「カラダのサビ」とは、体内で増え過ぎた活性酸素が細胞にダメージを与えることを、鉄の酸化=錆(サビ)に例えて表現したものです。
今回は、そんな細胞の酸化ダメージを抑える成分「抗酸化物質」を含む食べ物をご紹介します。
エイジングケアや美容のためにも、ぜひ食生活に取り入れてみてください。

老化させる原因の一つとして、近年注目されているのがカラダの酸化です。
切ったリンゴを放置しておくと茶色くなってしまうように、人間も年齢と共に酸化します。
酸化を引き起こすのは「活性酸素」という物質です。
カラダにとってよい働きもしますが、作られ過ぎてしまうと、細胞を傷つけて肩こりや慢性疲労、シワやシミなどだけでなく、高血圧や動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病、がんを引き起こす原因になることもあります。
通常であれば、活性酸素が増え過ぎたときは「抗酸化作用」が守ってくれます。
しかし加齢や紫外線、過度の運動、ストレス、睡眠不足などによって体内で発生する活性酸素を分解するスピードが間に合わなくなると、「酸化ストレス」を引き起こしてさまざまなトラブルの元となることもあります。
活性酸素による影響は、すぐに現れるわけでなく徐々に進行するため、日頃から酸化を防ぐ対策を行っておく必要があるのです。

活性酸素は、激しい運動やストレスなどによって体内で増加しますが、日常生活の中ですべてを避けるのは不可能です。
また、食べ物によって増えることもあるため、活性酸素を増やさない食事を心がけることが大切になります。
特に食品添加物を使った食べ物には気を付けましょう。
食品添加物はもともと自然界にあるものではなく、人工的に作られたものであるため、体内では有害物質として認識され、肝臓で解毒される過程で活性酸素が過剰につくられてしまいます。
例えば、スーパーやコンビニなどで売られている惣菜、ウインナーやハムなどの加工肉、レトルト食品、チューブ入りのワサビやカラシ、酸化防止剤としてビタミンCが添加されている缶ジュースなど、実に多くの食品に食品添加物が使用されています。
食品添加物はその種類に関わらずどれも活性酸素が発生する原因となりますが、有毒度が高いとされる人工甘味料「アステルパーム」や保存料「ソルビン酸」、着色料「赤色〇〇号」や「青色〇〇号」などには特に注意が必要です。
なお、野菜の残留農薬も活性酸素が発生する原因になることがあります。
有機栽培や自然栽培の野菜を選んだり、しっかりと洗って付着した農薬を落としたりして、できるだけ残留農薬を体内に入れないよう心がけましょう。
時間が経過して古くなった食べ物は、酸化が進んでいる可能性があります。
例えば、皮を剥いて時間が経ったリンゴやジャガイモが茶色くなったり、揚げ油が黒く変色したりするのも、酸化によるものです。
特に揚げ物に使われる揚げ油は、肉や魚、野菜などを揚げたときにタンパク質や脂質、アミノ酸などが油へ移って酸化しやすくなっています。
体内に入ると活性酸素を作り出す原因となるため、繰り返し使用するのは控えた方がよいでしょう。
また、油は空気に触れたり光や熱に当たったりすることによって酸化します。
揚げ油だけでなく天ぷらやフライ自体も、揚げ終わった時点から急速に酸化が進むため、できるだけ早めに食べましょう。
カラダの酸化には、飲酒も関わりがあります。
お酒は百薬の長ともいわれる通り、血流を促進して気分をリラックスさせたり血圧を下げたりなど、よい効果をもたらすこともありますが、飲み過ぎてしまうと活性酸素を発生させて体を酸化させる原因の一つになります。
アルコールは摂取すると胃腸で体内に吸収され、肝臓へ運ばれます。
肝臓では代謝酵素の働きにより、水と二酸化炭素に分解されますが、アルコールはあくまでも異物であるため、薬物や毒物と同じようにたくさんのエネルギーを使って解毒しなければいけません。
その過程で大量の活性酸素が発生し、細胞を酸化させてしまうのです。

体の酸化を防ぐ栄養や食べ物がわかっても、どれをどのくらい食べればよいのかわからないという場合は、「食品別 抗酸化点ランキング(食品分析開発センターSUNATEC)」を参考にするのもおすすめです。
抗酸化点ランキングは、食品がもつ活性酸素消去力を数値化したものです。
【野菜編】と【果物編】があり、野菜と果物の合計で、1日1000点を目標に取ることが推奨されています。


いずれも可食部100gあたりの点数となっています。
食べる量にも注意しながら、1日の中でできるだけ多くの食品を組み合わせましょう。

まとめ
いくらカラダにいい食べ物でも、一つの食べ物を一度に大量に食べたり、そればかり食べ続けるのがよいわけではありません。
できるだけさまざまな食品をバランスよく摂取し、その中に抗酸化作用のある食べ物を積極的に取り入れていくようにしましょう。