しかし実際に、シーフードミックスで海鮮パスタやスープを作ってみると、縮んで味も抜けてしまってあまりおいしくないと感じることはありませんか。
私も何度もそんな経験をしたひとりです。
もう海鮮だしの足しになればいいかな、くらいに割り切って使っていたのですが、実は本当にちょっとしたコツでプリプリのまま味わえることがわかったのです。
今回は、市販のシーフードミックスをプリっとおいしく解凍する裏ワザを備忘録として残しておこうと思います。
「シーフードミックス」は、エビやイカ、アサリやホタテなどの魚介類をゆでて急速冷凍したものです。
これらを冷凍するときの通常の処理として、酸化や冷凍焼けから守るためにゆでた魚介類を「塩水」にくぐらせて冷凍をしています。
この時に作られるのが「グレース」という氷の膜です。
シーフードミックスを流水解凍すると、氷の膜で覆われているのがよくわかります。
つまり凍ったシーフードミックスの周りと内側には、「塩」がついている状態なのです。
この塩をまとった魚介類をグツグツゆでたり、水に漬けて解凍しようとすると、浸透圧の関係から、「塩分」はもちろん、「旨味成分」まで外側に流れ出てしまうことになり、これが縮みや味気無さの原因となるのです。
解凍を失敗をしないためには、塩分・旨味がなるべく流れ出ないようにすることが大切になってきます。
具体的にはシーフードミックスは「塩水」に漬けて解凍し、調理は短時間で仕上げるということだけ守れば美味しくできるということなのです。
商品パッケージに書いてある、「冷蔵庫で自然解凍してください。お急ぎの場合は、袋の上から流水で解凍してください。」では、プリップリの魚介類は復活してくれないのです。
シーフードミックスを冷凍庫から出したら、さっそく塩水解凍スタートです。
塩分量が「ちょっと濃いめ」の、水500mlにつき大さじ1の塩をいれて塩水をを作ります。
塩水に漬ける時間は、夏は10~20分程度、冬は30分~1時間程度を目安にしてください。
解凍できたら、キッチンペーパーを敷いた皿に取り、周りの水分をしっかり取り除きます。
この段階では、シーフードミックスはまだ塩分をしっかりまとっているので、料理の味付けをする時にはいつもよりも「薄め」の調味料でOKです。
シーフードミックスはもともとゆでたあげた状態なので、料理に投入するタイミングとしては、最後の仕上げにさっと火を通すくらいにとどめておきましょう。
このコツを守って一度、海鮮スパゲティや海鮮焼きそばを作ってみてください。
海鮮スパゲティ、海鮮焼きそばともに、麺とソースを絡めた後のタイミングで解凍したシーフードミックスを投入します。
シーフードミックスの塩味を考えて、ソースはあくまでも少なめに調味するのがポイントです。
シーフードカレーの場合は、野菜やカレーと煮込まず、お皿に盛るときにトッピングして上からカレールーをかけると美味しさと食感をキープできますよ。
まとめ
魚介の旨味がしっかり残り、おいしいダシもほどよく麺に染み出します。
この方法を知っていれば、業務スーパーでキロ単位のビッグサイズを選んでも後悔することはありませんよ。
大人数のパーティーで大皿シーフードメニューをお出ししても、お客様に十分に満足してもらえるはずです。