら何もかもが消え去りおしまいになる、ヂ・エンドという考えの人は読む必要をあまり感じないかもしれないし、読まなくていい本。なかに出てきた地獄のお話がちょっと長ったらしく感じた。くどいしグダグダ感が否めない。
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昔は一般でも、武家や豪商、財閥などの富裕層では「一夫一婦多妾」は当たり前だった。しかし後進世界のアジアを脱し、欧米列強の一員となることを目指す日本は皇室の側室制度を廃止。それでも男系男子のみが皇位を継承するということを固持し続ければ、早晩行き詰まるのは目に見えている。今上天皇と雅子さまの事を飛ばしていきなり眞子さんに飛んだのは意図的なのか何か書けない事情があったのか。
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難しい難題を時間をかけて回答するより、易しい問題をいっぱい回答する方が、脳のネットワークはたくさん使われるそうだ。著者が提唱する「8つの視点」がシンプルにわかりやすく紹介され、誰でもアイデアを発想しやすい構成になっている。アイデアの質の判断法、効率的な発想法も紹介され。8つの視点を組み合わせれば膨大なアイデアを発想することができる。例題も具体的で取り上げるアイテムもわかりやすい。
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周りの人を引き寄せる秘訣は与えることなのだそうだ。与えるのは、金やモノだけではなく、相手の話をしっかり聞いてあげることも、相手に満足感を与えることになり、それがひとつの「自己重要感」を満たすことになるとのこと。相手の本能的衝動を満たすことが出来れば、それもひとつの「与える」ということになるのだ。求める事で魅力を失い、与えることで魅力が増す。心掛けたいものだ。
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ロゴセラピーを学んでいる身として、心理学は切り離せないため、全体を把握しておきたくて読んでみた。写真やイラストが豊富で、ほんとに図鑑のよう。一つひとつの主題が広く浅くコンパクトにまとめてあって読みやすい。この図鑑を読んだから実践的に扱えるようになるわけではないが、過去から現在までの心理学の流れや背景を踏まえて、どのように発展していったのか整頓するときに資料探しの参考になると思う。
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大枚をはたいてセミナーに通い自己投資した気になっている人が思った以上にいることに驚いた。セミナーを受けできる気になるが、実際は動かず、そしてまた自己投資と称してセミナーに通う、その繰り返し。それで満足ならいいけど。起業に限らず、行動する自分の「使命」は、「これをやりなさい」って何かに突き動かされるもの。そのタイミングを知り、ちゃんと受け止めて行動できるかどうかだ。
→Amazom Books
ライト底面にON(常時点灯モード)・OFF(消灯)・AUTO(自動点灯・自動消灯モード)の切替スイッチがありモードを選べます。3×単4の電池式デザインなので、電池を入れるだけで設置OK。AUTOモードにすれば、夜間3メートル以内の人或いは動物の動きが感知できて自動的に点灯します。
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ラーゲルクランツの筆では完結とした第6弾。さらなる続編に手を挙げる作家は現れるのか?カミラとの最終決戦になるとは思ってたが、予想外の結末。ミカエルが溶解炉で拷問されるシーンは辛かった。リスベットは己の力のみで、カミラは美貌のみで必要な誰かを操り自分の力に変えて成り上あがってきたが、直接対峙すればやはりリスベットが勝つ。溶解炉なんて使うから、自分の顔が燃えたら死ぬ道しかなくなる。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
シリーズ第5弾、ラーゲルクランツによる実質第2弾となる本書は、いきなりリスベットが服役しているところから始まる。前巻でやらかした行動が違法行為にあたり、裁判で2カ月の懲役刑を受けたのだ。刑務所にいても弱い者いじめには我慢ならない正義感のリスベットは、またやらかしてくれる。生育環境と遺伝はどう関係するのか。人道に外れた実験の対象となった双子の悲劇が事件を巻き起こす。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
「ミレニアム」の第4弾。スティーグ・ラーソン死去後、前3巻を徹底的に分析し登場人物や劇中環境を踏襲してダヴィド・ラーゲルクランツが筆を執った。楽しみに読み始めたが、やはり書き手が替わると登場人物の性格や考え方、行動も変わるな。新しい事件が起こり、物語は面白く読みやすいが、リスベットはやはり超ダークでないと…。天才ハッカーだけど普通の女の子になってたのはなんだかなぁ。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
天和の大火で焼け出された「八百屋お七」の話をベースに作者が創作されたか。お七の妹・おすずが吉原にさらわれ、お七の恋人だった読売屋の庄次がおすずを見つけ出す、というのが大まかなストーリー。そこに市村座の人気女形・荻島清之助こと新九郎と吉原・巴江屋の花魁・紅花太夫を絡ませて物語が進む。お七の幽霊話より、生きている人間のほうがよほど恐ろしいと感じた。無邪気なおすずの台詞がめちゃ怖い。
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女将のお夕、彫り・摺り職人の政、絵画担当でお夕の姪の小春の3人が営む小さな版元「宝来堂」。馴染みの番付屋・長介の依頼で「大福番付」を摺ったが、客の文句に従って番付を書き換えたことから騒動に発展。宝来堂自らが番付を作って出すことになる。誰もが納得できる番付にしようと誠心誠意頑張る小春が印象に残る。舌の確かな小春の解説だけで、大福の味が想像できちゃう。続編希望。
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テーマは「愛」? 結婚式を終え、幸せの中眠りについた毅と里美。ふたりが目覚めると下着姿で別々の箱に監禁されていた。いきなり10問中7問お互いの答えを一致させればクリアとなる「アンサーゲーム」が始まる。ストーリーは面白いが、ピエロの正体やゲームの主催者は誰なのか、何の目的でやっているのか、このゲームを観る視聴者がなぜいるのかなど不可解なことがいっぱいでモヤモヤ。
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クリスマスイヴに起きた奇跡の短編5編。どの物語もイヴの夜に辛い過去を抱えながらも、いつも真面目に誠実に生きる女性たちが主人公。全く現実的ではないが、素敵なおとぎ話として夢見ることができる。私が特によかったのは、「魔法の万年筆」。ホームレスにハンバーガーを差し入れた恵子がお礼にもらったちびた鉛筆。書くと願いごとが3つだけ叶うらしいが…。恵子の利他の心が自らを幸せに導く。
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藍染め浴衣を江戸の町に流行らせ、明けた宝暦十年、江戸の町を大火事が襲い、多くの人々が焼け出されることに。五鈴屋は難を逃れたが、藍染め浴衣を一時の流行りにしたくない幸は、勧進相撲の力士用に浴衣地を作り太物仲間と染の技を共有し全店で売り出す。後半、呉服店丸岡の太物連合参加が決まり、五鈴屋の呉服の商い再開への光が見え始める。幸の信条「買うての幸い、売っての幸せ」は揺るがない。
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「ボンビックス・モリ」という小説を書いた作家が行方不明になり、その妻の捜索依頼を受けてコーモランは居場所を調べ始める。今巻は弟のアルが登場。大金持ちのボンボン身分を余すところなく利用してコーモラン兄をフォロー。異母兄弟とはいえ、ロックスター父の扱いの差に愕然。ハリポタは読んでないが、このシリーズは面白いので読み続けたいが和訳版はまだ2作。早く訳して読ませて。
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下巻→Amazom Books
デスクライト 3段調色(暖色/昼光色/白色) 10段調光 USB式 クリップ式で、お好きな場所に簡単設置し、デスク、本棚、ベッド、ピアノ、作業台など幅広く適用します。クリップには滑り止め効果スポンジが付いており、安定性がよく最大3.8cmまで挟むことが可能です。保護カバーが付属され、接触面を傷つく心配もありません。好みで白色→電球色→昼光色を自由に調整できます。
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結婚式を控えた真世は、元中学教師の父、神尾英一が殺されたとの報を受けて急遽故郷に戻り、久しぶりに会った父の弟である武史と共に父を殺した犯人を探し始める。強烈なキャラクターを持つ元マジシャン武史叔父の観察眼の鋭さや人から話を聞きだすテクニックが素晴らしい。「幻ラビ」が犯人捜しの鍵だとはわかっていたけれど、事故的な殺人ということもあって、さらっと読了。
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千大学院生の岡田一心は、ゼミの担当教授の紹介で、戦後日本を代表する大女優和楽京子こと石田鈴の家に資料整理のアルバイトに行く。昭和という時代を駆け抜けた女優の波乱万丈の人生が、鈴さんと一心の交流を通じて明らかになっていくとともに、自身の恋に苦しみ、亡くした妹との記憶に捉われている一心が、短いアルバイト期間で生涯心に残る人生の宝物を得ていく。久しぶりに目が潤んだ一冊。
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迷子の北一を拾って育ててくれたのは、深川元町の岡っ引きで文庫屋の千吉親分。その親分がふぐ毒にあたって亡くなるところから物語が始まる。北一はひょんなことから素性が不明の湯屋の釜炊きの喜多次と出会うが、北一に恩義を感じる喜多次は、普段はでくのぼうのだが実は腕がたち、北一を助ける存在に。盲目のおかみさんや差配さん、青海新兵衛など楽しみなキャラクターがたくさん。
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千葉県警で「アマゾネス」と呼ばれる警部・高頭冴子は、警官殺しと押収麻薬の横流しの濡れ衣を着せられ、警官殺しの犯人を目撃した少年・猛と一緒に逃避行する。警察内部に犯人が潜んでいるうさん臭さが初めからありありだったが、大阪西成へ逃げ込み地元のおっちゃん佐古ジイやセンセイとの関係や山﨑とのやりとりがテンポよく読み進む。最後、腐った警察組織に逆襲する爽快感もいい感じ。
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「作家刑事毒島」の前日譚。現役刑事だった頃の連作短編5作。警察を辞めたきっかけになった事件も描かれていおり、5作とも「教授」という謎の人物に唆され犯罪を犯してしまう人達の姿が。事件の犯人を唆す「教授」の正体を追い詰めていくが、実行犯ではなく犯人達を心理誘導しただけでは、公判を維持できないと踏んだ毒島は、「教授」と対決するのではなく自殺に追い込み、この事件を最後に依願退職する。
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J.K.ローリングが別名で書いた私立探偵コーモランシリーズの第1作。アフガン戦争で負傷し右足のひざ下が義足のコーモランは、超セレブのお嬢様フィアンセとの破局の直後、住むところも無く、廃業寸前のコーモランのところに、スーパーモデルの妹が転落死したことに不信を抱く兄からの依頼が舞い込み調査に乗り出す。調査とともに、自殺とされていたモデルの転落死が殺人の気配を帯び、終盤一気に帰結。
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下巻→Amazom Books
殺人という前科のある元刑事・尾木遼平は、今は出所して警備員として働いているが、唯一残された自宅には不思議な縁で知り合った3人の同居人がいる。ある日チンピラに絡まれ怪我を負った尾木は、早希という少女に助けられ、そのまま同居する事に。早希はヤクザの久保と組んで美人局やっていたらしいが、その相方の久保が、橋から転落して死亡。拘留される早希を救うばく犯人探しに奔走する。
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公安のエリート刑事幣原勇一郎の息子秀樹が、イスラム国のリクルートに応募したとして逮捕された。捜査から外され、家族からは息子を売ったと疑われ、世間やマスコミは犯罪者の親と責められ罵られる。釈放された息子が家を抜け出し、誰かに会いに行くが、その数時間後、死体で発見されてしまう。息子を殺した犯人と、ヒドラの正体のどんでん返しで読みごたえは十分。刑事ものではなく家族の物語。
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大手出版社で週刊誌の副編集長という立場にある志賀倫成は、ある日を境に息子がストーカーをしていた女性の家で殺人を犯し自殺したことから、取材する側からされる側になってしまう。執拗なマスコミの取材攻勢や顔が見えないネット民からの攻撃を受け、仕事や生活が崩れ去っていく。加害者だけでなく両親を殺され残された被害者の娘にまで被害は及んで…。小説としては希望の持てる終り方。
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死刑判決を免れた懲役囚の家族が相次いで殺され、現場には『ネメシス』の血文字が残されていた。渡瀬警部と古手川刑事、岬検事など中山作品お馴染みのメンバーが登場。仇討ちが許されない現代において、被害者遺族の悔しさ哀しさ無念な気持ちはどうはらせばよいのか。読了してから重犯罪の犯人が逮捕されるニュースを見るたびに、後ろにいる加害者家族のことを考えるようになった。
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LED ライトは回転120度対応です。ライトはマグネット部分を搭載しています。イージータッチ&リモコンで短く押すだけで、色温度とON/OFFをコントロールできます。長押しで無段階調光。リモコンは、無段階調光、色温度調整、タイミング制御に使用でき、前回の明るさ設定を記憶します。
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昔と違ってウェブ上で表現できる場がたくさんあるので、文章書きやイラストレーター、漫画家、歌手、ダンサーなどなど、表現したい人は自由に投稿したりUPしたりできる。そのれでバズってメジャーデビューする人もいるし、仕事につながっていく人もいる。出版業界に絞ると、確かに応募作で賞をとっても新作が続かなければすぐに忘れられてしまう。賞金は次作への投資と言う言葉が重い。
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再読。木山慎一郎は、死が近い人が透けて見える目を持っている。その運命を変えるために他人の死に介入すると、自分の身体にも代償のダメージを受ける。葵は、最後まで打ち明けなかったが、もしも慎一郎と同じ瞳を持っていることを話していたら展開は変わっただろうか。人生は一瞬一瞬の積み重ねということが、人は朝起きてから夜寝るまで9000回何かを選択しているという言葉にに凝縮されている。
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捜査一課・澤村慶司シリーズ第1弾。過去に自分の失態で幼い命を犠牲にしてしまったトラウマを抱える澤村。そんな時、昔の未解決事件に似た連続殺人が起こる。同一犯ならなぜ十年空いたのか、模倣犯ならどこから情報を得たのか。「最高の刑事」を目指し自分を追い込むが、周囲と協調できず暴走気味な捜査を繰り返し上司と激しく対立する。そんな澤村にプロファイリング担当の橋詰が絡み事件を追う。
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表の顔は腕利きの蘭方医、裏の顔は日本一盗賊の頭「鯰の甚右衛門」。こいつが黒ひょっとこの捨楽を失った右腕として手に入れ、悪の道に引っ張りこむために近づく。蘭方医としての腕は一流で、何者かが入れた毒入りの酒を飲んだ長屋の面々を助けるために八面六臂の大活躍となったがこの先捨楽との関係はどうなっていくのか。最後、犯人の瀬津の屋敷に忍び込み脅しをかけたのはスカッとした。
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ヒポクラテス第三弾。ついにキャシーと真琴が日本を飛び出しニューヨークへ。国内で感染が見つかったエキノコックスの突然変異種の大元感染源をたどっていく。議員の視察旅行の名目にかこつけた税金を利用したトンデモ旅行だって、ある意味あり得るかもな、と妙なリアリティを感じた。コロナ禍にあって、世界中が感染症という言葉に敏感になり、突然変異種と聞いても身近に感じるほどになった。
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ヒポクラテス第二弾。埼玉県警の掲示板に書き込まれた「コレクター」と名乗る者の情報に振り回される巻。大げさに周囲を巻き込んでおきながら、実際のコレクターの動機がただの自己保身とは。古手川は同期で寮から飛び降りて死んだ姫川巡査部長を絶対に自殺ではないと捜査する。身勝手なしょうもない男のせいで自殺だけど殺されたようなものだと解剖して真実を証明してもらえただけ幸いか。
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日本人は、お金持ちか貧乏に関係なく今自分がハッピーだと感じている人は少ないらしい。 幸せって結局「なる」ものじゃなくて自分で「感じる」ものなんだろうな。いつも「人生たのしく!」がモットーな私はハッピーなのだ、と思う。 まだまだハッピー度数は上がる余地ありだけど。お金はほしい、でも幸せってお金だけじゃないことは了解して、お金に囲まれるより愛情に囲まれて生きていたいものだと思う。
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新人の真琴がとてもフレッシュ。死体解剖時の臭いの表現がとてもリアルで嗅いだことはないけど、3度シャンプーしても取れた気がしないとは相当なのだろう。光﨑教授の解剖により、3例の事故死、2例の病死で片付けられていたのが、事故死においてはすべて事件であることがわかり犯人が逮捕される。病死でさえ、診断とは異なる病が原因だった。すべての死因には見えない真相が隠れていた。
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53巻。木綿問屋の大黒屋忠兵衛が、旗本・大門隼人と香取屋藤右衛門によって盗品を売った罠に嵌められ、店は闕所になり三宅島に遠島になる。同じく冤罪で三宅島に流された石松に、息子の忠吉に大黒屋を立て直してくれと策を授けて亡くなるが、忠吉は、遺言通り復讐劇に青柳剣一郎を引っ張り出して、我が身の危険もかえりみず、大門隼人と香取屋藤右衛門の口から真実を語らせる。
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PP材製で、安定性と耐久性の高い性能があります。10個はパッケージに入っていてかなり長い時間あなたのニーズにお応えします。煩わされることなく読書に集中でき、途中で休憩しても簡単に続きを読み始めることができます。小さいけれど機能は抜群。読書家の方への贈り物としても最適です
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アメフトコーチ出身でありながら、ジョブズの師でありGoogle立ち上げたシリコンバレーの伝説的コーチ、ビル・キャンベルの考え方がまとめられた本一冊。 最高のチームとは心理的安全性が最も高いチーム。ネガティブな問題は早く明らかにチームファーストで考え続ける。コーチングテクニックを知っているのとそのテクニックを実践できることには大きな隔たりがあることがわかった。
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三島屋変調百物語シリーズ第6弾。嫁いだおちかに替わって聞き手が伊兵衛の次男・富次郎に。第5弾でおちかと並行して語りを聴き、「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」を守る一環として話を絵にして文箱に保管することを始める。今回の黒武御殿の話は、これまでのなかでも特に奇妙で恐ろしい。ひとり聞き手になって間もない富次郎にあえてその語り手を大金で先にあててきた周旋の蝦蟇仙人が憎らしい。
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20代のころ易学を学んでいたことがあったが、易学の世界の奥深さは底知れなくて感心しきりだった。その後中断して学び続けることがなく久しぶりにこの本を手に取ってみた。 よく「当たるも八卦、当たらずも八卦」というが、易学は人間の深層心理を正直に映し出す鏡なのだと感じた。これを機会に、もう一度ちゃんと勉強しなおしてみようかなと思うが、卦を一から覚え直すだけでも苦労しそうだ。
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「三悪人」の続編。金四郎と耀蔵、そして忠邦の化かし合いが前作にも増して小気味良かった。忠邦お抱えの新料理人彦太のキャラが何ともよろしい。今回は忠邦の浜松藩内輪騒動に絡んでの化かし合いだったが、根底に前作のヒロインでもあるお夕を護る金四郎の思いが一貫していたことがわかり、そこまで金四郎に思われるお夕という女の魅力は一体何なのか、本筋とは関係ないが非常に興味深い。
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28歳で妻を亡くした巧と息子の佑司。「またこの雨の季節になったら、二人がどんなふうに暮らしているか、確かめに戻ってくるから」の言葉通り、記憶を全て失くした澪が帰り再び家族の時間が始まった。愛し愛されることで人は強くなり、自信を持ち、成長してゆく。それは大人も子どもも同じなのだと感じた。一緒にいて心から居心地の良い相手に巡り合える確率はそれほど高くないのかもしれない。
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再読。托卵というカッコウの習性になぞらえて物語は進んでいく。元オリンピック選手の緋田は妻の自殺で風美が実の娘ではなかったことを知る。今や娘も同じ道を歩んでおり、立派な選手になって欲しいという思いと、この事を早く世間に話さなければという思い、しかしやはり娘には知られたくない、という矛盾した父の心の葛藤が痛々しい。我が子を救いたい願いからの犯行だけにやりきれない。
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再読。少しの歯車の狂いで深みにはまってしまい、二度と引き返せなくなる。暗い過去を背負いながら必死に生きて夢をかなえ成功を掴み取ったはずなのに、ふとした事がきっかけでその人生が覆されてしまう。この作家の作品にはいつも人間の「業」が描かれている気がする。本当は進んではならない道。家族であるが故の絆、しがらみ、背負わざるを得ない運命。辛い悲しみが覆いかぶさる。
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【サイズ】135cmX68cmX20cm。重さ:2.50kg。7字型抱き枕に基づいて改進できた抱き枕です!横向き寝の時の体圧を分散し、体にかかる負担を軽減します。リビングの背あてクッション、ベッドや布団で読書やテレビを見る時に使うととても快適です。上部はU型のため、右も左もかかえて、寝返りがとても楽です。
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幼い唐沢雪穂と桐原亮司の2人が犯した罪から物語が始まるが、雪穂を傷付ける全てのものから守ろうとした亮司の行動は贖罪であり純粋な愛だったのだろう。深い闇に堕ちたもの同士、ずっと感じ合えていたことがわかる。二人の生い立ちや性格は周囲の視点から読者が理解できるが、2人の視点からはまったく語られないため、これをモヤモヤととるか魅力ととるかは好みだと思う。
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まさかの失態。これシリーズ第4弾だったのか。逆順になるが面白かったので第1弾から読み直そう。光崎教授が挑発とも取られかねないTVでの発言と若かりし過去の担当教授との確執が今回の事件に繋がっている。 しかし遺体に不審な点があっても法医学の置かれた環境(主に予算の問題)から司法解剖されないとは知らなかったし驚きだった。真実の日の目を見ない事件も数多く存在するのだろうな。
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シリーズ第6弾。舞台は修学旅行先の沖縄。今までは主人公結衣が、否応なしに事件に巻き込まれて桁外れた能力を発揮せざるを得なかった感があるが、今回は目的を持って相手を潰しに行く。やはりあの田代一家が関わっている。このままいくと日本だけでなく世界の主なマフィアやヤクザを結衣ひとりで潰してしまうかもしれない。伏線がちりばめられているので、何が起きるのかこの先も楽しみ。
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これだけ魅力的な登場人物ばかりの小説も珍しいかと。若き日の歌川広重こと定火消同心安藤重右衛門は、一目見たものを細部にわたって絵にしたためる能力の持ち主。同僚の信之介、五郎太との仲良し同心3人の友情が微笑ましい。仕事柄、火事の物語が中心になるが、菩薩像からボヤを出した寺に火付けを請け負う犯罪者集団が絡まりあってわくわくドキドキ楽しく読ませてもらった。
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天保の改革を推し進めた水野忠邦、妖怪と呼ばれた鳥居耀蔵、この桜吹雪が見えねえか!でお馴染みの遠山の金さんこと遠山景元、この歴史に名を連ねる3人の腹の探り合い、知恵比べ。花魁夕顔の足抜け計画に、三人三様の心模様が交錯する。果たして計画は成功するのか。誰が騙され、誰が騙すのか。一杯食わせるのかどっちだ。創作ではあるが3人の性格がよく表現されていて面白く読んだ。
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再読。「もんだい編」「かいとう編」をもつ西尾維新のミステリー小説。事件とは直接関係のない会話や心情を吐くところが、読み手を選ぶかな。独特な世界観や獰猛な描写は個人的に苦手。小説というよりも、心に響くセリフを見つけるのが楽しくて読む感じ。「嘘をつくのは簡単だ。嘘をつき続けるのが、難しいんだよ。好きなものを、好きでい続けるのが難しいのと同じでね」とか。
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普通の主婦が独学で同時通訳者になるまでの様々な体験と、その体験から得た学習方法・生活法の紹介本。といっても東大大学院卒という学歴の持ち主なので、頭の良さは凡人クラスではないだろう。朝2時起きも、同じことをあなたもやりなさいと勧めているのではなく、朝の忙しい主婦時間前に、学生としての貴重な時間を死守すること。要するにしっかり生活をコントロールすることが重要なのだ。
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第二次世界大戦末期における沖縄戦や広島・長崎への原爆投下は、戦争の残酷さを後世に語り継いでいく題材としてよく耳にするが、小説とはいえここまで詳しく東京大空襲だけに焦点にあてた物語は初めてで興味深く読んだ。東京大空襲は3月10日でなく9日だった。非戦闘員の住む下町を標的にした理由。空襲警報が送れたのはなぜか。の疑問を圧倒的な臨場感で昭和~平成3世代にわたって解き明かす。
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この巻でおちかの聞き役は終了。ずっとおちかでいくと思ったが、次巻から富次郎に移るよう。また違った物語の味わいが感じられることだろう。サブで時折、おちかと瓢箪古堂勘一若旦那の近況も語られることだろう。語り手の妖物語はいつも鳥肌が立つが、宮部先生の描く人間の憎しみ、悲しみ、苦しみ、妬みなどの負の部分がどうしようもなく増幅されたときに起こるかもしれない…の物語がリアルで秀逸すぎる。
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浮く、浮く、お風呂にぷっかぁ~と浮くバスブックスタンドです。考えつくされた抜群の安定力と浮力で、あなたの雑誌やタブレットがぷっかぁ~と浮いて楽しめます。これさえあれば、お風呂で読書も楽々!タブレット、スマホも楽々!使用後は、後ろの吸盤で風呂の壁に付け、自然乾燥で衛生的!置き場所も取られません。
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島田作品の中ではわりとサクサク読める方かもしれない。『龍臥亭事件』の8年後を描く続編もの。物語自体の完成度は非常に高い。伝奇的で恐怖に満ちていていかにも島田作品といったトリックあり、信じられぬどんでん返しあり、時にユーモラスで更にファンサービスまで提供してくれる。島田荘司という作家が別格であることを改めて思い知らされた。年末にがっつり味わえて満足。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
妖気的で幻想的な恒川光太郎の世界。この物語の発想自体インパクトは強烈で、「夜市」と同列の完成度の高さを感じる。「秋の牢獄」「神家没落」「幻は夜に成長する」の三編が収録され、3つとも囚われた世界の話だがどこまでも美しい情景と登場人物のイメージが広がる。平易な文面なのにこれほど神秘的な世界を描けるのがかえって摩訶不思議なところで、幻想性を十二分に楽しませてもらった。
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橋本紡氏の作品をはじめて読んだ。連続短編ものだが、おもしろかった。小学5年生にして教祖さまの彩乃ちゃんと関わった三人の物語。何も劇的なことは起こらないし、不思議な力もおどろおどろしいものではなく、さりげなく物語のポイントになる程度。魔法のようなことは起こらないが、迷いや不安の渦中からほんの少し行く道が見える。彩乃ちゃんを通して自分の道を探す辻村君の青春が眩しかった。
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濱次は歌舞伎の芝居だけでなく、普通のお芝居も天才級であることが発覚。咲良姫以降干されて舞台に立てないが、長屋仲間で堅物の浪人・仁野に、亡き妻の妹・絹が岡惚れしているのを諦めさせるために打った芝居が超リアル。しかしそれがきっかけで、自分には芝居しかないと覚悟を決めた濱次。ようやくやる気になったかいう感じ。秋泉との女形二枚看板と3代目香風を継ぐところまでぜひ読みたい。
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のんびりと役者を続けている濱次が森田座の花形立役・紀十郎のたっての願いで「千丈桜始末」の上演中10日間だけ立女形・秋泉の代役で咲良姫を演じることに。が、それは名前も出ず、うまく演れなければ櫓を追われるという大勝負。おろくの心中騒動や長屋女子の色々な恋を見て学んでいく濱次。体調不良でありながら逆に気負わず見事大役をこなして見せたが、本人は風邪で何も覚えていないのだった。
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シリーズ三ます目。二ます目までは1冊1話だったが今回は中編の別物語3話。味はいいのになぜか客が寄り付かない蕎麦屋のオヤジと森田座の二枚目立役、紀十郎のつながりを描いた「とちり蕎麦」、濱次に中村座から引き抜きの話がくる「縁」、初代香風の当たり演目「翔ぶ梅」の誕生秘話が濱次の師匠の仙雀と先代香風の若き日のエピソードとして語られる。濱次を見守る周りの目が優しい。
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シリーズ二ます目。森田座座元の勘弥に質屋を営む従妹の姉弟の姉おるいが筋金入りの芝居者嫌いな理由を探ってくれと頼まれ、姉弟が大家の後家さん達が住まう長屋に家移りした濱次。森田座の三味線弾き豊路がその質屋に質入れしたものを巡って濱次も窮地に追い込まれせっかくの役を降ろされてしまう。清助は純情で真っ直ぐな恋心をおるい抱くが、それがさらに話をややこしくしていく。
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主人公の濱次は幼くして二親を亡くし、芝居一座で育てられるものんびりした気性ゆえに、今一つ芸事に身が入らない名題下の中二階。その濱次が朝顔の鉢を突然若い娘から押し付けられたことから物語は始まる。面倒だった濱次は、花を見て目の色を変えた清助に預け、清助は変種の朝顔を競う花合わせに出してしまったことで、変化朝顔にのめり込む植木屋の娘の縁談騒動に巻き込まれていく。
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寝っ転がりながらテレビや本を見るのに最適なメガネ!首が疲れないので長時間の視聴でもラクラク!まさに怠け者のためのメガネです。プリズムが反射し屈折することで、90度真下が見える不思議な感覚を体験してみてください。
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五十鈴屋と幸が順調なときほど、またすぐにどん底に落とされるかも…とハラハラしてしまう。今回はこれまでにない藍染めの浴衣を生み出すために時を十分にかけて、満を持しての売り出しまでだったが、いつ横やりが入るのか、と読みながら勝手にやきもきしていた。一針一針作り手の想いがこもった浴衣が無事に世に出てほんとによかった。次巻は音羽屋の逆襲がでてきそうだが、それもまた楽しみ。
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シリーズ最終巻。家斉からの召し出しに応じるため、とっておきの利休卵と黒豆茶を膳に載せ、御小座敷へと向かった台所人、鮎川惣介。だが、上御鈴廊下に差し掛かったところで世の者とは思えない姿をした悪臭を放つ奇妙な女を目撃する。震えながら家斉の許へ辿り着いた惣介だが、将軍から二種類の昆布に関わる難問が課せられる。登場人物がそれぞれに愛しくて、終わってしまうのが残念。
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青痣与力シリーズ第52弾。町中を徘徊し、死神と怖れられる物乞いの年寄り玉堂と話をした者は自ら死を選ぶといううわさが流れる。この男は何者なのか。それと並行し大身旗本家の息子2人が、美しい旗本の娘をみそめるが、その娘には、将来を誓い合った者がいて…。ふたつの話が後半ひとつに絡んでくる面白さ。タイトルの「生きてこそ」が効いた人が生きるとはに焦点をあてた良い作品だった。
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全て小学生が主人公の短編集5編。世間のさまざまな価値観を排除せず受け入れることは簡単なことではない。まして、大人になればなるほど思考が凝り固まって柔軟に考えることができなくなる。他者の価値観を押し付けられた時に「僕は、そうは、思いません」と言えるか。受け入れることと相手によって自分の態度をかえることは違う。子どもの話なのにとても考えさせられる話ばかりだった。
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小熊十兵衛という冴えない浪人に抱かれると心願が叶うという評判が江戸の娘たちに広がった。今やそのユニークな裏稼業に十兵衛もやむを得ず携わっている。千代と言う女の願いは「奉公先のご嫡男・田沼龍助さまが出世すること」。1年後、十兵衛の前にその千代が死んだと美貌の若侍・田沼龍助があらわれる。龍助は後の田沼意次なのだが、この小説ではとても聡い好青年として描かれている。
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「フォトリーディング」という手法の速読方法の紹介本で、一言で言うと文章を追わずに絵や写真のように本を読むということ。マスターすれば読書量が一気に増えるから興味はあるものの、私の主な読書ジャンルである推理小説や時代小説には速読は難しいのでは?という固定観念がとれない。まして海外の推理ものなどは、大勢の登場人物を追うだけでも大変なやつがあるのにできるのかなと。
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「松波屋」に新しい女中お鈴がやってきたことで、弥吉は彼女の抱える仇討事情に巻き込まれる。今回は「松波屋」で商家の若旦那と称して逗留しているが、実は城代家老の息子、丈之進が主役級の活躍ぶり。国家老、分家筋の思惑が絡むなかで友情を感じあう丈之進と仇の澤岡。弥吉は若旦那からこの件に距離を置くように言われるがやっぱり暴走。これから面白くなりそうなのに続刊がなさそうで残念。
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主人公は男装の若い娘、弥吉こと弥生。その秘密の生い立ちから命を狙われ、叔母夫婦が営む働き先の船宿「松波屋」で男装の船頭をしている。この船宿、裏でとんずら屋を営み、やんごとなき人をこっそり逃してくれる。結構無鉄砲で感や思い付きで行動する弥生の周りを固める登場人物たちが個性があり面白い。謎の幼馴染み仙太郎が何者なのか、これから登場してくるのかが気になるところ。
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シリーズ完結作。主人公大友鉄の息子、優斗と同じ中学に通う生徒の保護者が何者かに襲われ、父兄の間で動揺が広がっていると昔のママ友からいきなり電話がかかってくる。父兄の一人として調べ始めた鉄だが、次の被害者は亡くなり殺人事件になってしまう。捜査線上に上がったのは被害者たちのいる中学の教師で、虐待が事件の裏にある可能性が浮上した。重いテーマだったが読み応えは十分。
