しかし、亡くなった後に出ていくお金がある一方で、もらえるお金もあることも知っておきましょう。
厳密には、死亡後に「お金がもらえるもの」と「支払ったお金が戻ってくるもの」の2パターンがありますが、これらは国や自治体に申請しないともらえませんので、期限内に忘れずに申請するようにしましょう。
今回は、国や自治体の制度を利用して遺族が受け取れる各種給付金について、受給資格や手続き方法、いつからいくら貰えるかなどを具体的に解説します。
★ 身内の死亡後にもらえるお金
1.死亡一時金
2.埋葬料・埋葬費
3.高額医療費
4.遺族年金
5.寡婦年金
★ まとめ

1.死亡一時金
死亡一時金とは、国民年金の第1号被保険者として36カ月以上保険料を納めていた人が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受けないまま亡くなった際に支給されるお金です。
第1号被保険者は、自営業者・フリーランス・学生・無職の人など自分で国民年金を支払っている方が該当します。
請求先は、市区町村役場の窓口や年金事務所または街角の年金相談センターです。
なお、金額としては保険料を納めた月数に応じて12万円~32万円で、付加保険料を納めた月数が36カ月以上の場合は8,500円加算されます。
支給には優先順位があり、【配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹】の順で最も優先順位が高い方が受給可能な制度です。
「遺族基礎年金」を受給できる場合には支給されません。
また、「寡婦年金」の受給対象に当てはまる場合には、寡婦年金か死亡一時金のどちらか一方を選択する必要があります。
金額:保険料を納めた月数に応じて12万円~32万円
申請先:故人の居住地の市区町村役場、年金事務所、街角の年金相談センターのいずれか
必要書類:国民年金死亡一時金請求書、故人の年金番号を明らかにする書類(故人の年金手帳)、故人と申請者の関係が分かる書類(戸籍謄本など)、世帯全員の住民票の写し、故人の住民票(除票)、申請者の世帯全員の住民票、受け取り金融機関の通帳など
申請期限:亡くなった翌日から2年以内
2.埋葬料・埋葬費
「葬祭費」とは、国民健康保険(自営業など)に加入していた方が亡くなった場合に、葬儀(葬祭)を行った方に対して、故人様の居住地の自治体から支給される給付金のことです。
また、後期高齢者医療制度に加入していた方が亡くなった場合にも、同様に「葬祭費」を受け取ることができます。
金額:3~7万円程度 ※自治体によって異なる
申請先:故人の居住地の市区町村役場
必要書類:葬祭費支給請求書、埋葬や葬儀を行ったことが確認できる書類(領収書の原本など)、故人の健康保険証、申請者の本人確認書類、受け取り金融機関の通帳など
申請期限:葬儀を行ってから2年以内
「埋葬料」とは、健康保険(会社員等)に加入していた方が亡くなった場合に、故人様によって生計を維持され、埋葬を行う遺族に対して支給される給付金のことです。
健康保険とはいわゆる社会保険のことを指し、全国健康保険協会が運営する健康保険(協会けんぽ)や共済組合などが該当します。
金額:一律5万円 ※組合によっては独自の付加給付もあり
申請先:加入先の保険組合
必要書類:埋葬料支給申請書、被保険者が亡くなったことを証明する書類、故人の健康保険証、申請者の本人確認書類、受け取り金融機関の通帳など
申請期限:亡くなった翌日から2年以内
3.高額医療費
1か月の医療費負担が自己負担限度額を超えて支払った場合に、医療費の家計負担が重くならないよう、その超過分が払い戻しとなる制度を「高額療養費制度」と呼びます。
本人の生存中から使用できる制度ですが、亡くなった方の医療費が高額になっていた場合、遺族が本人に代わって高額療養費の請求を行うことができます。
払い戻しされた医療費は相続財産に含まれるため、遺産分割協議の対象になります。後々のトラブルの原因となりますので、少額であっても必ず相続財産として取り扱うようにしましょう。
金額:負担した医療費によって異なる
申請先:故人の居住地の市役所役場、健康保険組合など
必要書類:高額療養費支給申請書、医療費の明細書、故人との関係が分かる戸籍謄本など
申請期限:診察を受けた月の翌月の初日から2年以内
4.遺族年金
遺族年金とは、家計を支えていた方が亡くなった場合に、遺された家族が生活に困らないようにするための制度です。
亡くなった方の遺族が受けることができる年金で、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があります。
亡くなった方の年金の加入状況により、遺族基礎年金のみまたは両方を受給できます。
遺族基礎年金は、国民年金に加入していた方がなくなり、一定の受給要件を満たしている場合に、故人様によって生計を維持されていた18歳以下の子がいる配偶者、または18歳以下の子(親がいない場合)が受け取ることができる年金です。
亡くなった日の翌月から、子が18歳になる年度の3月末までの期間中に受け取りが可能です。
また、もし上記の要件を満たしておらず遺族基礎年金をもらえない場合でも、別途「死亡一時金」もしくは「寡婦年金」のどちらかを受け取れる場合があります。
金額:
・子のある配偶者が受け取る場合…【年額795,000円+子の数に応じた加算額】
・子が受け取る場合…【年額795,000円+2人目以降の子の数に応じた加算額】
※上記の年金額は、令和5年4月分から適用。配偶者が67歳以下である場合のケース。
※1人目および2人目の子の加算額は各228,700円、3人目以降の子の加算額は各76,200円
申請先:故人の居住地の市区町村役場、または年金事務所か街角の年金相談センター
必要書類:年金請求書、故人の年金番号を明らかにする書類(故人の年金手帳)、故人との関係が分かる書類、故人と生計を同じくしていたことが分かる書類、請求者と子の収入が確認できる書類、死亡の事実を明らかにできる書類、受け取り金融機関の通帳など
申請期限:亡くなった日の翌日から5年(過去にさかのぼって請求できる期限)
5.寡婦年金
寡婦年金(かふねんきん)とは、国民年金の第1号被保険者(自営業等)として10年以上保険料を納めた夫が年金を受け取らず亡くなった場合に、10年以上継続して婚姻関係があり、その夫によって生計を維持されていた妻に対して支給される年金のことです。
妻が60歳から65歳になるまでの5年間受給可能です。
受給対象は、遺族年金が受給できず、かつ死亡一時金を受給しない妻に限られます。
金額:夫が本来受給する予定だった老齢基礎年金の4分の3の額
申請先:故人の居住地の市区町村役場、年金事務所、年金相談センターのいずれか
必要書類:年金請求書、故人の年金番号を明らかにする書類(故人の年金手帳)、故人と申請者の関係が分かる書類(戸籍謄本など)、世帯全員の住民票の写し、故人の住民票(除票)、申請者の世帯全員の住民票、受け取り金融機関の通帳など
申請期限:夫の死亡後5年以内

まとめ
この他にも、どなたかが他界された時に、役に立つ制度は多くあります。
お亡くなりの方が、いつ、どのような事で亡くなったかで、もらえるお金も変わってきます。
その時加入していた、健康保険組合や年金事務所、住所地の市区町村に連絡をして確認するのが、よろしいかと思います。
大切なご家族を失った後でのお手続きなので、お金の申請をすること自体に後ろめたさがある方もいるかもしれませんが、これは残された遺族を支えるための大切な制度です。
最大限に活用して、遺された家族の幸せな生活に役立てましょう。