営業コンサルタントの菊原智明さんは「稼げる営業は、メールを送るたびに人柄がにじみ出るような一文を入れて、お客様との距離感を縮めている、と言います。
『この営業はいいかも』と印象付けるためには、クセのあるメールを送ること」だというのです。
今回は、菊原智明氏著書『決定版 「稼げる営業」と「ダメ営業」の習慣』(明日香出版社) から、できる営業が送るメールアプローチについてご紹介します。

稼げる営業はクセのあるメールを送り、ダメ営業はメールのテンプレートを使うケースが多いようです。
営業で結果を出すためには「新規の見込み客」を探す必要がありますが、今の時代「じゃあ飛び込みでもやってみようか」と思う人はかなり少ないでしょう。
多くの営業職経験者がそんなことをしてもデメリットしかないと体感しているのです。
訪問営業や電話営業がしづらくなるなかで、その代わりにメールやウェブサイトのフォームを利用した営業活動が増えています。
ただせっかく送っても、開封されることなく削除されることも少なくありません。
訪問や電話に比べればメールでのお客様のアプローチするのは圧倒的に楽ですが、だからと言って何百通メールを送っても反応が返ってこないのでは、次第に続ける気がしなくなりますよね。
稼げる営業は普通にメールを送るのではなくクセのあるメールを送ります。
ちょっとした一文を見て「この営業はいいかも」と印象付けるのです。
メールを送るたびにお客様との距離感を縮め、そして信頼関係を築いていきます。
その一方、ダメ営業はメールのノウハウ本を読んでテンプレート通りに送るため、当たり障りのないメールになってしまい、星の数ほど送られてくるメールのなかにあっという間に埋もれてしまいます。
たいていは次のような内容ではないでしょうか。
件名【御社へのご提案の件です】
サポート・コンサルティング株式会社御中
お世話になります。
株式会社○○の山田翔平と申します。
本文……
一見、何も問題が無いように見えるかもしれません。
しかしこのようなメールを見たお客様は「あぁ、売込みの一括送信メールかぁ」といった印象を受けてしまい、せっかくの文章も読んでもらえなくなるのです。

稼げる営業はテンプレート通りに送るのではなく、名前の前にひと工夫します。
たとえば「常にお客様にいい提案ができないかと考えている山田翔平です」といった一言を伝えたり、もしくは「最近、バスケットボールの応援にハマっている山田翔平です」といった自身のプライベートを少し見せるものです。
たったこれだけでも「他の人とは違うな」と思ってもらえます。
メールを送るたびに人柄がにじみ出るような一文を入れること。
これがメールでのアプローチの最大のコツなのです。
このアプローチが徐々に効いていき、お客様はいつの間にか「せっかくならこの人に声をかけてみようか」と思うようになります。
稼げる営業はこういった細かい工夫を欠かさないのです。
ここ数年で営業活動がガラッと変わりました。
多くの営業が「訪問や電話よりメールの方が効果的だ」と分かっていても、どう伝えていいかをほとんど理解していません。
なので当たり障りのない文章になってしまうのです。
しかし逆から考えてみると、メールでお客様の心をつかむコツを知っている人にとっては大きなチャンスになるということになります。
さっそく今から人柄が伝わるメールを送ってみてください。
稼げる営業は自分で新規のお客様を発掘しています。
営業の人たちからは「どうやって新規のお客様情報を獲得していけばいいか分からない」といった悩みをよく耳にします。
そもそも人口減により見込み客自体が減っているうえ、以前にもましてお客様の警戒心は強くなっています。
営業したくてもその相手が見つからないといった悩みを持っている営業が多いのです。
ドラッカーの格言の中に「企業の目的は顧客の創造である」という言葉があります。
顧客の創造とは営業では「新規のお客様を探し出す」ということになります。
新規のお客様をいかにして生み出していくか、は営業にとっても会社にとっても非常に重要なテーマであり、どの会社でもそのことを十分承知して、広告を載せる、ネットで情報を提供してアドレスを集めるなど、新規のお客様を取得する努力をしています。
集客については「これが正解」というものはありません。
一時成功してもすぐに効果が落ちてしまうこともよくあり、トライアンドエラーでさまざまな方法を試し、失敗を繰り返しながら見つけ出すしかないのです。
苦戦している営業は新規の集客を会社任せにします。
ちょっとアプローチしてダメだったらそのまま放置してしているうえにコストをかけて取得した新規情報を大切にせず「いい客いないなぁ……」などと言っています。
これでは結果が出ることはないのです。

稼げる営業は会社が取得したお客様情報を大切にします。
新規情報を得るのがどれだけ手間とコストがかかっているのかということをよく理解しているからです。
さらに自分でも新規情報の獲得にも積極的に取り組んでいます。
トップ営業は「営業にとって新規情報獲得が生命線だ」と理解しています。
新規情報を取得する方法はいろいろありますが、豊富な人脈から新しい人を紹介をもらえると嬉しくないですか。
その秘訣は「身近な人に『こういう人がいたら会いたい』と伝えること」だと言います。
こう言われれば「そういえば知り合いに近いタイプの人がいるから」と紹介してもらえる可能性が高まります。
もし、いきなり「契約が欲しいからお客さん紹介して」と頼んだらどうでしょうか?
まず紹介してもらえません。
こんな頼まれ方をされた人は「この人との付き合いも考えないと」と関係を切られてしまうことだってあります。
親しい保険の営業さんからであっても、会うたびに「身の回りに保険に入ってくれそうな人がいませんか」と言われ続けると、それがプレッシャーとなり疎遠になってしましまいそうです。
新規情報を得るのは大切ですが、やり方によってはあなたの大切な人脈を失うこともあるということです。

まとめ
「○○な人がいたら会いたい」と布石をうっておき、そして紹介してもらったらすぐに売り込まずさらに人脈を広げていくのです。
紹介してもらった人に対してアプローチする方法ですが、基本的にはお役に立つ情報を送って声が掛かるのを待つといったことをオススメします。
その際のメールは、クセ強にして印象に残る努力をしましょう。
もっと能動的に動かしたい場合は、紹介して頂いた人に「○○さんにこの件について聞いてもらってもいいですか?」と間接的にお願いしましょう。
紹介して頂いたお客様は焦らずじっくりせめてください。