年賀状じまいの動きは加速しているものの、このままデジタル化が進んだ場合、この時季ならではの、近親者が亡くなったことを伝え、新年のご挨拶を控えるご案内としての「喪中はがき」はどうするべきか、という疑問が生まれます。
今回は、新年のご挨拶のデジタル化とともに、年末に考えたいテーマを深掘りしたいと思います。
1年以内に近親者が亡くなった遺族が、新年のお祝いやご挨拶を控えるのが「喪中」です。
それを伝えるには「はがき」という連絡手段が一般的ですが、今も年賀状を出している方は特に疑問がなくても、すでに数年前から年賀状じまいをしている方で「喪中」に該当したら、やはり「喪中はがき」で知らせた方がいいのかどうかと判断を迷う人も少なくないのではないでしょうか。
喪中はがきを送らないことで、故人宛に年賀状何年も届き続けてしまったり、『なぜ知らせてくれなかったのか?』と相手を残念な気持ちにさせてしまう場合や、『マナーに欠けている』と思われてしまう可能性もあります。
結論から言えば、もしすでに年賀状じまいをしていたとしても、喪中に際してはがきを送ることは問題はありません。
喪中はがきは故人を偲び、お世話になった方々へお知らせするものです。
たとえ『年賀状じまい』をしていても、親しい間柄の方には、その気持ちを伝えることは大切ですし、特に、故人にとって目上の方や親しい方へは、丁寧な対応が望ましいと思われます。
やはり、喪中の際には、はがきを連絡手段として送ることで相手への配慮を示すことができるのではないでしょうか。
さらに遺族にとっても今後も良好な関係を続けていきたいという意思表示になるので、親しい間柄の人にはできるだけ送ることが望ましいと思われます。
はがきを送ることが負担に感じるのであれば、家族や親族、印刷サービスや葬儀をお願いした葬儀会社に相談して、喪中はがきの作成を手伝ってもらうことを検討してみてください。
もし、はがき以外の手段で喪中であることを連絡したい場合は、電話やメール、SNSで伝えても問題はありません。
もっとも丁寧な手段として伝えたいならば「はがき」がおすすめですが、どういった手段であっても、何らかの形で「喪中の事実をきちんと相手に知らせる」ということが大切です。
では反対に、「年賀状じまい」をした人が喪中はがきを受け取った場合はどう対応したらよいのでしょうか。
新年のお祝いを述べる年賀状が出せない場合、通例は寒中見舞い(はがき)で返しますが、年賀状じまいをしていてもやはりはがきで返した方がよいのでしょうか。
喪中はがきは明治時代から続く風習であり、礼節を重んじる方もおられることでしょう。
そのため、相手は親しい仲なのか、それとも目上の方なのかなど、相手との関係性を考えて、先方に配慮しながらはがきとそれ以外の手段を使い分けることも必要かもしれません。
すでに年賀状をやめていることを相手に報告しているのであれば、メールや電話などで返事を返しても問題はないと思われますが、そうでなければやはり文書で差し上げることで、相手だけでなく、故人を大切に思う気持ちにもつながるのではないでしょうか。
年賀状じまいをしていても、まずがきちんと喪中であるということを知らせることが必要ということです。
まとめ
喪中の連絡は、相手が年賀状の準備を始める前、11月中旬以降、遅くとも12月初旬までにするのがマナーです。
12月に不幸があった場合は、年内ではなく、松の内が明ける1月8日から立春(2月4日頃)までに「寒中見舞い」として新年の挨拶ができなかったお詫びの気持ちを先方へ伝えるようにしましょう。
相手との関係性を考えた上で、親しい間柄であればはがきにこだわらず、より良い伝え方を検討してください。