こぼしたくてこぼしているわけではないと思うのですが、食べ終わったころ器を見ると、周りにたくさんフードのかけらが飛び散っていることはありませんか。
以前は私の飼っている子たちも、上手に食べることができず、こぼしたフードを床から直に食べている様子を何度も見ることがありました。
今回は、ご飯をきれいに食べてもらうために、私が考えた原因と改善してうまくいった事例を備忘録として書き留めておこうと思います。
うちには2匹の猫がいますが、オス猫がいつも食べこぼしが多く悩んでいました。
原因を考えた時に、この子の生まれ持った性格や習性によるものなのではないかと思いつきました。
早くたくさん食べたい(口に入れたい)ので、せっかちにガツガツとフードを前に押し出すように食べながら、一緒にあげたメス猫の食べる様子を横目でチラチラ見ています。
自分のフードを盗られないためなのか、早く食べて横取りに行くつもりなのか、室内飼いの割には警戒心が強く、神経質なのかもしれません。
周囲に異変がないかをキョロキョロと気にしながら食べるので、見られているメス猫も落ち着いて食べずらそうなのです。
また、もともと肉食の習性のある猫は「捕まえた獲物を食べる時に、左右に頭を振ることで肉を噛みちぎる」クセがあるようで、その名残でご飯を散らかしてしまうこともあるのだとか。
食べ方のクセはなかなかしつけが難しいので、食器を工夫したり食事環境を見直したりなど、別角度からの対策をしていくのが良いかもしれません。
2.食器が合わない
頻繁に食べこぼしをする原因には、使っている食器が猫にとって最適なものではないとも考えられます。
チェックしたい点を挙げると
・食器の大きさ(広さ)
・食器の形
・食器の深さ
・食器を置く高さ
・食器を置く角度
などが考えられます。
食器の大きさ(広さ)は猫のヒゲが当たらないものが理想で、形は平皿か浅めで底が丸いタイプ(または楕円形)のものが良いようです。
食器は床から8~10cmの高さに置き、可能であれば猫の顔側に少し傾けると食べやすくなります。
適切な高さ・角度に置くことで吐き戻し回数の軽減にもつながります。
3.口内が痛い・しみる
猫が口内炎や歯肉炎を発症している場合、痛みからご飯を食べている最中に食器の周りにボロボロとこぼしてしまうことがあります。
口内の炎症が重症になると、上手にご飯を食べられなくなるのです。
口内炎や歯肉炎は高齢になるほど発症する可能性が高まりますが、1歳以上の若い猫でも見られます。
猫の口内では虫歯菌よりも歯周病菌の方が出やすいため、口内トラブルを抱えやすいのです。
猫の口の中に痛みが出ているサインとしては、主に以下の行動が見られます。
・ご飯を食べる時に顔を斜めに傾けながら食べる(こぼす)
・噛んだ瞬間に痛そうな素振りをする
・食後以外にもしきりに口の周りをペロペロと舐める
痛みから上手に食べられていないのでは、と感じた場合は、速やかに病院を受診してください。
4.ウィスカーストレス(ヒゲ疲れ)
「ウィスカーストレス」とは、ご飯を食べている最中に猫のヒゲが食器に当たり続けることで不快感が生じ、精神的ストレスがかかってしまうことを指します。
「ヒゲ疲れ」とも呼ばれ、猫がご飯をこぼす原因の1つとされています。
猫がヒゲ疲れを起こしている時は、食器の底が見えてくると食べるのをやめてしまったり、あえてご飯を外にこぼしてから食べるといった行動を見せることがあります。
猫に食事や水を与えるときに口の狭い食器や深めの食器を使っている場合は、食器自体を見直してみてもよいでしょう。
底が浅めで口が広いプレートのような形状の食器をチョイスしてみてください。
5.フードが食べづらい
実は、猫が食べているフード自体が合わないことも食べこぼしの原因となってしまいます。
キャットフードは、粒の形状や大きさ、ドライかウエットかなど様々な種類があるので、猫の年齢や噛む力の強さ、口内の状態などによって、定期的に見直して適切なフードを選ぶことが大切です。
1歳未満の子猫のうちは、食べなれていないフードをこぼしてしまっているだけかもしれませんので、しばらく様子を見ても良いかもしれません。
噛む力が弱まってきている高齢猫の場合は、固い粒が食べにくいと感じている可能性があります。
ウエットフードに切り替えたりドライフードを水でふやかしたりして食べやすくすると良いでしょう。
まとめ
猫の性格や習性によるクセが原因となっている場合と、現在使っている食器やフードの形状・大きさなどが合わず食べにくさを感じている場合、歯肉炎や口内炎などトラブルを抱えている可能性も考えられます。
愛猫の食べこぼしの原因が何なのかをしっかりと見極めることが大切です。
もしかしたら…という原因ががつかめたら、その原因になっているものを見直したり、病院へ受診するといった対策を取りましょう。
事前に猫が食べこぼしても大丈夫なように、トレーやシートを敷くという対応を行うのもおすすめです。