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職人が選び抜いたイタリアンレザーを100%使用したBLUE SINCEREの本革しおりです。使えば使うほど色に深みが出て来るので上質な雰囲気を醸し出します。日々の読書がより楽しく、より上質なものになることでしょう。
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ドラマや映画の裏方世界のなかで新人君がいろんな騒動に巻き込まれ成長していくお話。有川浩時代からのファンには昔の作品のオマージュ的な場面がちりばめられており、ニヤニヤしながら読んだ。ロケ地の天気や気温に左右され、できない上司の理不尽なハラスメントに立ち向かうかっこいい女子スタッフの態度にスカッとした。小説の中とはいえ制作現場の裏側を覗くことができて楽しめた。
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青柳剣一郎シリーズ第51弾。指物師与吉が道具屋・万物屋で主の勘蔵が殺されているのを見つけるがなぜか下手人として捕縛。青痣与力は許嫁おくみの切なる願い、再探索を託され動き出すが間に合わず、無実を訴えながら与吉は斬首されてしまう。強い権力が絡むときは青痣与力といえどもこういう手段を取らざるを得ないのか…。今回秀逸だったのは多恵様の言動。与力の妻としてあっぱれなり。
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人間の身体のしくみ、構造が客観的に良く分かる一冊。50肩の痛みがずっととれないので、何かいいこと書いてないかな、と購入。読んでいてうなずくことが多い本。野口整体では、季節ごとに変化する身体にあわせた過ごし方をすすめている。今まで肩甲骨は意識してたが、背骨に意識を集めてイメージして呼吸する「背骨呼吸」を実践すると、背骨近辺が弛緩してパワーがわき出てくる感じがした。
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エッセイ。小説もそうだが、関西弁での表現に親近感がわく。「日々のこと」「音楽のこと」「本のこと」の3章構成。一番引き付けられたのは「音楽のこと」。超好みのタイプのアーチストばかりで、エッセイ読みながら同時にyoutube検索して聴いた。小説家になりたくて上京するときの話からなったあとの話、影響を受けた本、音楽。西加奈子という人間の感受性と本質がギシギシ詰まった一冊。
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仕出屋「逢見屋」の長女・お千瀬と相思相愛の楊枝屋の4男鈴之助。実家を継ぐことはなく、秀でた才もないと自覚する彼は、お千瀬から婿入りを請われ夢心地で祝言を上げるが、実は「逢見屋」は代々女性が主人。婿は商いには一切手出しをさせてもらえないと知り愕然とする。そこには大きな秘密が。しかし鈴之助の優れた調整力に気づいたお千瀬と一緒に少しづつ家族や店の者と親交を深めていく。ぜひ続編が読みたいもの。
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シリーズ第9弾。必死で完成させた型紙を持ち逃げして音羽屋に出奔した結。型紙に隠された秘密を逆手に取り自分の居場所を確保したのもしたたかで見事。裏で糸を引く夫の音羽屋忠兵衛の目論見通りに進むのは腹立たしいが、太物しか扱えなくなった幸がどうやって再び「買うての幸い、売っての幸せ」に持っていくか。後半、力造の努力で新しい希望が生まれそうに見えたが…、次巻が楽しみ。
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最初の話「嫌な女」は、他がどうなろうと自分さえ良ければいい良心を持たない女の話で、執筆参考図書にもその手の本があり、綿密に調べてから萬知という女を描いたのだろう、とてもリアルだった。次の「二本の矢」はアル中の旗本、二宮一矢に巻き込まれて惣介が泣く泣くダイエットを始めるお話。一矢が断酒する為に設けた料理指南で、教えたメニューが「これぞ和食」。文章だけで美味しそう。
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惣介の幼なじみで大奥の添番を勤める片桐隼人に待望の赤ちゃんが。しかも男女の双子。これが原因となり捨て子事件が勃発して読者はやきもきさせられる。西ノ丸御台所のいじめも、とてもやりきれなくて気が滅入る。いじめる側は遊びでも、いじめられる側は命を懸けて苦しんでいることがどうしてわからないのか。他者の側に立って物を見ることができないというのは哀しいことだ。
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今野敏氏、初の歴史物。笠間牧野家家臣の小野友五郎が咸臨丸に乗り、見事な測量術でサンフランシスコに渡航。帰国後も幕末の動乱期に幕臣として粉骨砕身の日々をおくった半生を描く。友五郎にかかると現在の日本の最高額紙幣の肖像画のお方も、金銭に対して公私混同が甚だしいらしい。「複雑に思える仕事でも、目の前の小さなことは単純で一つ一つ片付けていくだけ」という考え方には大いに共感。
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主婦向けワイドショー番組の再現ドラマ制作会社の社員、織田貞夫(おださだお)と土佐美郷(とさみさと)という上から読んでも下から読んでも同じ名前のコンビが活躍するユーモアミステリ。どれも再現元となった事件のおかしな点に気付いて謎解きがはじまる短編ストーリーが6本。社内では「山本山コンビ」と呼ばれていて、論理的で背の高い織田と直感的で小さい土佐の会話が面白くてあっという間に読了。
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文庫~A5・菊判まで対応!日本初の当社元祖フリーサイズブックカバー。サイズ合わせもカンタン!布製で薄型・軽量。文庫やソフトカバーに嬉しい栞ひも付。バンドでしっかりセットするので、だぶつくことなく本にフィット。
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シリーズ第5弾。包丁人鮎川惣介が主人公だが、毎回事件が起きる。今回も大晦の夜の仕事帰りに隼人と遭遇する人斬り事件から始まる。斬られたのは、惣介の息子・小一郎が通う手習い所の師範代露水。その下手人を見つけた後も狸の着ぐるみを被り大奥を探索したり、隼人の添番後輩で小生意気な三ケ田武実の私生活に顔を突っ込まざるを得なくなったり。太めのおなかを揺すりながらも動き回る惣介。
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包丁人侍事件帖シリーズ第4弾。今回は将軍の計らいで大奥勤めにあがったなみという娘が大奥で奉公し続けるために、大奥を離れることを決意した自分を一番大切に思ってくれるせきを殺めてしまう。麦作と次郎吉の関係もそうだが、親のような気持ちで世話を焼き、気にかけてやっても、子どもは自分の事しか考えずに誤った道を選択する。報われないその想いを知る惣介と隼人の悔しさはいかほどなものか。
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小説新人賞に応募し最後まで残った作品の作者と連絡を取ろうとするが行方不明。書評家が探し始めるのだが、実はこの作者、宇宙人とのハーフで命の危険が迫ると時間が遅くなる力を持っていた。警察、自衛隊、ヤクザ、謎の組織、などとドンパチのあげく、お空に帰っていくという荒唐無稽で無茶苦茶なお話!と片付けるのは簡単。好き嫌いは分かれるだろうが、私は読了後、変な満足感に満たされた。
上巻→Amazom Books 下巻→Amazom Books
包丁人侍事件帖シリーズ第3弾。御家人ふぜいが将軍家斉に直々に呼び出され、仕来り破りの待遇を受けるに鮎川惣介。上様も惣介を通して何かと情報を得ている節もあり、温かい出来立ての食事だけを所望しているわけではないような。今作で1巻から続いていた謎がひとまず解決するが、息つく間もなく難題が噴出。御広敷添番の幼なじみ片桐隼人とセットでまだまだ難題に振り回されそう。
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幕末期の琉球王国時代に活躍した、首里手系空手の創始者、松村宗棍の一代記。今年東京五輪で沖縄の喜友名諒が男子空手形で金メダルを射止めた決勝の技が「オーハンダイ」。女子は日本の清水希容とスペイン、S・サンチェスの金メダルをかけた決勝戦の技がともに「チャタンヤラクーサンクー」。読んだタイミングもよく、宗棍の空手が今に受け継がれていることに感動が倍増された。
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ミステリー9編の短編集。書かれてからだいぶ月日がたっているので、デジタル化の進んだ現代の視点で読むと古臭さが否めない箇所がちょくちょく出てくる。そういう時代もあったなぁ、と私は懐かしめるからいい。著者の一人、井上夢人さんご自身の解説の中で、そのあまりの若書きに、気を失いそうになった…と書かれていたが、そうでもない。そこそこお面白いし楽しめる1冊。
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夫とともに肺がん検診の結果を聞きに行く名香子。ステージ1で手術すれば大丈夫とほっとするも、同日夫良治は好きな人と暮らしながら治療をすると家を出て行く。夫の考えが理解できないまま途方に暮れる名香子。うちの夫婦も娘ひとりだしこの夫婦と似た環境だが、夫がそうすることが幸せなら自由にすればいいんじゃないのかな。私なら高校の同級生は気にしない。連絡は入れるけど。
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江戸城の包丁人鮎川惣介と大奥添番の幼なじみ片桐隼人の謎ときシリーズ第2弾。一話一話、目の前の事件は一応解決を迎えるが、根底にある一連の事件の解決と黒幕の正体はまだ見えてこないまま。大奥と言う伏魔殿で複雑に絡み合う事件の謎は簡単には解けそうにないが、江戸城の上役たちに敬意を払いつつ、謀略のために弱者の命を塵芥のように扱うことは許せないと憤る二人の姿が凛々しい。
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犬養隼人シリーズ第6弾。ベースは先進医療に両親を奪われ家庭が崩壊した姉妹の復讐劇。最初にドンと問題提議があり読み進めていくが、復讐動機や目的にリアリティを感じず、物語そのものが薄く読みごたえがない感じ。不治の病を抱えた子どもがいて、少しでも効くと思えばそれが民間療法であれ怪しげな祈?であれ親は何でもするだろう。犬養の娘の難病はこの先どうなっていくのか。
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シリーズ第5弾。第1弾の武蔵小杉高校事変で結衣が唯一友情を交わした濱林澪が再登場。さらに結衣の父が率いた半グレ集団が起こした銀座デパートサリン事件の被害者沙津希と出会い、農業高校でのサリン製造とその散布を阻止するために闘う。結衣を陥れ葬り去ろうとする国家公安委員長や腹違いの妹凛香の裏切りは衝撃的だが、その上を行く結衣の先読みの鋭さと頭の良さに舌を巻く。
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シリーズ第4弾。異母弟である健斗が修学旅行でスキー場に向かう途中、乗っていたバスが崖から転落。一旦近場の廃校に避難するが、そこで健斗がバス運転手を射殺して、自殺する。結衣は健斗の死の真相を探るため、過去に父親と敵対していた凶悪な韓国半グレグループパグェの巣窟である清墨学園に乗りこむ。そこに結衣を見張る公安の梅田たちもやってきて壮絶な対決が始まる。
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内蔵の1,000mAh充電式リチウムバッテリーにより、最大で80時間も読書をお楽しみいただけ、明るさも落としません。3段階の色温度:電球色(3000K)、白色(4000K)と昼光色(6000K)の明るさ設定があり、各ヘッドに対応する調光が可能。
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シリーズ第3弾。全寮制の学校=矯正施設への転校を進められた結衣。前作ラストに登場した妹、凛香の言葉も気になり、とりあえず見学だけ行くことにしたが、その途中で何者かに襲われる。気づいたところは、知らない南国の孤島。しかもそこは傭兵によって24時間監視されており、結衣以外の700人の高校生たちが拉致されていた。結衣はその生徒達と力を合わせ島からの脱出を図る。
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シリーズ第2弾。前回のテロ事件騒動の後、武蔵小杉高校から葛飾東高校に転校し、施設も変わった優莉結衣。今回は同じ施設に身を寄せるJK専門デリヘルに関わる姉妹を助けるために闘う。人を殺したいという衝動のはけ口として、暴力団もサイコキラーも上級国民面した悪人も見事にぶっ殺される。ラストページに腹違いの妹、凛香が登場。結衣には腹違いの兄弟姉妹がいる設定だが、次巻以降徐々に絡んでくるのだろう。
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久しぶりの松岡圭佑作品は、タイトルだけでは、内容が想像できなかった。東京オリンピック金メダル候補でベトナムから帰化した男子生徒が通う高校に総理大臣が視察に行ったところ、突如現れた武装集団が高校を占拠。同じ高校に通う優梨結衣は、日本最大級の半グレ集団のトップ、すでに死刑となった男の次女。高校が戦時下となり大量殺りくで現実味はないが、襲撃や戦闘アクションシーンは読んでいて血が騒いだ。
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セーラの従兄夫婦、ドルフとメアリが下宿屋を増設し、困っているお年寄りに提供しようという高齢市民リサイクルセンター企画が持ち上がる。募金運動を計画していた矢先、センターの会員が殺されるという事件が発生。セーラは出産寸前で、親族挙げての真相解明が始まるが…。なじみのキャラが犯人でないのは確かななか、シリーズが続くほどに真犯人に対する驚きが小さくなるのは仕方ないのかも。
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セーラ・ケリングシリーズ第5弾。セーラとマックスが結婚してから最初の事件。ジェム伯父は会員制クラブ『浮かれ鱈同志の会』の新会長として、例会で由緒正しき「大鎖」を着け臨んだが、その席上で大鎖が消えた。それが後の大惨事につながるとはつゆ知らず…新婚早々ふたりは真相究明に駆り出される羽目となり、捜査のためもぐりこんだクリスマス・パーティーでさらなる事件がおこる。
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セーラ・ケリングシリーズ第4弾。 セーラはマックスとの再婚を前向けに考えつつ、夏の休暇を利用してふたりでアイアソン埠頭へ。だが高価な骨董品のビルバオ鏡がなぜか転がっており、次々に古い知人や親類が押しかけてきて、とても甘い時間を過ごすどころではなくなり、眼前に死体が転がる羽目に。素人探偵の宿命として、休暇中ほど事件は起きるものなのだ。
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セーラ・ケリングシリーズ第3弾。セーラとマックス、出会いはお互いの印象が悪かったのに、なぜこれがセーラ&マックスシリーズと呼ばれてるのかが分かってきた。孔雀の歩きまわる、「マダムの御殿」と呼ばれる一風変わった美術館。ここで演奏会が開かれたとき、事件が…。2人のロマンスも、殺人事件の調査もひっかき回されていく、犯人はありがちだが、面白い。
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セーラ・ケリングシリーズ第2弾。 登場人物が増えてるのに、ストーリーはぼやけず最後まで飽きなかった。生活のため雄々しくも下宿屋を始めることにし、高級感を出すため下宿人は厳選したセーラ。しかし、またしても事件が…。 魅力ある登場人物たちに今回は堪能した。さすがマクラウド。 ミステリというより普通の日々を描いた作品のような感じで面白かった。
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セーラ・ケリングシリーズ第1弾。叔父を埋葬しようとして納骨堂を見たら、なぜかレンガで封印されていた。あけてみると、そこには白骨化した死体が。死体が発見されてからというもの次々と苦痛がセーラを襲う。辛抱強く冷静で、愛情に溢れるセーラに対して、優しいだけの頼りない彼氏にイライラさせられはするが、最後まで退屈はしない。やんわりとしたミステリー。
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佐方検事シリーズ第4弾。検事時代の佐方と増田事務官を軸に、上司の筒井がからんで展開していく短編が4作。なかでもに認知症の母親を殺した罪で地検に送られてきた男性の事件を担当するなかで逮捕までの空白の時間に疑問を抱き真実を明らかにしていく「信義を守る」は、被疑者の思いを叶えるのではなく、あくまでも真実に見合った裁きを全うする姿勢が佐方らしかった。
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元精神病院だった療養型病院で巻き起こる一夜のクローズド・サークルミステリー。別の病院外科医である速水が先輩のピンチヒッターとして深夜当直していた病院に人質を連れたピエロの強盗が現れる。自分で撃った女の治療を速水に要求し治療をするが、しだいに病院に隠された秘密があることに気づいていく。設定が設定だけに登場人物が絞られており、サクサク読み終えた。
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就寝する前の読書に使用おすすめです。さまざまな照明のニーズに合わせて3段階明るさを調整可能です。光源は従来の蛍光灯よりも安定しており、照射もより均一で、ちらつきがない光を提供し、目に優しく、光と眩しさによる目の疲れを防ぎます。
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今多コンツェルン会長、杉村三郎の義父の私設運転手梶田信夫が自転車のひき逃げで亡くなる。杉村は事故死した梶田の娘たちが亡き父について本を書きたいとの相談を受け、彼女らの思いにほだされ、梶田の人生をたどり始める中で、関係者の誰もが知らなかった事実が少しずつ明らかになっていく。人間の本音と建て前、生きる上での光と闇が杉村の目線で淡々と描かれる。
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まさにB級パニックジェットコースターホラーミステリー。8人の遺産相続人を集め24時間後に屋敷に残っている第一候補に全ての遺産を譲るという遺言を遺したハイチの農園主。24時間の間に遺産相続人が次々と死に、黒人ゲリラとの銃撃戦や、ハイチのブードゥー教のゾンビが登場したり、ヒロインは生きたまま棺桶に入れられたり、というしっちゃかめっちゃかな展開だが、オチはある。
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初読みの作家さん。1冊完結。中條の名での子おろしを生業とする女医者江与が、吉原花魁や男が判らない女の堕胎など、生むことができない苦しみを助けようと奮闘する。中條を取り締まる側の清之助との恋はやっぱり乗り越えてはいけなかったのではないか。一途な江与だからこそ、すべてを承知の上で踏み込んだのだろうが…。清之助「逃げる気はない」って、嫁さんは?
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初読みの作家さん。まだまだ知らない小説家はたくさんおられる。嗅覚が人より尋常に利く才能を存分に発揮し、将軍の御膳所を預かる鮎川惣介と剣術の達人で幼馴染でもある大奥を警護する添番の片桐隼人が事件を解決していくお話。この凸凹コンビが面白い。物語も伏線がいろいろ張られていて、まだまだこれから広がっていきそうな予感。このまま追いかけよう。
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ミステリー小説としては有名な古典で読みたいと思っていた作品。奇数章で殺人事件の法廷が描かれ、偶数章で奇術師リュウの運命を描いているカットバック方式の小説。黒幕から逃げ回っていた妻タリーが転落死を装って殺されてしまい、黒幕はさぞかし恐ろしい奴だろうと予想していたが、裁判での被告人として出てきたグリーンリーフは、意外に普通。そこまで計画して復讐するような奴かな?と。
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1995年の初版なのでWindows95の時代かな。パソコン通信でインターネットをしていた時代が懐かしい。今読むと時代設定は古いと感じるけど、内容はネットの匿名性を利用した問題提議や警察や学校の陰湿ないじめの体質など、何も今と変わらない。有森恵美が理解できない警察のおじ様方がいたけど、今ではバーチャルアイドルも初期の初音ミク以降いろいろでてきて当たり前になってる。
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物語の内容には関係ないが、ゲームの進化のスピードを感じずにはいられなかった。スーパーファミコンやフロッピーディスクといった、ほとんど死語にちかいワードが出てくる出てくる。30年近く前に刊行されたので、その当時は取れが最先端だったんだな、と。今回は安積側の視点が少なく、蓬莱というゲームソフト開発と販売にからむ殺人事件の内容説明が長かった。
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なんとなく東野圭吾作品らしくないタイトルだな、と思いつつ読み始めた。読み終わったとき、このタイトルに込められた思いがなんと重くて辛いことか。作品の軸になると思い込んでいた須田武志が中盤前に自殺してしまうのは予想外だったが、さまざまな人間が絡み合った魔球を巡る物語が武志の死後に展開していく。時代設定が昭和40年代前後というのも私的に懐かしかった。
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天才少年の光瑠は、子どものころから難解な専門書を読みこなし光を演奏するコンピューターを作り出す。光瑠が人知れず演奏する光に気付き、少年少女が吸い寄せられてくる。若者中心に「光楽家」としての支持を集めていくが…。音を組み合わせてメロディーを奏でる「音楽」があるのだから、なるほど光を奏でる「光楽」というものがあってもいい。物語としては終わり方が少々あっけなかった。
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薬剤師・毒島花織名推理シリーズ第3弾。今回も安定した面白さだった。リアルな世情を反映していて、コロナ禍の社会を踏まえて物語が展開していく。前作までは毒島さんの過去の回想から謎解きのヒントを得ていたが、これからシリーズを重ねていく上ではあまりにリアルで書きにくくならなければよいが。とはいえ、まさに今読むべき1冊の感じがする。
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薬剤師毒島花織の名推理シリーズ第2弾。今回もホテルマン水島君が薬剤師毒島さんの力を借りて事件を解決していく。お互いが信頼し合っているからこそできることだな。毒島さん曰く「この世に存在するあらゆる物質が人間にとっては毒にも薬にもなる」。自分の口にするものはもっとちゃんと調べないといけないなと思う。新しく出てきた新キャラの影山さんが今後どう絡んでくるのかも楽しみ。
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初読みの作家さん。薬剤師の毒島が薬のあらゆる知識を使って問題を解決していくお話。医者と薬局の関係性や薬局のシステムがどうなっているのかなど、知らなかったことをたくさん知った。医者に処方された薬は何の疑いもなく飲んでいたが、自分の身体に入れるものはちゃんと間違いがないか自らも調べるべきなんだ。ホテルマン水尾爽太君の片思いがかなう日はくるのか、今後の展開が楽しみ。
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レディースにもメンズにもマッチする5倍の拡大鏡を会わせたフラワーペンダントルーペです。家での読書にはもちろん洋服を選ばないので外出時の読書がさらに快適にお楽しみいただけます。
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竜崎の言動に心が躍る、隠蔽操作シリーズ。今回は警視庁と犬猿の仲とされる神奈川県警本部刑事部長として着任したところから始まる。年齢なのか、出世して角が取れたからか、竜崎らしくない周りへの心配りをするくだりがあったが、やはり原理原則は通す竜崎。大暴れはないものの、警察OBや在日中国人社会がからんできて、公安部長との対決や公安警察官とのやり取りは緊張した。
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ルイジアナ州バトンルージュ市警に勤める5人の警官たち(キャサリン、リズ、モナ、キャシー、サラ)をめぐる10の短編小説集。ひとつひとつの物語の奥が深い。人間の心理や感情をむき出しでないが、ひしひしと伝わる表現がすばらしい。それぞれの物語は決して心軽やかにしてくれることはないが、なぜ心魅かれるのか。おそらく翻訳もうまいのだと思う。
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池谷裕二氏と糸井重里氏の対談集。脳をめぐるお話が面白い。年をとると記憶力が悪くなるのは嘘だと。脳はずっと働き続けるので、どんどん使ってあげると良いそう。よりよく生きるために頭をよくするという志の大きなメッセージが込められている。年齢とともに頭のよさや脳の使い方などがテーマにあり、私のような年齢の人間にとっては希望を与えてくれる1冊だ。
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「女三階に家なし」。両親に従い、嫁ぎ先では夫と姑に従い、老いては子に従う。日本の女性が、自ら生き方を選べなかった時代に、当時の女性たちは、それを当たり前のこととしてうけとめながらも相当な葛藤があったのではないか。現在の女性が自らの生きる道を選べるのは当たり前なのではなく、このような人びとが、戦いとってくれた結果だとも言える。
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この作品はCWAゴールドダガー賞を受賞。スウェーデンの地名や人名は、聞きなれないので、登場人物を記憶して読み進める努力がいった。作品としては、おもしろいし、他の作品も読んでみたいと思う。いまやミステリーの一大ジャンルともいえる「北欧ミステリー」だが、私が出会ったのも2005年に出たスティーグ・ラーソン『ミレニアム』が最初。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
リカシリーズ第5弾。背中がぞわぞわするような身近に迫ってくる恐怖…。今回もリカの存在感は匂わせだけで本人は一瞬たりとも登場しないのに、ほんとに怖さがひたひたと迫ってくる。元々オカルトやグロい小説は嫌いなのだが、読むたびにもう懲り懲りと思いながらも、シリーズ新刊が出ると読まずにはいられないという、リカの毒の不思議さよ。
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「あなたが住みたいと思う家を建ててください」。建築家のプライドを揺さぶる依頼を受け自ら手がけた邸宅だったが、そこに住まうことなく失踪した一家とその邸宅内に残されていたタウトの椅子の謎を主人公青瀬が追う。タウト絶賛のセリフが続くので、私個人は建築にそれほど興味もなかったのだが、作中に出てくる実在する彼の建築物をネットで見ながら読みすすめた。
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韓国大統領が条約締結に来日するのに合わせ、警察がその警護にあたる中で総理大臣の孫が誘拐される。犯人の要求は条約締結の中止と身代金30億円。警察は一度も犯人と直接やりとりすることもなくあっさりと人質解放され…。犯人逮捕に執念を燃やす警察だが、良い意味で予想を裏切られた。評価の分かれる作品のようだが、私個人は十分に楽しめた。
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江戸川乱歩賞受賞作品。先日ニュースで出たファイザーの薬が先々完治に繋がればよいが、認知症は今はまだ完治する薬がない。この小説は施設の前に置き去りにされた身元不明の重度認知症患者の身元調査を自身も軽度の認知症と診断を受けた元刑事が始めるミステリー。綾辻さんの審査評、終始主人公の元刑事目線なのに一度も一人称が使われていないというのは確かに驚き。
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鯖猫長屋シリーズ第8弾。長屋の家主お智と太市が監禁され人質に。ラストシーンで掛井が千里眼少年の心に向けてはなったであろう言葉にズシリと心を揺さぶられた。「千里眼を得るには、天狗の力、鴉の眼、不可思議な力は要らない。信の置ける者を周りに集めればいい。信の置ける者を集めるには、まず自らが信を置いて貰える人間になることだ」
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パトリシア・コーンウェルの作品ということで、期待一杯で読みはじめました。しかし残念ながら今まで読んだ作品のような深みはまったくなかった。作者得意の科学捜査パターンも織り交ぜられているのだが、過去の作品のファンの一人としては、ありきたりのミステリー作品にしか感じられなかった。シリーズ化するのであれば次作品を期待して待とう。
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丈夫でサビに強く、お手入れしやすい18-8ステンレス製です。ブックスタンドは取り外せ、防水のTVやラジオや携帯電話なども置くことができます。浴槽幅に合わせて52.5~75cmまでスライド可能。
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人生は自分を映し出す鏡。 結果があるのは、その原因が必ずあるからということを感じて生きていかないとダメということか。読了後に感じたのは感謝の気持ち、「ありがとう」はやはり魔法の言葉だということ。小さな何でもないことに感謝する気持ちを持てるかどうか、伝えられるかどうか、うまく伝わるといいなと。素直な気持ちになれる本。
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貧乏を美徳と考えない。質素・倹約と貧乏は違う。「私はお金が大好きだ」と心の中で思いなさい。呼吸するように、ごく自然に「お金が好きだ」と、そう思うことができるようになれば、どんどん入ってくるようになるそうな。ほんまか? 自分がこうなりないと強く思い続けていると、必ず実現するらしい。心の持ちようで人生は大きく変わるんだと。
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木を自分の資産にたとえて、どう育てていくかというお話。 世界の資産が「森」というわけ。 いくらあってもいいのがお金だと言うが、私はあまりお金に興味や執着がなく、家族が楽しく暮らせて、健康ならそれでいい。使い切れないほどのお金が欲しいとも思わないし。個人個人の考え方だろうが、お金に執着しすぎると心がしぼんでいきそう。
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ほとんどの作品が書店内で展開されており、書店が舞台であるからだろうが、例えば入院中の人に薦める本をテーマにした作品で、こんな天才的な絶妙のチョイスをしたのは誰かと絶賛するのだが、つまるところ、それ作者が考えたチョイスであって、それを絶賛されても白けるだけで、その絶賛はつまり自画自賛であり、作者の自意識過剰なのだ。
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おもしろかった。第二次大戦終戦直前から原爆投下まで、史実かと思うほどのリアリティ満載の内容で物語が進行していく。ラストまで丁寧に作られていて、しかも疾走感があるので一気に読み終えた。誰もが幸せになるハッピーエンドではなかったが、久しぶりにページをめくりながらわくわくした作品だった。最後は涙してしまった。おすすめです。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
元ネタはどれも有名なので、ミステリ好きで既に読んでいる方は思わずニマニマしてしまう仕掛けが色々と施された作品集。どれも本家を彷彿させる出来栄えだが、私個人は折り紙の得意な名探偵"シマダ"になる「三、四、五角館の殺人」が一番楽しめた。元ネタの記憶があやふやなのより、やはりはっきり記憶に残っているものがより楽しめた気がする。
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この作家独特の世界なのかもしれないけど、どうもしっくりこない。真ん中は袋とじになっていて、表から読むと樹里のツアーの様子、本を逆さまにして裏から読むと留美夫のツアーの様子が描かれ、二人が目的地の山荘の206号室で出会う。とても凝った初めて見る本の体裁だが、物語自体には緻密な仕掛けもなく、読了後もあまりスッキリ感はなし。
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800年の時を超えて紡がれる壮大な歴史サスペンス。運命の絆で結ばれるアリスとアレース。この二人を軸に、現代と800年前の時代で物語が同時進行してゆく。キリストの聖杯をキーモチーフに使い、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の3つの宗教が融和しているなどこの作家の脳みそはどうなってんだか。ここまでドラマティカルな小説に仕上げる腕はさすが。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
星野富弘氏の詩が浮かんだ。「よろこびが集ったよりも、悲しみが集った方が、しあわせに近いような気がする。強いものが集ったよりも、弱いものが集った方が、真実に近いような気がする。しあわせが集ったよりも、ふしあわせが集ったほうが、愛にちかいような気がする。」苦難を負うこと自体に意味はない、その意味を見出すのはその人自身なのだ。
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小さな字が読みくい方へおすすめの読書アイテムです。拡大が6倍なので、目の疲労が軽減され楽に字を追うことができます。場所を選ばないデザインは、屋内でも屋外でも便利に使えます。
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営業部から渉外部へ異動し、上司山鹿の下で債権回収について学んでいく結城だが、その山鹿が何者かに殺される。銀行から借金をしている社長・宗教家・元政治家、ヤクザ側が傲慢、開き直りで超強気。それでも「お客さま」と結城が呼ぶのがいかにも銀行マンらしい。山鹿の殺人事件が軸にはなっているが、結城が提示する債権回収プランの短編集のよう。
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1980年代から1990年初期のちょうどバブルがはじけるまでの嫁姑の戦いを描く『シーソーモンスター』と、その後2050年のAIが進んだ未来を描く『スピンモンスター』2編からなる。どちらも海族、山族の普遍的な争いをベースに展開される。どんな未来になっても、AIではどうしようもないアナログなところは残ると思う。そこが人間の存在価値だろう。
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あっという間に読了。医学サスペンスで、病院を舞台にくりひろげられる人間の心情と葛藤、といったところか。著者は伏線をたくさん張って最後はそれを綺麗に整えて終わらせるのがとても上手い。「人間は生まれながらにして使命を与えられている。その道を極めた人間は、どんな事情があろうとも、自分の使命を全うする。」この台詞、ロゴ的だ。
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山間の小さな村の村長選挙の話なのだが、講談師に目のまえで語られているよおうな独特の文体で展開されおもしろい。どう表現したらいいのか解らないが、何かひきつけられるものがある。文章に味があるとでもいえばよいか。プロフィールを見ると、本屋さんをしながら文筆家をしてるそうで、ご本人もきっとユニークな方なんだろうなと思われる。
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昔から日常に存在する好奇心を忘れないことが、年をとらない秘訣だと思っている。ヒトは一年に一歳ずつ必ず年をとるが、精神的な加齢はまったく違うものだと思う。この本はそのまま自分が「わくわく」することを追い求めることを薦めている。ヒトは「わくわく」することにはどんなことがあっても、それをするための時間を作るものだから。
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いつかだれにでも訪れる「その日」と向き合う人々を描いた連作短編集。人生には、人それぞれ良い節目、悪い節目が必ずあって、その節目を迎えるときにどう考えて対処するのか。ひとつひとつの短編は、何事もない日常の物語だが、なぜかずしんと心に響く。それが最終的にひとつの物語として成立していくのは、人間関係のつながり、縁、なのである。
