みなさんも、自分自身の今後の生き方や人間関係など、日々の生活の中で、思い悩むこともいろいろとあるのではないでしょうか?
そのために思うように仕事も手がつかない状況に陥ってしまうことがあるかもしれません。
「なりたい自分になる」ためのキャリアデザインの設計には、心と体のバランスをとることも実は大切なことなのです。
そのためには、自分の「心のクセ」を知って、それを乗り越えるノウハウをぜひとも身につけていきましょう。
★ ストレスは自分を守るための防衛本能
★認知のゆがみの10パターン
1.100か0か思考
2.一般化のしすぎ
3.心のフィルター
4.マイナス化思考
5.結論の飛躍
6.誇大視と過小評価
7.感情的決めつけ
8.すべき思考
9.レッテル貼り
10.自己関連づけ
★ 認知のゆがみはいきなり治らない
★ まとめ

医学的に表せばストレスは「なんらかの刺激が体に加えられた結果、体が示したゆがみや変調」のことです。
たとえば暑い、寒いなどの物理化学的な刺激や不安や悲しみといった精神的な刺激なども含みます。
私たちは日々の生活の中で、常にこれらの刺激を受け続けています。
ストレスはこのような肉体的・精神的な刺激から自分を守るための防衛本能だと言えます。
ストレスが溜まってくると、肥満の原因になることがあります。
ストレスで自律神経の働きが悪くなると、食欲を抑えて脂肪を燃焼させるサインが脂肪細胞に届きにくくなり、その結果、エネルギー燃焼が低下したり、食べ過ぎてしまうなど、肥満を引き起こす原因となるのです。
会社の同僚に「最近、ちょっと太ったんじゃない?」と言われたら、要注意です。
忙しすぎる仕事や煩雑な人間関係によって知らず知らずのうちにストレスが引き起こされるのかもしれません。
自分の「心のクセ」や思考のパターンを知り、それをより柔軟性の高いものに変化させていくことで、心を開放させ、社会への適応性を高める方法に「認知療法」というものがあります。
人にはそれぞれに特有のものごとの捉え方(=認知のパターン)があり、それが感情のコントロールに影響を及ぼしています。
たとえば、いつもネガティブな考え方をしていると、ゆがんだものごとの捉え方(認知のゆがみ)に傾倒していくことが多いようです。
自分の「認知のゆがみ」のパターン、つまり「心のクセ」を知って、それを修正したり、柔軟性の高いものに変化させることができれば、気持ちを改善し、自分の感情をコントロールすることができるようになります。
この自分の「心のクセ」を知るための考え方として、「自動思考」と「スキーマ」があります。
「自動思考」というのは、ある状況に置かれたときに、次から次へ沸き起こってくる思考やイメージのことです。
一方「スキーマ」というのは、その人の基本的な人生観や人間観のことです。
スキーマは生まれながらの素質や過去の体験から作られま、それが何らかのショッキングな出来事がきっかけとなって、自動思考を生じさせる原因になります。
たとえば、「私は何をやっても失敗ばかりする」と思っていると、他人の何気ない言葉に敏感に反応するようになり、それに関連したスキーマがよみがえり、その影響で「認知のゆがみ」が出てきます。
この認知のゆがみには主に以下のような特徴があります。

