これを聞くと、単なる迷信だろうと信じない方もおられるかもしれませんが、やはりそれなりに裏打ちする理由もあり、長年培われてきた生活の知恵の一つととらえても良いかもしれません。
貯金額を増やしたり、お金を使うにあたっては、縁起がよい日を選びたいと考えるのが一般的です。
このような考え方は日本だけでなく、世界中の多くの国で、特定の日や時期に金銭的な行動を控える習慣が存在します。
中国では、旧正月を迎えると、お金を借りたり貸したりすることを避けます。
西洋では、金曜日の13日を不吉な日とする考え方があり、大きな取引は控えるという人もいます。
日本の場合、これらの吉凶を判断する基準として、古くから「六曜」という暦が使われてきました。
今でも結婚式の日取りを決める際によく「大安」を選んだり、お葬式に「友引」の日を避けるなど参照されていますが、実はお金の使い方にも関係があるのです。
今回は、お金にまつわる縁起についてご紹介したいと思います。
★ お金を使ってはいけない日とその理由
1.一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
2.不成就日(ふじょうじゅび)
3.正月三が日
★お金を使うと良い日
1.寅の日
2.巳の日
3.天赦日(てんしゃにち)
★ 縁起を担いで上手にお金を貯めよう
1.カレンダーのチェック
2.吉日の買い物計画
3.凶日の節約デー
4.お正月の金運アップ作戦
5.寅の日の投資デー
6.巳の日の臨時ボーナス
7.大安の日にコツコツ貯金
★ まとめ

お金を使うのを控えるべき日とその理由について、詳しくご紹介します。
1.一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
一粒万倍日は、新しいことを始めるのに良い日として知られていますが、実は無駄な出費は控えるべき日でもあります。
この日は何をしても「万倍」になると言われています。
つまり、良いことも悪いことも大きく膨らむ日なのです。
なので出費の観点から見ると、100円の無駄遣いが1000倍になって10万円の損失になる可能性になるかもしれないと考えると、慎重になる必要があります。
特に注意が必要なのは借金やローンです。
借りた金額が何倍にも膨れ上がって返済に苦労する可能性があるため、この日の借り入れは避けるべきでしょう。
一方で、この日は新しいことを始めるのには最適です。
例えば、貯金を始めるなら一粒万倍日がおすすめです。
小さな金額から始めた貯金が、将来大きな額に成長する可能性があります。
また、仕事や勉強を始めるのもこの日が良いとされています。
努力が何倍にも膨らむ可能性があるからです。
2025年4月以降の一粒万倍日
4月:3日、4日、13日、16日、25日、28日
5月:10日、11日、22日、23日
10月:1日、6日、16日、19日、28日、31日
12月:21日
2.不成就日(ふじょうじゅび)
不成就日は、何をしてもうまくいかない日だと言われています。
これはお金に関しても例外ではありません。
この日に高額な買い物をすると、購入した商品に不具合が生じたり、思わぬトラブルに巻き込まれたりする可能性が高くなると言われています。
特に注意が必要なのは、他の良い日と重なったときです。
例えば、一粒万倍日と不成就日が同じ日の場合、良いことと悪いことが相殺されてしまう可能性があります。
不成就日には大きな買い物や契約、新しい事業の開始などは避け、代わりに、家計の見直しをしたり、将来の金銭計画を立てたりすると良いでしょう。
興味深いのは、不成就日は地域によって解釈が異なることです。
関西では「不成就日」を「成就日」と呼び、良い日とする地域もあります。
文化や地域の違いで、同じ日でも捉え方が変わるという点は、日本の文化の多様性でしょう。
2025年4月以降の不成就日
4月: 6日(日)、14日(月)、22日(火)
5月: 1日(木)、9日(金)、17日(土)、25日(日)、31日(土)
6月: 8日(日)、16日(月)、24日(火)、30日(月)
7月: 8日(火)、16日(水)、24日(木)、30日(水)
8月: 7日(木)、15日(金)、25日(月)
9月: 2日(火)、10日(水)、18日(木)、23日(火)
10月: 1日(水)、9日(木)、17日(木)、21日(火)、29日(水)
11月: 6日(木)、14日(金)、23日(土)
12月: 12日(金)
3.正月三が日
お正月、特に元日(1月1日)にお金を使うのは要注意です。
その年の最初の行動が、その年全体の流れを作ると考えられているからです。
元日に無駄遣いをすると、1年中お金が貯まりにくくなると言われています。
ただし、お賽銭やお年玉は例外で、これらの縁起物はむしろ積極的に行うべきだと考えられています。
お賽銭を入れることで、1年の幸せを願う行為は日本の文化に深く根付いています。
初売りは、できれば1月2日以降に参加するのが望ましいでしょう。
事前にネットで情報をチェックしておくと、欲しい商品を逃さずに済むかもしれません。
正月三が日の過ごし方は、その年の金運を左右すると言われています。
この期間は、家族や友人と過ごしたり、神社やお寺に参拝したりするのが良いとされており、また、お雑煮やおせち料理を食べることも、一年の幸せを呼び込む行為だと考えられています。
地域によって三が日の過ごし方に違いがあるのも興味深い点です。
例えば、関東では「年始三日は罪造らず」と言って、正月三日間は掃除をしない風習がありますが、関西では大晦日から正月にかけて家中を掃除する「すす払い」の習慣があります。
どちらも新年を清々しく迎えるための知恵だといえるでしょう。