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人間とは、学ぶ生き物である。人間とは、考える生き物である。人間とは、他人のことを思い、愛することのできる生き物である。人間とは、夢を見、希望を持つことのできる生き物である。人間とは、死ぬまで成長し続けることのできる生き物である。このように人間というのは、その人の物の見方、心の置き方ひとつで、全く天と地ほどの差が開く生き物なのである。
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現実にはまったくありえないような、殺し屋組織「影じぇんと」たちが殺人事件を元にそれぞれの仕事道具を改造した武器を使って繰り広げられるトンデモ系エンターテイメント小説。しかし、空想の世界にどっぷりと浸のにはいいかもしれない。うっそー!とかありえない!、とか思いながら結構楽しみながら読了。映画化したらおもしろいかな。
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偶然だが連続して警察関係の小説を読むことに。「朱夏」というのは人生を季節にたとえた夏の時代を表しているのだそう。「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」陰陽五行説に対応する色に基づいた季節の異称が基になっており、木は春で青、火は夏で赤(朱)、金は秋で白、水は冬で黒(玄)となる 。私も現在「朱夏」真っ只中。またひとつ勉強しました。
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交通警察官を軸に描かれる短編集。どれも簡潔で読みやすい物語だった。東野圭吾氏はユーミンの歌が好きだと、どこかで読んだ記憶があり『リフレインが叫んでる』と『Anniversary』の2曲が事故発生時刻を決定する重要なキーとして登場する。私的には飲酒運転は「事故」ではなくて「殺人」にあたるのではないかと。飲んだら乗るな、乗るなら飲むな。
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120mm×80mm×40mm。本のページを押さえて両手がフリーになるクリップです。適度な大きさと重さでしっかりページをホールドします。クリップの内側は本を傷めない特殊フェルト素材使用しており、本を傷つけません。
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読了の感想を簡単に言えば、正直理解できなかった。幻想?SF?なんなのだ?というのが感想。第二次世界大戦中の、それぞれまったく別の形で戦争に関わることになる双子の兄弟の運命をを中心に追った物語であるが、時代設定も戦争がからんで、一読で理解するのは難しいのか。ただ一卵性双生児というのは精神的なつながりがとても強いのだなと感じた。
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ついに50巻。大島屋の娘・お染が、川田屋での婚礼の日に密室から忽然と消えた事件と、30年前に武士を捨て、身分違いの旅芸人の胡蝶と駆落ちしたが、逃げた蔵の中から胡蝶が公然と消えた謎解きを白岡藩前藩主で隠居した倉木肥後守孝康から依頼される青痣与力。親身になって話を聞き、解決に導いてくれた尼僧が、一方の当事者であったとは。
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49巻。南町定町廻り同心・坂上吹太郎が盗賊鈴鹿一味の隠れ家を急襲し、盗賊の頭と娘が自害。幹部たちは捕縛したものの捕縛を逃れた残党が5年の歳月を経て再結成するが、何者かによって次々に殺されて行く。青痣与力がその謎を追うが、些細な違和感を見逃さないのはさすが。恋をすると人をここまで変えるのか、とまさかの結末に驚く。
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薄い壁の向こうからゴリゴリ、ギコギコ死体を解体するような音が聞こえたら、熱帯夜云々関係なく寝不足になるのは当たり前。前科のある者が更生する壁は高く世間の目は冷たいが、前科があっても本気で更生する気がある者を積極的に採用している企業も日本には2万社以上ある。本気なら他人の戸籍の嘘の人生ではなく自分の人生を引き受けてほしい。
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静おばあちゃんと玄太郎さんのキャラを知れば、出てくるセリフにもいちいちうなずける。途中でチラッと岬洋介という名前が登場するのも、繋がっている感が出ていて中山七里ファンとして嬉しかった。自分て直接手を下さず誰かを唆して目的を遂げる教唆犯。マインドコントロールとか洗脳とか、特別ではなく誰もがかかる恐れはあるかも。
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シリーズ第二弾。個人的には苦手なジビエ料理が出てきたが、また、害獣駆除としての狩猟や命をいただくことに感謝するという事にも触れていて興味深く読んだ。やはり前作同様出てくるスープの描写がとても美味しそうで、読んでいるだけで幸せな気持ちになれた。このスープ屋は口コミだけで相当広がるだろうな。続きを読むのが楽しみ。
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この作家さんの作品として初読み。主人の麻野が作るスープがとにかく美味しそう。出てくるスープすべて飲んでみたくなる。近くにあれば毎朝モーニングスープ飲みに行くだろうな。麻野の生い立ちを含めて、現代社会が抱える闇を感じつつ、ミステリーというほど大袈裟なものではなく、日常の謎解きを章ごとに完結させていてさらっと読める。
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48巻。加賀友禅の窃盗事件から始まった一連の事件がやっと終結。長かったー。町のいち与力が大名、旗本と直接やり合う事など本来はあり得ないのだろうけど、青柳剣一郎の揺るがぬ正義感が解決の道へ貫いた。青柳の強い後ろ盾、宇野さまも言う時は言う、バシッと決めるじゃないか。長谷川への見事な啖呵に読み手として溜飲がおりた。
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100mm×20mm×50mm。フリルがかわいいふわふわクッション。スマホが入るサイドポケットつき。読書枕、テレビ枕として。レンガ、グリーン、グレー、ダークグレーの4色。
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47巻。加賀藩絡みの事件をずっと引きずっているがこのあたりで決着か。前巻から登場した北町奉行所の与力・水川秋之進は優秀でありながら青柳剣一郎変なライバル意識が見えて、本当の姿はどうなのか、二人の関係はこの後どうなってゆくのか楽しみなところ。二人の子どもが独立して家庭を持った青柳家のエピソードが少なくなって寂しい。
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パンチェンラマ十世の魂がかつての自分の肉体(ミイラ)に「転生」して蘇り、ロプサン少年と冒険旅行に出かけるお話。中国の圧政に苦しむチベットがテーマなのにもかかわらず、ドタバタ劇、かつコミカルな展開に深刻な気分になりつつも楽しく読める上出来なエンターテイメント。俗っぽくて可愛いパンチェンラマ十世がとても魅力的。
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三島由紀夫の研究者でもあるロシア現代作家、ボリス・アクーニンの2作目。主人公ファンドーリンが魅力的。シリーズものだが先に新しいのを読んでしまったので、ちょっと残念。19世紀という舞台設定や明らかにプーシキンを意識してる序盤はロシア文学の文脈を現代に伝えるものになっているのかも。もっと作品が翻訳されればいいのにと思う。
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小説家のほとんどが、物語はきれいに終わらせようとする(と思う)のに、あえてハッピーエンドにはしない終わり方をした作品集。おねえちゃん/サクラチル/天国の兄に一筆啓上/消された15番/死面/防疫/玉川上死/殺人休暇/永遠の契り/In the lap of the mother/尊厳、死 。11の短編が入っている。あらゆるジャンルのバッドエンドが集結している。
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八代将軍徳川吉宗の享保の時代、大坂の大店の跡目相続の争いが江戸の武家までも飛び火して大疑獄になった事件のお話。当時の大坂の商家について内容が詳しく描かれている。大量の「賄い」が必須であり、賄賂か、献金か、いきすぎた「挨拶」か...大阪に生まれ育った私としては親近感がわいた。昔も、今も人間と言う生き物は変わらないんだな。
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20年後の私へ/たとえ真実を知っても彼は/ダーウィンの法則/どれくらいの愛情 の4編から構成される小説集。どれも読みごたえがありストーリー展開が秀逸。この著者の作品は時々なんだかわからないけれどとても読みたくなる。人間にとって本当に大事なこと、人間の持つべき理想や人生訓のような文章が多くて、それが読みたいからかもしれない。
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罪悪感なく平気で嘘がつけるサイコパスは世の中に存在する。でもそういう奴もどうふるまえば良心的に見えるか、は知っている。いろんな心が混ざり合っているからこそ人間。一生妬まず、嫉妬せず、嘘をつかずにいられる人間なんていないだろう。誰もが邪悪な心を持っているということを前提に、その心とどう付き合っていくかなのだと思う。
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楓の葉・いちょうの葉・蓮の花・四つ葉のクローバーの4種類細かい。葉脈デザイン細工のしおりは、金属とは思えない滑らかさ。綺麗なしおりを味わいながら読書のおともに。タッセルとチェーン2種類あり。
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速読マスターの本ということで興味本位で手に取ったが、老眼がはじまっている私には無用だった。書いてあることは、とにかく眼力を鍛えろということ。本屋での立ち読み程度の時間で、一冊読了できるわけない。そんなことしても、たぶん中身覚えてない。小説や文学作品は速読ではなく、じっくり読んだほうがよいと書かれていて、やっぱりな、と。
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小説ならジャンルを問わず何でも読むが、私には海外モノ→現代モノ→時代モノをベースにくるくるまわりながら読書をするクセがある。この本は、俗に言う時代モノで元忍びだった男のお話。作者の何でもない一文に惹かれることが多く、お気に入りでよく読んでいる。普段なら2~3日かけて読む量なのだが、1日で読了できたのは我ながら驚き。
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昭和51年に福岡で起きた一家四人殺しを書いたノンフィクション作品。どんな人間でもちょっとした歯車の食い違いで人生がどんどんおかしな方向に向かっていく怖さを改めて感じる。物事の後になって、こんなはずじゃなかった、という言い訳をしないために、運命というものがあったとしても、自分の人生は自分で選んでいるのだと思いたい。
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脳みそのどこを切っても文科系な私が、はじめて楽しめた数学的な小説。統計学、確率論、相対性理論、量子力学etc、内容はもりだくさん。主人公のケインをはじめとして登場人物が多すぎてちょっと混乱物しながら、語の先が読めない展開にさらにハラハラ。たまたま手にとった本だったが、読後感は爽快そのもの。とても良かったと思う。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
ロゴゼミ同学のオンラインSVをきっかけに読書会テーマになった本。「生きること、ユーモアをもって笑うこと、死ぬこと」は人生の一続きなのだという、日本人が苦手な分野をじっくりと考えるチャンスをくれたように思う。生き死にの内容でありながら、デーケン先生のユーモアあふれた優しい言葉で語られている読み応えのある密度の濃い本。
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新シリーズ第一弾。主人公は凄腕の懸賞金ハンター コルター・ショウ。明晰な頭脳と行動力を武器に、スタンディッシュ刑事と一緒にサバイバルゲーム『ウィスパリング・マン』に見立てた連続誘拐殺人事件を解決していく。フロリダにある家にはほぼ帰らずフットワーク軽くキャンピングカーでどこにでも行く姿がリンカーン・ライムとは好対照。
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人間として大切に持っておかなくてはならないものを提示してくれるような作品。2人の孫の世間に対する対処の仕方、考え方、乗り越え方が全然違っていて面白い。シリーズ化してほしいと思いながら読んでいたら、まさかの善吉氏の死。考える前に身体が動いていたんだろう、亡くなり方もロゴ的なんだな。一冊読み切りなのが残念。
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久しぶりのガリレオシリーズ。天才物理学者も年齢を重ねて角が取れてきたのではないか。自分が真犯人だとおびえる関係者に警察が解決したストーリーのもう一つ奥にある真実の推理を告げる湯川の態度ははっきりしている。「私は警察ではありません。あなたに選択肢があるのです」と。二転三転する結末に最後の最後までワクワクしながら読んだ。
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ミニサイズでお持ち運びに便利。持ち手はゴム製なので持っていても滑りずらく、水で丸洗いできるので常に綺麗な状態を保つことができます。直径75mmの虫眼鏡を使うことによって、子供の自然探検に多くの楽しみをもたらし、高齢者が細かい版画を読むのに役立ちます。シニア層に特に人気の高いビッグルーペはプレゼントにも喜ばれます
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殺し屋シリーズ第三弾。過去の2作「マリアビートル」や「グラスホッパー」と違い、今回は非情な殺し屋としての顔と恐妻家の顔を持つ“兜”からの視点でほぼ書かれ、後半になって兜の息子“克己”の視点が加わる。人の命を奪う商売なのになぜか日常的で、シリアスなのにコミカル。殺し屋なのに家族愛に溢れた“兜”の心情が1冊に込められている。
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ロゴセラピーを学ぶ仲間であり人生の大先輩でもある林田憲明氏の著書を贈っていただいた。聖路加国際病院を定年退職後「聖路加フレンズ」の代表として高齢者の人生と向き合ってきたエピソード33話が収められている。常々、医者もロゴセラピーの視点で患者さんと接することが大切とおっしゃってたが、その具体的療法例をこの本をとおして知ることができた。
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2013年に殺されたNPO法人の代表理事の事件と2014年3月にマンションの一室で十数体の猫の死骸と一緒に発見された死体がつながっていく。主人公は昭和48年10月21日生まれの鈴木陽子と言う女性。普通のはずだった彼女の人生は何をきっかけに狂い始めたのか。エピローグでわかる真相にはマジで『絶叫』しそうになるので、あえてあらすじは書かないでおく。
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行方不明となった先代傀儡師の後、新たな傀儡子として任命されたミスジ。烏に攫われるところを偶然助けた仔猫ユキから先代の行方不明の謎に迫り先代の仇を追い詰めるまでの話はとっても痛快。本当にこの世界には猫の「傀儡師」が存在するかも…と想像力をかきたてる。猫と人間の探偵バディものは、猫好きにとってはさらに面白さの増幅する作品だった。
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ニヒリズムの根本問題にメスを入れた一冊。「夜と霧」でアウシュビッツ強制収容所の極限状況を著したV・E・フランクル博士の、全集未収録の2論文で構成した論集。難解だが読み応えあり。積極的に苦悩を望む人間はいないが、苦悩に一度も当たらずにすむ人間もまたいない。人間は苦悩に応答するものであり、それによって自己超越できる生き物なのだ。
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警察小説であるが、犯罪の加害者側と被害者側がずっと引きずり続けるものに焦点がある。親が殺人を犯した子どもに対する世間の仕打ちが、逃れられない加害者意識を植え付けてしまうが、親の罪を子どもが同様に背負わなければならないのは理不尽なのではないか。ブラッド・ロンダリングというタイトルが心に突き刺さる読み応えのある作品だった。
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ロゴセラピー的フランクルの「ユーモア」の大切さ。どんな逆境にあっても、苦悩を抱えていてもユーモアとして笑い飛ばすまではいかなくてもクスッと笑えるだけでも自分を客観的に見つめることが出来る。コロナで世界中の人々の心が荒みがちになる中で、こういう時だからこそ美しい音楽や絵画、そしてユーモアが必要なのかもしれない。
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ルーペ付きのロングネックレスなっており、首から掛けて、必要な時にすぐ使えます。使用しない場合、首から下げて持ち歩けるので、とっても便利です。2倍の倍数となっております。普通の読書や新聞はもちろん、植物観察、昆虫観察などおすすめします。母の日、父の日、お両親様の誕生日プレゼントに是非どうぞ。
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コロナが周知されるようになってそろそろ1年がたとうとしているが、現在も世界や日本に第3波が来ている。どんな人にもその人なりのストレスが積もっていることだろう。今のように制約された条件の中でこそフランクルのこの言葉を。「人間は精神的であるがゆえに自由な存在である、そしてこの意味においてのみ『制約されざる人間』なのである」
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ウィズコロナを過ごす中で、読み返したくなって再読。どんな状況になっても自分の人生からの課題の問いかけは続いている。今、この状況で私にできることを間違えないように淡々とやっていくのが大切なのだと改めて思った。世界的な閉塞感やストレスのたまる世の中だけど、コロナと言う状況の中でどういう態度をとるのかはその人次第なのだから。
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ペンネームを「浩」から「ひろ」に替えた話が面白く、作者のほのぼのした人柄がよく出ていた。読書感想文廃止論には全く異議なし!小さい頃から読書も作文も好きだし得意だったので苦しくはなかったが、なぜ自分の感想を先生や誰かに発表しないといけないのかがわからなかった。感想は人それぞれ自分の心で感じればいいじゃないかと思ってた。
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2003年から2011年までのエッセイをまとめた一冊。小説は一気に読んでしまうくらい好きだが、さて、エッセイはどうだろうと思いつつ。いやはや幼少時代から感性の鋭い子どもだったんだなぁと。小説で人の心の機微が鋭く描かれているが、やっぱり元々の感性から発しているんだと納得のエッセイでした。とても楽しんで読むことが出来た。
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捜査一課に異動となった原麻希。異動先の面子もお馴染みの達也と合コンキングの原田、異色の鍋島、新人で決してスマホを手放さない安定志向刑事の手塚。住宅街での不自然な連続孤独死を秘密裏に法務大臣から調べるように依頼されたが、それはオレオレ詐欺にからんだ連続殺人事件だった。八係シーズンは椿教官との闘いかな。今後の展開が楽しみ。
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ベッドの上で読書をすると枕をクツションの替わりにする方が多いかと思います。枕をクッションにすると姿勢が悪くなり、首や腰に負担がかかり、すぐに疲れてしまいます。読書用クッションを使うとベッドの上でも理想的な姿勢で読書をすることができます。水色・グレー・ピンク・ベージュの4色からお選びいただけます。
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シリーズ最終巻。随分時間が空いたが、やっと大団円。隠密同心として生きていく覚悟を決めた市松に反して、引退を告げる及川奉行。影の身分が表のお白洲に出て顔をさらしたのが原因だが、幽霊として生きている松原様が隠密同心に復帰することとなりこれでよかったのかな、と。記憶が曖昧になるので読む方はぜひ一気に3巻読み切るのがお勧め。
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ハリール・ジブラーンは「20世紀のウィリアム・ブレイク」と称された人物で、彼の詩は読むたびにロゴ的な要素にあふれていることを実感する。気持ちが引き締まる。
・仕事とは、愛を表現することにほかならない。
・あなたを救う唯一の道は、他者を救うことだ。
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今回の隠し子事件で与六がどれほどおてるに惚れてるのかよくわかる。子宝に恵まれなかったにもかかわらずその愛に甘えず感謝の気持ちを忘れないおてるもすばらしいおかみさんだ。騒動の原因を作ったともいえる豊山先生だが、ずっとくっついていた山吹の霊が最後成仏して美しい花に生まれ変わり、長屋の面々に可愛がられるようになってよかった。
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十三階シリーズ、第3弾。段々内容がエグくなっているよなぁ。個人的に人間感情や行動のエグいグロい小説が苦手なので、読みづらくなりつつある。排卵日だからって確実に妊娠するなんて道理はないし。なんが都合のいい展開なんだよなぁ。個人の人生より公安としての立場が優先されることが理解できない。第4弾はもう手に取らないかも。
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40代の中年女性円藤冬香が練炭死亡事件の容疑者として逮捕された。ライターの今泉由美はその記事の写真を見て彼女ほどの美貌の持ち主がなぜそんな事件を起こしたのか興味を抱き取材を始めるが…。真実はあまりにも悲しく辛い。沢越姉妹のような子どもたちの存在が現実にあるのでは?と思うと心が痛い。子供を救えない国は滅びてしまうと思う。
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拾楽の住む長屋部屋に前の住人弟分以吉の霊が出る。並行に掛井の旦那の手下平八がピンチに陥るがそれを庇い、自ら新事実を明らかにするべく調査を始める。自分の立場がなくなるかもしれないのにかっこいいぜ掛井の旦那。事件解決に一役買ったのは「おっかあ」と呼ばれている白い犬とおたきという少女。おまけのサバのあとがきが良かった。
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人間工学に基づく設計、ほとんどの耳に合うイヤーカップ。ヘッドバンドは頭に圧力をかけることなく所定の位置にとどまり、フィット感がよく、頭のサイズに合わせて調節可能なので、子供から大人まで着用できます。2色からお選びいただけ、軽量かつコンパクトに折りたたみ可能なので、いつでもとこでも持ち運びやすくて便利です。
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いつもながら子猫のさくらとサバ大将の描写が可愛い。主人公の青井亭拾楽の昔からの因縁の相手として女盗賊のアザミが登場。幼子が事件に巻き込まれる巻で読み手の心情としてはハラハラしっぱなしだった。捕まる直前にアザミがおはまちゃんに拾楽について何かしゃべった様子。今後のおはまちゃんと拾楽がどうなるのか気になります。
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各章の頭に出てくる娘語りの謎の文が最後に明らかになるのだが、大店に生まれながら親が騙され亡くなり、落ちるところまで落ちて、誰も信じず恨みを抱きながら生きてきた娘が、河内屋の後妻になり恨みを忘れて幸せを掴んでいながら病気で亡くなった。残された恨みの毒が入った玩具を差配が形見分けにもらったことで話がややこしくなっていく。
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弱いものをいじめたり殺したりすることに愉しみを見出し、良心の欠片もない若旦那が最後はギャフンと言わされる。サバが八面六臂の活躍を見せる痛快な回。亡くなった妹の念が「出戻り文箱」にとりついて、姉を庇おうとする気持ちが切ない。若旦那を怯えさせるのはいいけど、おはまちゃんを姉の身代わりにしようとしちゃあダメだよ。
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シリーズ第3作。父の内縁の妻の過去を探してほしいと、思い出探偵事務所を訪ねた娘。籍を入れていないとはいえ、夫にも自分の人生を一切語らないまま事故により認知症状が出てきた女性、絹枝の半生は実は戸籍すらない壮絶なものだった。ヘビーな彼女の人生を丁寧にたどっていく中で、探偵たち自身の成長も見られるのが読み手を引き付ける。
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雄高さんが役者に専念するために思い出探偵社抜けて既に2年経過している設定。さらに探偵の由美さんが、京都ローカルのテレビ番組でコーナーを持っていて、京都ではちょっとした有名人になってた。スタッフに医師資格を持つ真君が加わって、医療面からの意見やサポートができるようになった。1作目とは少し毛色が変わった気がする。
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ドイツ在住の著者が旅をしながら日本語、ドイツ語、英語など言葉の違いやニュアンスの違いを思考して日記形式に綴っている。複数語をマスターした人ならわかるのだろうが、99%日本語でしか思考しない私にこの本が教えてくれたことは大きい。言葉を発する時や書く時にもう少し神経を尖らせないといけないんじゃないの、とか。
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シリーズ最終巻。今まで皆塵堂にお世話になった皆の衆がちょっとずつ顔を出す。庄三郎を裏切ったおじ、嫁の件もやはり因果応報なんだねってスッキリした。何と言っても猫ちゃんの出産ラッシュで15匹の子猫の貰い手を探しに奔走する己之助が素敵。本当に猫好きなんだなー。一緒に回る円九郎は最終巻でも成長しなかったけど。
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「ペルソナ」と表題作「犬婿入り」の二編を収録。「犬婿入り」は芥川賞受賞作品。とくかく句点(。)がない。ずっと読点(、)が続く文章は一文が長く、物語の内容よりも日本語で表現した文章を日本人が読んでどう理解するのかが試されている感じ。前衛的日本語文というか、常人には理解し難い、過激さや難解さ、奇抜さであふれている。
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良きにつけ悪しきにつけ、思い出のない人間はいない。依頼者のわずかな思い出のヒントを手掛かりに元刑事の実相浩二郎をはじめとする思い出探偵社の面々が探し人を見つけるべく奮闘する。実相の息子の死の真相や妻のアルコール依存症の克服など、解決される問題が続編に残ったままなのでそのストーリーの行方も楽しみだ。
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従来品より1/2程度の重量(43g)でミニマムな軽量モデル。メガネの上からの使用も問題なし。本製品の柄の部分にメガネをかける箇所があるため、ずれる心配ありません。パッドを追加し、装着時にまつ毛が当たったり鼻が痛くならように改善しました。
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46巻。青痣与力にライバル与力が現れる。しかもどうやらワルのよう。今まではほぼ1巻で解決していたが、事件が大きくなりすぎて1冊では納められないのか、この巻は将軍家献上の加賀友禅の事件が終わっておらず前巻からさらに謎を深めて展開していく。しかもまた次巻に持ち越し。老中クラスをやっつけるには時間がかかるようだ。
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ハラマキシリーズで一番キタ。イスラエルとパレスチナの抗争がリアルに恐ろいた。誰かが生き残る横では誰かが死ぬという、ガザにおいてあまりにも簡単に命が落とされていくことに小説と思えない辛い気持ちになった。日本には伝わらない事実をもっと知りたくなり、この小説を書くにあたって作者が参考資料にした書籍を読もうと思った。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
思春期の自分を支えてくれた恩人との再会はハラマキにとって辛いものだったはず。この巻でハラマキが警察官として孤立して、四面楚歌な状況になっても犯人を逮捕するまでとことん追い詰める執念の基礎になったのが瀧の警察官としてのモットーから来ていると知った。運命の巡り合わせで人間はどうにでも変わる弱いものだとしみじみ思った。
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神社の賽銭泥棒に失敗したダメダメな放蕩息子3人のうち、皆塵堂に預けられたのが円九郎。今までの歴代居候のなかでピカ一の使えなさ。3人ともこれで将来お店が継げるのか?とあまりのバカっぷりに呆れて読んでいたら、円九郎を除いた二人は呪い死んでしまった。円九郎の性根の弱さにズバズバ物言う峰吉のツッコミにスカッとさえする。
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商いに関してはめげずに知恵を出し「笑って勝ちに行く」と言い切る幸だが、妹の結ことになると態度が変わる。結はできすぎる姉とのコンプレックスに悩みながら良かれと思ってやったことに逆に叱られたり、そりゃ拗ねたくもなるか。行方不明の惣次が再登場でさらに面白くなりそう。悪い奴ほど阿保なふりする同業者も結と共に絡んでくるだろうしね。
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前作の爆破テロリストの戦いと違い、今回は実際にあったオウム真理教がモチーフと思われる新興宗教団体が過去におこした毒ガステロからの解体、散り散りになった残党教団に黒江律子の母が傾倒していき律子は内情を探り母を脱退させるために妹を教団に潜入させる。今回もハードでグロく騙し騙され場面が目白押しのなか、律子はひとり走り回る。
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女性作家が公安を描くとこうなるか…。ハードボイルドな男社会のなかにあって、警察庁の公安秘密組織「十三階」に所属する女刑事黒江律子がエロとグロでひっかきまわす。情報をとるためには女としての武器は何でも使い、片思いの上司が盗聴盗撮している目の前で自分の性まで投げ出すって、ほんとドロドロ。みんな精神病んでしまうだろうな。
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読み始めてまず感じたのは主人公の幼稚園経論舞子先生の弁が立つことといったら!理路整然と感情的にならず淡々と遣り込めるところは、とても26歳とは思えない驚きがあり、見習いたいとさえ思った。読み始めたときは色々伏線があるように見えたのだが、読み終わってみると実は単純な幼稚園で起きた殺人事件だったというのが読み応え的には薄くて残念だった。
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江戸店を取り仕切る幸の商売人としての気丈さ以上に人間としての縁や絆を大切にする心、目先の儲けではなく「買うての幸い、売っての幸せ」売る側も買う側もお互いが幸せを感じる商売を追い求めるところにグッとくる。人気歌舞伎役者富五郎と五十鈴屋六代目店主智蔵との絆を偲ばせるお練りの衣装依頼のくだりはおもわず涙ぐむ。
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SF的な8作品の短編集。著者の作品はやはり長編が好み。8作とも面白いのだが、もっと深堀して読みたい、という欲求が止まらない。特にバック・トゥ・ザ・フユーチャーもの「わたしとワタシ」増殖する生きた監視カメラの話「戦闘員」と人生のやり直しが叶うかの実験「ザ・タウン」は一編づつの長編にしたものが読みたくなった。
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幽霊、祟りの類を一切信じない連助が皆塵堂へ奉公に上がる第五弾。太一郎が連助を避け、連助は太一郎を毛嫌いするなか、皆塵堂の皆が連助に妙なものを見せないように奮闘する。祟られた家に婿入りする連助のために早死にさせないよう婿入り先の呪いの秘密を探る。連助は最後まで何も知らないが、皆塵堂の仲間はあったかいな。
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シリーズ第四弾。今回は新人登場はなく第一弾から出ている巳之助が主人公のような扱い。猫好きの私にとっても作中に可愛い猫が増えていくのは嬉しい。名づけ方が雑なようで良いな。太一郎の特殊能力にも拍車がかかってきたようで不気味。ぜひともシリーズが終わるまでに理想のお嫁さんが巳之助に来てくれるよう祈るばかり。
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毎回主人公が替わるシリーズ第三弾。その上過去の主人公も引き続き顔を出すので物語のボリューム感が増しつつある。事情や悩みを抱えた人間を奉公させ、1冊ごとにちゃんと卒業させるところが、店主の伊平次がただのぼーっとした釣り好きのおじさんでなく実は一番できるんじゃないかと思わせてくれるところ。
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シリーズ第二弾。今回の主人公は、身内に騙され呪い殺すために丑の刻参りの道具一式を皆塵堂で買った庄三郎がそのまま居候するお話。第一弾の太一郎の成長ぶりが頼もしい。猫をいじめたり殺したりするのは猫好きとして許せないが、猫を介して人間のつながりも広がっていくのが読んでいて楽しい。
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初読みの作家さん。死人が出た家や夜逃げした家から引き取ってきた品物を中心に?とにかく何でも扱う皆塵堂という古道具屋が舞台。そこで修行中の太一郎は、道具に憑いている幽霊が見えることを自分で信じていない。太一郎の目に映る幽霊の見てくれがグロいのが怖い。猫の鮪助がいい味出してて面白い。
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初読みの作家さん。一行目の”人は一生のうち何度くらい犯人と出遭うのだろう。”の一文が衝撃的でした。ドイツの
エルベ川河畔の光景の描写や主人公の本を買いにきて消えた男からの手紙など、主人公の体験と虚構が混ざりあってつかみどころがない。このふわふわした浮揚感は何なのだろうか。
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チョコラベル75個ミックス。繰り返し使える付箋。粘着式の付箋は使い過ぎると粘着力が落ちたり、時間が経つと貼っていたところが変色してしまうことがありますが、ブックダーツだと繰り返し何度も使えて便利です。
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シリーズ第7弾。カーソン警察学校の先生に。最初はとても嫌がっていたのに教壇に立つと意外にあってると自覚。実在したルーマニア最大の独裁者の政策の被害者で劣悪な環境で幼少時代を過ごし感情を失った孤児、俗にいう「チャウシェスクの子供たち」とのひとりがシリアルキラーとなって事件を起こしていく。
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了潤、真弓、蔦は北海道(蝦夷地)に乗り込み物語が繰り広げられる。江戸時代における幕府から見た蝦夷開拓の立場、考え方、それに反する先住民のアイヌの忍びが登場。長崎よりもさらに自由に海外と貿易していたという蝦夷。リアリティがどこまでなのかは別にしてテーマ的にはとても面白いと感じた。
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「御役目は影働き - 忍び医者了潤参る」を加筆・再編集したそうで、再読。前のより断然読みやすくなっていた。わずか1年前に読んだはずなのだが、「前に読んだな」という気持ちになることがなく、初見のように楽しめた。なぜか死体のそばにいると心が落ち着く了潤と彼を取り巻く仲間たちの関係がとてもいい。
