おそらく多くの飼い主さんが経験したことがあると思いますが、部屋の隅や天井など、猫がなんにもないところをじっと見ているシーンです。
音もしない、何かがあるわけでもない。
なんにもない壁や空間をじっと見つめて動かない猫に遭遇したことのある人は多いのではないでしょうか?
何をみているのかと、気になって同じところを見ても、やはり何もないんです。
飼い主さんには、ちょっと不気味な猫の行動のひとつかもしれません。
このような行動をなぜ猫がするのか、なにもない空間を見つめる理由を調べてみました。

猫の視力は、実はあまりよくありません。
猫がはっきりと見えるのは10メートル先くらいまでだと言われており、猫は遠くまではっきりと見ることができないのです。
そして、猫は赤色を認識することができません。
そのため人間と猫はかなり見えている世界が異なります。
人間よりも視力が弱く、色も感じづらい猫ですが、人間には見えない『紫外線』は見えているのではないかと言われています。
虫や犬にも紫外線は見えていると言われているので、猫も紫外線を視覚的に捉えていても不思議はありませんね。
たとえばお天気のよい日に入窓から差し込む日差しを、猫がじっと見ているのであれば、不思議に降り注ぐ紫外線を観察しているのかもしれません。
2.音のする方を見ている
冒頭で『音もしていないのに猫がなにかを見ている』と書きましたが、人間には聞こえない『音』が猫には聞こえている可能性があります。
人間は猫に比べて目はいいかもしれませんが、耳は猫よりも断然悪い動物です。
猫は視覚が弱い分、聴力で回りの状態や状況を判断しています。
そのため、人間には『なんの音もしない』と感じていても、猫の見つめる先にはなにか『音』が鳴っている可能性もあります。
聞きなれた音だと猫も凝視することはないでしょうが、聞きなれない音だったり、気になってしまうような音の場合は、『なんの音だろう』とじっと音のする方を凝視することもあるかもしれません。
そんな猫の様子は、人間から見ると『音もしない、なにもない空間を見つめている』ように見えるようです。
音がする方を見ているときには、猫の耳がピクピク反応していたり、音を聴こうと耳をたてていますので、じっとなにかを見ながら耳だけが反応しているのであれば『音のする方を見ている』と考えて良さそうです。
3.人間にはわからない匂いがしている
猫は耳だけでなく嗅覚も人間よりも数十倍優れています。
缶詰を開けたら、猫が鼻をひくひくさせながら離れた場所から飛んできた、という経験をされた方もおられるかもしれません。
猫は、ある程度離れていようが、壁があろうが、美味しい匂いにはきちんと気がつける嗅覚を持っています。
音がする場所を見るのと同じく、人間にはなんの匂いもしなくても、猫にはわかる匂いがあり、気になって見ていることもあるようです。
匂いが気になる場合、猫は鼻をひくひく動かします。
なにかを嗅ごうとしながら猫がなにもないところを見ているのであれば、猫の見つめる先になにか『気になる匂い』があるのかもしれません。
4.物思いにふけっている
人間でも、ぼーっとどこかをみながら考え事や物思いにふけっている時がありませんか?
人間が、考えごとをしているときや頭のなかをリセットするときに、なにもない空間をただ眺めることがあるように、猫にも『無になって』物思いにふけったり、考え事をしたりするときもあるかもしれません。
別になにかを見ているわけでも、なにかを目で追っているわけでもなく、耳や鼻が動いているわけでもなく、呼びかけても反応が薄いようなら、「うちの子、物思いにふけっているわ」とそっとしておいてあげましょう。

まとめ
少なくともなにもない空間をじっと見つめるのが、いつもゆうれいやおばけを見ているということではないようです。
ただ、もしかしたら人間にはわからないものを見ることはできる猫ですから、たまには人間には見えないゆうれいやおばけが見えている可能性もゼロではないかもしれません。