箱だけでなく、紙袋やかまくら型のベッドや押し入れの隙間など、自分が入れるギリギリの隙間でもはまってしまう狭い場所を気に入ります。
人間からするとちょっと息がつまりそうな場所ですが、そういう場所こそ存分にくつろいでいる様子に見えるから不思議です。
今回は、猫がどうしてあんな狭いところで気持ちよさそうにリラックスできるのか、逆に閉所恐怖症の猫はいないかを深掘りしていきます。

元々猫にはハンターの習性があり、自分で小動物を狩って、食料としていました。
猫の狩りのスタイルは「待ち伏せ」です。
猫は、肉食動物としては比較的身体が小さく、持久力もあまりないため、獲物から見つからないように狭く暗いところで、獲物が来るのを待っていたということです。
また、捕まえた獲物も他の動物に取られないように、狭く暗いところで食べていたと言われています。
猫が獲物をハンティングするためには、身体を隠すことのできる狭い場所が絶対に必要だったのです。
現在、人間と暮らすようになった猫たちにとって、狩りの必要はほとんどなくなりました。
しかし、遊ぶ時に猫は『狩り』モードになります。
獲物のおもちゃを見つけると、紙袋やトンネル、布団の隙間など狭いところに隠れて伏せながらお尻をフリフリ立ち上げ捕まえに行く様子を見た飼い主さんもおられると思います。
猫は狭いところが好きという以前に、狩猟本能から無意識にも近いかたちで、狭い場所からおもちゃを狙う習性が残っているようです。
2.安心感から
かなりシンプルな理由ではありますが、猫は狭い場所にいると落ち着き、安心するから狭い場所が好きなのではないかと考えられています。
猫は肉食動物ですが、身体も小さく、常に他の肉食動物から「食べられる側」の存在だったのです。
そのため、飼い猫のルーツだと言われるリビアヤマネコは、砂漠の狭い岩穴や岩の隙間、穴なとを寝床にし、自分よりも大きな天敵から身を守っていたと言われています。
現在、家で暮らしている猫たちには、家の中に天敵もおらず、食べられてしまう心配はまったくありません
。 しかし猫にとって、狭い場所が「安心できる」「寝床として安全」という本能的なすり込みは消えていないのかもしれません。
だからこそ、猫は狭い場所に好んで入るのでしょう。
3.子猫時代の名残り
猫は生まれたばかりの頃、兄弟たちと体を寄せ合うように生活しています。
まるで団子のようにかたまっておっぱいを飲んだり、お母さんに甘えたりしながら子猫たちはぎゅうぎゅうにかたまったまま眠りにつきます。
大きくなった猫は、基本的に子猫の頃のことは覚えていないのだそうで、兄弟や親猫に会ったとしても、離れて暮らしてから年数が経ってしまうと明確には覚えていないのだそうです。
しかし、子猫時代のことを感覚的に覚えているフシもあるようで、猫は背中やお尻などが壁についてしまうような狭いところに入ると、みんなでぎゅうぎゅうに暮らしていた子猫時代の感覚が甦るため、安心感を感じるという説もあるようです。

狭い場所に入るのが大好きな猫ですが、やはり中には狭い場所に入りたがらない、狭い場所が嫌いな猫もいるのだそうです。
狭い作りのベッドや段ボールなどが苦手で、絶対に入りたがらないという猫も少なからずいるようです。
猫の性格や好みによるところもありますが、「小さな段ボールに捨てられていた」「小さな袋で怖い目にあった」など、狭い場所に対する恐怖や嫌な経験がある猫は、狭い場所を嫌い、閉所恐怖症になっている場合もあるそうです。
数多くの猫が狭い場所が好きなのですが、狭い場所が苦手な猫もいます。
特に保護猫の場合は、保護した後、狭い場所を怖がらないか、猫の様子をしっかりと見ていくことが大切かもしれません。

まとめ
とはいってもすべての猫がそうであるわけではありません。
なかには、狭いところを嫌う猫もいます。
自分の愛猫はどうなのかを愛情を持って観察してみてくださいね。