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シリーズ第6弾。カーソン、ミックスアップと名付けた犬を飼う。ケンタッキーの田舎でカーソンが長期有給休暇中に巻き込まれた猟奇的殺人事件とモビールでのボビーという囚人の脱走事件が交差しあう。このシリーズはいつも残酷で人間の闇を映し出してくるけれど、なぜか不思議と読了感は悪くないんだな。
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リーダーシップとは誰かひとりが組織・集団を独断的に引っ張っていくことではなく、同じ方向にベクトルを向けている同士のアイデアや意見をまとめてより良い方向に導ける者である。日野原先生のキャリアや生き方をたどりながら、現代におけるリーダーシップとは何かをという問いかけに対する答えを示す著書。
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カーソンライダーシリーズの第5弾。今回兄貴の登場はなし。冒頭カーソンとハリーが釣りをしているところに赤ん坊が流れてくる。この赤ん坊が最後まである意味物語を引っ張っていく。白人至上主義の強烈な差別意識と態度は最近のトランプ政権下で明らかに表面化してきてるので、小説の世界じゃなくマジ怖かった。
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カーソンライダーシリーズの第4弾。ニューヨークで起きた事件に呼び出され何の説明もないままやってきたカーソン。現場には切り裂かれた下腹部に頭部が押し込まれた彼のよく知る女性の死体。彼女が残した謎のビデオの意味とは?文句なく面白いし、最後自由になったジェレミーが今後どう動き出すのか楽しみ。
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作者の得意山岳ものかな。10年前シウラ・グランデ峰クレバスで亡くなった親友を迎えに行ったら何故か遺体が歳を取っていた。同じ場所で二度死んだ?謎を解いてゆくミステリー。イメージは純粋で山登りが三度の飯より好きな朴訥とした男だったから山男といっても様々ななんだな、というのが正直な感想。
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革みたい、でもやわらかい!革みたいな新素材、革みたいだけどとっても柔らかい!しかも発がん性物質を含まないノーホルマリン加工、だから肌のやわい女性やお子様でも安心です。ほぼ全サイズ対応 (文庫、B6、四六、新書、A5、マンガ、ノート)こだわりの日本製プロダクトです。
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初読の作家。きわこのこと、を改題。貴和子が執念深く執着心の強い女なのではなくて、実はまわりの関係者たちが貴和子に途轍もなく執着している。貴和子は幸せな家族を持ちたいと願う普通の女。ただ本人は普通でも周りが過剰に影響されて狂いだすというのは本人の責任ではないけど、とても不幸だ。
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昨年映画化。4番は橋本環奈ちゃん。映像は確かにわかりやすいが、この物語はビジュアルから受け取らず、文字で先に読むべき。ストーリー展開と言葉の紡ぎ方が最高。自分も物書きの端くれとして、この筆力はうらやましい限り。やっぱりもっと語彙力とセンスを磨かないといけないな、と思い知らされる。
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FBI二コラス&マイクシリーズ第4作。主役二人の愛が止まらない。自然現象を操り世界を征服しようとする双子とそれを何としても阻止しようと戦う二人+助っ人達。女泥棒キツネが彼女最大の弱点、愛するダーリンを人質にされる。今回は夫婦愛やロマンスもてんこ盛り、いうならハードボイルドハーレクイン。
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FBI二コラス&マイクシリーズ第3作。2017年8月から再読。すっかり忘れて初読のように興奮して読了。シリーズ物は時間が空くと完結物でも登場人物のプライベート部分が進行しているので読み返さないと思い出せない。できるだけまとめて読みたいけど新作は発売まで待たないと仕方ないけど忘れてしまう。
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生まれてはいたが私が物心つく前に起こった三億円事件。未解決のまま犯人逮捕に至らず、取られた三億円も行方不明。現実に起きた事件なのに非常に小説的。5人の作家がそれぞれの角度から史実と照らし合わせ短編を寄せている。中で呉勝浩氏と織守きょうや氏が初読。別作品を読んでみたいと思わせる両人だった。
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2学期初日のこの日に自殺が多い9月1日に病室の窓に向かって涙を流しながら「死なないで」と念仏のように唱えていた姿に衝撃を受けたという娘の也哉子さんが不登校問題についての対談をまとめた著書。子が中学生時不登校だったので学校に行かない選択がありだった判断を推して貰えたようで嬉しかった。
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既読海外ミステリーの中でも出色の一品。登場人物各々の視点から章括りで物語が展開する。後半に入るとタイトル通り秘密が次々に明かされていく。時間を超えて一人の女性の人生を娘の視点と周囲の登場人物にうまく編み込みながら堪能でき、久しぶりに読み応えがあった。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
ちょっと気の強い新人刑事片岡真子とキャリア警部・高藤の凸凹コンビが活躍する殺人ミステリー。15年の月日を超えて2つの事件の解決に挑む。犯人は本当に憎たらしいけど、死体の隠蔽を暴くところから最後の時効破りの裏技に気づかずペラペラと自白してしまうのは、だまし討ちのようでスカっとしなかった。
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人生セラピーを学ぶ身として、著者のいう生きがいというは、フランクルの言葉に替えれば「意味への意志」や「自己超越」に通じるものがあった。「自分に課せられた苦悩をたえしのぶことによって、そのなかから何ごとかをつかみ得たならば、それはまったく独自な体験で、いわば自己の創造といえる。」
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書かれている通りに実践して書かれている通りの結果が出れば苦労はないが、単純でいて複雑なのが人間。この本のまま実践しても予想通りの結果になるか?。著者は心理学の先生のようだが、そこに基づくとはいえ机上の空論、理想論的で、実際人間関係に悩んでいる人が読んでも参考になるかどうか…
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短編全6話はどれも意表を突く展開で楽しめた。中でもある小説家が作品の文中に潜んでいる差別表現を削除していくと最後は完全に文字がなくなり白紙で出版。世界的べストセラーになるという表紙タイトルと尊厳死がテーマの「リビング・ウィル」がよかった。ブラックだけど肩ひじ張らずに読める。
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倒叙ミステリーの面白さ満載。最終章でフレンチ警部が事件の捜査を語るのだが、こつこつと捜査を積み重ね、いかに犯人が後ろからじわじわ追い詰めていたのかがわかり、そのことに全く気づいていないのは犯人ばかりなり、が思い知らされる。裁判での弁護士のバトルは判決云々抜きにして見もの。
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「君主は和して同ぜず、小人は同じて和せず」の通り自分を持っているか、その自分の意見を相手を慮りながら言葉を選んで発言できるかどうか。言いにくいことほどごまかさず、売り言葉に買い言葉にならないように、感情に走ることなくどれだけ冷静に丁寧に話せるかを心がけていかなければならない。
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現実にはあり得ないが、小説の世界ではリアリティを感じてわくわく読めた。すり替わりとはいえ、客観的に正義を見つめ、その正義に向かって冷静に断固として行動できる人物。そういう政治家を国民は求めているのではないか。理想論かもしれないがこういう政治家が永田町に一人でも多く存在してほしいと思う。
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耳慣れない「通訳捜査官」という仕事を持つ主人公、七崎隆一。取り調べやガサ入れ時に被疑者と取調官の間に入り中国語を通訳する。技能実習生制度の闇、中国人マフィアと不正を働く日本人など、昨今の現実的な問題が浮き彫りになっている。最後までハラハラしながら読了。非常に緊張感に包まれた作品だった。
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教誨師と死刑囚という立場で、大学時代の親友と再開したのは拘置所だった。自分の命の恩人がなぜ死刑囚になってしまったのか…。止められない疑問を解決するため、教誨師の立場ながら真相を探るべく奔走する。途中から刑事の助けがあるものの立場を逸脱しての暴走ぶりだったが、読み手としては熱が入った。
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著者の作品は好きでよく手に取るが、これは将棋界の棋士のお話。自分はせいぜい駒の動かし方がわかるくらいで、詳しくないけれど物語が良くできていて引き込まれて読んだ。東大卒で元IT社長にして異例のプロ入りをした天才棋士上条桂介の人生と現在進行形の殺人捜査が並行して語られる。この作者うまいな。
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家と仕事があり三度の食事ができる生活があれば人間は満たされる。医療で治す前にきれいな水があふれる農地を作り生活が出来るようにすることが先だ、と医師でありながらアフガニスタンの砂漠に用水路を作ることに人生をかけ自ら行動した人の言葉は本気で響いてくる。本当の援助とは何なのか、考えさせられる。
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この作家の初読み作品。表紙が怖いなぁ、と少し躊躇しながら読み始めた。うーん、読み進むうちに気持ちが重くなる。虐待、無国籍児、外国人労働者など、人が目を背けて見て見ぬふりをしている世の中の部分が次々に出てきて、小説という形ではあるがドカンと目を背けるな!刮目しろ!と言われた気がする。
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100年も前の作品なので、はたして自分の感覚に合うのかどうか…と思いつつ、江戸川乱歩が絶賛したというので読んでみた。第一次世界大戦時という時代的な古さは否めないが読みごたえは充分。ほぼ一気に読了した。ここまで自分勝手な人間(犯人)にも愛という感情ははあるのか~それは愛なのか…。
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部屋の中でおそらくは死んでいるだろうという予測は出ているのに、色々と訳アリで扉を開けることが出来ない中、推理を巡らせて皆で話し合う状況が続くのだが、伏見と碓氷優佳の応酬で優佳が追い詰めていくのが面白い。 碓氷優佳シリーズとしての最初の1冊みたいなのでシリーズを続けて読んでみたい。
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ふたりの作家が一つの作品を書くという作業がよくわからないのだが、読んでみて文句なく面白かった。当時考えたAI技術は作家の頭の中にしかない空想の産物のはずだが登場するAI技術は今、現実のものとなっている。作られたのは1980年代なのに読んでもほとんど違和感がないのはすごいとしか言いようがない。
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物語に出てくる一人称の語り手が誰なのか途中でこんがらがり、よくわからなくなる。なんでこんな書き方をするのかなー、と疑問に思いつつ読み進めると最後の最後にあ、そうなのか、となる。オチがわかるまで違和感がハンパなくまとわりつくが、最後で解決するので諦めないで読了する価値あり。
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山岳ものミステリーと呼ぶか。自分は全く登山をやらないため、知らない専門用語や登山道具がたくさん出てきてそのたびに「へぇ」とか「ほぉ」とかつぶやきつつ新鮮な刺激と知識を得ながら、わりにすらっと読めた。どんでん返しが何度もあって驚かされつつ、ストーリーはしっかりしていて最後まで引き込まれた。
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映画のトランスポーターシリーズを思い出した。重要人物VIPの護衛をしながら決められた時間内に車を運ぶミッションを担った主人公のルイス・ケイン、その相棒のハーヴェイ・ロヴェル。ミステリーよりハードボイルド小説っぽい。ストーリーそのものより、二人が放つ言葉、交わす会話が楽しいし、心にしみる。
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1920年のイギリスとフランスを舞台にしたミステリー。タイトル通り「樽」が物語の軸となって進行していく。携帯電話なんてない時代の時刻表トリックが面白い。ロンドン警視庁やパリ警視庁の敏腕警部たちが地道な捜査が実を結び、最後は解決するのだが、真犯人の往生際がとんでもなく悪くて最後は苦笑いもの。
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歴史上に実在した松尾蕉門の一番弟子宝井其角と絵師英一蝶が主人公。ふたりが本当に知り合いで付き合いがあったのかは置いておき、吉原遊郭を舞台にした花魁のもちかける謎を解いてゆく展開が面白い!田牧さんの著作、時代物でミステリー要素もあって読みだすと止まらなくなる。ここのところハマり気味。
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大学教授であり推理作家でもある富井教授がチューリヒの画廊で出会った絵画と、その絵を描いた日本人画家の遺した手記にあった挑戦状を解き明かしていくのだが、仕掛けが入り組みすぎてて凝りすぎ感あり。天丼、うな丼、かつ丼を一度に食べた様で胃もたれ(笑)。個人的にはもう少しシンプルな話が好み。
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瀬戸内海の島を舞台にした外から来た医者と心に傷を持つ女性教師の恋愛ミステリー?小説。いくら目的のためとはいえ、自分はこの若き医者にまったく同調できなかったので、小説としては面白かったが女性教師に深く同情。それでも瀬戸内海ならではの村上水軍の歴史が織り込まれた、良質なミステリーだった。
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6年前の交通事故の外傷により前向性健忘症になった竹島久信。時間が止まった千鶴の父親の頭の中では、娘は12歳のままで存在しているが、実は千鶴は大学生で妊娠しており、主人公の幸春は彼女との結婚を決意している。その中で次々におこる殺人事件。いったい犯人は誰なのか?結末には素直に驚き!
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精神疾患なのか多重人格なのか。精神科医と臨床心理士とのバトル。主人公が疾患を抱える本人ではなく周りの医者や関係者なので、症例の説明が大部分を占めていて人物の際立ちが薄く感情移入できなかった。『アルジャーノンに花束を』も多重人格の小説だったがこちらが入り込めたのは、その差だと思う。
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シリーズ45作目。久々の文七ことりっぱな武士になった文七郎の登場に感動。将軍家へ献上されたはずの加賀友禅が江戸市中に出回っている疑いが…。巨悪に立ち向かい正義を貫く青痣与力とその仲間たちは、いつ読んでもスカッとする。まだ悪事の張本人まで多が届かないのが歯がゆいけど、きっといつか!に期待!
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父の跡を継ぎ十手持ちとなった辰吉。忠治のもとで頑張るが、川開きの日に掏摸の銀二を取り逃がしてしまう。同日、大川の屋形船から男女の亡骸が見つかり心中として検分されるも疑問を抱く辰五郎。事件は解決するものの、繁蔵親分のせいですっきりしない。同心の赤塚が繁蔵に頭が上がらない謎はまだそのまま。
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表題作「クリスマス・プレゼント」には自分の大好きなリンカーン・ライム博士が出てきて、短編とはいえうまいし読ませる!今までは長編の作品しか読んでなくてまさか短編の小説を書いているとは知らなかったけど、ボリュームの大小は関係なく読者を引き付ける筆力をデーヴァーは持ってると思う。
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縁切り寺として有名な東慶寺へ色々な事情で駆け込んでくる女たちのお話。昔は離婚するにも大変だったんだなぁ、とを興味深く読んだ。登場する尼さんたちの個性がそれぞれ際立っていい役割で上手に女たちを遇していて面白かった。次があるなら寺の用心棒たる茜さんの過去ももっと詳しく掘り起こしてほしい。
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タイトルはおどろおどろしく見えるが、中身は安倍晴明の末裔で憑き物を落とすと名乗るイカサマ拝み屋陰陽師と、その養い子が繰り広げるお江戸人情物語。二人の前に三人の小町娘が持ち込んでくる謎を狂言作者と共に探っていく。時代小説のミステリー物は重い感じのが多いが、これはさらっと読めて面白かった。
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18年前の殺人事件の犯人が自主する。被害者の両親が真犯人を探しビラを配る姿に心が打たれた…というのが理由。その周囲の被害者の友人、その夫、雇われた弁護士などの挙動に不自然さを感じた沢木が独自に事件の真相を探り始める。なぜ男は自首したのか、その意図は何なのか。このシリーズはいつも面白い。
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多重人格もの。ひとりの登場人物の中に何人もの人格が存在するので、人物描写が定まらないまま話が進んでいき、ついていくのに大変。今どの人格が話しているのか誰に向かって話しているのかがわからなくなる。人格の掘り起こしが薄いものと厚いものの差が激しい。面白かったが読了後のスッキリ感はなかった。
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御贔屓作家の初時代物。時は天保の改革時代。富籤に絡めた百万両の奪い合いが話の軸だが、歴史上実在した人物が物語のメインキャストで活躍する。史実ではない作り物とわかっていても登場人物に躍動感があり面白く読めた。クソミソに憎たらしい鳥居耀蔵だが、勧善懲悪で読了感はスッキリ気持ちよく面白かった!
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父辰五郎が母の死に際に捕り物で間に合わなかったことが許せず反目し生きてた辰吉。その辰吉に殺しの嫌疑がかかる。引退していた父が別件を追ううちに息子の件と絡まって事件を解決。人情味厚い父と知った辰吉は、あとを継ぐことを決意。今後の展開が楽しみな伏線もちりばめてありシリーズに期待。
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シリーズ第二弾。今回の事件は、長屋の取り壊し問題が勃発する。胡散臭いいわくありげな登場人物が次々に登場してくる。分不相応な大金を貧乏人が手に入れたらどうなるのか、というなかなかシュールなテーマである。昔義賊だった黒ひょっとこと、その正体を薄々知る長屋の人達との絆がいい。
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シリーズ第一弾。このタイトルが猫好きの心をなんともくすぐる。自称超絶猫LOVEとしてはやはり読まねばと。珍しい雄の鯖柄の三毛猫、通称"大将"が主人公。なんと長屋で一番偉くて、長屋の皆は彼の指図で動くという。何とも不思議な猫。猫専門絵描きの拾楽との名コンビぶりが面白い。
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探偵の傍ら非常勤で内閣官房付調査官を勤める主人公。前職のSPだった経歴からの人脈を頼りに活動するところが妙にリアル。本当にこんな人物が世の中に存在しているかも、と思わせる。日本はスパイされ放題の国と揶揄される中で、情報漏洩、情報売買を主題にしているのが面白い。
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著者のデビュー作。美術ミステリーで蘊蓄もちりばめられており、その道に通じる人はさらに読んでて面白いかも。自分は時々絵画鑑賞する程度で専門知識はあまりないため、知ったかぶりになるほどね~、と納得したんだかしてないんだか中途半端のまま、なんとなく読了。
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著者のデビュー短編集。表題作が実質のデビュー作品らしい。7編のストーリーが収められている。臭覚、味覚、視覚、聴覚、触覚という人間の五感が作品テーマに絡んでいる。ミステリーだけど、誰も殺されないし死なない。どの作品もさくっと読めて面白かった。
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イルマシリーズ第二弾。メタンガス掘削プラットフォーム「エレファント」内という限られた空間の中で事件が繰り広げられる。爆弾魔の動機が幼稚で共感しにくいし、人物像や物語の作りこみが1作目と比べると物足りない。ストーリーが頭にすんなり入ってこない。
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プラ・バロックのクロハシリーズからのイルマシリーズ。1作目。主人公はイルマというより、裏社会の低温さんや蜘蛛さんだな。裏社会が関わる小説は重々しい感情になることが多いので苦手なのだが、これは読みながら顔が緩むユーモアが潜んでいていい感じ。
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SNSやテレビで情報がせわしなく流れていくデジタル社会のなかで、アコースティックなピアノという楽器と向き合う調律師の世界が描かれている。ファンタジックで気持ちの良い世界観が感じられてとても良かった。本屋大賞をとったからじゃないけどお勧め。
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前作「孤狼の血」の続編。田舎の駐在所勤務になった日岡とヤクザの国光との関係が面白い。前作で正義の新人刑事だった日岡の変貌ぶりが見もの。警察もやくざも関係なく、それぞれの心に秘めた煮えたぎるような仁義を貫く男たちの姿は文句なくかっこいい。
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骨太で熱くカッコいい。男くさい男を書かせたら天下一品。女性の作家がここまで男気あふれた描写で刑事とヤクザの関係や腐った警察内部を描き切れているのが凄い。一般人の実生活では絶対に関われない極道とマル暴刑事の世界に浸れる。面白くて一気に読了。
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マンションの一室で男が殺され女が逮捕された。担当となった沢木検事は5年前に殺害された妻の事件との関連性を感じ真相を調べ始める。その結末は非常に残酷で重いものとなるが、真実に目を瞑るわけにはいかない沢木の検事としての矜持が心に染みる。
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読み手に最初から犯人をあかしてストーリーを繋げていく倒叙手法をとった作品。犯人捜しではなく犯人側と捜査側で心理的な丁々発止が展開されていくのを楽しみたいのに、理論と証拠でしっかり追い詰める沢木らしくなかった。犯人を罠にはめるのは、らしくない。
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それぞれの立場に色々な形の正義がある。ふと目にした偶然が見過ごせない事実となり大きな事件解決のきっかけになっていく。沢木ほどの検事でも時にどうすべきなのか悩み、誰かに相談せずにいられなくなるのかと人間的な弱さを感じながらも真実を追う姿が印象に残る。
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ある殺人事件について『殺意』は加害者側、『鬼哭』は被害者側の最期の精神世界を描く作品。場面転換がほとんどないのに最後まで間延びしたように感じないのは作者の筆力の高さからか。異常な人間関係のしがらみとそこで育ってしまった病的な人間性がこの事件の根っこ。
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クロハシリーズ以前の自動車警ら時代を描いた6話構成の短編集。ひたむきで真っ直ぐ突き進む鋭さはこの頃から健在。まだまだ青臭いクロハが事件に関わりながら、己の未熟さを少しづつ自覚し噛み締めていく。読む前は?だったタイトルも読み終えるとセンスの良さに納得。
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クロハは霧雨降りしきる独特の世界観漂うパソコンの中の仮想空間にいる。現実世界では動画サイトにアップされた殺人映像の事実関係を捜査することになる。ボリュームが多くて読むの大変だが、孤独でしかも不器用なクロハが、それでも真摯に物事に対峙していく姿が潔い。
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シリーズ第三弾。3世代ヒガシヤマファミリーが今回も難題を解決していく一話完結の5編。このシリーズは珍しく男どもが主役だと思っていたのだが、ここにきてお得意の天然美少女のご登場、さらに色恋ムードも醸し出す。グアムの空気感も相変わらず。さて続きはあるのか。
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グアムで起こる不可解な事件に日系親子三代探偵が挑む、シリーズ第二弾!一話ずつ完結する短編集なので、展開が早くサクサク読める。第3話のレイが地上100メートルの船に監禁される「天国へ向かう船」が、話のスケールが大きくトリックが大胆で印象深かった。
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グアムで日系親子三代が営む探偵事務所には、日本では考えられないような事案が持ち込まれる。当地では警察でなく探偵に依頼する事件も多いらしく警察が信用できないのか単純に文化の違いなのか。日本の常識は非常識の部分もある。一編が短いのでさくっと読める。
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第53回江戸川乱歩賞受賞作。タイトルは日本の機密情報を中国へ漏洩しているらしいスパイのコードネーム。しかも首相候補と目される現職の国会議員だという。警察内部での裏切り行為、目まぐるしく変わる展開に引きずり込まれ、本格的ハードボイルドに仕上がっている。
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岬洋介の司法研修生時代。一度はピアノと決別したものの、再び音楽の道へ進むまでを描いた作品。ベートーヴェンのピアノソナタ第21番と言われても私はメロディーの一節すら出てこないが…。クラシックに詳しくない者でも、十分に楽しめる内容であることは間違いない。
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『雷鳴』は新宿鮫短編版。『刑事調査官』は自殺と思っていた事件が他殺で動いていく。『誰がために』は人が人を裁く限界を考えさせられた。『ロシアン・トラップ』は刑事の妻が危険な逃避行に及ぶ。『とどろきセブン』は身近なお巡りさんのお話。あとがきも秀逸。
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最終巻。固い殻に閉じこもりひとりで生きてきた余一が、妻や子に素直な愛情を伝えるまでになり人間として男としての成熟が素直に嬉しい。個性的な人物がたくさん登場して事件はハラハラドキドキだったしとても面白かった。シリーズを一気に読み切ってしまいました。
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唐橋の道中衣装を巡ってひと騒動。井筒屋の仕掛けに利用された紫扇は気の毒だが、それを見事に打ち返した大隅屋の若旦那綾太郎の演出が素晴らしかった。タイトルの「白に染まる」の通り、唐橋の引き際の見事さに拍手。お糸の妊娠で余一が素直に幸せをかみしめる姿に涙。
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ようやく祝言をあげたものの余一とお糸ちゃんはすれ違いの日々。ここまでぎくしゃくするものかねえ。素直になればいいのに。シリーズ後半に来て思うのは大隅屋の若旦那綾太郎の成長が目覚ましいこと。いやぁ立派になったもんだと感心しきり。まだまだお話は複雑だが。
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お糸に対する父としての思いの強さ、どれほど心配しているのかがひしひしと伝わりました。やっとお許しが出てほんとによかった。また後藤屋のご隠居が井筒屋と綾太郎と一緒に月見をするなんて酔狂なことが起こったが、ご隠居の貫禄はさすが!井筒屋が薄い小物に見える。
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父親と同じ轍を踏んだらと前に進むことのできない余一。そこで諦めず、絶対に気持ちは変わらない、余一さんの側にいられるならどれだけ傷ついたって構わない、と啖呵を切るお糸がめっちゃ男前。このシリーズは登場人物が個性的でどんな切り口から来ても読みごたえがある。
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人の心の浮き沈みや機微を着物の始末に絡めて様々に仕立て、余一に表現させている。無口で無骨な余市のキャラだからこそ似合う。今回はお糸の一途な思いが余一の非情な一言でバッサリ振られてしまう。そこへ天乃屋の若旦那がいいタイミングで近寄ってくるのもまた怪しい。
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善人と悪人がはっきりしてて気持ちよく読めた。井筒屋の引き札は集客アイデアとしては秀逸なのになぁ、そのあとの格付け云々さらには女衒のごとき真似は腹黒すぎてムカムカする。いけ好かなかった綾太郎がめっちゃいい人に見える。お玉との新婚生活もこれから楽しみ。
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豚肉がテーマの短編集。一話ごとに豚足、ロース、バラ、肩肉などの部位が決められていて面白い。表紙のイラストが可愛かったので、軽いタッチの内容を想像していたら、全然違うじゃん。でもこの作家さんらしいブラックユーモアが文体にちりばめられていて面白かった。
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ミステリ短編集。安東能明『随監』道尾秀介『夏の光』結城充考『雨が降る頃』石持浅海『ドロッピング・ゲーム』長岡弘樹『波形の声』曽根圭介『老友』鳥飼否宇『眼の池』永瀬隼介『師匠』。短編集は初読作家を発見できる。結城氏、曽根氏の長編を読みたくなった。
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蒼井上鷹『オウンゴール』安東能明『撃てない警官』池井戸潤『スジ読み』逢坂剛『おれたちの街』大沢在昌『亡霊』今野敏『冤罪』佐野洋『爪占い』柴田哲孝『賢者のもてなし』曽根圭介『天誅』長岡弘樹『文字板 』新津きよみ『思い出を盗んだ女』誉田哲也『シンメトリー』薬丸岳『償い』横山秀夫『墓標 』連城三紀彦『小さな異邦人』 →Amazom Books
『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ短編集。スピンオフが先で本編を読んでないという不面目。幻想的で独特な作家さんの世界観がよく出ていて好きなのだが、本編読んでないので今いち内容が入ってこなかった。もう一回本編を読んでから、こちらを再読してみようと思う。
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余一の身内がわりでもある土手売りの古着屋六助。古着を売る六助の前に男が抱えた風呂敷を買って欲しいとやって来た。関わらない方がいいと男を無視した六助だが、隣に店を構えていた長吉がその男に話しかけて風呂敷を預かってしまい、事態は急変していく。
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余一に対するライバル心で何としても一泡吹かせたいと願う太物屋の若旦那綾太郎。余一に想いを寄せるお糸の飯屋を訪れ、彼女がテキパキと血の気が多い職人や人足などのお客たちを前に働く姿に惹かれはじめるが…。お糸は仕事にも恋にもほんとに一途。可愛いしけなげだ。
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着物の始末屋余一が、その技術と発想で五枚の古びた打掛を吉原一の花魁が羽織る豪華な打掛に仕立て直される物語の流れが、まるで目の前に打掛が見えるようで楽しく読めた。無口で金持ち嫌いな余一の着物への向き合い方が真摯でよい。付録の着物柄紹介も勉強になりました。
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上下で約1600ページもあり、量も内容もまたしても圧倒的な迫力。目まぐるしく変わる敵対関係、復讐は終わっても凄まじい金と暴力の世界は変わらない。今回もスピード感あふれる展開で一気に読ませるが、多くの死と悲劇の果てに一筋の光を残し、力強い3部作の堂々たる完結になっている。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
犬の力から更に生々しさを増した続編。麻薬王アダンの脱獄から身を潜めて養蜂家として暮らしていた捜査官ケラーが再び引っ張り込まれる展開に。血で血を洗うシーンの連続、ありったけの血が流れ皆死んでいく。アメリカVSメキシコに加えて下巻では中南米ゲリラや香港マフィアも登場。全力読走で読了後はぐったり。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
シリーズ第三弾。まさかの兄の死を乗り越え、回りにささえられながらお瑛が奮闘する。兄の残した仕入れ帖から仕入れ先を訪ね回る中で、兄の思いや願い、すべて三十八文の商品に秘められた謎が解き明かされていく。これでシリーズおしまいなのか、まだ続けて欲しい続けられそうなのに、残念。
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シリーズ第二弾。のんきな兄の長太郎が仕入れてくるおかしな品物が事件の種となって物語が進んでいく。大量の黄表紙、煙臭い市松人形、小花の簪、山ほどの下駄。看板娘お瑛の猪牙舟を漕がせたら船頭も怖れる船操作も益々冴え渡って、辰吉との猪牙舟勝負が読んでみたい。読了感は清清しい。
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和田はつ子『五月菓子』梶よう子『煙に巻く』浮穴みみ『六花の涼』澤田瞳子『人待ちの冬』中島要『うき世小町』宮部みゆき『鰹千両』。「捕物」が題材の女性作家アンソロジー。お気に入りの作家さんばかりで、読み馴染んだシリーズものから抜粋されたキャラクターの登場で楽しみながら読み終えた。
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神田で手習い所「吉井堂」を開く浪人・吉井数馬と妹の奈緒。作品として短編連作なので読みやすい。数馬の天文バカっぷりが、個人的に気に入った。デビュー作らしくて、まだ文体がこなれていないのか頭にスッと入ってこず読みにくいところもあったけれどシリーズものに膨らませれば面白いと思う。
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三度の飯より死体のが検屍が好きな笹川了潤。里で修行をしていたが、江戸で父が亡くなり忍者という本来の姿を隠し町医者としてお江戸に立つ。江戸での仲間と共に事件数をといていく。何故了潤は死者に安らぎを覚えるのか。各章ごとに必ず死体が登場する、今までにない時代小説。
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著者の作品はミステリーの推理より残酷さが加味されたサスペンス要素が多いのでちょっと苦手。たまに手に取るが、まだまだ未読作品が多い。この作品も犯人探しの推理より事件の描写の残酷性の方が印象に残った。この作者の個性なのでこれからも今まで通りの距離感でお付き合いしていきたい。
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兄長太郎と営む何でも三十八文のよろず雑貨屋「みとや」の看板娘お瑛が大活躍する時代小説。過酷な運命に翻弄されながらもこの兄妹はしっかりお江戸で生きてます。お瑛が毎朝開店時に張り上げる決まり文句の節が…!文字の欠点ゆえ音が聞こえない。節は想像あるのみか!
