しかし同じ60歳、70歳でも、心の在り方や体の状態は、その人によって大きく異なります。
特に無理がきかなくなる年齢の50歳を過ぎたころからは、その差は顕著に現れてきます。
歳をとるにつれてただ単に身体の機能が衰えることが老化ではなく、活性酸素によって身体の細胞や組織が酸化して変質し、機能が衰えることも含まれているのです。
つまり血管や筋肉、骨、脳など、体中で酸化が進むことで、老化現象が現れるのです。
今回は、この身体の酸化を防ぐ飲み物についてご紹介したいと思います。
人は呼吸によって1日に500リットル以上の酸素を体内に取り込んでいるそうです。
その酸素を使って、摂取した栄養素を燃やし、エネルギーを作り出します。
しかし、この過程で取り込んだ酸素の約2%が強い酸化作用を持つ「活性酸素」に変わると言われています。
活性酸素には、その強い攻撃力で体内に侵入したウイルスや細菌を退治する役割がありますが、必要以上に増えてしまうと、健康な細胞まで酸化を及ぼし老化の引き金になるのです。
人の体は日々サビていますが、その進行を抑えるキーワードは「抗酸化」です。
人の体には活性酸素を抑える酵素のはたらきがあり、年齢とともにその酵素は減少していくので、食品から「抗酸化物質」を摂取する必要がでてきます。
食品の抗酸化物質の種類には、ビタミンA、C、Eやポリフェノールなどがあります。
ポリフェノールは、植物が紫外線などから身を守るために作り出す成分の総称です。
野菜や果物のきれいな色味やあく・苦味を呈しているのも、それぞれポリフェノールによるものです。
緑茶にはカテキンという抗酸化物質が含まれます。
カテキンはお茶の渋味成分で、ポリフェノールの一種です。
カテキンの強い抗酸化作用により免疫力アップが期待できるだけでなく、緑茶に含まれるビタミンCも一緒に摂ることができます。
ただし緑茶はカフェインも含んでいますので、寝る前にたくさん飲むのは控えるようにしましょう。
そば茶
そばにはルチンという抗酸化物質が含まれます。
ルチンには血管を健康に保つはたらきがあり、また、ビタミンCと合わせて摂ることで、毛細血管を強くするといわれています。
穀物でルチンを含むのはそばだけです。
ほかの食べ物ではいちじくやトマトにも含まれますが、そば茶は水分補給にもなり、淹れた後の茶殻も食べることができます。
ぜひそばの栄養を丸ごと摂ってみてください。
また、そば茶はノンカフェインのため、寝る前に飲んでも睡眠に障りがないので、就寝前のリラックスティーとしてもおすすめです。
黒豆茶
黒豆の色はポリフェノールの一種、アントシアニンによるものです。
アントシアニンは強い抗酸化作用をもつため、若々しさをサポートするといわれています。
黒豆はほかにもコレステロールの蓄積を抑えるサポニンや、女性ホルモンに似た作用をもつ大豆イソフラボンなどの機能性成分を含んでいるので、女性には特におすすめです。
黒豆茶の茶殻に栄養が残っているため、茶殻を甘く煮て煮豆にしたり、ご飯に入れて炊き込んだりしてもおいしくいただけます。
また、黒豆と黒ごまのブレンド茶は、コレステロールのバランスを整えたり、肝臓の負担をやわらげるセサミンというポリフェノールも一緒に摂ることができます。
まとめ
酸化によるストレスから身を守るためには、体の酸化防止を意識した食事のほか、生活リズムを整えることも大切です。
体の“サビ”は生活習慣病の原因にもなります。
適度な運動と良質な睡眠を心がけ、活性酸素のダメージから身を守っていきましょう。