しかし人間が見ている世界の色をそのまま猫が見えているというわけではありません。
猫は『赤色』が認識できないと言われており、赤色を見せられても人間と同じ『赤』の識別はできないようです。
逆にはっきりと見えてるのは人間には見えない紫外線の色だそう。
残暑のまだまだ厳しいこの時期は、紫外線も強いので、猫にはお外の世界がとてもカラフルに見えているのかもしれません。
今回は、猫の色識別能力についてご紹介したいと思います。
猫は青・黄・緑と、それらから構成される色を識別できるようです。
人間がたくさんの色を見分けることができるのに対し、猫は色の種類をあまり多く区別できません。
とくに赤色やオレンジ色などは、猫にとってはグレーや茶色のように見えるといわれます。
これは猫の目が、人間にはない特徴を持っているからです。
猫の目は、暗いところでもよく見えるようにできているため、色の違いよりも、形の変化や動きをとらえることに優れています。
「識別できる色が少ないのはかわいそう」と思うかもしれませんが、猫が活発に活動するのは薄暗い時間帯なので、昼間の明るいカラフルな世界は、猫の本来の生活には必須ではないのです。
猫はわずかな光だけで暗いところでも周囲を観察するのが得意です。
その能力は人間よりもはるかに優れていて、薄暗いところでも狩りを成功させることができます。
猫の色の好みは人間と同じように個体差があるようですが、一般的な傾向としては黒や紺色を嫌うと言われています。
その明確な理由は不明ですが、薄暗い時間に行動する猫にとって黒や紺色は認識しにくい色のようです。
暗い所で黒や紺色を目にしても、他の色と比べてコントラストがはっきりしないため、猫は黒色の物体は認識しずらく、それが不安や緊張につながるようです。
ほかに黒を苦手とする理由としては、天敵の色が黒だから、威圧感がある色だからといった理由も考えられます。
猫のなかには黒・紺色に対して非常に強い嫌悪感を抱く猫もいるようで、突然猫パンチをしたり威嚇して鳴いたりと、黒色の物体を極端に嫌がる様子を見せることもあるそうです。
白
白色も猫が嫌う色として知られています。
紫外線が見えるといわれる猫にとって白色は強烈な色であり、特に光が反射する場合に不快感を感じるのだそうです。
そのため猫を室内で飼う場合、壁や床、家具などが白いと反射光が強くなるので、猫が落ち着けない原因となることがあるようです。
明け方と夕方(薄暮時)に活動する性質を持つ猫は、人と比べても光を感知する量が5倍といわれており、反射した光を非常にまぶしく感じるのかもしれません。
野生の猫は、太陽が登っている日中にあまり活動しない傾向があるので、白色はあまり普段見ない色だということもあり、猫の「白色嫌い」につながっているとも考えられます。
青色は猫にとって認識しやすい色のひとつです。
青色は猫の視覚において明確に見えるため、興味を引くことが多いようです。
青い猫トイレやベッドなどは、猫の目に優しく映り、興味を持たれやすい傾向があります。
緑・黄色
緑色も猫が比較的よく識別できる色で、猫にはグレーがかった黄色にみえるそうです。
自然界においては草や植物などが緑や黄色であるため、猫はこの色に親しみを持っているのではといわれています。
そのため緑と黄色の物体は視覚的に安心感を与えて、猫がリラックスする要素になるのだそうです。
ピンク
猫が好む色のひとつに、ピンク色があります。 ただ、なぜ猫がピンクを好むのかははっきりした理由はわからず、推測も難しいようです。
猫の視覚では赤やピンクは灰色がかった色として見えるはずなため、ピンク色は猫にとって不明確な色として認識されて、どちらかといえば嫌うはずなのです。
それでもピンクが好きな猫が多いので、猫用グッズでもピンク色のものはよく見受けられます。
理由はわかりませんが、猫には猫なりのピンクが好きな理由があるのかもしれません。
人間もそうですが、色の好みは個体差があります。
一般的には苦手であろう色を、あえて好む猫もいるかもしれません。
もしかしたら解明されていない猫独特の心理が働いていることも考えられますね。
まとめ
それでも人間と同じように、猫の色の好みは個体差によってまちまちで、環境や状況によっても変わるため、一概に「この色は好きで、この色は嫌い」と断言することはできません。
あなたの愛猫がどんな色をすきなのか、じっくり観察してみるのも良いかもしれません。
ぜひ、愛猫がお好みの色を発見してみてください。