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主人公は天才脳外科医・内海遼一の娘、獣医師の綾子。勘当されていた綾子と同棲していた創薬コーディネーターの恋人が水死体で見つかる。そのころ遼一の脳に異変が…。BSE牛によるプリオン病を絡めているが医療ミステリーというより親子ドラマ、人間ドラマ的な小説。
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第52回江戸川乱歩賞受賞。過去と現在を行き来しシベリアの捕虜収容所内の出来事と俳句集の自費出版を目論む男と出版社の担当者、シベリア収容所当時と現在に起こった殺人が複雑に絡み合いながら語が進んでいく。ずっしりとした重量感、骨太感のある作品。
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最終巻。感染症の対策は今も昔も同じ。部屋を分けて働き手を限定し、外はうろうろ出歩かない。インフルエンザの当て字は印弗魯英撤。インド、フランス、ロシア、イギリスがウイルスをばら撒く病ってこと?水草先生とお別れなのは寂しいけれど、いつか紀州への勉学後日の物語が読めるといいな。
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シリーズ第2弾。御薬園の見習いの後輩同心、吉沢角蔵が登場。堅物でクソ真面目な性格は水草先生と好対照で面白い。千歳の縁談話にあからさまに動揺しちゃうところは、鈍感な水草先生でもさすがに心に嘘はつけないところですか。ぼんやり先生が生きていくうえで目指すところが見えてきた感じ。
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小石川御薬園の御薬園同心の水上草介は、市中の人たちから「水草さま」と呼ばれ、そのあだ名通り手足がひょろ長く頼りない体つきで性格もおっとり穏やか。同心小説につきものの切った張ったが全くなく、主人公の穏やかさが物語全体に滲んでいて読み手の気持ちもほっこりふわっと心地よくなる時代小説。
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時代小説ではあまりなじみのない摺師という生業につく安次郎を中心に一人息子との親子の愛情、浮世絵に欠かせない摺師という仕事の詳細、登場人物の人情味溢れる描写が読者を惹き付ける。安二郎と信太が一緒に暮らせるようになってなにより。物語全体が生き生きとしていて展開が面白かった。
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葉真中顕氏最新作。同氏の作品初読。物語が二転三転し、最後まで飽きずに一気に読了。ミステリー要素もあるが、登場人物がそれぞれの国家、民族、立場において、人間としての在り方を読者に問いかけているように思えた。久しぶりの満足感あふれるエンターテイメント作品。別作品も読みたい。
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江戸川乱歩賞受賞7名の作家が、帝国ホテルの同時空間でおこる作品の短編集。鏑木蓮「終章~タイムオーバー」が特に印象的。今までご縁がなく一作も読んでいなかったが出会えたことに感謝!本との出会いはホントご縁。筆力ある知らない小説家の作品に出会うと凄く嬉しい。
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うーん、ミステリーというかホラーというかサスペンスというかグロテスクというか、よくわからなかった。現実世界に即したお話じゃないので、説得力には大きく欠けた印象を持った。それなりに楽しめて読めたものの、作品に我が身を投影してリアリティーのある感覚を抱くのは無理だった。
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まるで2時間もののサスペンスドラマようなタイトルで、著者作品ファンとしては、ごくごく初期作品としてもあまりに毛色の違った感触ゆえに正直戸惑いは隠せなかった。読了はしたものの、読後感は「中身もほんとにこれぞ火曜サスペンス2時間ドラマ!の原作みたい~」と心の中で突っ込んだ。
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江戸市中での物の値段を見張り、高すぎる場合は店に指導するというお役目を担う諸式調掛方同心を務める澤本神人が主人公。読み切り短編集7編が納められているが、煙草屋のイケメン兄弟の出生の秘密「煙に巻く」が個人的には好き。のんびりと謎解きしなから神人の目線で江戸の町を眺めてみるのも一興。
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江戸市中の商品の値段を監察する諸式調掛方同心澤本神人が主人公。このお役目の同心って時代小説では初めてかもしれないが、いかにもお役人という偉そうなところはない。ひと口に同心といっても色々なお役目があるのだな。庶民との接点が多いだけに手に汗にぎるような展開はなく、斬った張ったの場面もなし。
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続編かと思いきや、「一朝の夢」の前日譚。朝顔同心がまたまた?大活躍。生きがいは変化朝顔栽培の気弱な同心、中根興三郎。植木職人が殺された事件の探索を手伝うことに。殺し、地震、果ては付け火と思われる火事まで続き、この一見無関係に見える事件の真相を朝顔同心はどう暴いていくのか。
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教場シリーズ第4弾。読みごたえは十分にあったが、読了感は最悪。重すぎる。いつもは全員卒業を祈るけれど、警察学校を卒業させちゃだめな人間もいるのだと。警察官になってはいけない人間が五味の前に現れてしまった。誰しも裏の顔は持っているのだろうが、ここまで本当におぞましい奴がいるとは。生きている人間が一番怖いということだな。
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教場シリーズ第3弾。警察学校を舞台にしたシリーズはハラハラドキドキの展開が面白い。今回は女性受刑者が移送中に脱走し、卒業式真っ只中の警察学校で人質をとって立てこもり自分を罪に落とし入れた本当の犯人を連れて来るよう要求するところから始まる。これでシリーズ3作目だが、中弛みどころかどんどん面白くなっているような。第4作目も楽しみだ。
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青痣与力シリーズ。いつも通り面白い。手先が文七から太助にかわって、また文七とは違う個性で物語が少しリフレッシュしたような。最近主人公の活躍があまりなくて、周囲のサブキャラがクローズアップされてるからか、物語にも手に汗握る!という感じが薄くなっている気がする。また剣一郎が巻き起こす緊張感あふれたストーリー展開が読みたい。
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青痣与力シリーズ。今も昔も変わらないのが庶民の夢、富くじ(宝くじ)。なかなか当たらないとわかっていても買ってしまうのは今も昔も同じこと。しかしその背後に影富といわれるご法度の富くじが存在。剣一郎娘るいの夫・御徒目付高岡弥之助のわが身の出世より情に厚いところはいいなぁ。武士になった文七の代わりに剣一郎の手下となって活躍する太助もほほえましい。
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青痣与力シリーズ。いつもハラハラドキドキさせてくれるシリーズ。剣一郎のひとり娘のるいが嫁いでしまい名前だけの登場になってしまったのが少し残念だが、代わりに長男剣之助の嫁、志乃の登場場面が増えてファンにはうれしい。シリーズ41作目だけれどまだまだ展開していきそう。これからも長く続いてほしい。
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江戸後期に起きた武士社会のイジメ「千代田の刃傷」事件をベースに書かれた作品。現代にも通じる良心と悪意をあわせ持つ人間の行いの、おろかさが主人公の人生を変えてしまった。何も知らなかった主人公が、自らの出自を追い求め悩み苦しむが、いじめがテーマのわりに暗く憂鬱なだけでなく、物語全体に爽やかな空気感がある。
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明治5年の銀座を舞台に、江戸から明治へと時代が劇的に変貌する東京で起きた大火。その現場は、日本初の西洋式ホテル・築地ホテルだった。焼け跡から発見されたイギリス人の刺殺死体の謎を追うイギリス人写真家・ベアトだが、大きな時代のうねりに飲まれる日本人の哀愁。この時代に生き合わせた日本人を描き,ミステリーとしてだけでなく読み物として面白く満足できた。
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最高に大好きな「みをつくし料理帖」シリーズの特別巻。これでほんとにお別れなのは非常に残念。作者がどれだけ登場人物に愛情を持っているのかが、これを読めば更に深く感じる。ここまでくると自分が生み出したキャラクターたちの人生を作者自身ハラハラドキドキしながら紡いでゆけるんだなぁ~と(それも自分の思い通りに!)何と羨ましいことよ!
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医者でもある著者ならではの着眼点。作者の「安楽病棟」という作品が好きで、他のもよく読むが、この作家さんはあまりミステリーやトリックに重きをおかない方がいいような気がする。そちらに傾くと無理矢理感が否めない。そんなことしないでも医療の世界に身を置く人たちの人間模様を描くだけで十分面白いのだから。
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教場シリーズ第2弾。五味が教官として初めて登壇する。助教は同期の高杉。キーパーソンは娘の「結衣」。五味を取り巻く様々な人たちの思いが交錯しながら物語は進んでいく。この作家は伏線を複雑に広げながらも最後にきちんと座りのいい結末を示してくれる筆力のある人。登場人物の心理状況の表現も絶妙にうまいと感じる。
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教場シリーズ第1弾。主要キャラクターの存在感がよい。五味・高杉・綾乃・結衣、この4人がこれから度王活躍するのかが見もの。警察学校の守村教官が首吊り死体で発見されるが自殺に疑問を抱く五味。警察組織の闇の部分があぶりだされる展開は面白い。今後のシリーズに期待しようと思う。
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時代小説のカタチではあるが、現代に生きる人間にも通じるものであり、その本性を鋭く抉り出す。ここまでグロテスクに人間はなれるのか、絶望のどん底まで沈んでも、その先に一筋の光があるのか。子どもへの虐待に昔も今もない。多重人格が作り上げられる環境、周囲の努力と共に重興がひとつの人格に統合されていくストーリー展開が清々しい。
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主人公安次郎のキャラクターが渋くていい感じ。武家出身でありながら、武士を捨て摺師を生業にしている。派手さもなく大きな事件も起こらないが、日常起こる何気ないしみじみと落ち着いた出来事をを人々の心情をからめながら読み手を上手く誘導する。周りを彩る登場人物もそれぞれ個性があり微笑ましい。
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静おばあちゃんが登場する著者の作品ははじめてではないが、この作品では主役じゃない。主役は要介護探偵の方。一話完結の短編事件なので読みやすい。最後の反社会勢力とのドンパチは、現実的じゃあないけど、小説だからいいか。事件の内容は、これからの日本でリアルに増えるだろうたと思われる。玄太郎爺みたく解決はできないなら、警察はどう解決するのだろう。事故で処理、だろうな。フィクションだけど現実味もある作品だった。
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尊王攘夷、井伊直弼、安政の大獄など史実の事件や人物をおりまぜながら物語は進む。朝顔の花に焦点を当てたところが面白い。ただ朝顔の専門用語が沢山でてくるが、一々調べて見ようという気持ちまでは行かず、、、知らない者には、映像が具体的に思い浮かばないのが難点。ストーリーは読みごたえある。
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著者の小説、初読了。時代小説でありミステリー小説でもある。派手な事件やドンパチはないが、読者を小説の世界へいつの間にか誘う。富山藩医師(見習い)でありながら、富山の薬売りが売る薬に付けるおまけ絵を書いて、子どもたちにも絵を教えている。このおまけ絵が、のちに鍵となるのだか、面白く最後まで読めた。
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日本の警察と韓国の警察の凌ぎ合いから、よくもまあこれだけ反日感情むき出しの国粋主義のエリート韓国人美人警察官を登場させるもんだと読んでたら、国を超えた警察の仕事に軽い感じではあったが最後はなかなかの読み応えだった。2時間ものの推理ドラマ的な枠でテレビドラマ化したら面白いかも。
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寝ぼけ行灯と揶揄される南町奉行所例繰方に属する物書き同心大貫貴十郎が、実は裏で未解決事件の探索密命を帯びているという話。十年前の取調を読み十五年前の井野屋強盗で赤子一人が行方不明だったことをつかむ。なかなか面白かったので、これで読み切りだったら残念。ぜひ短期スパンでのシリーズ化を望む。
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「新東京水上警察」シリーズ第4弾!、長い黒髪の女性たちが連続して殺されていくという胸くそ悪い猟奇殺人と相変わらずの碇さん。礼子はさらにヒートアップして、泣くわ喚くわ暴走するわ、でほんとイタイしかなりイライラする。碇と日下部2人ともに惚れられたにしては何だこの薄っぺらい女、と。新登場の高嶺東子女史がかっこいいので次に期待。
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「新東京水上警察」シリーズの第3作。大型豪華客船を舞台にした、大掛かりな陰謀を舞台とした、首都東京に対する復讐劇。ハラハラしっ放しのアクション全開の海上サスペンスとしてはいい出来上がり。碇さんは相変わらずクールで、なんか煮え切らないな。礼子の性格も絶対友達にはなれない(笑)けれど物語は面白いので、シリーズは読み続けるつもり。
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一冊一冊この物語の中に人間として学ぶこと再確認することで目頭が潤むシーンが必ずある。六代目智蔵が亡くなり幸が暫定的に七代目店主を相続することに。しかし女名前での店主は足掛け三年限り。これから物語の舞台は江戸店に移る模様。大坂と勝手の違う江戸店で幸がどう切り盛りするかまだまだこれからこのシリーズは続きそうでうれしい限り。
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精神科医でもある著者が森田正馬が創出した「森田療法」を分かりやすく読み解いた本。不安があってもあるがままに生きる。考える前に行動することも大事。自分の学んでいる人生セラピーに通じるところもあるとではないかと思う。人生がしんどいな、生きづらいなと思っている人に読んで欲しい一冊。
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読み応え十分なタイムスリップミステリー。平凡な教師がJFKの暗殺を阻止するべく過去に何度も戻るが、いつも結果は失敗するもどかしさ。人生をやり直せたとしてもそれが正解ということではないという事が言いたいのか。何度やり直せたとしても、どこかの部分では負の結果が伴う。だから1度きり!の人生を生き抜かなければならない。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
『嗤う淑女』の続編。前作同様に複数の人間が騙され、陥れられ、事故、自死に見える形で命を無くしていく。メインターゲットの国会議員に関しても、政治に新興宗教と政治をからめて描いているところも、ありがちであるが面白いし読み進みやすい。作者の表現する世界はシリアスからライトまでグロテスクからポップまでとても広い。筆力は改めて凄いなと思った。
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能面と呼ばれ感情を全く表に出さないプロフェッショナルな不破検事が殺人事件を解決していく。感情がすぐ顔に出てしまい少し鈍感すぎるきらいはあるが新人事務官美晴さんとの名(迷)コンビが面白い。組織に捲かれることなく自分の信念を貫く不破検事にしびれる。続きが読みたい、これはぜひシリーズ化して欲しい。
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持ち込まれた高価な茶碗「黒釉金稲妻」が気になった藤十郎が、持ち主だった武士と持ち込んだ商人を調べていく事で過去のを事件や経緯を明らかにしていく展開。仲違いした幼馴染がもう一度やり直すお話。今回は鴻池屋との闘いがまったくなかった。藤十郎の人情味ある人間性に親近感がわいた。
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カエル男シリーズ2作目。グロテスクな描写は前作同様。猟奇殺人が連続で繰り広げられる展開に見えるが…。犯人が心神耗弱もしくは心神喪失の場合は罪に問わないという刑法第39条が作品に度々出てくるのは、著者自身がこの法律に対して個人的に何か思うところがあるのかもしれない。
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著者の別シリーズのような専門知識用語爆発~!という展開はないけれど、これはこれで充分専門性があって面白いし楽しめる。瑕疵物件となった曰く付きの部屋に住む事が生業?の藤崎の正体が最後までわからないままなのが残念だ。彼のクールだけれど遺族に寄り添う優しさがにじみ出てていい作品だった。
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ずっと読み続けている著者の時代小説シリーズのひとつ。隠密同心・佐原市松は妻・おつた、まぼろし小僧の文吉と松尾家の御家騒動と本柳越後守との密約を探る為潜入する。消息不明だった松原源四郎が登場して3人を助けたり盛り上がってきたが、話が冗長気味で読み手として少ししんどい。
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ゆめ姫シリーズ第4巻!ここにきて、まさかの塩梅屋李蔵が登場!びっくりしたー。あ、塩梅屋李蔵は作者の別シリーズ時代小説の主人公なのだが、李蔵が作る絶品熟柿をゆめ姫が欲しがるなんて。都合いいけど同じ江戸の町に生きているのだから、こういうコラボ?もまたよし、かな。
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このシリーズも長いな。と言いつつ読み続けているが。シリーズ中の新章一巻目。隠密同心・佐原市松は事件を追って遠州へ出かけることになりまぼろし小僧の文吉を供に遠州へ出むく。ストーリーの大きな展開がなく、一冊ごとに起こる小規模事件なので、大大円にはまだほど遠い気がする。
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ゆめ姫シリーズ第3巻。相変わらずサクサク読める。ゆめ姫のオカルトパワーは益々増幅し、もう寝ていなくても死者たちとの会話が成立するようになった。しかも許嫁の許嫁の慶斉がどうもゆめ姫と同じ能力を持っているらしい。信二郎という別の気になる存在もあるので先が楽しみ。
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シリーズ2巻目。側用人の家に居候をはじめたゆめ姫。夢に出てくる人の無念を解決し、成仏させることを自らの使命だと感じ出す。オカルトパワーも増強したようで、品物に触るとそこに込められた持ち主の想いを感じとれるようになった。信二郎と許嫁の一橋慶斉との恋の行方も気になる。
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時代小説シリーズは、読みかけ途中が結構あるが、また新しいシリーズの読み始め。文庫本表紙が昭和の少女漫画チックなイラストで堅苦しくない。将軍家の末娘が夢の中で死者達の声を聴いて事件のなぞ解きをしていくというオカルト超能力な時代もの。深く考えずにさらっと読めむにはいいのでは。
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高校の演劇部が舞台の学園ミステリー。 学校でアイドル的な存在の楓が突然屋上から飛び降りて死んでしまう。主人公慎也は彼女の死んだ日に「放課後に話がある」と言われていたのに。次々と起こる事件に、慎也と従妹の刑事の公彦がタッグを組んで謎を解いていく。人が何人も死ぬわりに、タッチが軽いのが気になった。
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谷崎潤一郎の犯罪小説集とあったので手に取ってみた。谷崎がどういう風に犯罪小説を書いたのか興味があったので。「柳湯の事件」「途上」「私」「白昼鬼語」の四篇が収録されている。純文学とはまた違って、どの作品も独特の世界観にあふれて引き込まれた。短編集だったが、非常に楽しめた。
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盲目の主人公和久が、腎臓の難病に苦しむ孫娘のために起こした行動が元で、中国残留孤児の兄が偽物なのでは?と疑うことになる。誰が味方で誰が敵なのか、盲目である主人公目線で描かれているので、余計に読み手の緊張感がつのる。「水滴のような恩にも、湧き出る泉のような大きさで報いるべし」という一文に納得。
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本作品は『ラプラスの魔女』の前日譚だとか。1~4章は工藤ナユタと円華がスポーツ選手などの問題を解決していくストーリー。5章だけ違って、これがラプラスの魔女に繋がるようだ。東野作品は読む前からハードルを高くして読み始めてしまうので、そこそこ面白くても、東野先生にしては軽いかなと感じてしまった。
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MAZE、クレオパトラに続く、神原恵弥シリーズ3作目。恵弥君の毒舌オネエ口調もすんなり頭に入ってくるように(笑)。今回の舞台はT共和国。ぼかしてあるのが意味不明、明らかにトルコ。薬の売人のアンタレスやD·Fという夢のような鎮痛剤を求めて動き回る。中東の景色を思い浮かべながら読めた。
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認知症病棟に入所してくる老人一人ひとりの人生が前半部分で細かく描かれるが、ここで読むのを挫折すると後悔する。初めから認知症や身体不全がある人間はいないし、精いっぱい自分の人生を生きてきてたことを知った上で読了感の満足度が違う。老いは誰もが行く道、生きるとは?深く考えさせられた。
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シリーズ15巻目。桂助先生に新しい助手さんが登場。ずっと行方不明だった志保がやっと見付かるも未だ桂助先生と会えず。虫歯には抜歯しか治療方法のない時代に桂助先生が横浜の居留地では虫歯部分を削り金属で覆う施術をしていると知り歯科医としての不甲斐なさを噛みしめる。物語はいよいよ大詰めにきた模様。
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シリーズ14巻目。50年来引きずっている岸田さまの出生が判明。 志保さんの父殺しの犯人の手がかりもわかってきそうだが、志保さん自身は行方をくらませたまま、まだ帰ってこない。この巻は私の好きな桂助先生の口中医としてのお仕事の内容の成果よりも、裏でうごめく闇の部分のお話が主流だったので少し残念。
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口中医桂助シリーズ13巻。いつものとおり桂助先生が活躍。大きな展開はないけれど、この巻で鋼次がついに幸せに。今まで志保や桂助の心配、家族の面倒ばかりだったから本当に喜ばしい。患者や友人、周囲を大切に思う桂助先生は本当にいい人だと思うが、自分自身のことにももう少し目を向けてくれればいいのにと思う。志保さんはがいなくなって長い。もう登場はないのか。
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これが警察学校の実態!?信じたくない!というのが読み始めの印象。組織を守るためには正義と真逆な、隠蔽、でっち上げ、なんでもやるのは当たり前のところということは知っていたが、警察学校すら警察官を育てるところではなく組織になじむ従順な人間を選別するところなんだとあきれてしまった。この内容が真実でなくフィクションであってくれれることを願う。
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大好きな加賀恭一郎シリーズ。久しぶりに推理小説を読んだなと満足満足。状況証拠と物的証拠が絡み合い、複雑な流れで最後まで犯人が誰なのか明かされないまま。 読み進めながらひとつずつ謎を紐解いていくのは、自分自身の読解力との勝負でもあるかもしれない。最後まで明かされない犯人を自分なりに納得できるように見つけだせるどうか…ですね。
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東日本大地震と引き続き起こった原発事故をベースにして、東京に住む1つの家族の父親の心の動きを中心に描いたフィクション小説。ではあるが、ノンフィクションに近い構成になっている。ドラマ化映画化されたいわゆる福井ワールドからはかけ離れた作品ではあるが、私個人的にはアリだった。作者名の先入観から入ると、ナシになる人も多いかもしれない。
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「意識高い系」の主婦をターゲットにした高品質超高コストの卵での亡くなる人が出てしまう食中毒事件。食の安全がベースになったミステリー調小説だが、テーマ的に面白いと思った。安全だと信じていたものに裏切られることは、恐ろしいことだが、日本人は、これが良い!とマスコミが取り上げたものは、確認もせず信奉してしまうところがあるからなぁ。
→Amazom Books
「意識高い系」の主婦をターゲットにした高品質超高コストの卵での亡くなる人が出てしまう食中毒事件。食の安全がベースになったミステリー調小説だが、テーマ的に面白いと思った。安全だと信じていたものに裏切られることは、恐ろしいことだが、日本人は、これが良い!とマスコミが取り上げたものは、確認もせず信奉してしまうところがあるからなぁ。
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「第54回江戸川乱歩賞を受賞作品。昭和21年、戦後まもない混乱期に5歳の男の子が誘拐された。身代金がまんまと奪われてしまうが男の子は戻ることなかった。それから15年が過ぎた昭和36年、とある殺人事件がきっかけとなって一見無関係かと思われたこの誘拐事件が再び動き出す。小説としては子供自身側と捜査側の視点がコロコロ変わるため読みにくかった。
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幼女誘拐事件から始まり、それぞれの関係者に起こる事件を描いた連作短編集。時系列がいったりきたりするので読みにくいところもあった。作品の一つひとつは関連性が無いように見えるが、タイトルの通り、波紋がまた次の波紋を呼び、その波紋が次第に大きくなっていくような物語の構成で、それなりに読者をひきつけるミステリーに仕上がっている。
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堂場作品には珍しいテーマだった。現職の知事が引退を発表し、知事選に立候補した元メダリスト・涼子。選挙戦の水面下のやりとりがリアルだった。立候補者にとって有利になるのはやはり「知名度」であるのは確か。それをどううまく生かして当選までもっていくか、選挙という「宴」の前の出来事がメインの小説は初めてだったが、非常に面白く一気に読み切れた。
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幻想的でかつミステリアスな小説。登場人物も多く、絡み合いながら進行していくのがもどかしいように感じたが、下巻に進むと、もうページをめくる手が止まらない状態に。ネル、イライザとカサンドラの視点から描かれた名門マウントラチェット家にまつわる物語が複雑に絡み合い、読みごたえ十分。読了してはじめてタイトルの持つ意味が分かるのが深い。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
人間が他者に贈ることのできる一番素晴らしいものは言葉である、と日野原先生はおっしゃっている。ロゴセラピーを学ぶ中で日野原先生の本に触れたことはとても幸運だった。「いのち」とは自分自身の自由意志で活用できる時間のこと。「動物は走り方を変えることはできない。 鳥は飛び方を変えることはできない。 だが、人は生き方を変えることができる。」
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隠蔽捜査シリーズ第7弾。今回は半グレを操るルナリアンという謎のハッカーと鉄道会社や都市銀行のシステムに侵入し社会インフラを揺るがすハッカーという2つの事件解決に携わる。最後に竜崎が神奈川県警本部部長に異動になるが、竜崎らしくない気持ちのざわつきが…。得意の合理的原理原則でなく大森署部下との絆の大切さに気付き、少し人間的になったかな。
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出世花の続編。お縁が実母お香としばらく暮らす中で様々な事件や事故がおきる。母親と青泉寺への想いの間で葛藤し、己は一体何者なのか、本当に今の生き方で良いのかと、自分の生き方に真正面から向き合い、女としての幸せを得るよりもやはり三昧聖として生きていく決意をする。たとえ男女の関係ではなくとも、お縁と正念がお互いを想い共に生きていく強さに感動。
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残念ながらみをつくしシリーズは終わってしまったが、これは澪が作った料理のレシピをまとめた1冊になっている。はてなの飯やとろとろ茶碗蒸しなど、物語の中に出てきた料理料理が実際に作れるというから素晴らしい。どれも美味しそうで、作ってみたいと思わせるものばかり。源斉先生の「食は人の天なり」口から摂るものだけが人の身体を作るのです、という言葉がしみじみと味わえる。
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桔梗屋の買収が済み、次の江戸出店を目標に、幸が五鈴屋を智蔵とともに盛り立てていくのだが、幸の運命は何でこうも大波なのか。凪るときなどありゃしない。幸は強い女だが、一難去ってまた一難。いつも向こうからこれでもか、これでもか、と逆境がやってくる。智蔵は、幸の商才が存分に発揮できるよう、優しく見守ってくれていたのに、身体が弱かったからか、最後に倒れてしまう。
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2000年第22回小説推理新人賞受賞作「影踏み鬼」を含む江戸の町を舞台にした時代ミステリ短篇集。「影踏み鬼」「藁家の怪」「虫酸」「血みどろ絵」「奈落闇恋乃道行」の5編。全編そろって悲しいお話だが、最後の「奈落闇恋乃道行」が、ひねりのきいた2段構えの手法で、どんでん返しのミステリー的な要素が一番感じられた。表題の「影踏み鬼」は作者のデビュー作品。
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初読み作家さん。妻と二人で一戸建てに暮らす犯罪心理学の大学教授高倉は、高校の知人で刑事の野上からある事件の分析を依頼される。それから高倉の周りで事件が起きはじめ、野上は失踪、隣人西野にある疑惑が浮かぶ。実際、近所とは希薄な関係の人が多いだろうし、隣人が入れ替わったことに気が付かなくても全然不思議じゃない。ストーリー全体が陰鬱な雰囲気を漂わせていて本当に不気味。
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MAZE、クレオパトラと続き第3弾。今回の舞台はT共和国、トルコ。神原恵弥はD・Fなる鎮痛剤とその鍵を握る人物『アンタレス』と接触するため、イスタンブールである日本人女性を追うが、通り魔に刺され死亡してしまう。文面から醸し出されるトルコの異国情緒を味わいながら、全身に黒い苔の生えた死体、死の工場などなど、次々に起こる事件にハラハラするが、恵弥のオネエ言葉はクスリと笑える。
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神原恵弥シリーズ第2弾。大学教授をしている不倫相手を北海道まで追っていった双子の妹・和見を連れ戻すためにH市を訪れた恵弥。彼にはしかしもう一つクレオパトラの正体を明かす目的があった。クレオパトラとはいったい何なのか。謎をバラまいては、最後に上手に回収するストーリー展開のうまさはさすが恩田さん。今回登場した強烈な個性の和見とオネエ言葉の恵弥の会話のやり取りが面白い。
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神原恵弥シリーズ第1弾。恩田陸という作家さんの頭の中は一体どうなっているのか。恩田作品ならでは?の読了感。こんな話考えつくことが不思議と言うかすごいな。『有り得ない場所』『存在しない場所』として古くから地元民に知れている曰く付きの白い遺跡。そこに入った人は行方不明になるという。その謎を7日間で解き明かすように幼なじみに頼まれた神原恵弥だったが。
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いつも西さんの文章を読むと、心がほっとして癒される。この短編集もそれぞれにどこか生きづらさを感じている女の子たちが主人公の8篇「燃やす」「孫孫」「いちご」「あねご」「オーロラ」「ドブロブニク」「マタニティ」「ドラゴン・スープレックス」が載っている。「お前がお前やと思うお前が、そのお前だけが、お前やねん」これは私が関西人だけに、強烈に心に響いたセリフだった。
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ベストセラー「ザ・シークレット」に対してその信憑性を問うた本。 「ザ・シークレット」の作者やその実践者の実際の人生を調べると共に、「ザ・シークレット」にある引き寄せ理論について検証している。 『幸せとは、金銭を所有することにあるのではない。何かを達成する喜び、創造的な活動をするスリルの中にあるのだ。』 この文章に全てがあると思う。
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生き方を見つけて、そうなりたいとお願いし、そうなれると信じ、自分はすでにそういう人間であると考えて行動する。重要なのは、否定と肯定の違いを認識出来ない深層心理が、否定的な思いとわからずに引き寄せてしまうということ。 ニュースは否定的な事柄ばかりを取り上げ、喜ばしい事柄を取り上げることは極端に少ないので、ニュース自体を見る機会を意図的に少なくしている。
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教室に集められた6人が、少しずつ自分と麻帆との関係を暴露していきながら事の真相に近づいていく物語。ミステリ的な要素だけでなく、若い世代の恋愛関係の事情的要素も盛り込まれている。読了して感じたのはストーリーを頑張って引き延ばそうとしているのがみえてしまっていて残念至極。むしろこのようなネタは、短編で簡潔にまとめてさくっと書いてほうが向ていたかもしれない。
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スペインの科学者カーシュが発表する予定だった、人類の謎に関する衝撃の事実。「人類はどこから来て、どこへ行くのか?」。それを阻止しようとする何者かがプレゼン直前にカーシュを殺害する。カーシュを殺したのは何者か。カトリック、ユダヤ、イスラムの3大宗教そろい踏みで、まさに宗教VS科学の戦い。いくら科学的根拠を積み重ねても人は信じたいものを信じる生き物。
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隠密同心シリーズ第4弾「幻の孤影」上中下巻の最終巻。贋金作りのからくりはもとより父がなぜ過酷な隠密同心に佐原市松を鍛え上げたのかが解明される。隠密同心の仕事に疑問を抱きおつたとの普通の幸せを望む市松だったが、柿沼村ですべての事件が解決し、今回の事件を経て隠密同心という仕事の重要性を認識し改めて非情な隠密同心として生きること事を決めたる市松だった。
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1900年春の義和団事件が舞台となっている。西太后が支持したことにより調子に乗った義和団が暴徒化し列強11ヵ国の公使館関係者・軍人・民間人熾烈な攻撃をしかけてくる。北京在外公館区域である東交民巷に籠城し、援軍が来るまでの数十日を戦いを先導したしたのは、新任の駐在武官・柴五郎率いる日本だった。日本人の叡智と矜持を世界が認めた史実を描く歴史エンタテインメント。
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新人警察官柿田亮巡査が、持ち前の明るさと、前向きな考えで地域課の交番勤務から機動隊さらにはその中の精鋭といわれるSATへとステップアップしていく姿を描いている。まったくりミステリー要素はなく、柿田の努力と人間的成長がテーマの物語。自分たちの出番などない方がいいテロ、戦争、凶悪事件に備えて、過酷な訓練を毎日繰り返す熱い姿が非常に興味深かった。
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隠密同心シリーズ第4弾「幻の孤影」上中下巻の中。贋金造りの黒幕を探る市松の元に新たな手掛かりが届き、質屋・武蔵屋に用心棒として潜入し贋金造りの作業場を調べ始める。過酷すぎる役目に疑問を感じはじめる市松は、元芸者のおつた(源四郎の手先だった)と将来を約束し、母と3人での安寧な生活を望むが、結局今回も贋金つくりの真相にはたどり着けず。次巻で市松は隠密同心を辞める決断をするのだろうか。
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表向きは塩問屋の若旦那だが、実は公儀隠密の末裔の藤次郎の隠密稼業シリーズ第2弾。。今回は時代小説の鉄板、仇討ち、盗賊の押入りに勧進相撲の利権争いを描いた3編の構成。若旦那も隠密生活に慣れてきた様子だが、町歩きを楽しみ、事件の種を拾ってくる将軍家治に振り回されている。手柄をたてれば将棋の駒がもらえるが、一式そろうのはまだまだ先。許嫁のお夏との進展も楽しみ。
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摂食障害もいろいろあり、拒食、過食、過食嘔吐などその内容は多種多様。私も昔、一時的になったことがあるので、現在苦しんでいる人にはぜひ読んでもらいたい一冊。 単純なダイエットややせ願望といったものではなく、摂食障害は生死にかかわる重大な「病気」だという認識が必要。100人いれば100通りの原因があり、パターン化はできなが、摂食障害を患っている人がこの本で救われればと思う。
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15年の時を超えて届くメッセージが必ずしも人を喜ばせるとは限らない。ホステスからの脅迫状、出版社から小説の新人賞の受賞の知らせ、実家の祖母からSOSなど、普通に届いていれば全く結果はかわっていたはず。過去に置いてきたはずのものを受けとってしまいたちまちトラブルに巻き込まれる人達。ばらまかれていたいろんな伏線が最後にちゃんと回収されるので、すっきりと読了。
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美術館で通り魔事件が発生し、初老の男性と若い女性が殺害される。犯人の片瀬陽平は、争点は何もないので確実に死刑にしてほしい、と弁護士の水木に伝えるが、腑に落ちない水木が調べを進めていくと、片瀬の父親が強盗殺人で死刑になっていることを知る。水木を軸として淡々と地味に進んでいく話であったが、犯罪加害者、加害者の家族が直面する問題を描くテーマは非常に重い。
