猫のおならは音がすることは猫のお尻の構造上あまりありませんが、おならの音がしないからといって臭いがないわけではありません。
人間でもおならが基本的に臭いのと同じく、猫のおならも基本的に臭いものです。
猫を飼っている方は知っていると思いますが、猫のおならは人間よりも臭いことがほとんどです。
しかし、猫のおならが普段よりも臭かったり、猫がおならをする頻度が多かったりするときにはなにか猫の体に異変が起こっているかもしれません。
猫がおならをする理由と共に心配な猫のおならについてご紹介します。

猫がおならをするわけは、食べたものを消化した際にでたガスを排出するための生理現象で人間とまったく同じ理由です。
なので、猫がおならをしたからといって、どこか身体の具合が悪いのか、と焦る必要はありません。
猫のおならは、基本的には音がないため臭いだけが急に漂ってくる場合が多いです。
しかし、よほど変なにおいでなければ猫の生理現象の範囲内として様子を見ましょう。
そもそもおならの音は、おしりの皮膚と皮膚がぶつかる音なのだそうです。
おならをするためにおしりを締め、そこからガスが勢いよく出るときにおしりの皮膚と皮膚がぶるぶると小さく振動し、ぶつかり合うため音が出ているのです。
人間はおしりとおしりの皮膚がよくぶつかる体の構造になっていますが、猫の肛門まわりはぺたんとしていて、おしりの皮膚が振動でぶつかることが少ないため、猫のおならはほとんど音がしません。
ときに、すごい勢いでおならが出てしまう時や、なにかの拍子に思わず肛門をぎゅっとしめたタイミングでおならがでてしまうと音がする場合もありますが、かなりのレアケースと言えるでしょう。
猫のおならの音が聞くことができるとかなりラッキーということです。
基本的には猫のおならが出る仕組みも人間と同じです。
食べ物を食べると人間も猫も、胃の中で食べたものを消化します。
食べ物とともに一緒に口に入ってくる空気などは胃や小腸では消化することができないため、そのまま大腸に運ばれていき、再度体で吸収できるよう分解されます。
さらに大腸で分解される際に、食物繊維が腸内にある食べ物の発酵を促したことにより、ガスを発生させることがあります。
この腸内発生したガスこそが猫の『おなら』となるのです。
人間も食物繊維の多い食べ物を食べるとおならがよく出るようになるのは、食物繊維がおならの元であるガスを生成しているからともいえるでしょう。

猫のおならは基本的に人よりも臭いです。
その原因は猫と人では、『食べ物の栄養バランス』が違うからです。
草食動物・雑食動物・肉食動物に動物は分けられますが、おならや排泄物が群を抜いて臭いのは肉食動物と言われています。
なぜ食べ物の違いで臭いに差がでるのでしょうか。
猫のおならの臭いの元はお肉などのタンパク質を分解するときにでる物質だといわれています。
お肉を食べるとアンモニアやインドール、スカトールなどいくつかの物質が大腸で発生しますが、そのなかでも『スカトール』という物質がかなり臭いのだそう。
具体的な臭いの想像はつきませんがとにかく臭い物質なのです。
肉類を分解するときに大腸で作られているこれらの臭い物質が猫のおならを臭くしている原因のようです。
タンパク質の多い食事をする猫のおならは必然的に臭くなります。
いつものフードよりもたんぱく質の多いフードを食べると、一時的に猫のおならが普段よりも臭くなることがあるようです。

猫のおならがいつもよりも臭い場合や猫のおなかが張っている場合には猫の体に何か異変が起こっている可能性があります。
猫のおならがいつもよりも臭くなる原因は、病気などの可能性もありますが、単純におならの臭いがいつもよりきついというだけなら、消化不良を起こしている可能性があります。
猫がストレスや病気などで、悪玉菌が腸内に増えると、消化不良を起こし、いつもよりも臭いのきついおならをすることがあるようです。
またストレスだけでなく、ごはんの食べ過ぎでも消化不良を起こすことがあります。
猫のおならがいつもよりも臭くても、猫自身が元気であれば、ごはんの量を調整したり普段の様子をよく観察しながら様子を見ましょう。
しかし、猫のおならに異臭が続くときは、下記のようになにか病気になっていることも考えられます。
1.腸閉塞
腸閉塞は、猫の腸が何らかの原因でふさがってしまう病気です。
誤飲でも腸閉塞を起こすことがあります。
猫が腸閉塞を起こすとおならの原因であるガスが排出されづらくなり、おならが出たとしても異臭がするようになります。
猫が腸閉塞を起すと、おならが出ないためお腹が張るようになるだけでなく、うんこも出づらくなり、食欲もなくなり、複数回の嘔吐も見られるようになります。
腸閉塞は猫が死に至る危険性があります。
早めに病院で診てもらうようにしましょう。
2.膵外分泌不全症
膵外分泌不全症は消化酵素を小腸に分泌する機能が壊れる病気です。
特に脂肪分の分解が難しくなるといわれています。
膵外分泌不全症になると猫のおならが異常に臭くなり、普段よりも猫のおならがよく出るようになります。
それだけではなく、下痢もすることがあるようで、例外もあるようですが、脂肪分の分解ができなくなるため猫が白っぽい下痢をするようになることが多いようです。
猫のおならの回数が普段よりも多くなり、臭く、白っぽい下痢もでているようであれば、すぐに病院に行くようにしましょう。

まとめ
また、猫はたんぱく質を摂取しないで生きることはできないため、おならの臭いを『いいにおい』にすることも難しいでしょう。
しかし、愛猫にストレスを与えないようにすることや腸内の善玉菌を増やすサプリメントを与えることで臭いが改善することもあるようです。
また、キャットフードの商品を変えた後におならが臭いかもと感じた場合は、ごはんが体質に合わなくて、臭くなってしまっているのかもしれないので、体質に合うものを選ぶようにしましょう。
猫のおならは音がないので気付きにくいですが、異常を感じたらすぐにかかりつけ医を受診してくださいね。