企業が求職者に求めているポイントをしっかりとおさえることで、採用の可能性が高まります。
今回は、転職における面接の基本的な流れや、各段階で面接官がチェックしているポイントをご紹介します。
また、面接でよく聞かれる質問と回答例も並行して解説していますので、事前に流れと内容を確認し、転職を成功させる参考にしていください。

面接の基本的な流れとして、新卒採用と中途採用では、面接の進行手順が異なる場合があります。
そのため、面接手順を理解しておくことが大切です。
1.受付を済ませる
面接会場に到着したら、受付を済ませます。
面接開始の10分前には到着しておきましょう。
有人受付の場合は、次のように訪問の理由と名前、面接官の部署や氏名を伝えます。
「本日○時に面接のお約束をいただいております〇〇と申します。人事部の〇〇様にお取次ぎをお願いいたします。」
近年は、無人受付を設置する企業も増えているので、その場合は、エントランスにインターフォンや内線電話を使用して、有人受付の場合と同様の内容を伝えましょう。
2.面接室に入る
企業によって、面接室で面接官を待つケースもあれば、面接官がすでに入室しているケースもあります。
面接官を待つ場合、従業員に面接室を案内されます。
「お掛けになってお待ちください」と言われたら、お礼を言って座りましょう。
このとき、部屋の入口に近い下座に座るのがポイントです。
面接官が入室したら、立ち上がって挨拶します。
一方で面接官がすでに面接室にいる場合は、ドアを軽く3回ノックして「失礼いたします」と声をかけてから入ります。
入室後にドアを閉め、椅子の横まで進んだら、面接官に挨拶しましょう。
「お掛けください」と言われたら、「失礼します」と答えて座ります。
3.面接官から企業や求人の説明を受ける
入室後、すぐに質問が始まるわけではなく、面接官から事業内容や求人について一通り説明があるのが一般的です。
職種や担当業務、求人の目的など、ホームページや求人票に記載されている内容を詳しく説明されます。
企業が求める人材と応募者の希望が合っているかを確認する意図があります。
企業によっては、応募者の自己紹介や質疑応答のあとに説明されるケースもあります。
また、役員面接では省略されることもあるようです。
4.応募者が自己紹介する
面接官から「これまでの経歴を踏まえ、簡単に自己紹介をお願いします」と自己紹介を促されます。 自分の経歴を説明する際は、順序立てて説明するのがポイントです。
順序がバラバラだと、面接官にわかりやすく伝えられず、混乱させてしまう可能性があります。
自己紹介は要点をおさえつつ簡潔にまとめ、3分程度に収めるのが望ましいです。
5.面接官からの質問に答える
自己紹介のあと、面接官から質問があるので、適切な内容で回答しましょう。
面接官は応募者とのやり取りを通じ、自社に適した人材かどうかを見極めます。
転職において、面接官から質問されやすい内容は次のとおりです。
・転職理由
・現職について
・志望動機 など
よく聞かれる質問を想定し、回答内容を準備しておくと、スムーズに受け答えできるでしょう。
なお、転職の面接でよく聞かれる質問や答え方は次章の、「転職の面接でよく聞かれる質問と答え方」で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
6.応募者が面接官に質問する
面接の終盤には、応募者が面接官に質問する時間が設けられています。
質問をするかどうかが直接合否に影響を与えることは少ないものの、質問内容を事前に考えておくとよいでしょう。
「特にありません」と回答するより、一つでも質問したほうが好印象を与える可能性があるためです。
質問内容によっては、「入社意欲が高い」「入社後のイメージができている」など、好印象を持たれるかもしれません。
また、疑問や不安を解消するチャンスでもあるので、事前に質問を用意しておくとよいでしょう。
7.退室する
面接官への質問が終わったら退室します。
面接官から「本日の面接はこれで終了です」といった言葉をかけられたら、その場で立ち上がり、お礼を伝えてお辞儀をしましょう。
「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました」や「お話を伺えて、とても勉強になりました」といったように、面接官に貴重な時間を割いてもらったことへの感謝の気持ちを込めます。
お辞儀は深くする必要はありませんが、丁寧な態度を心がけましょう。
最後にドアの前で面接官のほうに向き直り、「失礼いたします」と言ってから退室します。