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15人の作家によるミステリアンソロジー。アンソロジーの良いところは、今まで知らなかった未読作家の作品に出会えること。短編だから展開も早い。今回の作家陣は豪華で、鉄板の伊坂幸太郎氏、長岡弘樹氏、東野圭吾氏の作品はもとより、初読み作家では、円居挽氏の『定跡外の誘拐』が印象に残った。「殺意の隘路」というタイトルから殺人事件ばかりの内容だと思ってたが違った。
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1作目の「殺意の隘路」と対になった15人の作家による短編ミステリアンソロジー第2弾。月村了衛氏、大山誠一郎氏、北原尚彦氏、芦沢央氏は初読。月村了衛氏の「水戸黄門 謎の乙姫御殿」がテレビパロディになってて面白い。湊かなえ氏の「優しい人」はいつものようにこの作家らしい嫌らしさ怖さ全開でゾゾっときた。短編とはいえタイプの違う15人が揃うと読了後に疲労感が出る。
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シリーズ最終巻。今まで広げた物語を回収するには唐突すぎる完結編だった。料理や捕り物に絡んだ時代物がもともと好きなのだが、これは最後まで料理はあまり出てこないし、孝助や十郎太が追っていた事件の謎が解けたのはよかったが、終わり方も中途半端で呆気ない幕切れ。面白くないわけではなかったが、小杉作品は単作でもシリーズでも秀作が多いので少し期待外れだった。
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ウツボカズラは食虫植物のなかでも有名だが、加奈子に取り込まれた文絵という虫がイメージされて、うまいタイトルを付けたなと思う。主人公の文絵は、再会した加奈子によって劣等感や憧れを刺激され、化粧品販売ビジネスにのめりこんでいく。人は他者に対して見せたい偽りの自分を演じながら、その姿を真実と思いこみ、見る側の目も見たい他者の姿しか都合よく映さないのだ。
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死ぬまでにやっておかなければならない、とはいっても、この本は自分の寿命があと7日間しかないとわかったときに、あの世に行って困らないように何をしておくかという手ほどきが書かれているので、死んだら何も残らない、死んだらおしまい、ヂ・エンド、という考えの人は読まなくてもいい本。あと、ちょっと地獄話が長すぎて読み進めたい気持ちがだんだん落ちた気がする。
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印象派の巨匠モネの「睡蓮」で有名なジヴェルニーという村が舞台。絵画と女好きの眼科医が村の小川のほとりで他殺死体となって発見される。捜査を進める二人の刑事と交差して、美しい村を描く少女、睡蓮のような薄紫の瞳の女教師、黒い服で観光客の目につかず徘徊する老女の3人それぞれの目線で物語は進む。トリックも秀逸ながら女性なら共感できる所が多いと思う。
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再読。続けたい行動を「ターゲット行動」と名づけ、続けやすい「増やす行動」と「減らす行動」を自分の行動に着目して分析することで継続への道を開く指南書。新しい習慣の定着には3週間が必要とされ、3カ月続くと無意識の習慣となる。無意識に笑顔で挨拶できたり相手の良い点をほめることができる人は、できない人に比べてはるかによい人間関係を築くことができるのだ。
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アメニモマケズカゼニモマケズは、原文のニュアンスを軽んじると訳にならないからと「unyielding to the rain」や「not giving in to the rain」でなく「Strong in the rainStorong in the wind」と訳される。著者は賢治の詩の世界感を英語に置き換えた時そのまま伝えたいという気持ちにあふれた方だと思う。ただ詩を訳すればよいというものではない。とても敏感な感性だと思う。
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国が認めれば、罪を犯しても反省の無い犯人に、被害者の記憶を経験させることができる刑罰0号。被害者の記憶を加害者の脳に書き込んで追体験させるシステムだが、実験で試された被験者達の精神は脆く、その負荷に耐えられずに亡くなったり、気が触れたりして失敗に終わるが…。西條奈加氏の作品は、人間味あふれる時代もののイメージしかなかったのでこれはかなり異質に感じた。
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無実の罪で弁護士資格を剥奪された上水流涼子が、探偵事務所を立ち上げ、IQ140の助手、貴山とともに「あり得ない」依頼人の相談を解決していく物語。「確率的にあり得ない」「合理的にあり得ない」「戦術的にあり得ない」「心情的にあり得ない」「心理的にあり得ない」の5編の短編から成り立つ。この作家さんのいつもの作風とは違って、軽快なタッチでサクッと楽しめた。
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シェフの落合と共同でレストランバーを営む向井聡のもとに、ある日、過去にある女性と交わした逃走資金を出す代わりに報復殺人依頼を受ける約束を実行するよう手紙が届く。それは26年前に遡り、向井だけがわかる内容だった。その女性は既に亡くなっており一体誰が?結婚し娘をもうけて幸せな家庭生活を送る向井だったが、闇に葬った自らの過去を思い出し追い詰められていく。
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サイコパスとはどんな人物なのかを、映画のキャラクターなども登場させながらわかりやすく説明されていた。サイコパスの恐ろしいところは、「愛」や「良心の呵責」がどういうものかを知識として知っており、それらしく使うことはできるが、実際の彼らの心にはまったく存在していないということ。だから愛があったり、心が痛むフリをしても、本心ではまるでそう感じていない。
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『このミステリーがすごい!』大賞作家の50編が揃った超ショート・ミステリー集。寝る前に2~3編ずつ読むのにちょうどよかった。降田天氏『初天神』、岡崎琢磨氏『葉桜のタイムカプセル』、佐藤青南氏『世界からあなたの笑顔が消えた日』、柚月裕子氏『サクラ・サクラ』が印象に残った。感動話の次に後味の悪い嫌ミスが来るなど、様々なテイストの作品全559頁のボリューム。
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大坂天満の呉服屋、五鈴屋の五代目店主、惣次の出奔の後、幸は三男坊、智蔵の妻となり、一緒に店を盛り立てていく。智蔵が幸を迎えたことで、富久は安心して息を引き取る。五鈴屋三兄弟へ立て続けの婚儀に風当たりも強いが、暖かい智蔵の庇護の元、幸はのびのびと商道に突き進む。目まぐるしく代替わりする五鈴屋だが、ここにきて伸び伸びと販促の技を繰り出す幸が頼もしい。
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遠山金四郎が部屋住みをしていた頃の物語。家を飛び出して長屋暮らしの身となった遠山金四郎は芝居小屋で笛方をやっているが、武士を捨てきれないでいる。ある日芝居小屋で吉原の花魁・雛菊が斬り殺された姿を見つけ、浮世絵画家の歌川国貞とともに犯人を捜す羽目に陥る。自分の無力さに四苦八苦しながら奮闘する姿は、のちに江戸の名奉行といわれる影もかたちもない。
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表紙の写真からは好々爺然とした表情の日野原先生だが、強い行動力と意味への意思で、よど号ハイジャック事件や地下鉄サリン事件の時には、断固として今ここで自分がやらなければならないことを態度で示されている。2017年7月に105歳の生涯を終えられた日野原先生だが、ひと月にわたるインタビューをもとに作られた先生の愛情にあふれる生きる言葉が胸に響く一冊。
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付き合う中で、一切の恥を感じずに欲しいものを手に入れ、良心の呵責がなく、損得勘定と欲望のみで生きている奴だと判断した人にはとにかく関わらないことがサイコパスの被害者にならない秘訣だそう。サイコパスがなぜ存在するのかは未だに原因不明らしいが、どうやら生まれながらにして遺伝子レベルでできあがっている神経回路の機能不全によるところで、変えようがないらしい。
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再読。カーソンシリーズ第3弾。今回は慈善事業を行う裏に潜む歪んだ醜い顔が隠されたある富豪一家が関わる殺人事件。この富豪一家闇に巻き込まれ追及したことでカーソンも相棒のハリーもかなりヤバい状況に陥る。そんな中でもカーソンとハリーの会話はユーモアと信頼に満ちていてほっとする。前2作に登場したカーソンの兄ジェレミーは名前だけで出番がなく残念だった。
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再読。カーソン・ライダーシリーズ第2弾。モーテルでキャンドルに囲まれ花に埋もれた女の他殺体が発見されたことを皮切りに悲惨な殺人が続くサイコサスペンス。サイコパスの連続殺人犯の兄ジェレミーが異常犯罪専門刑事の弟カーソンのそばに音もなく存在する。カーソンと相棒ハリーの絡みは、不気味な大量殺人鬼「アート」の物語の中にあって何かライトな感じで、かなり救われる。
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再読。ジャック・カーリイの鮮烈なるデビュー作品であるカーソン・ライダーシリーズ第1弾。主人公カーソンが所属する異常犯罪担当部署の成り立ちや、サイコキラーの兄を持つ自身の生い立ちなどを絡めながら、相棒ハリーと首切り連続殺人事件を追うサイコサスペンス。ほぼカーソンのひとり語りなのですいすい読み進められる。死体に残された文字の理由はなかなかにグロかった。
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スイスの山中に飛行機が墜落し、唯一生き残ったリリィと言う名の赤ん坊の身元が究明されようとするが、実は飛行機に乗っていた赤ん坊が二人いたことが判明。DNA鑑定などない時代、彼女の身元が分からないまま二つの家族が親権を争い、一応の判決が下される。18年後、もう一方の家族の兄が真相を探るため、真相を追い続けてきた探偵の回想録を手に事件の調査に繰り出す。
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隠密同心・市松が活躍するシリーズの新章「幻の孤影」の第一巻。お役目に疑問を持ち始める市松だが、隠密同心として全うするため飾り職人市助に化けることを隠れ蓑にしながら本来の危険で孤独な仕事をこなしていく。同じく隠密同心だった父は隠密同心の辛さを知っていながらなぜに自分の跡を継ぐように育てたのかを惟りつつ父が関わっていた柿沼村一揆の謎を追う。
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母に罵倒されても、ひたすら黙りこみ屍のような人生を送る父は、榊原準一にとって軽蔑と憐れみの対象でしかなかった。しかし準一自身、東京の一流企業に勤めながらも家に居場所はなく父の姿に自分を重ねるのだった。その父がある日突然姿を消した。隠されていたパスポートを手がかりに父の行方を追うなかで今まで準一の知らなかった父親像が現れてくる。父は何者でなぜ姿を消したのか?
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有能な看護師の霧子は40年ぶりに小学校時代の同級生、梢と志保に偶然再会するが、志保の夫はとんでもない最低なモラハラ夫だった。霧子は一見友人を助けるような善意を見せながら保険金殺人の計画を立てる。梢の父や志保の夫など、出てくるのはみんなクズ男ばかり。鈍臭さとダメっぷり満載の梢と志保を一緒に住まわせて世話をさせるが、霧子の欲望に任せて荒稼ぎする悪女ぶりが見事。
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池井戸作品には珍しい、ミステリー。すでに絶版で、書店では入手困難らしい。小さな田舎町の駐在所勤務の巡査、上松五郎。その町で発生した連続殺人が、かつて東京で起こった中野「霧」事件と殺害方法が共通することに気づくが…。初期作品とのことだが、池井戸氏はミステリーよりも勧善懲悪で読者をわくわくスカッとさせるエンターテイメント作品のほうがいい。再版しないのは本人も自覚してるからかも。
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新しい何かに向けてはじまりの一歩を踏み出す「再生」をテーマにした人たちを描く気鋭の7人の作家による短編集。派手な短編は一つも無いが、どれも味があって読みやすい。全体として何かが始まる前の高揚感と何かが終わった瞬間の切なさがすごく丁寧に書かれてあると感じた。福田栄一氏の「あの日の20メートル」は、私の年代には突き刺さる。何かを始めるときに年齢を言い訳にするのはやめよう。
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人妻を〝長い武器〟で殺したと自供した丹野と言う大学生の精神鑑定と保護を警察から依頼された私。しかしなぜかその人妻は生きている。何があったのかを私が調べ始めるが…。ミステリーだから途中あっちこっちに話がキテレツに飛ぶのは別にいいのだが、最終の解決する着地点にきてもあやふやうやむやでよくわからないままの消化不良。この作家さんとはあまり相性が良くないようだ。
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犯行は残虐残忍、サイコパス、シリアルキラーのごった煮ともいえる凄まじい連続猟奇殺人事件。カミーユ警部や警察の面々だが、実は一部が犯人の創作小説、二部が現実のメタ構造になっている。犯人の作り上げた小説通りに物語は進み、読者は終盤まで気を抜けず、読了まで緊張感を継続したまま引っ張り込む力の強い作品。カミーユ警部の妻、妊娠中のイレーヌがタイトル通りすぎて悲しい。
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1907年にフランスの新聞に掲載された作品らしく、事件の設定はそれよりさらに前の1892年。まさに密室ミステリの古典だろう。今から100年以上前のフランスが現場なら、電気も一般的にはままならず、指紋捜査やDNA鑑定などもない時代。そういった時代背景を理解して読めば、18歳の少年探偵ルールタビーユと50過ぎの名刑事が繰り広げる推理対決など読み応えのある推理小説の古典的名作として楽しめるのではないかと思う。
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ヴァン・ダインの代表作。マザーグースの童謡を下敷きに陰惨な連続殺人事件が起きる。コック・ロビンを殺したのはだあれ--チェスの議論、黒の僧正の駒、テンソルの公式、カードの家、家宅捜索による証拠品から、素人探偵ファイロ・ヴァンスは解決の糸口を手繰り寄せるが…。特に趣向は見えないトリックで、結末は少しあっさりしてたけど久しぶりに正統派の謎解きを楽しむことができた。
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エドガー賞受賞作品だが、ありふれたミステリー小説ではない。1960年代のミネソタ州の田舎町で暮らす、13歳と11歳の兄弟の夏の記憶を40年後に兄が語る。殺人事件が起き、ミネソタの土地柄やキリスト教的価値観を根底に、先住民や障碍者、ゲイ等への差別、貧富の差、戦争の傷などを抱え、訪れた悲劇を乗り越えて彼らは成長してゆく。後半から一気に盛り上がりラストまでページをめくる手が止まらなかった。
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防衛庁出身の元国家公務員で、「千里眼」の異名をとるカウンセラー・岬美由紀は、東京・奥多摩山中に忽然と出現した白亜の六角形の建造物に4000人の人質が捕らわれ、爆弾テロに脅かされていることに気づく。それは謎の自己啓発セミナー〈デーヴァ瞑想テーム〉のものだった。かつての恩師、戦後最悪の凶悪犯友里佐知子が生きていた。宿敵を相手に戦う岬美由紀の超人的なパワーがすごい。
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塩問屋の若旦那として暮らしていた藤次郎は、倒れた父から家督を譲り受けたとたん、商人は仮の姿、実は将軍家に代々仕える隠密侍だったと知らされる。侍でなく商人として生きていきたいと家治に願い出るも条件を出されてしまう。許嫁の夏と結ばれ、武士を辞めるためには、将軍家治お手製の将棋の駒の数だけ褒美をもらわなければ許されない生活が始まる。面白かった、次巻に期待。
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突然羽振りが良くなった自営業者たちから話を聞くと「タダでカネを倍に増やしてくれる」という怪しげな答えが。詐欺の匂いを嗅ぎつけた舛城刑事は、仲間の浅岸刑事、科捜研の白金恵子と事件を未然に防ごうと捜査を始める。大規模金融詐欺にマジックのトリックが使われているかも、と捜査をする15歳の天才少女マジシャン・里見沙希に出会い、協力し合いながら犯人を追っていく。
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39歳の開業医・川辺は、妻カオルと同じ病院に勤めるの勤務医・玉木との不倫を知り、妻への嫉妬と鬱憤を晴らすため、2人が会う水曜日に女性が1人でいる家に侵入してレイプを繰り返す。被害者は泣き寝入りすることが多いと思い犯行を続けていたが、同じ手口の犯行の経緯を書き込む被害女性達がネットを通じて集まり犯人捜しを始める…。うーん、やはり桐野作品は、読了後いつも重たい気持ちになるな。
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「暖かい殺意」「茶箱」「カルシウム」「アレルギー」「どうしても」の5話からなる短編集。我が物顔で居候し続ける義理姉を追い出すために火事を起こす「暖かい殺意」、同窓会で見返すために結婚したくてホームレスの戸籍を夫として手に入れ、最後は夫の兄まで手に入れる「どうしても」がよかった。どの話の主人公も女の嫉妬や見栄、マウント取りたい、上位に立ちたいが突出しすぎてどこか壊れてて不気味。
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本格ミステリ作家クラブ設立10周年記念のために原則30枚を目処に書き下ろし作品を、という条件下で23名の作家が集まった豪華アンソロジー集。これだけ集まれば自分の好き嫌いが出るのは仕方がないか。プラス有栖川有栖氏→光原百合氏→綾辻行人氏→法月綸太郎氏→西澤保彦氏と5人の作家によるリレーミステリが。未読の作家作品に触れることができるのがアンソロジー集の魅力。楽しめた。
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浮く、浮く、お風呂にぷっかぁ~と浮くバスブックスタンドです。考えつくされた抜群の安定力と浮力で、あなたの雑誌やタブレットがぷっかぁ~と浮いて楽しめます。これさえあれば、お風呂で読書も楽々!タブレット、スマホも楽々!使用後は、後ろの吸盤で風呂の壁に付け、自然乾燥で衛生的!置き場所も取られません。
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隠密同心シリーズ第3弾。芸州藩浅見家のお家騒動を巡って風神一族の企てを阻止する命を受けた隠密同心・佐原市松は、三河町の久兵衛店に住込み店子や大家を探り続ける。誰が見方で誰が敵かわからない状況下で兄と慕う松原源四郎の煙草入れと根付が見つかったと知らされる。浪人を装い長屋の住人となっていた浅見家家臣の成瀬三之助に呼び出しを受け出向いた先で対峙した乞食坊主の正体は…。
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隠密同心シリーズ第2弾。今回は遊び人・市助に変装して謎を探る。敵か味方か皆目得体のしれない連中ばかりの中で先の見えないお役目に、気持ちがふさぐこともあった市松だが、風神に兄・仙介を殺された繋ぎ役の密偵・おつたと恋仲になり、母に夫婦になる許しを受ける。長屋の面々の疑いは少しずつ晴れてきているが、肝心の風神一族追い詰めるのにはまだまだかかりそう。
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隠密同心シリーズ第1弾。亡父と同じ隠密廻り同心となった佐原市松。風神一族を探索していた南町奉行の密偵・仙介が箱根山中で殺され、「三河町4丁目久右衛門店・才蔵」という書き付けが見つかる。市松は奉行からの密命を受け、風神一族のアジトと思しき長屋に簪職人として潜入し、住人を探り始める。1巻は人物と状況の紹介で終わった感あり。どのような展開になるのか次巻が楽しみ。
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水上警察シリーズ第2弾。お台場に展示されている元南極観測船「宗谷」で腐乱死体が発見される。前回「波動」で取り逃した犯人が襲いかかってくる。今回の敵は何よりも水。台風が東京湾を直撃し、荒れ狂う海上で犯人を追い詰めて黒木vs碇の銃撃戦が繰り広げられるわ、台風の高潮対策のため水門を早く閉じたため浸水して大洪水に見舞われた江東区民を日下部が救出するわで、水浸しシーンが満載。
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仇討ち東海道シリーズ第4弾で最終巻。仙北藩飯田備後守家来・矢萩夏右衛門の一子・夏之介と従者・小弥太は亡き父の仇を討つため東海道をのぼる。女好きの仇・新谷軍兵衛とお人よしの追手の2人をついに丸子宿で捉えるが、誓願寺に篭り続け寺では仇討ができず見張るだけとなる。京都までの仇討旅のはずが、ここ丸子宿で終了。結局敵討ちできなかったが、大大円で終わったからいいか。
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シリーズ第4弾。今回は天ぷら屋台が舞台。14歳のとき母親の薬代を客の男に恵んでもらった弥吉はその恩人を探しながら天ぷら屋台を引く毎日。遂にその男が再び客として現れた。喜久次と名乗る男は、食べた後に欄干の擬宝珠に指に付いた油を擦り付け、その下品な仕草に弥吉は違和感を覚える。そんな時二件の人殺し事件が発生。恩人は人殺しなのか?孝助が探る「なみ川」の謎も少し前進した感じ。
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謎が謎を呼ぶ複雑な展開は著者らしい。20年前の誘拐事件が安奈とさつきの2人の女性の日常に忍び込んでくる。安奈はは自分とそっくりな女性を見かけた後日、自分と瓜2つの顔が載った人探しのチラシが届く。さつきが育った養護施設にも自分と瓜2つの顔が載った人探しのチラシが届く。意図的に複数の人物視点で書かれているので、読みながら混乱することもしばしば。タイトルに踊らされたかな。
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毎度必ず民俗学的なことが殺人動機としてかかわっているので、崇に説明される警察もたまったものじゃないだろう。このシリーズでいつも感じるのは、読み終わったのにすっきりしないこと。大昔の書の1行だけ記した史実であろう部分を事件の原因として広げるだけ広げるのはすごいなあと思うが…。肝心の物語が頭に入ってこないのは、現代の事件との紐づけが無理くりだからかもしれないとも思う。
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仇討ち東海道シリーズ第3弾。今回は三島宿が舞台。前作で夏之介に助けられた直次とおたかが協力する。金貸し金造と妾、渡海屋利兵衛、御用道中の藤木杢太郎と半蔵が殺され、軍兵衛に殺しの疑いがかかるが…。盗人の山猫兄弟や御代官手付・成田や手代・新次郎、美形の瞽女・お万など、登場人物の人間関係が複雑なでわかりずらい。なかなか進まないが次巻で完結。どうやって終わらせるのかが楽しみ。
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仇討ち東海道シリーズ第2弾。今回は箱根。先に逃げ行く父の仇、新谷軍兵衛が気になるも、困っている人を見過ごしにできない矢作夏之介と従者の小弥太。謎の女・おさんを助け、雲助の相次ぐ連続殺人、仕入代金50両を持った小間物屋の転落死などを見事に解決するが、かたき討ちはどこへやら。当の仇の軍兵衛は、三島の女に入り浸りる始末。武士ならやはり仇討ちを率先しないとダメだろ。
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魅力的でキュートな宇宙飛行士のデザインは、暗闇の中で星のように点滅し、明かりを灯してくれます。操作はカチッと、宇宙飛行士のヘルメットをひっくり返すだけ。フレキシブルホースで、さまざまな状況で照明角度を調整できます。USB充電ポートによる電力供給で使い勝手が良いです。
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突然降りかかる苦難は、ほんの偶然によって理不尽に誰にでも起こりうることであって何かの罪ではない。「なぜ、こうなったのか」と苦悩の理由を探すのではなく、「こうなった以上、どう生きるのか」。我々が背負わざるを得なくなった荷物をしょって生きる道のりをずっとそばにいて勇気づけてくださる存在が神なのだ。自分に手を差し伸べてくれる家族や友人、身近な人の愛が神なのだ。
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シリーズ第3弾。五代目徳兵衛こと次男惣治が継いだ五鈴屋。請われて妻となった幸と一緒に商才を活かし、もり立てていこうとした矢先、「全部自分がするから影に隠れていればいい」と言い出した。優秀な才覚のある妻を持つ夫の気持ちは分からないでもないが、嫉妬と焦りで五鈴屋をとんでもない窮地に落とす。幸の商才を活かして二人で歩いていく道もあったのではと思うが、なんとも器量の狭い男だよ。
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仇討ち東海道シリーズ第1弾。物頭の夏右衛門は、配下の生野格之進の妻に横恋慕する徒士組・新谷軍兵衛を諌めるため屋敷に訪ねるが、八幡神社で不意打ちによる遺体で発見。そのまま軍兵衛は逃亡。仇討のために主人公の矢萩夏之介と従者の小弥太は旅にでる。軍兵衛が東海道の富永村を目指す情報が入り、2人も江戸から西に向かうが、道中の戸塚宿で騒動に巻き込まれてしまう。
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人生を春夏秋冬に例え、それぞれの時期にすべきこと、こころがけることが書かれている。先生の生い立ちから過去に接した恩人、文献等を引合いにだして自分の考えと絡ませる言葉の数々にこれからの自分の人生を考えさせられた。医者として多くの死を見てきた先生だけに、若い頃からいかに好奇心を持って生きるべきか、老いていかに死を迎えるか、ということがつづられている。
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樋口顕シリーズ4作目。世田谷署管内でキャバクラ嬢南田麻里の他殺体が発見される。彼女がストーカー被害を警察に訴えていたことからストーカー殺人の可能性が浮上するが、そう単純には解決しない。一方、別のルートから、複数の学校に送られた脅迫メールの発信元のリストに樋口の娘、照美の名前があるとの情報が入る。周囲からの評価は高いのに自信がない樋口。事件と家族、二つの問題をどう処理するのか。
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明治26年の「河内十人斬り」事件を扱った小説。幼少期から頭のうちではありとあらゆることを思い考え続けている主人公・熊太郎。思いを上手く言葉にできない主人公の脳内観察をしながら物語は進んでいく。生きづらい苦しみが結果として大虐殺にいきつくことになる。あまりにも不器用な熊太郎は、時代の中で公然とバカにされ嘗められて、世の中に順応できない人たちの代表なのかもしれない。
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「性同一障害という病気は存在しないと考えています。治療すべきは少数派を排除しようとする社会の方なんです」のセリフが残る。LGBTQと左利きの割合はほぼ同じ(約9%)だが、世間の利き手とジェンダーに対する扱いはあまりにも違う。人間誰しもが男の面と女の面を持っていることをメビウスの帯に例えたのがわかりやすい。人間をただ人間として当たり前に受け止める時代はいつ来るのだろう。
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マロリー・シリーズ第5弾。魔術師マラカイとマロリーの対決。第二次大戦中のパリで幻想的なマジックショーを繰り広げるなかで死んだ女性。パリ解放のその時、マジシャンたちはどんな罪を背負ったのか。そして今、年老いてまたしても集結した彼ら。捜査は関係者からの聴聞で進み、マロリーは尋問から得た情報から推測し、容疑者に翻弄されながらも彼女なりの決着の付け方を見つけていく。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
荒廃した高校に通う賀茂晶は、飛び降り自殺を図り一命を取り止めたが、覚醒した時には役小角(えんのおずぬ)の転生者となっていた。高校を廃校に追い込もうとする巨悪の陰謀に立ち向かい守ろうと奮闘する。時代劇のような不思議なしゃべり方をする彼はキリスト教の教えを纏った1000年前の神の子。呪術的な不思議な力を使い、現代社会のひずみを勧善懲悪の精神でぶった切るのは爽快そのもの。
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サンダルウッドは硬く、滑らかで、高い耐食性があります。反りや変形が起こりにくく、密度が高く、きめが細やか。手作業で磨かれた、絶妙な彫刻、明確なパターン、細心の注意を払った、鮮やかで鮮やかな、美しいタッセルを着用しています。天然木を使用しているため、しおりごとに色や質感が異なります。
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おちかさんが聞く変わり百物語のシリーズ第4巻。「迷いの旅籠」「食客ひだる神」「三鬼」「おくらさま」の4話収録。どれも著者お得意の哀しさの中にある温かさやほのぼのとした風情が読み手にも伝わる。悲しみだけで終わらないところに引き付けられる。三島屋にも人の縁が移ろい、去る人、新たに関わる人悲喜こもごも。「ひだる神」のように愛らしいあやかしもいれば「三鬼」のような悲惨なのもいる。
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4つの短編が収められたミステリ。『迷い箱』更生保護施設長の女性と更生者を描く/『899』シングルマザーに恋する消防士を描く/『傍聞き』強行犯係で班長を勤める刑事の母と子の話/『迷走』救急隊員と搬送されるある患者の因縁を描く。どの作品も先が読めない展開でドキドキが続くが、きれいに伏線回収してスマートに締められており、読了感はすっきりとよかった。また読みたくなる作家さん。
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隠密同心第1巻。奉行所でもほとんど実態を知られていない存在の隠密同心。亡父の跡を継だ主人公佐原市松は、奉行からうけた藩の調略や暗殺を請け負う風神一族の正体を追う密命のため飾り職人として長屋に潜り込み長屋の住人を探り始める。同じ長屋住人の幸吉と知り合ったことから事件に巻き込まれ、命を狙われることに。誰が敵かもわからず孤立無援での探索はまだまだ続くようだ。
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渋谷のスクランブル交差点で、空を指さしながら亡くなった老人が最後に見ていたもの…。事件から数日後、興信所を営む鑓水のもとに「老人が何を指したのか突き止めろ」との依頼が舞い込む。謎を解いていくうちに、公安警察やら戦時中の短現やら新興宗教やらジャーナリズムやらが絡まりながら舞台は瀬戸内の小島に移り、島の住人の思いが事件を解決に導いていく。文句なく読み応え十分な作品。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
自分を守るための嘘、誰かを庇うための偽りなど、嘘や偽りをテーマに描かれた作品集5編。作者デビュー作だそう。誰しもが持つ保身や虚栄心などで固めた体裁を壊すまいとして犯罪を犯す。その事実を受け入れられず戸惑いながら隠蔽を試む弱さ。これまで築いてきた人生の中で、最も守るべきは身近な人との信頼なのかもしれない。周囲の自分に対する想いに、もっと敏感であるべきなんだろう。
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ベストセレクションと言うだけあって、個性豊かな執筆陣が競演する謎解きが好きな人にはたまらないアンソロジー集となっている。アンソロジーは、気になってたけどまだ読んだことない作家が必ず何人かいるので、別の作品を読んでみようと思ういいきっかけになる。今回は沢村浩輔氏『空飛ぶ絨毯』が初見。普段自分からは手に取ることのない系統も楽しめるのがアンソロジーのいいところ。
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フリップクリップは、X字型に成形されたクリップでページを押さえるブックホルダーです。これひとつで、開いたページをX型にしっかりホールド。慣れれば片手でページめくりも可能です。軽量コンパクトサイズで、持ち運びにも便利。製品サイズ2x3.5x13.5cm;20g。こだわりのアメリカ国内製造で、6色のバリエーションがあります。
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ミステリーズ!新人賞受賞作のアンソロジー。1.高井忍「漂流巌流島」2.秋梨惟喬「殺三狼」3.滝田務雄「田舎の刑事の趣味とお仕事」4.沢村浩輔「夜の床屋」5.梓崎優「砂漠を走る船の道」の5編。高井忍氏、梓崎優氏、梓崎優氏が初見。表題の「砂漠を走る船の道」は、舞台となる時代や場所が新鮮で、驚きと読み終わった後の満足感を味わう事ができた。この5氏の作品は今後も追っていきたい。
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坊主が絞殺された後、一物を切り取られる事件が深川で起きる。源次の命で助三が動きだすが、仏の身元は割れないまま。現場に赴いた源次は、事件当日、慌てて逃げ去る新内流しの情報を得て、その男を探すなかで、今度は菊座から金棒を突っ込まれ殺された死体に直面する。犯人は同じ奴なのか?源次は助三に二つの事件を落着させ、一本立ちさせるために下手人探しに奔走する。
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文政八年の年の瀬。源次のもとに元十手持ちの弥七が未解決事件の依頼に訪れた。その5年前、弥七は強盗殺人事件の下手人として捕縛した重蔵を、証拠がないまま解き放ったことがあった。弥七はその重蔵をもう一度調べなおして欲しいという。源次が手下の助三と共に探索を開始した矢先、弥七が何者かに襲われた。さらに助三の身にも危機が!?怒りに逸る源次の前に、新たな事件が…。
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深川の橋際に男の首が捨てられていた。これで二つ目の首だ。最初は浅草駒形堂の境内で見つかり、何れも胴体がなかった。源次は探索に奔る中で、地獄絵に繋がる比丘尼たちを追う。その最中、本所で三つ目の捨て首事件がおこる。今度は身分ある武士の首だった。同じ下手人の仕業かと、比丘尼一味の行方を探す源次と助三。やがて、事件の背後に悪の元凶「かげ」が見え隠れする。
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油問屋の若後家の死体が空き店の奥座敷で発見された。赤いしごきの片端を柱に括り付け、絞殺されていた。下手人は男か、女か? 源次は女が顔を出したことがある写し絵の会を探りはじめる。その後、死体のそばにあった妙なものから、元大奥勤めの女が浮かんだ。さらに、源次は元同心・神子孫七から同じ手口の事件を報される。果たして、縺れた糸の先に何が引っかかるのか。
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堀切村の女が河童に襲われた。源次と手下の助三は、同心・岡崎敬次郎の命で騒動のあった河童淵へ赴く。探索中、菅笠をかぶった色白の男が浮かぶが、その後、別の女が河童に襲われ悪戯(いたずら)された。さらに芝居小屋で河童の人形を作っていた男が何者かに殺された。すべて河童の仕業なのか。源次と助三は、殺しの下手人と河童の謎を追ってひた走る。
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源次の手下・助三が、すった獲物をかたわらの女に手渡す男を目撃。だが、捕まえた男の懐には二つの財布があった。男は女に何を渡したのか、頑として口を割らない。数日後、男は牢内で指を三本折られて変死した。口封じか?源次と助三が探索に駆け廻っていたある夜、源次の部屋に二枚の紙が投げ込まれた。紙には、大店の図面と「眼龍 押し込み」という謎の文字が記されており…。
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小名木川に女の水死体が浮かんでいるのが発見された。自死か、それとも誤っての転落死か?検屍をした源次と手下の助三は、全身数ヶ所に何かで殴られた痕を見つけ殺しと断定した。女の身元を割り出し、錺職人の亭主をしょっぴくが、男はその時刻、別の女と出合い茶屋にいたという。源次は元同心・神子孫七の助言を得て探索に駆け廻る。すると、女の意外な過去がわかってきた。
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京極堂の商う白粉(おしろい)でまぶたが腫れたと、常磐津の師匠・お仙が店に怒鳴り込んできた。源次と手下の助三は、店主の要請で原因を調べはじめる。その矢先、金貸し隠居殺しの嫌疑でお仙がしょっ引かれた。殺しを頑なに否認し続けるお仙を不審に思った源次が、元同心・神子孫七の知恵を借り、聞き込みに走り回るうちに真の下手人の姿見えてくる。だが、お仙にも意外な事実が隠されていた。
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女刑事マーシ・シリーズ第1弾。カリフォルニアのショッピングモールで失踪した魅力的な女たち、血だまりに残されたハンドバッグと人間の内臓。それは想像を絶する猟奇事件の幕明けだった。ヒロインの一匹狼で上昇志向な女刑事マーシ、相棒の肺癌に冒された老刑事ヘス、そして被害者も加害者も丁寧に描かれているせいか、意表を突いた物語ではないが非常にじっくりと読めた。
上巻→Amazom Books
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八王子夫婦殺害事件を軸に一つの事件でつながる群像劇。「怒り」に抗える唯一の手立ては「信じて許すこと」。洋平と愛子、直人と優馬、泉や辰哉、三者三様の秘密があり、それを信頼できる人にも話す事のできない葛藤。彼らのやるせなさと行き場の無い怒りが伝わり心が痛む。渡辺謙、宮崎あおい主演で映画化されているそうなので、この小説をどう映像化したのかを観てみたい。
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17年ぶりに故郷ルイジアナ州デイボーンに帰って来たキャシー・マロリー。今回は刑事マロリーではなく、母の娘キャシーとして。でも町に着くなり、カルト教団の幹部殺害に自閉症の青年への暴行容疑で勾留されて檻の中に。半ば公然の町の秘密を暴こうとするマロリーらよそ者とはぐらかす住民との攻防はもどかしい。しかしそこから彼女の生い立ちが明らかになり彼女の根底にあるもの、母の死の謎が明かされていく。
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大学生になった伊藤二葉は、ひょんなことから推理小説研究会に入ることに。ミステリ大好きな少年隼人くんにナンパされ、殺人系の小説が極度に苦手なので傍ら怖くないミステリを教えてもらいつつ、彼の家庭教師の先生に。身近に潜んでいる犯罪を日常のかすかな違和感から二葉の記憶力と隼人の推理力で突き止めていく短編の連作。お互いが先生となったり生徒にもなったり、という関係性がとても良い。
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ハンズフリーだから、楽な体制、好きな体制で気軽に読書が楽しめます!移動が可能なため支柱さえ作ればどこでも移動して使えるので便利です。趣味や在宅ワークにも最適! 省スペースでデスク周りをスマートに!自由気ままな読書ライフを!スマホ、タブレットにも対応!
