しかし人間用の食べ物のなかには、猫にとって危険なものがあるのです。
「ちくわ」もそのなかのひとつ。
一見なにも問題ないようにみえるちくわですが、いったいなぜ猫にはNGなのでしょう。
今回は、猫に「ちくわ」を与えてはいけない理由についてご紹介します。
猫に「ちくわ」を与えてはいけない主な理由のひとつが、「高塩分」です。
一般的にちくわは魚のすり身をベースに作られていますが、加工の過程で多くの塩が使用されます。
人間にとっては塩味が感じられる方が、「おいしい」からです。
ただしそれはあくまでも人間にとって、です。
人間にはちょうどよい塩分量であっても、猫にとっては過剰であり、それが健康に深刻な影響を及ぼすリスクが潜んでいます。
リスクの代表として言えるのが「腎臓病」です。
猫の原種はもともと砂漠地帯の出身で、水分をあまり摂取しなくても体が機能するよう進化してきました。
そのため腎臓に負担がかかりやすく、塩分の多い食事は腎臓の病気を引き起こす大きな要因となります。
とくに高齢猫は腎臓の病気になりやすく、塩分の過剰摂取が腎不全などの深刻な病状に直結することも十分あり得るのです。
ほかにも過剰な塩分の摂取は、血圧を上昇させたり心臓に負担をかけたりする原因にもなります。
結果として心臓病や高血圧を引き起こすリスクが高まり、猫の健康寿命を縮めてしまうかもしれません。
猫は人間よりも塩分の排出が上手いとされていますが、たとえ少量のちくわであっても、継続的に与えるのはもちろんＮＧです。
またちくわのように塩分が強い食品を一度与えてしまうと、猫がその味を覚えてしまい、もっと欲しがるようになることもあります。
すると塩分過多につながる悪循環を生むため、日常的にちくわを与えるのは絶対にやめましょう。
２.アレルギーのリスクがあるから
猫も食物アレルギーを起こす動物であり、特定の食材や添加物がその原因となる場合があります。
たとえば「小麦」や「大豆」などの成分は、猫にとってアレルギーを引き起こす食材のひとつです。
ちくわの成分は商品ごとに異なりますが、こういった食材にも注意が必要です。
もしアレルギーを発症すると、皮膚炎や消化不良・嘔吐・下痢といった症状が見られるようになります。
さらにアレルギー反応は個体差が大きく、最初は無症状であっても、繰り返し食べることで突然症状があらわれる場合もあるので、十分な注意が必要です。
愛猫が欲しそうにじっとあなたを見つめていたとしても、ちくわを与えるのはやめて、アレルギーのリスクが少なく、栄養バランスが考慮されたキャットフードや猫用のおやつを選ぶようにしましょう。
３.そもそも猫の食べ物でないから
猫に「ちくわ」を与えてはいけない大きな理由の一つは、そもそも「ちくわ」が猫のために作られた食べ物ではないからです。
ちくわは人間用の加工食品であり、猫の体の特性や栄養ニーズを考慮して作られたものではありません。
さらにちくわには人間が美味しく食べるために、塩分や保存料、化学調味料が加えられていて、これらの成分が、猫の健康に悪影響を与える可能性も否定できないでしょう。
猫は人間のように多様な食事を必要とする動物ではありません。
栄養バランスの取れたキャットフードと水、たまに猫用おやつだけで十分に栄養も食事の楽しみも確保できます。
かわいい愛猫の健康を守るためには、ちくわのような人間用の食べ物を与えるのはやめて、猫専用の食事を選んであげましょう。
猫に与えるべきではない「練り物」は、ちくわ以外にもいくつか存在します。
・魚肉ソーセージ
・カニカマ
・はんぺん
・かまぼこ
などの練り物も注意が必要です。
高塩分や添加物だけでなく、これら練り物のなかには香辛料・ネギ類といった中毒の原因となるもの・やまいもなどのアレルゲン食材などが含まれています。
猫の栄養のニーズを満たすためには、このような食材は必要ありません。
そのため猫に積極的に与える必要はなく、猫が欲しがってもそれに応えるべきではないのです。
猫は猫の、人は人の食べ物を食べることが、健康を守るための基本になります。
まとめ
そのためには、ちくわやカニカマなどの人間用の食品ではなく、猫の栄養ニーズに合わせて作られたキャットフードや、持病のある猫は獣医師が推奨する安全なおやつを選ぶことが非常に大切です。
飼い主さんの愛猫への食事管理は健康の源です。
愛猫の欲しい、に負けずに「猫の健康を守る」という飼い主の責務をしっかり果たせるようにがんばってください。
