暑さにやられて食欲不振や睡眠不足にもなりがちですが、そんなときには頭の片隅に置いておきたい酷暑を乗り切る食事のおまじない「さあにぎやかにいただく」をつぶやいてみましょう。 今の自分に必要な、足りていない栄養が見えてくるかもしれません。

食欲が落ちる夏は栄養も不足しがちなので注意が必要です。
「主食、主菜、副菜」を意識して、たんぱく質も欠かさずに摂るようにしましょう。
低栄養が続くと、体を動かすエネルギーが不足するだけでなく、筋力や免疫力の低下、フレイル(加齢に伴う心身機能が低下した虚弱状態)などのリスクも高まります。
体の健康を保つには、さまざまな食品から栄養を摂ることが大切です。
その意識を高めてくれる合言葉に「さあにぎやかにいただく」があります。
バランスの良い食事を心がけるために、頭のかたすみに置いておきましょう。
多く食べられないときは、食事の回数を分けたり、間食でたんぱく質を含むヨーグルトなどを食べても。香辛料や温かいもので、食欲や胃腸の働きを促すのも効果的です。適度な運動も行いましょう。
「さあにぎやかにいただく」とは、「さ=魚、あ=油(脂)、に=肉、ぎ=牛乳、や=野菜、か=海藻、(に)、い=芋、た=卵、だ=大豆、く=果物」のことです。
詳細は日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発 公式サイト「食生活でロコモ対策」 で見ることができます。

食欲がないからといって、冷たい者やあっさりしたものばかりを口にしていると、身体が低栄養状態になってしまいます。
低栄養状態になると、体重の減少や風邪などの感染症にかかりやすくなったり、筋肉量や筋力の低下により、段差のないところでのつまずきや転倒がしやすくなります。
そして、体力の低下にともない、ますます食欲がわかなくなり食事量が減る...の悪循環になってしまうのです。
低栄養にならないために、以下の4点に注意しましょう。
1.ビタミンB1を摂る
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。
豚肉、うなぎ、大豆、玄米の他、かつお節にも多く含まれており、料理にちょい足しするのもおすすめです。
にんにくや玉ねぎ、にらなどに含まれる栄養素「アリシン」と一緒に摂ると効果的です。不足すると疲労感など夏バテの原因となります。
2.クエン酸で食欲アップ
クエン酸は、日常生活や運動後の一時的な疲労感を軽減することが報告されています。
また、クエン酸による酸味は食欲をアップさせる効果もあります。
梅、レモンやキウイなどに多く含まれ、料理に取り入れるとさっぱりとした味わいになるので、食欲がないときでも食べやすくなります。
3.水分とミネラルを欠かさずに
大量の汗をかく夏は、水分とともにミネラルも失われがちになります。
こまめな水分補給に加え、味噌汁やスープなどの汁物を食事に加えると、ミネラルも補給できて効果的です。
旬の野菜や果物、海藻類も良いでしょう。
野菜や果物は、暑さや紫外線などで消費量が増えるビタミンCの補給にも役立ちます。
4.少量でも栄養価の高いものを食べる
食欲がないときは、栄養価の高い食品を少しずつでも摂ることが大切です。
特に不足しがちなたんぱく質は3食ともに摂るように意識したいものです。
卵、豆腐、ヨーグルトなどは消化が良く、ビタミンも効率的に摂取できます。
また、ナッツ類も栄養豊富なため、少量でもカロリーを摂取できます。

いつもの調理にちょい足しするだけで、栄養価をアップさせる方法をご紹介します。
生姜茶でジンジャーソーダ
→ 血行を促進
しょうがの辛味成分(ジンゲロール、ショウガオール)は、血行を促進し、冷房冷えの対策にもプラスされ、炭酸水で割れば暑い日にぴったりの爽やかなドリンクになります。
もろみ酢で そうめん 夏の酢だれ風つゆ
→ 酸味で食欲増進
そうめんのつゆにもろみ酢を加えると、旨味と酸味が加わってさっぱりとした味わいになり、食欲増進につながります。
もろみ酢はクエン酸を多く含んでいるため、疲労回復の効果も期待できるので、冷やし中華のたれに加えるのもおすすめです。
ナッツ&フルーツ入りヨーグルト
→ 栄養価アップ
ナッツは食物繊維、ビタミンE、鉄分、良質な脂質が豊富。美容や貧血予防に良く、血糖値が緩やかに上がる低GI食品としても注目されています。
ビタミンやミネラルを含むドライフルーツと一緒にヨーグルトやアイスに加えれば、栄養価がアップします。
甘酒豆乳ラテ
→ 夏の疲労回復に
疲労回復や腸内環境を整える成分が豊富な甘酒は、朝のドリンクやおやつにぴったりです。
冷たくしても飲みやすく、自然な甘味があるので満足感も得られます。
豆乳の他、牛乳やヨーグルトと合わせると、不足しがちなたんぱく質なども補うことができます。
食べるかつお節で豆腐サラダ
→ 手軽にたんぱく質を
かつお節は高たんぱくで低脂質、低カロリー。鉄分やビタミンB1、B2の他、必須アミノ酸も含まれ、筋力低下が気になる人間にもおすすめの食品です。
サラダなどにトッピングすれば、手軽に摂ることができるうえ、旨味もアップして一石二鳥です。
いわし梅煮で梅いわし丼
→ カルシウムも摂れる
いわしは良質なたんぱく質とカルシウム、DHA、EPAが摂れる優秀な食材です。
いわしを梅煮にすることで、梅のクエン酸が疲労回復も助けてくれます。
温かいご飯にのせれば梅の風味でさっぱりと食べられ、不足することが多いたんぱく質やカルシウムもしっかり補給できます。

まとめ
ばててしまって何もやる気が起きない、動けない事態になる前に、「さあにぎやかにいただく」を合言葉に、元気に暑さを乗り越えていきましょう。