ものごとを見るときに、「白か黒か」という両極端の見方をしてしまうことです。
「完全に~である」、「決して~でない」といった考え方をいつもしてしまう。
※自分のやった仕事の一部に少しのミスがあっても「完全な失敗だ」と思う。
2.一般化のしすぎ
1つの良くない出来事があると「いつも決まってこうだ」、「うまくいったためしがない」など、「いつも~」と考えてしまう。
※同僚に仕事のサポートを一度だけ断られただけなのに、「いつもこうだ。自分は決して同僚とうまくつきあうことなんかできない」と考える。
3.心のフィルター
1つの良くないことにこだわってくよくよ考え、他のことはすべて無視してしまうこと。別名「心のサングラス」。
※客先へある企画をプレゼンテーションしたとき、ほとんどの人からは、大変評判が良かったのに、一部の人から受けた些細な批判が頭から離れなくなる。
4.マイナス化思考
良いことを無視するだけでなく、なんでもないことや良い出来事さえも悪い出来事にすり替えてしまうこと。
※いつも自分は能力がないと考えて、たとえ仕事がうまくいっても「これはまぐれに違いない」と考える。また、仕事がうまくいかないときには、「やっぱり、自分は何をやってもダメなんだ」と悲観視する。
5.結論の飛躍
根拠もないのに結論を出してしまうこと。
①心の読みすぎ:ある人が自分に悪く反応したと早合点してしまうこと。
※会社の上司に仕事の経過を報告したが、そっけない態度をされたと感じてしまい、「自分は上司に嫌われている」と考える(もしかすると上司は、より急ぐ案件に心を奪われていただけかもしれない)。
②先読みの誤り:事態は確実に悪くなると決めつけること。
※風邪をこじらせただけなのに、「自分が今、患っている病気は決して治らない」と考える(うつ病は、このような考え方に陥ることがよくあるので注意が必要)。
6.誇大視と過小評価
自分の失敗や短所は、双眼鏡でのぞくように実際よりも大きく見てしまう。逆に成功や能力は、実際よりも小さく見る。
別名「双眼鏡のトリック」。
※おおよそ仕事は成功したのにほんの小さな失敗を「なんてことだ!またミスをしてしまった。これで評判がガタ落ちだ」とおおげさに考える。
7.感情的決めつけ
確かな根拠がないのに、一時的な感情で悪いほうに決めつけて、それを信じてしまい、現実にも起こると思いこむ。
※納期には十分余裕があるのに、「イライラする。きっとシステムエラーが何度も出て、納期に間に合わなくなるに違いない」と決めつける。
8.すべき思考
何かやろうとする時に「~すべき]「~すべきでない」と考える。
※後輩に仕事の指導のために怒ったことを「あの場面では、怒るべきではなかった。上司はいつもにこやかでいるべきだ」と考える。
9.レッテル貼り
ささいな自分の不完全さを理由に、あたかも自分は不完全そのものででもあるかのように、全否定的な自分像を作り出すこと。
※仕事でミスをした時に、「自分は最低だ!」「バカなヤツだ!」など、必要以上に自分にネガティブなレッテルを貼ってしまう。
10.自己関連づけ
何か良くないことが起こった時、自分に責任はないのに自分のせいにしてしまうこと。
※プログラム設計に四苦八苦している上司を前にして、「自分はダメな後輩だ。上司のためにまったく役に立つことができない。上司が設計を完成できないのは自分の責任だ」と必要以上に考える。
自分に当てはまるものがあったでしょうか?
自分の「心のクセ」をまずは理解し、ものごとのとらえ方を変えてみましょう。

イヤなことがあった時は、まずは呼吸を整えてみましょう。
ストレスによって心が緊張すると、血圧が上がり心拍数が増えて血管が収縮します。
その結果、血液の流れが悪くなり、筋肉が緊張します。
この状態が続くと筋肉が固まり、新陳代謝が悪くなって、肩こりや頭痛の原因になることもあります。
また緊張状態が続くと、呼吸は浅く短くなります。
深くゆっくりとした呼吸は、全身の緊張をほぐしリラックスした状態にさせ、自律神経のバランスを良くします。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」から成り立っており、交感神経は活動時に働き、副交感神経はリラックスし、体力を回復する時に働きます。
ゆっくりと深く呼吸すると、交感神経の緊張状態が解けて、副交感神経が働き、それだけでリラックスできるのです。

まとめ
それだけでもストレスを軽減することができます。
心と体のバランスを上手にとって、ぜひとも「なりたい自分になる」ための良好なスタートアップを図ってください。