うちの子は、しかってもテーブルの上に乗ってしまうし、ちっともしつけはできませんが、「ごはん」や「おやつ」と言う単語には超敏感で、聞きつけるとダッシュで近寄ってきます。
頭がいいのか悪いのか、そんなふりをしているだけなのか…。
今回は、一般的な猫の知能レベルについてご紹介ししたいと思います。

脳化指数とは、1973年にアメリカの心理学者が考案した知能を示す数値です。
脳の重さと体重から、動物の知能を導き出しています。
この考えによると、猫の脳化指数は0.12となります。
猫以外の動物の指数は、
・人間…0.89
・イルカ…0.64
・チンパンジー…0.30
・イヌ…0.14
・ネコ…0.12
・ハト…0.04
となり、身近な動物の中では、犬よりは劣るものの、ハトやスズメなどの鳥類よりは高いとようです。
ちなみに意外な事実としては、馬よりも猫の方が脳化指数が高いのだとか。
あくまで目安に過ぎませんが、動物の中では特別賢いというわけではないみたいですね。

猫の知能レベルを人間に当てはめると、おおよそ2~3歳くらいといわれます。
しかし、これは決して科学的根拠があるわけではなく、猫が幼児と同じような行動をすることが多いためという説があります。
そもそも、2~3歳の幼児と猫とでは、置かれている環境が違いすぎます。
人間の子どもはほとんどの場合において親に守られていますが、猫はひとりで生きなくてはならないので、猫の方が生きるために必要となる本能的な知能を備えていると考えられます。
例えば、危機を察知してから行動するまでの一連の流れなどは、2~3歳の幼児では、起こったことが「危機」だと判断できるかどうかも怪しいところですが、猫は、命を脅かされるような危機に対しては即座に反応、行動します。
仮に、普段の行動の一部が人間の2~3歳の幼児に似ている側面があるとしても 、状況把握や判断能力は猫の方が優れていると考えてよさそうです。

人間の脳は「感情」や「生命維持」に関する部分を「理性」が包むような構造となっています。
そのため、物事を論理的に考えて行動することができるのです。
それに対して、猫は「理性」を司る部分があまり発達していないといわれており、何よりもまず「生命を維持すること」が行動の軸となっているため、食べ物を得たり外敵と戦ったりすることに長けている傾向があります。
このような違いはあるものの、実は猫の脳の構造は人間とよく似ています。
愛猫が、人間のような喜怒哀楽や反応を見せることが時々あるように感じるのは、猫と人間の脳が似ているからといっていいでしょう。
では、猫は具体的にどんな能力に優れているのでしょうか。
実は猫は非常に記憶力がいい動物だといわれています。
短期記憶、長期記憶ともに高いとされ、とくに自分にとって嫌なものを覚える力は犬よりも優れているとされます。
短期記憶の例としては、猫を対象とした面白い実験の記録が残されています。
餌の入った箱だけにランプを点灯させ、消灯したあとにどれだけ記憶しているかというものです。
この実験によると、犬は5分程度で餌の入った箱の場所を忘れてしまったのにも関わらず、猫は16時間後も記憶していたといいます。
また、危険な人物や場所に二度と近づかないなど、長期記憶に関しても非常に優れています。
一度爪切りをすると以後抵抗するようになるのも、猫の記憶力が高いためといえるでしょう。

まとめ
記憶力や判断力に優れるのも、命を守ることに対して敏感になっているからといえるでしょう。
そんな猫との暮らしの中では、飼い主さんが安全な環境を整えてあげることが大切になります。
猫が常に気を張っていなければならない環境では、リラックスして過ごすことができないからです。
おもちゃやキャットタワーなどで猫の本能を満たすとともに、気が向いたらいつでもひとりになれる隠れ家のような場所を作ってあげてみてはいかがでしょうか。