転職の面接でよく聞かれる質問と答え方をご紹介するので、しっかりと確認しておきましょう。
<退職理由>
転職の際に面接でよく聞かれる質問の一つが、前職の退職理由です。
この質問は、応募者の仕事への考え方や価値観、キャリアプランを把握でき、採用の判断材料となります。
面接官に良い印象を与えるためには、次のようなポイントを意識して答えるとよいでしょう。
・どのようにキャリアアップしたいのか
・どのようなスキルを習得したいのか など
退職理由が人間関係や職場環境の問題などネガティブなものであっても、具体的な内容は避けて、抽象的な表現に変えるのがよいでしょう。
また、前職での成功体験や誇れる実績を聞かれるケースもあるので、具体的なエピソードを使って説明できるよう、準備しておくことが大切です。
<転職理由や志望動機>
転職理由や志望動機についての質問は、応募者の考え方や価値観、企業への熱意を測る狙いがあります。
具体的かつポジティブな言葉で表現しましょう。
数字や実績を交えて説明すると、説得力が増します。
また「同じような企業はほかにもありますが、なぜ当社を選んだのですか?」といった他社との違いを意識した志望動機を聞かれることもあります。
さらに「転職を通して成し遂げたい目標はありますか?」と質問された場合は、企業のビジョンや事業内容に基づいた回答だけでなく、キャリアプランを結びつけて説明すると効果的です。
<入社後にやりたいこと、挑戦したいこと>
この質問には、応募者が自社の求める要件にマッチし、入社後の活躍が期待できるかを判断する目的があります。
効果的な回答をするためには、企業研究が不可欠です。これまで得た情報をもとに、自分の目標がどのように企業の成長につながるのかを説明しましょう。
また、面接官に良い印象を与えるためには、自己理解を深めておくことも大切です。
自己理解を深めることで、今後どのようにスキルを活かしたいのか、どのように企業に貢献できるかを意欲的に伝えられるようになります。
キャリアの棚卸しをし、自分の経験やスキル、強みなどを正確に把握しておきましょう。

転職における面接では、社会人としてのマナーも重要な評価ポイントになります。
面接官は応募者の礼儀や態度から自社に合う人材かを見極めているため、しっかりとマナーを守る必要があります。
<身だしなみを整えておく>
身だしなみは第一印象に大きく影響します。面接前には次の点を確認しましょう。
・ネクタイや髪型が乱れていないか
・スーツや靴は汚れていないか
・髭の剃り残しはないか
・爪はきちんと切りそろえられているか
・メイクは派手でないか など
面接では、基本的にアクセサリーや香水を控えるのが望ましいでしょう。
また、余裕のある落ち着いた笑顔を意識することも大切です。
<面接官の目を見てはっきりと受け答えする>
質疑応答の際には、面接官の目を見てはっきりと受け答えすることを心がけましょう。
相手に誠実さや自信、コミュニケーション能力の高さを伝えるために重要となります。
想定外の質問で困ったときでも、目を逸らしたり俯いたりすることなく、明るい表情ではっきりと受け答えしましょう。
また、面接中は、質問への回答に集中しがちですが、面接官の話を聞いているときの表情や態度も大切です。
面接官は、受け答えの態度や話を聞く姿勢を総合的にチェックしています。面接官の目を見て適度に頷いたり、相槌を打ったりすることで、真剣に話を聞いている姿勢を示せます。
<面接が終わってもすぐに気を抜かない>/b>
面接室を出たあとも、企業の関係者がどこで見ているかわかりません。
特に、次のような行動には注意しましょう。
・部屋を出た途端にスマホを触りながら歩く
・友人に電話で感想を話す など
面接終了後も常に誰かに見られていることを意識し、適切な行動をとることが、最終的な合否に大きく影響する可能性があります。

まとめ
転職を成功させるためには、中途採用における面接の流れを把握しておくことが重要です。
ただし、流れを理解しても、面接対策に不安を感じる方も多いでしょう。
面接対策に不安があるときは、転職エージェントやハローワークに相談するのも一つの方法です。