私もほぼ毎日晩酌をするひとりですが、そんな私のアマゾンプライムでの今のお気に入りは、『晩酌の流儀』という栗山千明さん演じる不動産会社に勤めるOLが、毎日の晩酌をいかに美味しく飲むかを探求するドラマです。
どれくらいの量を飲めばこうなるという確定的なものはなく、体調によって、同じくらいの量の飲酒でも酔いすぎたりほろ酔いで済んだり色々あるのが飲酒の面白いところ。
ただ、翌日に残る飲み方はしたくないですよね。
自分の肝臓と向き合いながら適量を美味しく楽しく飲むための参考になればと思います。
体内にアルコールが入ると、肝臓で酵素が働いて「アセトアルデヒド」という物質に分解されます。
アセトアルデヒドは毒性を持ち、飲酒すればするほどアセトアルデヒドが多量につくられます。
お酒を飲み過ぎたときに頭痛や吐き気、二日酔いなどが起こるのはアセトアルデヒドが原因です。
また、アセトアルデヒドは肝臓の細胞を傷つけ、脂肪の分解を抑制するため、肝臓に中性脂肪が蓄積してゆき、脂肪肝(アルコール性脂肪肝)につながります。
さらに、脂肪肝が慢性的に続いた状態でアルコールを摂取し続けると、アルコール性肝繊維症、さらに肝硬変へと症状が悪化していきます。
・アルコール性脂肪肝……中性脂肪が過剰にたまり、肝臓が全体的に肥大すること。
悪化するとお腹が張る、疲れやすい、食欲がないなどの症状が現れる。
肝臓には通常3~4%の脂肪があるが、これが30%以上蓄積した状態が脂肪肝となる。
・アルコール性肝繊維症……脂肪肝から症状がさらに進み、肝硬変になる前段階の状態。
肝臓にかさぶたのような物質(繊維化)が蓄積され、通常の機能が果たせない状態になる。
発熱、全身の倦怠感、食欲不振、腹部の張り、体重減少、嘔吐、下痢などを引き起こす。
・肝硬変……肝臓の繊維化がさらに進むことで健康な肝細胞が減り、肝臓が萎縮して代謝や解毒機能が低下する。
黄疸、腹水、浮腫(むくみ)などが生じ、肝がんのリスクも格段に高くなる。
肝硬変が悪化すると肝不全となり、死に至ることもある。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれるように、ダメージを受けても、壊れた部分を自力で治療して黙々と働き続けます。
そのため肝臓に負担がかかっていてもとくに目立った症状が現れないため、異変に気づいたときには、すでに症状がかなり進行している場合も多くあります。
次のような肝臓からのSOSサインが現れたら、絶対に見逃さないようにすることが大切です。
・疲れやすい。
・食欲不振、吐き気がする。
・酒に弱くなった、飲みたくなくなった。
・白目の部分が黄色くなる。
・手のひらが赤くなる。
・赤ら顔になる。
肝臓に負担をかけないためにも、適切な飲酒量を知っておくことが大切です。
これまで適切な飲酒量の目安は、ビール(中瓶)〇本、日本酒〇合などと表記されていましたが、厚生労働省が策定した新しいガイドラインでは、アルコールによる病気のリスクを高める飲酒量として「純アルコール量」をもとに換算する方式を採用しています。
お酒に含まれる純アルコール量は次の計算式で求められます。
純アルコール量(g)=摂取量(ml) × アルコール濃度(度数/100)× 0.8(アルコール比重)
例えば、ビール 500ml(アルコール度数5%)の場合の純アルコール量は、500(ml) × 0.05 × 0.8 = 20で、20gとなります。
この純アルコール量を基準にした1日の適正な飲酒量は、男性40g、女性20g以下と定められ、男性の場合では、ビール500ml(アルコール度数度数5%)で2本以下、女性の場合は1本以下ということになります。
なお、純アルコール20gは、ビール500ml(アルコール度数5%)1本のほか、日本酒1合、チューハイ350ml(アルコール度数7%)1本、ウイスキーダブル1杯、ワインでグラス1杯半くらいの量になります。
お酒にはリラックス作用や血行促進作用など、健康に良い働きもたくさんあります。
適度な飲酒量を守っていれば「百薬の長」となりますが、飲み過ぎれば「万病のもと」になります。
では、どうすれば肝臓に負担をかけないお酒の飲み方ができるのかをご紹介します。
1.すきっ腹で飲まない
2.チェイサー(やわらぎ水)と一緒に飲む
3.栄養バランスの良いつまみ(野菜や豆腐、豆類など)を食べながら飲む
4.会話をしながらゆっくり飲む
5.ノンアルコール飲料に替える
6.週に2日は休肝日をつくる
飲み過ぎたときには、体内のアルコールやアセトアルデヒドなどの代謝物を速やかに薄めて、体外に排出することが大切です。
・水を多く飲む
・抗酸化ビタミンを含む食品(トマト、キウイ、いちご、みかんなど)を摂る
・「ウコン」を配合したドリンク剤やサプリメントを摂取する
・健胃や胃粘膜を修復する作用のある胃腸薬を利用する
などの方法を取り入れると良いでしょう。
まとめ
また、適度なアルコール量を守り、休肝日を設け、肝臓に負担をかけないお酒の飲み方を心掛けましょう。