お金を使ってはいけない日がある一方で、お金を使うとよい日もあります。
これらの日を知っておくと、より効果的な金銭管理ができるかもしれません。
1.寅の日
十二支の寅の日(とらのひ)は、出て行ったものが還ってくると言われています。
つまり、使ったお金が何らかの形で戻ってくる可能性が高いとされる日です。
寅の日は12日に1回訪れますが、十二支の中で3番目の動物である寅は、強い生命力と勇気を象徴しています。
この日に新しい財布を買ったり、使い始めたりすると良いと言われています。
また、寅の日は商売繁盛の日でもあるので、新しい事業を始めるのにも適しています。
2.巳の日
蛇の日である巳の日(みのひ)は、蛇が脱皮するように、金運も生まれ変わる日だと考えられており、お金に関する願い事がかないやすいと言われています。
蛇は古来より金運と密接な関係があると考えられていて、例えば、お賽銭を入れる賽銭箱の下には、蛇の像が置かれていることがあります。
これは、蛇が金運を招く象徴だからです。巳の日は、特に、金銭に関する新しいことを始めるのに良いとされています。
3.天赦日(てんしゃにち)
天赦日は最強の吉日と言われています。
「天が全ての罪を許す日」という意味があり、何をしても吉とされる特別な日です。
年に数回しかない貴重な日ですが、この日に、結婚式や開店、新築などの大切な行事を行うと最適だと言われています。
もちろん、お金に関することも例外ではなく、新しい口座を開設したり、高額な買い物をしたりするのにも良い日です。
これらの日を上手く活用することで、より効果的にお金を使えるかもしれません。
ただし、これはあくまで伝統的な考え方ですが、自分のお金の使い方を振り返るうえで貴重な判断材料のひとつになるかもしれません。
縁起と自分の判断をうまく重ね合わせながら決断することが大切です。

縁起を担ぐ習慣を持つことで、より効果的に貯金ができるかもしれません。
1.カレンダーのチェック
毎月始めに、その月の吉日・凶日をチェックし、スマートフォンのカレンダーアプリに登録しておくと便利です。
2.吉日の買い物計画
大きな買い物は吉日に計画しましょう。
新車を買うなら天赦日に合わせることがおすすめです。
衝動買いは避け、事前にしっかり計画を立てて、その日を待つことで、無駄な出費を防ぎましょう。
3.凶日の節約デー
不成就日は、あえて家でゆっくり過ごす日に設定します。
外出を控えれば自然と節約にもなり、家計簿を見直したり、将来の資金計画を立てたりして過ごしましょう。
4.お正月の金運アップ作戦
元日はお賽銭以外の出費を控えめにし、その日は1年の貯金計画を立てる日にしてみましょう。
例えば、「今年は月収の20%を貯金する」など、具体的な目標を立てるのが良いでしょう。
5.寅の日の投資デー
寅の日に少額から投資を始めてみるのもお勧めです。
長期的な視点で、例えば、投資信託などからコツコツと資産形成を始めてみてはいかがでしょうか。
6.巳の日の臨時ボーナス
巳の日には、自分にご褒美をあげる日にします。
ただし、それと同額を貯金するルールを作って、1000円のケーキを買ったら、1000円貯金するというようにしましょう。
7.大安の日にコツコツ貯金
大安の日には、必ず100円でも貯金する習慣を作ります。
小さな積み重ねが、大きな貯金に繋がります。
大安の日は月に4~6回あるので、毎月400~600円ずつ貯金ができることになります。
これらの方法を取り入れることで、貯金が楽しくなるかもしれません。

まとめ
暦を意識した金銭管理は興味深いものですが、これらの慣習は絶対的ではありません。
大切なのは、これらの考え方を知った上で、自分の生活スタイルに合わせて柔軟に取り入れることです。
縁起を担ぎながらも、自分自身の判断で決定し、縁起に振り回されないようにしましょう。
お金は人生の目的ではなく手段です。
縁起の良し悪しに関わらず、感謝の気持ちと賢明な金銭感覚を持ってお金と付き合うことが、真の金運アップにつながるのかもしれません。