通帳がないと故人の口座から相続ができないかもしれないと考える方もおられるかもしれません。
今回は、通帳レス、ネットバンクを利用した通帳のない場合の相続について深掘りしてみたいと思います。
「銀行に3000万円もの預金があれば、通帳くらいはあるのでは?」と思われる方もおられるでしょうが、預金がいくらあってもネットバンキングでは通帳は作られません。
しかし、故人の口座がネットバンキングにあり、通帳がない場合でも口座のお金は相続ができます。
ネットバンキングでない通常の銀行でも、通帳がないからといって、相続手続きを諦めてしまうことはありません。
相続人が最初にすべきことは、故人が利用していた銀行に連絡し、通帳が見当たらない旨を伝えることです。
そうすると、銀行側が故人の氏名や生年月日、住所といった情報をもとに、口座を探してくれますので、その後、必要な書類を揃えて相続手続きを着実に進めていきましょう。
時と場合によっては、長期間利用されないまま放置されていた休眠口座と呼ばれる口座が発見されることもあります。
こうした口座は通常の管理とは別部門で扱われるため、特定が難しいこともあります。
手続きにおいて最も重要なのは、故人の財産をすべて正確に把握することで、万が一、見落とされた口座があった場合、その資産は相続から漏れてしまうかもしれません。
これを避けるためには、故人がどの銀行に口座を持っていたのかを徹底的に確認することが肝心です。
漏れがないよう、しっかりと調査しましょう。
ネットバンキングの利用者が増加している昨今、通帳が存在しないケースも増えています。
とはいえ、通帳がなくても問題なく相続手続きを進めてください。
まず、故人が利用していた銀行のカスタマーセンターやサポートセンターに連絡し、口座の凍結を依頼します。
ネットバンキングでは、オンラインや郵送での対応が中心になるので注意が必要です。
さらに、ネットバンキングでは、取引履歴がデジタルで管理されています。
ログイン情報が分からない場合、手続きが複雑になる可能性がありますので、事前に把握しておくことをおすすめします。
相続手続きをスムーズに進めるためには、手続きに必要な書類を揃えることが不可欠です。
ここでは、ネットバンキング大手である楽天銀行を例に見ていきましょう。
また、以下の必要書類は、「遺言書が見つからず、かつ遺産分割協議書も相続人で作成できていない」という事例の場合です。
●相続預金払戻手続依頼書(銀行側に依頼して入手)
●口座名義人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
●口座名義人が銀行に登録している住所が確認できる書類
●法定相続人全員、または代表相続人の現在の戸籍謄本
●法定相続人全員、または代表相続人の印鑑証明書
必要な書類は、遺言書の有無などによって異なっていますので、必ず銀行に確認しましょう。
まとめ
まず、銀行に連絡を取り、必要な書類を整えて、手続きを始めることが大切です。
ネットバンキングを利用していた場合でも、基本的な手続きに大きな違いはありませんが、オンラインや郵送での対応が中心になる点には注意が必要です。
相続手続きを行う際には、故人の財産をすべて正確に把握し、見逃しがないようにすることが大切です。
焦らず、一歩一歩着実に進めることで、円滑な遺産相続を実現できます。
相続人だけで手続きを進めるのでなく、必要に応じて税理士や弁護士など、専門家の助けを借りることも、遺産相続を無事に終えるための重要なステップだと覚えておくと安心です。