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警視庁管内にて、税理士の妻子が誘拐されたとの一報が入る。身代金取引現場の近くに偶然居合わせた原麻希が捜査に加わるが、警察が介入していることがばれて取引は中止になってしまう。その後、多摩川流域にて女性と子供の遺体が発見される。そして同じ多摩川流域で、第3の遺体が見つかる。複数の事件が並行して進む中、いつものメンバーが加わり展開されていく。タイトルが秀逸。
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裁判員に選ばれて半強制的に招集させられた人たちの戸惑いや裁判参加の様子が伝わってくる。 無作為に選ばれる裁判員は、いつ自分が同じ立場になっても不思議ではない。この小説のように決まりかけた判決が、京都の地域性や気質を考慮しながら新たに展開して二転三転したのちに真実が明らかになることなどはないだろうが、裁判員制度の意義や問題点を提起しながらも小説として楽しめた。
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伊沢町の出合い茶屋で大工の棟梁が殺された。岡っ引き源次の調べで、死因は尻の穴に凶器を突っ込まれたことらしい。仏の連れはお高祖頭巾を被った背の高い女だったようだが、姿を消していた。源次と手下の助三は消えた女を追い始める。そんななか、第二の殺人がおきてしまう。調べの中で浮かんだ役者男が同じ殺されかたをしていた。源次は元同心の神子孫七に助言を求めるが…。
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岡っ引き源次の縄張りで心中事件が起きた。現場に足を踏み込んだ源次は、2人の死体から心中ではなく殺しの匂いを嗅ぎ取る。死んだ女は半囲いとして3人の男の妾だった。源次は、元同心・神子孫七の助言で見つけた血染めの手拭いと女の線から、下手人探しに奔走する。そんな折り、またもや女の水死体が見つかった。女は生前、鏡に向かい、呪文のようなものを呟いていたというが…。
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2年前、源次はやくざと博打のいざこざから江戸を離れた。岡っ引きだった父親の病死で、急遽江戸に舞い戻ったのだが、彼の前に妹の絞殺体があらわれる。手掛かりは妹の遺した白狐の面。源次は元同心・神子孫七とともに下手人を追う中で、妹の事件に前後して起きた2件の娘殺しを知る。そこにはまたしても妖しい白狐の面が…。俊英が大胆な物語展開で市井の謎を解き明かしていく。
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慣れない山道に迷い、深夜の無人駅で一泊することを余儀なくされた大学生の佐倉と高瀬。だが高瀬は駅前の理髪店に明かりがともっていることに気がつく。高瀬が、佐倉の制止も振り切り店の扉を開けると、そこから奇妙な展開が…。予想外の結末が待ち受ける全7編を収録。短編集であることは確かだが、短編という思い込みで読むといい意味で裏切られる。不思議な読み心地にさせてくれる一冊。
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北鎌倉駅近くにある古本屋、ビブリア古書堂に持ち込まれる古書とそれにまつわる謎を解き明かす短編ミステリー。本好きの古書堂主人の篠川栞子と幼少期のトラウマが原因で本が好きなのに読めない体質になってしまった五浦大輔のアンバランスなキャラクターが良い。古書はなかなか手に入りにくいが、小山清の『落穂拾ひ』とヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』を読みたくなった。
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P-13と呼ばれる現象が起こると察知した人類だが、何の対策も立てられない。13時13分からの運命の13秒。その13秒の現象に巻き込まれ、わずか10人足らずしか人がいない東京に投げ出されてしまった人たち。突如人々がいなくなった世界でどう生き延びるのか。 久我兄弟を軸に物語が進行するが、沈着冷静で何事にも合理的な判断をする兄と感情に流される弟。生きる意味を考えさせられる。
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厳冬の京都郊外・八瀬の宏壮な屋敷に続発する怪奇現象。季節外れの風鈴が鳴り響き、石灯籠が宙を舞い、池の鯉が一夜にして全滅。それは、名門・洛北家を巡る連続殺人の幕開きだった。最初の犠牲者は、洛北家の女性当主・亜矢子。関係者全員が持つアリバイに、事件は謎を深めていくが、さらに犠牲者は増えていく。出入りの庭師・松原桜子が、幼なじみの洛北家の娘・千夏のため事件解決に挑む。
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ガリレオシリーズ第4弾。短編5編。今シリーズから内海薫が登場。草薙の後輩の新米女性刑事・内海は、警察の捜査協力をやめた湯川准教授のもとを訪れるが冷たく遇われ、自ら検証実験に乗り出し、彼を再び協力者とすることに成功。今回も安定の面白さだが、湯川の関係者に纏わる話が多く、タイトルの「ガリレオの苦悩」そのままに、普段は凛として冷静な湯川先生の心の葛藤が胸に響く。
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公安部外事一課・倉島警部補シリーズ第4弾。大手新聞社幹部のマンションからの転落死が大きく報じられた日、公安のゼロ研修を終えた倉島は同じ公安部の先輩、葉山を探るように命じられる。葉山の事など知らない倉島はあらゆる方法を使って葉山を調べる。やがて先の転落死に葉山が絡んでいることが判明し、背後に複雑な人間関係が見え隠れする。主人公倉島の成長ぶりが実感できる一冊。
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シリーズ第3弾。画廊で殺害されたアーティストの胸には「死」というカードが1枚残されていた。12年前に起きた若い男女のバラバラ遺体をオブジェとして画廊に飾るという猟奇的な殺人事件との関連性が浮上する。マロリーは養父が担当した12年前の事件との繋がりを捜査しはじめるが、NY市警も何者かに捜査を妨害される。ボリューム抜群だが、中盤以降はページを捲る手が止まずに一気読み。
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私が2011年から学び始めたロゴゼミの内容を、ぎゅっとまとめた一冊。「人生の意味を問う前に人生に意味を問われている」「自分の命や世界に責任を持つ」「自分を忘れて何かに没頭するほどに自己実現がなされる」。自分の周囲に目を向けて、今この瞬間に人生から何を問われ、どう答えるか、それを繰り返した一日一日の積み重ねが人生になる。本田先生、草野先生の解説もわかりやすい。
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革みたい、でもやわらかい!革みたいな新素材、革みたいだけどとっても柔らかい!しかも発がん性物質を含まないノーホルマリン加工、だから肌のやわい女性やお子様でも安心です。ほぼ全サイズ対応 (文庫、B6、四六、新書、A5、マンガ、ノート)こだわりの日本製プロダクトです。
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アナザーフェイスシリーズ第8弾。二課の同期から結婚詐欺グループの一員と思われる女性・美智留の内偵を頼まれた大友。調べていくうちに殺人事件と詐欺の事件が絡んでいることが判明。大友の同期の高畑がまさか結婚詐欺にあっていたとは…。お金を騙し取られる悔しさよりも、詐欺師を信じて人生を共にすると判断した自分が許せなくなるのだろう。読むのに少し疲れたが安定の面白さ。
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徳江が千太郎に書いた手紙。私たちはこの世を観るために、聞くために生まれてきた。この世はただそれだけを望んでいた。だとすれば、教師になれずとも、勤め人になれずとも、この世に生まれてきた意味はある。「らい予防法」が廃止された後も、隔離され偏見の目に晒され続けて生きてきた方々の失われた時間は戻らない。小豆の声を聞いく徳江の存在は、深い悲しみと共に希望を見出だす力を感じる。
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倉島シリーズ第3弾。右翼団体の幹部が殺され、倉島がなぜかその捜査本部に行けと命じられる。訝しく思いながらも本部に詰めていたが、やがて第2第3の事件が起こる。今回ヴィクトルは登場しないためファンとしては物足りないが、倉島の成長が感じられる面白い展開だった。公安としてはまだまだで、周囲の助けと運の良さで乗り切っているようにも見えるが、最後は少しリーダーらしくなったかな。
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小学生の子ども2人を持つ杏子は、育児で疲れたママ向けに、マッサージと家事代行の会社を起業する。従業員は定年を過ぎたシルバー限定で2時間5千円。夫の無理解、姑との確執、アルコール依存など、顧客のママ達にはいろんな悩みがあって、首を突っ込まずにいられない老人達。しかし夫の浮気疑惑、息子の不登校など、杏子の家庭にこそ問題があった。65才ってバリバリ現役だと思うのだが。
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警察を定年退職した刑事神場は、在職中事件の贖罪のために妻とともに四国八十八ヶ所巡りへ出かける。その事件と酷似の女児殺害事件がその道中に発生し、かつての部下であり娘の恋人や同僚が捜査にあたることになるが、自らが関わった16年前の少女誘拐事件と酷似していることから、、四国遍路の傍ら神場も捜査に協力する。自分自身の過去と向き合いながら自分なりに責任を果たす潔さが気持ちよい。
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猫の傀儡四箇条。壱、まず暇であること。弐、察しと勘が良いこと。参、若い猫並みの数寄心をもつこと。肆、何よりも猫が好きなこと。私はとても傀儡にはなれそうにないな。物語は野良猫ミスジが、行方不明となった先代順松の代わりに猫町に住む猫たちの世話役として傀儡師となり、猫に降りかかった難儀事に働く人間、阿次郎を傀儡として問題を解決していくというもの。面白かった。
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藩主の仇討ちに命を懸ける菅生十兵衛はかつての部下3人と国元から江戸に出た。生活金を得る為に世を忍ぶ仮の姿「陰聞き屋」なるよろず悩み相談の仕事を始める。ある日、中山道は吹上宿の先にある押田藩へ小さな葛籠を運ぶ仕事を頼まれるが、合言葉と届ける日時が決まっていて、荷の中身は決して見るなと釘を刺される。簡単な仕事と高をくくる十兵衛だったが、葛籠を盗まれ幕府隠密を巻き込んでの大騒動に。
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藩主の切腹から藩も改易、浪人となった菅生十兵衛。江戸で「陰聞き屋」なるよろず悩み相談の仕事をしつつ、思いは藩主の敵討ち。そんな中、仇の大名飯森藩主皆川弾正の正室静姫から夫の秘密調べの陰聞きの仕事が舞い込む。江戸にも慣れた十兵衛と三人の仲間たちが、心とひとつにして、きっと自分たちの手で仇を取ると、準備万端整えるのだが、調査しているうちに大名と正室のW不倫が発覚する。
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関西弁のタイトルが示す通り、この陰聞き屋十兵衛シリーズは主君の仇討がテーマですが、喜劇の様相を呈していてなかなか面白い。隠れ蓑の「陰聞き屋」仕事も板についてきた十兵衛と3人の仲間たちだが、敵討ち相手の懐に入り探索しているうちに、チャンスを逃してしまい未だに主君仇を討てずにいる。討ち損じても、あきらめずに、今度こそはと敵に仕掛ける奇想天外な作戦。悲願の仇討ちは叶うのか。
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藩主の遺恨を晴らすため江戸に出て来、隠れ蓑としてお頭、十兵衛は「陰聞き屋」なる悩み相談を始め、部下の3人は居酒屋を始める。 陰聞き屋の依頼が繁盛し、その延長線上で意趣返しの絶好の機会が十兵衛たちにもたらされるが…。意趣返しの相手側が物分かりがよすぎる。 もう少し十兵衛等疑問を持つもんだと思うが。 他にもご都合主義的な箇所がいくつもあり、もうこれには笑うしかない。
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足袋問屋『山形屋』への婿入りを次男から切望され、鼻緒問屋『能代屋』の主は悩んでいた。相手は美人だが、高額の持参金、趣味三昧ぶり、先に病死した婿は毒殺された、と黒い噂ばかり。真相究明を頼まれた青柳剣一郎は、仲人や検視した同心を尋ね歩くが、調べても不審な点は見いだせなかった。そう報告し、次男が婿入りした直後に事件がおこる。“婿殺しの後家"という黒い噂の真相を剣一郎が斬る。
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陰聞き屋の仕事内容がメインの物語かと思ったが、実は十兵衛という人物の江戸上りの理由等が文章の前半を占めており、仕事が始まるのは半分以上進んでから。肝心の仕事のこなし方も、なんとなく中途半端な印象で、ハラハラもドキドキもない。ストーリーよりもキャラクターが立っているので、その面白さで読み切った感じ。シリーズものなので、この先もゆるゆると読み進めてきたいと思う。
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10月の北欧アイスランド・レイキャヴィク、北の湿地にあるアパートで起きた殺人事件。被害者ホルベルクが過去に犯したレイプ事件の被害者とその娘に起きた悲劇、更にもう1人のレイプ被害者を探すうちに真相が明らかとなっていく。捜査するのは昔気質のエーレンデュル捜査官。娘や息子は麻薬やらアルコールやらに溺れ、妻とは離婚。アイスランドの土地と血縁に縛られ鬱々とした世界観がクセになる。
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田島和幸は小学校から倉持修に何度となく騙され、はめられ、人生を狂わされ、その度に殺意を抱きながらも直接会うといつも言いくるめられて実行には移せず、されるがままにズルズルと転落していく。手のひらで転がすように田島の人生を狂わせ振り回してきた倉持の動機は何か。結局「殺人の門」を越えるために必要なのは「恐怖」だったのか。うすら寒くて後味は悪いが読み切らずにはいられない作品。
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万能鑑定士Qシリーズの最終巻。今回は盗まれた絵画「ムンクの叫び」の事件を追うチープグッズ店に戻った莉子と、探偵に転職した小笠原。破らた絵画の修復の裏に修復家、贋作家、コピアとの対決が。果たしてムンクの叫びは修復できるのか?もとより奪われた作品は本物なのか?最終巻に来て、莉子が小笠原の気持ちに気づき、お互いの思いを確かめ合えて結ばれハッピーエンドで終わったのが良かった。
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日本スキージャンプ界の期待の新人が毒殺され、関係者に疑いの目が向けられる。犯人は早々に捕まり事件解決かと思いきや、何故彼を殺さねばならなかったのか、動機やトリックなどはわからず密告者が誰だったのかが謎を深める。背後に隠された事実が明らかになった時戦慄が走る。ラストのどんでん返しがまた切ない。発展を遂げるスポーツ科学の分野において、その在り方を考えさせられる一冊。
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自らを葬送学者と名乗る鬼木場あまねは、民俗学を専攻する大学院生。日本の葬式の風習に興味を抱き、民俗学の福間教授の元で学位取得を目指しているが、この教授も自分が柳田國男の生まれ変わりと思っている変わり者。あまねは全国各地の協力者からの連絡にいつでも対応できるように友引以外は常に喪服を着用している。葬送学という学問があることをこの本で初めて知った。
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オリンピックを目指す20歳のアスリート市ノ瀬沙良が、交通事故により片足ひざ下を失いながらもパラリンピック出場を目指す物語。加害者は隣家に住み幼馴染でもある相楽泰輔。その泰輔が自室で刺殺体で発見され犬養刑事が捜査を始める。沙良の走る事への執着は強く義足の専門家デビットと出会い高額の義足を手に入れる。実は泰輔は自殺で、保険金の被保佐人として御子柴弁護士を雇い、保険金を沙良に渡したのだった。
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親友の智彦の恋人・麻由子に恋をした崇史は、恋と友情の板挟みとなり苦悩する。物語は智彦と麻由子のカップルの話と、崇史と麻由子がカップルの話が交互に描かれるが、記憶改編というキーワードでどちらがパラレルワールドなのか不明なままページが進んでいく。結局は誰も幸せにならず。記憶改編は既に現実味のある話かもしれないが、倫理的に人間の記憶を改編することはやはり許されない気がする。
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シリーズ最終回の第16巻。下総稲月藩三万五千石の若殿・千太郎君は将軍家御三卿田安家ゆかりの由布姫との祝言を前に藩邸を夜逃げする。やがて若殿と姫は山之宿の弥市親分を助けて江戸の難事件解決に努力していた。そんな折、ふたりに刺客軍団イヌワシが放たれ、国許の稲月城下では国許荒廃の元凶は若殿だと廃嫡の陰謀が渦巻いていた。久しぶりに城下に戻った若殿と姫は…。
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真面目一筋に生きてきた男が、いい年になって女に狂ってしまうと歯止めが利かなくなり、人生が崩壊させてしまうというのはよく聞くお話。この物語の主人公渡部がまさにそれで、「不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた」のに、新人で入社した派遣社員秋葉と不倫の恋に堕ちる。そこに彼女が抱える父親の愛人が殺された容疑者とされている複雑な事情が絡んでミステリー要素が増幅していく。
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スクープシリーズ第3弾。飄々とろくに仕事をしていないようで、しっかりスクープを連発するマスコミ側の布施と特命捜査対策室の警察側黒田が活躍するシリーズ。ライターの片山が殺された事件から裏社会の抗争、さらには政治家のネガティブキャンペーンへ繋がっていく。後半の盛り上がりが秀逸。今巻で布施と黒田刑事の関係がさらに近しくなり、お互いに友達と呼び合うまでの信頼関係を築いたようでなにより。
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スクープシリーズ第2弾。1年前に発生した未解決の美容学校に通う19歳の女子学生のバラバラ殺人事件を黒田刑事が継続捜査にあたるのだが、別な角度から事件に行きついた布施と協力して宗教団体とドラッグという巨大な闇を解き明かしていく。「マスコミが正義をふりかざしたらいかん」いう布施の言葉は激しく同意。今回はマスコミ的布施目線でなく捜査する側の黒田の刑事物の臭いが強い。
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しのぶセンセの推理事件簿シリーズ第2弾で完結編。これで終わってしまうのが惜しい。身体になじんだコテコテの大阪弁が違和感なくていい感じ。作者の若かりし大阪時代もこんなだったのかなと昭和のノスタルジー溢れる作品。小学校の教論しのぶセンセと、中学生になった田中と原田、刑事の進藤との恋物語の続きなど、まだまだいくらでも描けそうなのに、これで終わりなんだとか。続きが読みたいな。
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しのぶセンセの周りに起こる事件、短編5話が収められている。主人公は、大阪大路小学校6年5組で担任教師を受け持つ、竹内しのぶ、25歳、独身。登場人物はみな大阪弁ど真ん中の喋りのため、軽めの小説かと思いきや、第一話からクラスの福島君の父親が殺され、事件解決のためにしのぶセンセと教え子探偵団が動き出す。殺人事件を小学生が巻き込まれるのが名探偵コナンみたい、と思いながら楽しく読んだ。
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シリーズ第3弾。今回はアメリカ大統領と副大統領の命が狙われる。現実においても今や全世界がコンピュータネットワークで繋がっている世の中で、、リアルに十分起こりうる話だと思われ、小説なのにかなりドキドキした。変装名人の殺し屋を取り押さえ、無事に暗殺を防ぐことはできるのか…後半からの盛り上がりが半端なく最後まで一気読み。副大統領の勅命で新たな部署が立ち、今後さらに盛り上がりそう。
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女刑事テイラー・シリーズ第2弾。20年前の未解決事件、白雪姫連続殺人事件と同じ手口の事件が起こった。同一犯か模倣犯なのか。結婚を目前に控えるテイラーとボールドウィンが捜査に巻き込まれる。殺された美女の唇には真っ赤な口紅がほどこされ、その体内には“白雪姫殺人事件"の当時の新聞記事の切り抜きが残されていた。原題のタイトルは『14』。読了したとき、この数字の意味を知ることになる。
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北町影同心「もたれ攻め」シリーズ第5弾。父親を無実の罪で殺された娘の哀しみと怒り、執念のおそろしさをひしひしと感じた。今までのシリーズで一番引き込まれた。いきなり家にミミズが放りこまれたり、墓荒らしにあったり、盆栽が壊されたりされて、音乃と丈一郎は探索に乗り出す。それがたとえ逆恨みだとしても十手持ちは気づかぬうちに恨みを買っていることがあるのでやっかいだ。
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隠蔽捜査シリーズ第6弾。途中で閉じることができないこのシリーズ、一冊読み切る覚悟でいつも読みだす。今回も一気に読了。これは、何処へ異動しても、誰と仕事をしても、警察官として常に真摯に向き合い、誰にもおもねらず、合理的な生き方を通す主人公竜崎の魅力にほかならない。社会人としてそれをやりたくてもできない人が、おそらく竜崎の態度や行動で溜飲を下げているのではないだろうか。
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女警部補のテイラーとFBIプロファイラーのジョンのシリーズ第一弾。ハーレクインシリーズなのに本格サスペンス。猟奇的連続殺人事件と連続レイプ事件の二つの事件が同時進行するが,スピート感のある展開でさっくり読めた。なぜこのレーベルから出てるのか不思議なほどロマンス部分は少ないものの、お互いに対する熱い想いが語られていて愛の深さは充分伝わってくるので、満足な読了感。
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『チルドレン』の続編。自分が信じる正義だけが正義であって他は受け付けないのはとても楽だし一見カッコいい風に見えるけど、自分が物事の一面しか見ていないかもしれないと考えれば、何が正義で何が悪なのかは一人ひとり違って当然。勝てば官軍負ければ賊軍。歴史の正義は勝った者の歴史なのだ。家裁調査官という聞きなれない仕事を担う陣内や武藤の軽妙な掛け合いの中に深い言葉がたくさんある。
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マロリーシリーズ第二弾。まもなくクリスマスの時期に高級コンドミニアムでマロリーが殺された、かと思いきや、死体はマロリーが寄付した服を着た女性だった。殺されたアマンダの猫、ノーズVSマロリーが面白い。潔癖症と言われる人間にとっては猫は理解しがたい生き物なのだろう。探偵事務所の共同経営者チャールズが煙草と薔薇の香水と美しい音楽でアマンダのタルパを作り上げるところなど、小説だけれどとても不気味。
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スクープシリーズ第1弾の短編集。テレビ局社会部の遊軍記者・布施は、ニュース番組「ニュースイレブン」を担当している。夜の街を徘徊し、飲み歩いて交友関係や人脈を広げ、事件のキーマンと接触し、独自の視点で取材を遂行する。それがスクープにつながるのだが、掴みどころがない飄々とした態度の中に、ぶれない信念や生き方が見える。だから警視庁の黒田刑事との良好な関係も築けるのだろう。
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大学の夏休みにヒロちゃんこと柿生浩美が、卒業旅行の資金稼ぎのため、那覇のホテルでアルバイト生活をするお話。大家族のしっかり者長女としての生真面目で一本気な性格ゆえ、最初は沖縄特有のてーげーなテンポに馴染めず、いろんな価値観や事情を持っている人と自分の考える正しさの狭間で悩んだりするけれど、オーナー、スタッフ、お客さまとの交流をとおして成長していく様子がさわやかに描かれている。
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夜逃げ若殿シリーズ最終巻。稲月藩三万五千石の若君・千太郎の許嫁で将軍家御三卿田安家ゆかりの由布姫が襲われ、腰元の志津が殺された。誰が?何のために?何を狙って?疑心暗鬼になる千太郎であったが、自身にもひたひたと巨大な敵は迫りくるのであった。弥市親分の依頼で、探索中の旗本笹原家と柿田家の抗争が原因かと思われたが…。果たしてそうなのか、はたまたまったくかかわりない謎の刺客なのか?
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堂シリーズ第三弾。前作に比べると、数学的なネタが少なくてまだ読みやすかった。それでも完全に文系の我が脳みそでは、理解しながら読むのは不可能なため、物語のみをストレートに味わうことに。それでも数学のテーマフラクタルの概念が付きまとう話で、読了しても??な感じ。シリーズもので、十和田只人と善知鳥神私の丁々発止を楽しむために読んでたが、私には難しすぎて合わないかも。
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あってはならない冤罪事件が繰り返されるのも、日本の裁判制度、警察の強引な取り調べと隠ぺい体質、他者へ無関心な権力者の自分さえよければよいという保身が原因なのだろう。こういう人たちが日本を動かしているかぎり冤罪事件がなくなることはない。尚の命をかけた復讐もこいつらの前には微々たる反省も促せない。本当にやるせないが、現実でもこういった感情を抱いている人たちがいると思うと辛い。
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主人公の水穂が、自殺した伯母頼子の四十九日に竹宮家に戻ると、そこには、悲劇を呼ぶピエロの存在が。十字型の屋敷で次々と人が亡くなり、水穂と人形師の悟浄が真相を解明する。登場人物が多く、名前や関係性を把握するのが大変だったが、要所ごとにピエロの視点から語られる解説や、何重にも織り成される登場人物の思惑と言動、思いもよらぬトリックで読みごたえのある作品だった。
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夜逃げ若殿シリーズ第十四弾。下総稲月藩三万五千石の若殿・千太郎君は御三卿田安家ゆかりの由布姫との祝言を前に藩邸を夜逃げする。骨董目利きの才と剣の腕で、江戸の難事件に挑む山之宿の弥市親分を助けるが、その弥市親分のもとへ鳶の万造の女と称する娘盗人が自首してくる。泥棒日記を手土産に盗人稼業から逃げたいので助けてほしいという。万造一味を一網打尽にしたい弥市親分だが、はたして娘の真の目的は?
