猫は我慢強い生き物なので、お腹がすいたら食べるだろうとほっておいたら、数日間もご飯に手をつけないという場合もあります。
猫の習性として野生の名残が残っているので、ストレスを感じているときや、環境が突然変わったりするとフードをピタリと食べなくなったりもします。
他にも飼い猫の『フード』変えどきのタイミングは何度かあり、年齢を重ねてくると体調や味覚も変わります。
今回は、どんな場合に猫はフードを切り替えたら良いのかをご紹介します。

猫は、その成長段階に応じて、必要な栄養バランスが変化します。
子猫の時は成長を促すために、フードは成猫よりカロリーが高めに設計されています。
なので、成猫になっても同じフードを与え続けることは控えましょう。
カロリーオーバーで肥満症になる可能性もあるため、1歳を目安に、成猫用のフードに切り替えてください。
一方、子猫に成猫用のフードを与えるのも疑問です。
栄養バランスの不足はもちろん、まだ乳歯が生え揃っていなければ、成猫用のフードは硬すぎるかもしれません。
年齢がいったシニア猫の場合は、加齢に伴い不足しがちな栄養素をサポートするよう設計されている、シニア猫用のフード与えるようにしましょう。
フードのパッケージにも推奨される年齢が書かれているので参考にするとよいでしょう。
気になる点は獣医師さんに相談しながら、今の愛猫にちょうどいい最良のフードを選びましょう。
2.肥満や病気になったとき
日本の猫の肥満率は、およそ40%前後と推定されており、特に、避妊・去勢手術後は、肥満になりやすいと言われています。
食事の量そのものを調整するのもよいですが、ダイエットフードに切り替えるタイミングかもしれませんので、栄養価を損なうことのない、良質なフードを検討しましょう。
また、病気の際には「療法食」に切り替えるよう促される場合がありますが、飼い主さんの自己判断で療法食を選ぶことは大きなリスクとなります。
猫の病気の種類や進行具合、食の好みといった細やかな配慮が求められるため、必ず獣医師さんの専門的な指導に従って、愛猫に合ったフードを選択するように対応してください。
3.フードをどうしても食べてくれないとき
猫の嗜好性によっては、食飽きや好き嫌いが起きやすい子もいます。
もともと猫は、新しいものを好む傾向がありますが、狩りをしなくともお腹を満たすことができる飼い猫の場合は、自分の好みの嗜好で食事を選べるようになりました。
だからといって常に猫のわがままに答えることは避けたいものです。
飼い主さんが自分の我がままをすべて聞いてくれるとわかれば、徐々に要求がエスカレートして行く可能性もあります。
もし、突然今までのフードを食べてくれなくなった場合でも、まずはしばらく様子を見るようにしましょう。
愛猫がフードを食べてくれないからといって、コロコロフードを替えるのではなく、食べてくれるまで待つことが大切です。
たいていは、時間が経ってお腹が空くと、諦めたかのように食べてくれるはずです。
どうしても食べてくれない場合は、フードを切り替えることを考えないといけませんが、くれぐれも癖にならないように意識を持って対応してください。

フードを切り替えるときは、突然ではなく「少しずつ」替えることを意識しましょう。
最初のうちは匂いを嗅がせるだけにして、次に、今までのフードのなかに徐少しずつ新しいフードを混ぜていきます。
一日ごとに、今までのフードの割合を徐々に減らし、新しいフードを増やしていき、時間をかけて最終的に全て新しいフードに切り替えるようにしましょう。
この方法であれば、突然新しいものが出てきて驚かせることなく、無理のない切り替えが期待できます。
切り替えの目安は1週間程度を考え、目安にして切り替えていくのが理想ですが、個体によって差があるため、特に療法食の場合など、食べてくれないときは、焦らず、無理強いせず、愛猫のペースに合わせて対応するようにしましょう。

まとめ
ライフステージの変化や肥満や病気などにより、フードを切り替えた方がよいケースもありますが、特に病気の場合の療法食は、飼い主さんの独断ではなく、獣医師さんの指導のもとで与える必要があります。
元気な成猫だけれど、今までのフードをどうしても食べなくなったときは、新しいフードに切り替えたほうが効率的なこともありますが、猫をわがままにしないために、しばらくは様子を見ることも大切です。
いずれにせよ、フードの切り替えの際に大切なキーワードは「少しずつ」です。
徐々に新しいフードに切り替えていくように意識しながら、猫が無理なく受け入れられるようにしましょう。