「もしもし」と電話に出ると、「NTTファイナンスから未納料金のお知らせです」「住んでいる住居の建築年数を教えてください」「内閣支持率調査にご協力ください」「店舗様の営業時間を自動で確認しております」などと機械の自動音声が流れてくることはありませんか。
これは、コンピューターを使って自動発信する「ロボコール」という電話です。
あなたは、ロボコールに紛れている詐欺電話を聞き分けることができるますか?
今回は、現在次第に増えつつある「ロボコール」について深掘りしたいと思います。







「ロボコール」がアメリカで月間約45億件の実態


◇ ◇ ◇


「ロボコール(Robocall)」という言葉をご存じでしょうか?
「ロボコール(Robocall)」は、もともとコンピューターを使った自動発信電話を指す言葉でしたが、現在では「迷惑電話」というニュアンスが強く、その意味で一般に広まりつつあります。




YouMailによれば、2024年9月時点でアメリカでは約45億件のロボコールが確認されているそうです。

アメリカの人口は約3億3650万人なので、単純計算で一人あたり月に13件以上の自動発信(迷惑)電話を受けていることになります。

そして、この「ロボコール」は、近年、世界中に広まる傾向にあります。

日本も例外ではなく、自動音声で不審なアンケートなどがかかってきた経験をされた方も多いのではないでしょうか。






悪用される自動発信システム

◇ ◇ ◇


ロボコールは、電話発信を機械化することで、効率的に録音メッセージを流す手段として生まれました。
当初は企業のマーケティングや世論調査などの正当な用途が想定されていましたが、現実には大きく異なる結果となっています。

というのも、現在、多くのロボコールは詐欺やスパムの手段として悪用されているからです。




アメリカでは、2024年1月のニューハンプシャー州大統領選予備選挙を前に、バイデン大統領の声を模倣したAI生成のロボコールが有権者に発信されました。
この発信は、本選挙まで投票を控えることを促す内容で、選挙干渉ではないかと見られており、司法当局が捜査を行っています。




近頃は日本でもロボコールを悪用した詐欺が急増しています。

代表的な手口の一例としては、スマホに「0800-xxxx-xxxx」から電話が着信し、受話すると、自動音声で以下のように告げられるものです。




「NTTファイナンスより重要なお知らせです。未納料金が発生しているため、法的措置に移行いたします。オペレーターへお繋ぎする場合は[1]を押してください」




ここで指示通り[1]を押すと、人間のオペレーターが登場し、名前や生年月日、住所といった個人情報を聞き出したり、プリペイドカードでの支払いを要求してきたりします。




また「屋根の修理セールス」の例もあります。

同じく、スマホに「0800-xxxx-xxxx」から電話が着信し、受話すると、自動音声により「住んでいる住居の建築年数」「リフォームしたことはあるか?」「火災保険で屋根の修理ができることを知っているか」「興味はあるか?」などと質問してくるというものです。

これに「ある」と答えると、悪徳リフォーム業者のリストに掲載され、その後は人が電話をかけてくることになります。

あるいは、複数回のロボコールで在宅時間をチェックし、セールスマンの訪問時間を調整するという手口も見受けられます。




さらに、「内閣の支持率調査」と称するロボコールもあります。

「あなたの住所を教えてください。住民票の○○の部分の数字を入力してください」といった通常はありえない住民票の番号入力を求める調査の案内が流れます。

どういう意図なのかは不明ですが、これも個人情報を詐取する詐欺コールかもしれないので、むやみに対応しない注意が必要です。






ロボコール対抗策、どうする?

◇ ◇ ◇


ロボコールには、正当な用途と悪質な用途が混在しているのが現状です。
これらを見分ける効果的な方法はあるのでしょうか。




最もシンプルな対応は「とりあえず電話に出てみる」ことですが、これは詐欺電話だった場合にリスクが高く、電話に対応する時間も無駄になります。




オススメは、スマートフォンに迷惑電話対策アプリをインストールすることでしょう。




スマートフォンでは、迷惑電話対策アプリを活用することで、ロボコールを自動的に判別できます。
「CallApp」「TrueCaller」などのアプリは、電話帳に登録のない番号が詐欺電話の場合、画面上に警告を表示してくれます。




迷惑電話対策アプリが、どのように不審な番号を判定しているのかというと、

1.電話がかかってきたら、発信番号をチェック(非通知・偽番号は即着信拒否)
2.迷惑電話データベースと照合
3.データベースに該当すれば、画面上に警告を表示(または着信拒否)


と言う流れを自動的に行ってくれています。




とはいえ、まだ対策アプリを使っている人は少数派かもしれませんね。




「知っている番号からの電話以外出ない」「怪しい番号は無視する」という手法をとる人も増えています。




・「050」から始まるIP電話は取らない
・「+1」「+44」など、海外発信の国際電話は取らない
・「0800」からのフリーダイヤルは取らない
・「知らない番号は取らない」





私の周囲でも実践している人は多く、極端な方は「電話には一切出ない」という人までいます。

実際には知らない番号のすべてが怪しいわけではないのですが、それでも、自衛のためにこうした番号からの電話は受けないという人は珍しくなくなってきています。






まとめ

昨今は、電話という連絡手段でなくても、LINEやメール、チャット、SNSなど、他者と連絡を取り合う手段はいろいろあります。
自宅に固定電話を備える人も減っていますし、この先、電話が迷惑や詐欺のツールのひとつだと見なされ続けることになると、近い将来限られた信用できる着信以外は受話しなくなり、「電話」という手段そのものが成立しなくなる時代がくるかもしれませんね。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




このブログは
bootstrapテンプレート
Maxim Theme.の無料版を使わせていただいてます。

似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。