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ハラマキ新シリーズ第2弾。六本木の違法クラブで女子中学生が惨殺される事件が起きる。肝心の原麻希は「旅に出ます」のメールを残して休暇にはいり連絡がつかず、女性犯罪捜査班の面々は妊娠八カ月の圭子を捜査へ駆り出すことに。今回は少女買春にサイコパス、マッドサイエンティストなどなど事件が複雑。親の研究に利用された杏花と萌花がなんとも切ない。なぜ原麻希が不在だったかのかも最後にはわかる。
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同じ日に同じ会社に採用された益田と鈴木。14歳の時に子供を2人殺し、後悔しながら生きている鈴木と、14歳の時にいじめられていた友人を庇えず自殺に追いやった益田。益田は、鈴木によってそのことを思い出し苦しむ。凶悪な少年犯罪を犯したものが更生、矯正できるのか。周囲は受容できるのか?あなたは受け入れることができるのかと、作者に問われているように感じる重いテーマの作品だった。
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夜逃げ若殿シリーズ第十三弾。藩邸を夜逃げした若殿・千太郎君のもとに「将軍家の松姫様が日光へ代参される。事前に現地を探索せよ」という父・稲月三万五千石の藩主から日光東照宮探索の密命が届く。若殿は許嫁の田安家ゆかりの由布姫、山之宿の弥市親分と一緒に旅に出て、日光への道中で奇妙な男を助けるのだが、これが日光奉行所と宇都宮藩が絡む怪事件の幕開けだった。相変わらずのおとぼけぶりが楽しめる。
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夜逃げ若殿シリーズ第十二弾。徳川御三卿田安家ゆかりの由布姫との祝言を前に藩邸を夜逃げし、江戸の骨董屋に目利きとして居候している下総稲月藩三万五千石の若殿・千太郎君は、自慢の骨董目利きの才と剣の腕で、山之宿の弥市親分を助けて江戸の難事件解決に大活躍。お忍びで町に出た由布姫は千太郎に出会って意気投合。折しも提灯が一人歩きする夜に男が殺され、埋葬された墓が暴かれる。
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夜逃げ若殿シリーズ第十一弾。親の決めた結婚が嫌で屋敷を夜逃げし、骨董屋に目利きとして居候する稲月藩三万五千石の若殿千太郎君。目利きの才と剣の腕で、山之宿の弥市親分の捕物を助けている。若殿の許嫁で御三卿田安家ゆかりの由布姫も事件の謎解きに協力しているが、ここにきて、大店の蔵に男が立てこもり謎が謎を呼ぶ呼ぶ怪事件が起こる。一見単純そうな立てこもりのはずが、そこには一筋縄では解けない謎が潜んでいた。
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夜逃げ若殿シリーズ第十弾。親が決めた結婚が気に入らず、稲月藩三万五千石の若殿千太郎君は夜逃げして、骨董商片岡屋に居候し、目利きの才と剣の腕で、山之宿の弥市親分の捕物を助けている。お忍びで町に出ていた許嫁の御三卿田安家ゆかりの由布姫と出会い、二人して難事件の謎解きをする日々だが、事件を起こす咎人は悪人ばかりとは限らない。事件の陰で悩む咎人を若殿と姫と弥市親分が温かき心で包み込む。
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夜逃げ若殿シリーズ第九弾。御三卿田安家ゆかりの由布姫との祝言を前に、親が決めた結婚が気に入らず夜逃げして、骨董商片岡屋に居候しつつ目利きの才と剣の腕で、山之宿の弥市親分の捕物を助けて江戸の難事件を解決している千太郎だが、実は稲月藩三万五千石の若殿の仮の姿。お忍びで町に出た由布姫は千太郎と出会ってお互い正体を告げてはいないものの惹かれ合い、摩訶不思議な事件の謎解きに協力し合う。
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高校時代からの男女の仲間が大学へ進学し4回生になり、それぞれの将来に向けて夢を語りあう時間を過ごしていたある日、女子学生が寮で亡くなる。一見自殺のようだが、彼女が自殺する筈がないと信じる仲間たちが真相解明に動き出す。その中のひとりが加賀恭一郎青年。雪月花之式というお茶会が重要なポイントになるので、わざわざ図解して説明されている。何年も続いてきた友情が卒業前にこんな結末になってしまうとは。
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シリーズ第一弾。東京オリンピックを控え5年間限定で新設された水上警察署、通称五輪署。警視庁捜査一係・日下部峻が五港臨時署の強行犯係主任に異動。恋人の海技職員・有馬礼子も同じ署の船艇課に。そして日下部の上司・碇拓真警部補の3人の人間関係を中心に物語は展開する。隅田川に流れてきた人間の指と、第六台場で発見された白骨死体の事件の交わり合いが、暗躍する半グレ集団と社会福祉の闇に繋がっていく。
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甲府勤番を命じられた高岡弥之助は赴任途中で襲われる周次郎を助ける。甲府赴任は密命のためと知らされた弥之助は周次郎の女房を探す手助けを隠れ蓑に探索を始める。高岡弥之助の手助けで、おきみを捜し、亡父の遺した“言葉”の謎を追う周次郎。『甲州屋』の誕生に黒い利権が渦巻いているのを知る。金貸し妹尾別当の素性を洗っていた剣一郎は、江戸と甲府で暗躍する、闇の組織に立ち向かいラストは怒涛の展開で伏線回収。
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青柳剣一郎の娘るいと高岡弥之助、甲州屋の次男で勘当されている周次郎とおきみ、両者に起こる別々の件がやがて絡んで江戸と甲府で難事件が起きる。内与力の長谷川白郎により剣一郎に事件解決が命じられるがいつもながらの憎らしさ。弥之助が上司の不興をかって甲府勤番に左遷させられてしまうが、そこにも極秘の任務が隠されているようで…。さらに色々な伏線もあり、離れ離れになった若い二人の運命や如何に。下巻へ。
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前作『湿地』同様、暗い閉塞感が漂う凍てつく北欧アイスランドの風景描写。事件の始まりは、新興住宅地で赤ん坊がしゃぶっていた人間の骨。エーレンデュル達は骨を掘り出し、過去に何があったのか捜査を始める。捜査と並行して描かれる一つの家族。止むことのない暴力、憎しみ。支配され続け人生と魂を失っていく一人の女性。罪の意識を抱えながら生きていかざるを得ない人たちの痛ましく悲しい人生模様。
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愛する妻を妊娠中毒症で亡くした真人は幼い息子・湊人と共に妻の夢であったカフェを続ける中で、ふとしたことからカフェのポストに人々が亡くなった人への手紙を入れるようになる。天国の人に届けたい手紙が投函される物語。認知症のサワばあちゃんが、亡くなった息子のタアくん宛に手紙を出し、真人がタアくんのフリをして返事を書く。亡き人たちの残された人たちが幸せに生きてほしいという願いが心にしみ入る。
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建築家中村青司が設計した建築物であることに惹かれ、推理小説家鹿谷門美は自分とそっくりな怪奇小説家の身代わりに奇面館へ滞在する依頼を引き受ける。季節外れの吹雪で館は孤立。電話は全て壊される。その夜、10本の指と首が切断された死体が見つかり、招かれた客6人は薬は盛られ、全員鍵のかかる仮面を被らされていた。いろいろな思い込みや勘違いが最後に向けて回収されていくところは、お見事としか言えない。
上巻→Amazom Books
下巻→Amazom Books
東日新聞の長野支局から本社へ移動してきた長妻厚樹が社会部キャップ市川と追いかけ始めたのは、「ビニール袋集団自殺」。有名大学教授・上山の自殺サイトを閲覧した人が何人か集まり、睡眠薬を飲んだ上にビニール袋をかぶって窒息するという手口の自殺が全国で頻発していた。自殺を唆すサイトを運営していたとされる上山を追い、関係者を追う。作者が元新聞社勤務だからか、新聞社の裏側が詳しく書かれていて興味深かった。
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加賀恭一郎シリーズ。中学生の息子が見知らぬ小学生の少女を殺してしまった。これをごまかすために、両親は少女の遺体を隠し、なかったことにしようとする。遺体の捜査を進めていく中で、ある一家が怪しいと目を付けた。怪しまれていることに気付いたその一家は責任から逃れるために、痴ほうの老いた母親を犯人に仕立てようとする。自己保身ばかりの家族に人の弱さ、甘さ、良心の呵責を問うた作品。腹立たしく憤りを覚える。
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次々に出てくる数式に、数学の弱い自分にはさっぱり意味がわからず。トリックに関係ありそうなので、頑張って読んだが、あんまり関係なかった。一応最後まで読んだものの、結局よくわからないまま終わってしまった。難しい数学の得意な読者には楽しいだろうけれど、もうちょっと、普通のレベルの人も馴染めるくらいに落として欲しいと思うのは我がままだろうか。いつも斜め読みになって読了しても頭に何も残らない。
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倉島警部補シリーズ第二弾。前作「曙光の街」から4年が経過した設定。日本の公安部やヤクザを手玉にとったヴィクトルが今回は、ロシア人貿易商の身辺警護役としてまたも来日。帰国前日、貿易商は日本の外務官僚と密会するが、その後外務官僚は死体で見つかる。これはヴィクトルの仕業に違いないと捜査を任された倉島警部補は捜一係長とともにモスクワへ向かう。ヴィクトルやFSB捜査官に刺激を受けて覚醒し成長していく倉島に微笑ましさを覚えつつ、やっぱりヴィクトルの格好良さが際立った作品。
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三万五千石稲月藩の若君・千太郎は、田安家ゆかりの由布姫との祝言の前に夜逃げする。骨董の目利きの才と剣の腕で、骨董屋に居候しながら、山之宿の弥市親分を助けて江戸の難事件解決に大活躍するシリーズ。同じく家を抜け出しては市井の人々に混ざって遊んでいた由布姫は千太郎と出会って意気投合。今回も相変わらず、お互いの婚約者だと暗黙の了解ありつつ千太郎と由布姫が弥市親分の持ち込んでくる謎を解いていく流れ。
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骨董目利きの才と剣の腕で、山之宿の弥市親分の捕物を助けて江戸の難事件を解決している千太郎は、稲月藩三万五千石の若殿の仮の姿。田安家ゆかりの由布姫との祝言の前に出奔していたのだ。お忍びで町に出た由布姫はたまたま千太郎と出合って惹かれ合い、岡引の親分の奇想天外な事件の謎解きに、健気に大胆に協力する。互いに相手の素性に気づいているが自由気ままな生活を手放したくはなく、知らん振りをしている。
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白昼の駅前広場で4人が刺殺される通り魔事件が発生。犯人は逮捕されたが、ただひとり助かった青年・修司は搬送先の病院で奇妙な男から「逃げろ。あと10日生き延びれば助かる」と警告される。その直後、謎の暗殺者に襲撃される修司。なぜ自分は10日以内に殺されなければならないのか。はみだし刑事・相馬によって命を救われた修司は、相馬の友人で博覧強記の男・鑓水と3人で、暗殺者に追われながら事件の真相を追う。
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下巻→Amazom Books
数十年ぶりにかつて大学生活を送った因縁のある麗山大学に舞い戻った大学教授の鹿野道夫は、全共闘運動のさなかに起こった学生と機動隊の衝突に巻き込まれ、ひとりの高校生が死亡した事件の真相を当時参加していた当事者として調べ始める。一方、その高校生の弟で大学時代に鹿野の教え子だった石川は、衝突の際に石を持つ鹿野の写真を見つけ、兄の死因は鹿野の過失だったのではと疑念を抱いていた。
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骨董商片岡屋に居候しつつ目利きの才を発揮する千太郎は、稲月藩三万五千石の若君という本性を隠し仮の姿で暮らしている。御三卿田安家ゆかりの由布姫との祝言を前に江戸下屋敷から夜逃げ、目利きの才と剣の腕で江戸の難事件解決にかかわり大活躍。一方たまたまお忍びで町に出ていた由布姫と出会って意気投合。そんな折、千太郎と名乗る偽物が目の前に現れる。千太郎と由布姫の距離がまた少し近づいたか。
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じゃじゃ馬姫と名高い御三卿・田安家ゆかりの由布姫は、お忍びで江戸の町に出て会った高貴な佇まいの侍・千太郎に一目惚れ。千太郎は実は姫の祝言の相手、稲月藩三万五千石の若殿の仮の姿であった。互いに名乗らぬまま惹かれ合い、関わるうちに結婚相手であることにうすうす気づきながらも町での暮らしを続けたくてお互いに口には出さない。千太郎の目利きの才と剣の腕、姫のけなげな助力で、江戸の難事件解決に挑む。
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三万五千石稲月藩の若君・千太郎は、じゃじゃ馬姫と名高い田安家ゆかりの由布姫との祝言を前に江戸下屋敷から夜逃げ、骨董目利きの才と剣の腕で江戸の難事件解決に大活躍。そんな折、お忍びで町に出た由布姫と出会って意気投合し、互いに自分の正体を隠したまま、奇想天外な怪事件の謎解きに協力しあううちに、口には出さないものの許嫁ではないかと気づきはじめる。今回はとくに由布姫の活躍が見もの。
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御三卿・田安家ゆかりの由布姫は、お忍びで町に出て会った気品ある侍・千太郎に一目惚れ。しかし千太郎が姫の祝言の相手、稲月藩三万五千石の若殿の仮の姿であることは、まだ知らない。由布姫は千太郎に一目会いたいために屋敷を抜け出したが…。千太郎の目利きの才と剣の腕、由布姫のけなげな助力で、江戸の難事件解決に挑む。今回はタイトル通り由布姫のやんちゃ同心ぶりがいい読みごたえとなっている。
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骨董商・片倉屋の離れに居候しつつ骨董の目利きをする千太郎は、稲月藩三万五千石の若君の仮の姿。御三卿・田安家ゆかりの由布姫との祝言を前に、江戸下屋敷から逃げ出していたのだ。ふとした縁で知り合った山之宿の岡っ引き・弥市親分とともに、骨董がらみの江戸の難事件解決に、謎解きの才と剣の腕を振るう。今回は2人のやさしい女性と2人の怖い女性が軸となって物語が展開していく。
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シリーズ第七弾。完全黙秘の窃盗事件の容疑者、若居を取り調べる大友鉄。軽犯罪の影に隠れた半グレ組織の闇。取り調べの過程で明らかになる容疑者の過去。 少年時代の小さな過ちが、後の人生を狂わせる。転落してしまった者の復帰の難しさ、離れたとしても纏わりつかれる怖さ。やったことが許されるものではないが、一度そういった階層に組み込まれてしまうと、こうも抜け出せないのか。わかっていても怖いと感じる。
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シリーズ第六弾。前回の事件で撃たれた大友鉄は、実家で療養していた。一人息子の優斗が父を訪ねて長野に向かう高速バスで移動中にトイレ休憩のために立ち寄ったパーキングエリアで誘拐されてしまう。大友は、独自に捜査を始めることに。やがてたどり着く8年前の高速バスの死亡事故、そこから浮かび上がる犯人像。事件の真相は、高速バスの運営会社で過重労働を課せられ、命を落とした運転手の「息子たち」の復讐劇だった。
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シリーズ前日譚の短編集。大友鉄の人物像が掘り下げられている。警察官を目指した理由、子どもの人生に責任を負うことになったこと。余計なことの積み重ねが、結局人助けにつながること。刑事としての成長。そして、妻の死を経て、急に世界が回り始めこと。そして子育てか、仕事かどちらをどうすればよいのか悩むことを死んだ妻に詫びること。家族の肖像や隠された絆などが描かれ、単純な警察小説ではないことを再認識。
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娘の瑞穂がプールで溺れて脳死状態だと連絡が入る。葛藤の中、脳死判定を拒否しテクノロジーを駆使してあたかも自発呼吸をしているように見せ、脊髄への電気刺激によって腕を動かせるように。自宅に引取り、母親が付きっきりで懸命に介護をする日々が続くが、母親の薫子が瑞穂の表情筋まで操作し、さらにそれを周りの人々に生きていると認めさせようとする狂気に、正常だった人間が少しずつ歪んでいく恐怖を感じた。
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兄妹で個人病院の病室に下宿するという、現代では考えられない設定が自然と出てくる戦後もまだ浅い時代のミステリー。そこで巻き起こる連続殺人事件。4人が殺害されてしまう話ではあるが、昭和の背景、登場人物の朗らかさから印象は暗くない。兄の雄太郎の冷静沈着な推理が冴え渡り警察顔負けの真相究明も見事。院長の娘幸子ちゃんや妹の悦子の描写が生き生きと可愛らしく、これが半世紀以上前の作品であることに改めて驚き。
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有梨を負傷させたストーカー「S」は追い詰められては死んだかと思われたが、実際はその後も「S」から「無事でよかった」というメールが届いていた。死んだのは「S」ではなかったのか。そんななか警視庁からは新たに岸川という男がSCSに加わる。そして、日々の業務をこなす中、新品川署の4階、SCSと捜査一課全員15名の個人情報が、謎の犯人Xから送られてくる。一体ストーカー「S」、そしてXとは何者なのか?
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新品川署のストーカー犯罪対策室勤務の白井有梨は、日々ストーカー案件に奔走している。実は有梨も「S」と名乗るストーカーから、メールを送りつけられる被害者だった。刑事という不規則な職業の自分を監視できるのは同じ署内の人間ではと当たりをつけてはいたものの誰なのかは不明のまま。スマホの危機管理という読者への警告もありつつハラハラさせる展開で、「S」は一体誰なのか、目的はなんなのか読む手が止まらない。
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北町奉行所の吟味与力が溺死体で見つかる。不審死にもかかわらず奉行の一言で自害とされるが、一方でその奉行から音乃と義父・丈一郎に与力の死の真相を探るよう密命が下る。奉行のもとにも奇妙な脅迫状が届いており、いったい誰が何を考えているのか。手掛かりがつかめないまま探索を続けていると、ひょんなところから裏富講なる秘密組織が浮かびあがる。そこには老中がからむ大事件が絡んでいた。
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家庭を顧みずに仕事に没頭してきた叩き上げの刑事・本城が、警察官僚として出世争いの渦中にいる息子智也から出向中に詐欺組織に盗まれた警察手帳を気づかれずにどうにかして取り戻してほしいと懇願される。親の務めを果たしてこなかった慙愧の念から、息子の隠匿に手を貸すことを決めオレオレ詐欺組織へ潜入する。手帳に迫る過程で掴んだのは、殺人も厭わない詐欺組織の実態だった。読後感は、不快でしかない。
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シリーズ第5弾。メタンハイドレート新採掘法を巡りエネルギー開発に絡む研究施設の殺人事件に大友が挑む。大友の見合い相手が被害者の勤める会社に居たり、関係無さそうな二つの事件に接点があったり、やや都合の良い展開もあるが…。子育てと仕事の間で悩んでいた大友が捜査一課に戻ることを決めた直後に、一発の銃声が。あまりに衝撃的なエンディングで、続きが非常に気になるところ。
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下総三万五千石稲月藩の若君・千太郎は御三卿・田安家ゆかりの由布姫との祝言までの日々を気ままに楽しむべく、江戸下屋敷から逃げ出す。その夜、浅草奥山で知り合った骨董商・片倉屋の離れに居候することになった千太郎は、骨董目利きの才と剣の腕で、山之宿の弥市親分を助けて江戸の難事件解決に挑む。また、許嫁の由布姫も街へこっそり繰り出しているから、今後の姫の出番と活躍にも期待大。
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樋口シリーズ第3弾。今回は樋口よりも捜査2課の島崎が主人公。日和銀行の不正を追う島崎は、同銀行の富岡に脅迫されガサ入れの予定を漏らしてしまう。島崎と富岡、島崎の長男丈太郎は大学柔道部の先輩後輩の仲であり、そんな関係で仕方なく漏らしたのだがガサ入れは失敗。父と兄の話を聞きつけた次男英次は富岡を憎み、単独で動き出す。富岡が殺され次男を犯人だと決めつけた島崎は次男を殺し自分も死ぬ気になるが…。
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主人公は大企業に勤める課長級クラスの40代男性たち。共通しているのは、競争社会をそれなりに駆け抜けてきた中間管理職だということ。彼ら悲哀を短編5話にして軽いタッチで描いている。今ならパワハラやセクハラになるような内容も昭和時代は日常的によく目にしてたし。都合よく他人のイメージを頭の中で作り上げて一喜一憂するおじさん達に絶妙なタイミングでチクリと喝を入れる妻が良い味を出している。
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持ち込まれた事件を描いた4連作からなる杉村三郎シリーズ短編集。前作「ペテロの葬列」でそれまでの生活に区切りをつけ、探偵事務所を開業して新たな出発をしていた。今作で杉村が挑む4つの調査は、どれもなかなか手強く簡単には解決できないのだが、いろいろな人と出会い、人を探し、人の悪意を見つつ、それでも依頼や関わった人のために地道に取り組んでいく姿に、清々しく読了した。
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アナザーフェイスシリーズ第四弾。スリを逮捕する事件の応援に行った大友だったが、同時に近くで起きた自殺騒ぎに惑わされ取り逃がしてしまう。その犯人が殺害された状態で発見され、被害者も名乗りでず、ひったくられたアタッシュケースは行方不明。殺人事件となり三課から一課の手伝いに駆り出される大友にまとわり付くさまざまに散らばったピースが最後にピタッとひとつにハマるのが気持ちいい。
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アナザーフェイスシリーズ第三弾。大友鉄が大学時代に所属していた劇団の創立20周年記念公演に招待され、義母と息子を伴って観に行くが、上演中に主宰の笹倉が舞台上で絶命する。さらに、シナリオに沿った事件が発生。大友はかつての仲間を捜査することに。役者では食えない理想と現実とのギャップ、自分の境遇を憂い、他人を妬み嫉む劇団のメンバーたち。積年の恨みと男女関係のもつれが複雑な事件に発展していく。
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アナザーフェイスシリーズ第二弾。強盗放火殺人の容疑者渋谷が取調べ中に自殺。翌日、容疑者の高校時代の同級生である女性弁護士が真犯人だと出頭してくる。混乱する特捜本部に、刑事総務課の大友鉄が駆り出され、大友は同期の柴や敦美の協力を得ながら優が自首した理由を探っていく。真相は、殺人犯はやはり渋谷で、警察上層部が渋谷が死んだのに乗じて証拠を捏造し、邪魔な弁護士を排除しようとしたのだった。
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アナザーフェイスシリーズ第一弾。妻と死別して以来、刑事として一線から退き子育てに時間を割いてきた大友が、誘拐事件の応援として現場に復帰。身代金を渡し、子どもは解放されたが、捜査するうち違和感を抱き少しずつ本質に近づいていく。元上司に見た目と振る舞いを器用に変えて色んな顔に擬態する演技力を買われての指名だが、この作品に限っては「刑事の顔と父親の顔」というタイトルの意味合いが前面に出ている。
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矢先稲荷脇で発見された死体を検死した青柳剣一郎は、その鮮やかな死体の斬り口から三月前の刃傷事件との関連を疑い、剣客による犯行と判断剣客に焦点を絞り探索を始める。一方で高岡弥之助は現場付近で前の師範代を見かけ殺しへの関与を疑う。剣一郎の愛娘るいに想い人が現る。剣一郎も気に入った様子だが、如何せん縁談を断った相手の旗本及川が素直に引っ込むかどうか…。るいの恋愛は今後だいぶもめそうな気配。
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「ベストミステリー選集」となってますが、ホラーテイストの強いものが多く、背筋のぞっとする17編の短篇を収録。個人的にはホラーが苦手な分野となっており、この選集をミステリー小説の範疇に入れてほしくはなかったかも。乙一氏の作品は、何作か既読しているので抵抗なし。平山夢明氏、飯田文彦氏、馳星周氏は初読みの作家さんではあったが、他の作品を読みたいという気持ちは特に芽生えず。
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リカシリーズ第二弾。ハイキング中の老人が見つけたスーツケースから発見された四肢や顔のパーツを削ぎ落とされた死体は10年前にリカに魅入られ行方不明になった本間隆雄だった。驚くべきことに本間の死因は窒息死、しかも、解剖すると発見の前日まで生きていた。リカは手足のない、顔のパーツのない本間と10年間、一緒に暮らしていたのだ。消息不明だったリカが10年の時を経て再び動き出す。
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シリーズ第三弾。音乃の実父である道中方組頭・奥田義兵衛が賂の罪で捕らえられる。限られた日にちの中で父の無実の証を立てるために義父とともに探索に走るが、縞の小袖着流した大男ぶつかり紙入れを拾った事が原因で、その義父・巽丈一郎も敵の罠にかかり捕らえられてしまう。幕閣を巻き込む大事件で、奉行所が手を出せない中、音乃は孤軍奮闘を余儀なくされる。はたして音乃は二人の父を救えるのか?
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第11回メフィスト賞受賞作。一見人間にしか見えないが実は人ならざる、秋、ザギ、リベザルの3人が、表の顔では薬屋を営み、裏では探偵をしているという設定。ミステリも楽しみながら、キャラものとしても楽しい。3人の掛け合いや距離感がいい感じ。内容はかなりポップだが、軽いようでいて意外と読み応えあり。妖怪、妖精、悪魔、人間が混在しているファンタジーであり、ミステリーでもある不思議な小説。
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妻子がありながら、出会い系サイトにはまる主人公・本田。そこでリカと名乗るいい感じの女性と知り合うも、次第に彼女の発言と行動はストーカーじみてくる。自分が欲しいものを手に入れるためなら、手段は選ばず邪魔するものには死を。ゴルフクラブで殴られようが、銃で急所を二か所撃たれようが、時速30キロ走行のタクシーで逃げる本田を追いかけるリカは完全に常軌を逸していて人間ではありえない狂気の邪悪な物体。
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損保保険査定員の滋野隆幸が、正しく保険を支払うために事故の原因調査し自動車事故の裏を暴くミステリー短編集7編。滋野の事故を公正な立場で判断しようとする姿勢には好感を持てるが、なぜ事故が起きたのかが明かされると、その真相はやりきれないものばかり。各編とも、最後にどんでん返しが用意されており見事。作者の損害保険会社勤務の経験に基づいた、実現場に裏打ちされたリアルさが作品の中に散りばめられている。
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シリーズ番外編にして完結編。シャーロキアンの緑川先輩が日本に帰国してきたことをきっかけに、懲りずに再びシャーロキアンのサークルイベントに顔を出すことになるタタルと奈々だが…やはり転落事件が起きてしまう。表題作に加えて「パーフェクトガイドブック」+アルファを収録したQEDシリーズのファンブック的な要素の一冊。ホームズの日本との通商協定仲介役という仮説は奇想天外ながらロマンを感じた。
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かつてスコットに連れられていった美しい森、夜には悪しきものに変貌するという深い森森―「ブーヤ・ムーン」。亡き夫の遺稿を狙う変質者ドゥーリーの襲撃を受けたリーシーは、恐怖のなかにあっても、ドゥーリーとの対決を決意する。そのためにはあの森の謎を解かなくてはならない。一方、心を患う姉アマンダが森の秘密の一端を握っているらしいとリーシーは知る。切なく美しいお話。
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主人公のリーシーが、2年前に亡くなった夫との記憶をたどる物語。姉アマンダの異変、夫の遺作をめぐるトラブルなどなど、ハードな描写と神秘的な要素の織り交ぜ方はさすが。S・キングの作品は読みやすいものが多い中、この作品はかなりの難物。原文が難解なのか訳文も文章が複雑でなかなか進まない。しかしキング自身は自分の作品中で最愛の一作らしい。上巻の終わりくらいにやっとリズムが掴めてくる。頑張って下巻へ。
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報道番組にてエース記者の里谷とスクープを狙う入社2年目の女性記者里谷が主人公の物語。少女が誘拐されるという事件が発生。スクープをものにするため、ふたりは宮藤刑事の行き先を尾行するが…。報道する側がどこまで踏み込んでいいのか、どこまで規制するのか…事件報道の在り方という視点で読者を考えさせる。マスコミの「我こそは正義」という姿勢や「知る権利の代表」面した心無い取材態度は、現実でも不愉快極まりない。
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痛々しいほど自意識過剰なサラリーマン靖男と、とてもシャイなプロレスラースコットが語り手となり、2007年と2039年を行き来しながら物語は進む。ある日突然、妻から妊娠を告げられた靖男。自分には身に覚えのない話で、そこから生活の歯車が狂いだす。妻を愛しているのか、そして妻は男を愛しているのか。不義の子どもが成長するにしたがって、靖男への愛情が増し、靖男も未来ではその子を誇りに思うという不思議なお話。
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2段組で総ページ数500頁超えの長編。老婆3人を丸坊主にし「たいへんよくできました」とスタンプを押して殺害したのは中学生の友樹だった。「少年犯罪を含めた家族の問題は以前から取り上げたいテーマ。少年の周囲の人間それぞれが家族や生い立ちに何かしら問題を抱えていたり、人には言えない部分を抱えていたりする。背後にある家族の問題、夫婦の問題、人と人とのつながりの問題には後先はないと思った」著者談。
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水鏡推理シリーズ第四弾。全国9カ所の女子少年院から選抜された4人が更生を目指し富士山登山に挑む女子少年登山プロジェクトだったが、途中で激しい雷雨に遭い、瑞希の上司であるキャリア官僚浅村と共に遭難してしまう。驚異的な予報的中率で気象コンペに優勝した民間気象会社プレシアンス社の気象予報を信じての登山だったが、気象庁との予報の食い違いの謎、そこに潜むNPO法人の不正に一般事務官水鏡瑞希が挑む。
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なんかモヤモヤ感が取れない読了となった。父に母を殺され、腹癒せに父を殺した種田静馬は、生きる意味を失い自殺するために山深き寒村を訪れる。しかしそこで隻眼の少女御陵みかげと名乗る少女と出逢い、連続殺人事件の謎を追い解決したかに思えた。しかし18年後の2003年再び、全く同じ手口で再び惨劇が…。すっきりしないのは、物語自体は面白いものの、推理というよりも私の苦手なグロさが強かったせいかもしれない。
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シリーズ第2弾。物語の時間経過が異常に早い。たった2日でアメリカ、イギリス、フランスと場面は次々に移り替わり、ジェットコースターのような展開でニコラスとマイクは数々の危険な目に合いながらも世界が震撼するような大事件を解決していく。英国紳士ニコラスのタフガイな不死身っぷりが気持ちいい。主人公の2人ニコラス&マイクの個人プロフィールも徐々に現れつつあり、この先の2人の恋愛事情にも期待したいところ。
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J・T・エリソンとの共著による新シリーズ第1弾。ロンドン警視庁の警部からFBIに来た元スパイでもあるニコラスとFBI捜査官マイクが活躍する。盗まれたダイヤモンドを取り戻す為に追跡を始める2人に次々と困難が降りかかるアクションアドベンチャー。主役の2人も出会ったばかりだし、それ以外にはキツネという女泥棒がかっこよくて男前。始まったばかりの第1弾なので、今後盛り上がっていくことを期待したい。
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昭和64年に起きた、営利誘拐殺人事件。現金2千万円が奪われ、少女が殺害された事件は未解決のまま14年が経った。時効まで1年となった折、東京から警察庁長官が事件の現場視察と遺族への慰問を兼ねて訪れることが決まり、その調整役に主人公の三上が指名される。警察発表の匿名、キャリア・ノンキャリアのポスト争い、64(ロクヨン)と呼ばれる誘拐事件の隠蔽工作、64の犯人捜査等、色んな思惑が渦巻きながら怒涛のラストへ。
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過激派にリンチされていた後輩を救うため3人を殺害し、無期懲役になった剣術の達人上條正高。模範囚として務めたことが認められ仮釈放となり39年ぶりに社会に戻り、待ち続けていた妻・淑恵と、出所直前に交通事故で他界した娘の忘れ形見の孫・真人との生活が始まった。服役後に生まれ、犯罪者である自分を嫌い一度も会えないまま轢き逃げで死亡した娘・今日子の足跡を辿るうちに、驚きの事実が浮かび上がる。
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人の心の醜さ、美しさ、弱さをテーマにした巻。太物屋の主、善次郎は、店に置き忘れられた三十両の持主を探していたが、男が現れ、事情のつじつまが合っていたので渡したものの男は行方をくらましてしまう。善次郎の店の跡継ぎを巡る心の葛藤と三十両の持ち主の裏事情と剣一郎が追う事件とが同時に進んでいき、終盤でひとつに結びついていく。今回は多恵の出番が多く、妻に全幅の信頼を置く青痣与力との関係が嫉ましい。
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シリーズ第二弾!前回、主人公「閻魔の真之介」が亡くなった後を継ぎ、いよいよ本格的に妻・音乃22歳と舅・巽丈一郎が影同心として働くことになる。最初の探索は火盗改が12年前に扱った事件の真犯人捜し。目付と火付盗賊改方長官の悪事を暴いていく。影同心とはいえなかなか上の立場の者を裁きの場に引きずり出すことは難しいものの、冤罪で死んだ男の無念を果たしその子供たちを救おうとする音乃たちの心根が伝わってくる。
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仏の流体力学の権威、ピエール・ラプラス。この世に存在する全ての原子の現在位置と運動量を把握できれば、未来の状態がどうなるかを予測できると説いた。二ヶ所の温泉街で続けて起きた硫化水素による死亡事故。状況は不自然過ぎるが、意図的に起こせる事故ではない。しかしやはりこれが仕組まれた殺人ではないかと気付いた特殊な能力を持つ少女、羽原円華と地球科学者の青江。この一連の事件の奥底にあるのは悲しき復讐劇だった。
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ホラーやファンタジーがちょっと加わった物から本格ミステリーまでバラエティーに富んだ短編集。「生ける屍の殺人」「黒白の反転」「隣の殺人」「あの子はだあれ」「恋人よ」「時鐘館の殺人」の6編。どの話も読み終わると背筋がゾクッとするものの、それぞれ豊かな作風で、いろんな意味で逆転のどんでん返しが味わえて面白く最高に楽しめる。才能豊かなレベルの高い作家さんなので、もう新作が読めないのは非常に残念。
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おばあちゃん、叔母さん、お母さん、私。主に14歳の辰巳緑のひとり語りでお話は進む。同居する女たちは皆、不倫やDV、家出と男運がない者ばかり。それぞれ弱いけど強く、人に言えない抱えた傷や秘密を自分の中に溶かし込み、笑顔で前に進んでいく。生きることの辛さや苦悩が根底に流れているものの、大阪弁の語りのリズムが心地よく、同じ大阪人としてとても臨場感を味わいながら読んだ。最後のアントニオ猪木「道」が心に響く。
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