「上司とうまくコミュニケーションが取れない」
と悩んでいる方は多いと思います。
そんな方は仕事で優秀な結果や評価を得ている人とどこが違うのでしょうか?
その最大のポイントは「仕事ができる人」が当たり前にやっている思考や行動、コミュニケーションなどのコツを知っているかどうかなのです。
今回は、できる人が絶対に使わない「悪魔の言葉」とは何か、時間や労力を無駄にせず成果を出せる仕事のコツをご紹介したいと思います。

仕事で優秀な結果や評価を得ている人がいる一方で、真面目に働いているのになぜか評価が低かったり、上司とうまくコミュニケーションが取れないと悩む方もおられます。
同じ仕事をしているのに、双方の何がどのように違うのでしょうか?
その最大のポイントはできる人は「悪魔の言葉」を使わないということ。
悪魔の言葉とは、その言葉を使うと仕事の生産性がガクンと落ちてしまう言葉のことです。
それは言葉に「あいまい」な表現を使うことです。
それでは具体的に見ていきましょう。
すごい、たくさん、非常に、とても、もっと、かなり、極めて、ずいぶん、大変、よほど、はるかに、すぐに、ときどき、たまに、しばらく、まあまあ、そこそこ、新しい、古い、大きい、小さい、高い、安い、低い、長い、短い、早い、遅い、広い、狭い……。
これらの形容詞や副詞を会議や日々の仕事で使うことはたくさんあると思います。
しかし、仕事上で上司や同僚、プロジェクトチーム内でこのような言葉を付けた瞬間に、「あいまい」という悪魔が現れ、仕事の生産性を下げるのです。
これらの形容詞や副詞は、ものの「程度」を示すにはもってこいの言葉ですが、人と人の認識の食い違いを最も生みやすい言葉でもあるのです。
「できる限り早く見積もりを出して」
「なるべく低い価格設定にしよう」
このような発言が、認識の食い違いをもたらします。
「できる限り早く」は、上司にとって「今日中」でも、部下にとっては「今週末」かもしれません。
「なるべく低い価格設定」は、上司にとって「自社の既存商品の最安値」で、部下にとっては「量販店の最安値」かもしれません。
その場では会話が成立しているように見えても、形容詞や副詞を使ってしまった場合、実は「何も決まっていない」と心得るべきなのです。

もしも、あなたの上司や同僚が形容詞や副詞を使ったら、その場で「具体的にはどういったことですか?」と質問する必要があります。
この点での教育において、超できる上司は、私に時折罠を仕掛けてきました。
「明日のX社の提案資料は、普段より多めに用意しておいて」と言われ、私は「わかりました!」と即答しました。
しかし、すぐに「何がわかったの?」と聞き返されました。
そうなのです。
上司が「多めに」用意すると指示したのは、一体何部だったのでしょう。
「多めに」と言われても、実際に15部でいいのか? それとも20部必要なのか?という具体的な部数はわかりません。
この時点で上司と自分との間に認識の食い違いが生まれていることを、知るべきなのです。
「普段より多めに用意しておいて」と言われたら、私は「多めとは、普段の倍の20部の用意でよろしいでしょうか?」と具体的な数を提案し、確認しなければいけなかったのです。
そして、さらに上司から胸に刺さる「あなたは実際には人の話を聞いていない」と言われたことを忘れられません。
家族や友人間のコミュニケーションであれば、曖昧な表現であったとしても自分の都合のいいように解釈してそれほど不都合はないでしょう。
しかし、仕事をするうえにおいて「人の話を聞く」というのは「認識の食い違いを限りなくなくす」ということを意識しなければなりません。
仕事の対話においては、そこからスタートしなければ、コミュニケーションは成立しないと教えられました。
もちろん、上司や部下、取引先、パワーバランスなど、人との関係値によっては、具体的な数字をいちいち確認しなければならないことは、心理的な抵抗が芽生えることもあるでしょう。
そのように感じるときがあれば、私たちは対価をもらい仕事をしているプロフェッショナルなのだという自覚を呼び起こしましょう。
プロとして当たり前の仕事をするためには、自分の「聞きづらい」という感情をコントロールして「あいまいさの排除」を徹底することが必要であり、それが具体的な成果につながるのです。

まとめ
意識すると、どれほどあいまいな言葉があふれているかに気づき、仕事の世界観が変わってくることと思います。