一般的にはこのような症状を「気象病」と呼ぶそうで、気圧の変動や湿度の上昇などの気象条件によって、頭痛、めまい、倦怠感、眠気、食欲不振、イライラなどの影響を人体に及ぼします。
体内の血液や組織の圧力も変化し、それに適応するために体調調整が必要なのですが、うまくいかないと、このような症状が生じるのです。
人間だけでなく飼い猫がなんとなくだるそうにしていることはありませんか?
猫も人間と同じ生き物ですので、気圧の変化を受けることがあるようです。
今回は猫の起床病についてご紹介したいと思います。
人間には気圧の変化で生じる気象病がありますが、はたして、飼い猫がそうなるのも気象病のせいなのでしょうか。
猫を飼っていると、いつもは活発な子が台風が接近している時や激しい雨の日など気圧の低い日に「ぐったり」して食欲がなく、ソファの下に隠れていたりすることがあります。
人間と同じような症状なので、猫の気象病を疑いたくなりますね。
現状では、獣医療で「気象病」という言葉はそれほど、浸透していないようです。
しかし、かかりつけの獣医の話によると、気候の変化によって、体調が悪くなるペットは多くいるとのこと。
飼い主は「気圧が下がっているので、この子の調子が悪いのではないか」と受診してくるのです。
診察で、気圧の変動や天候の変化によって明らかに影響を受けるペットがいることを実感するらしく、気圧の変動によって主に引き起こされる症状をいくつか教えていただきました。
1.気圧の変動による発作
気圧が急激に下がると、てんかん発作などを持っている子は、薬を内服していても症状がすぐれず、ウロウロ動き回る場合があります。
落ち着かず、寝たかな、と思っても、すぐに場所を移動してじっとしていません。
動物の頭痛は、わかりにくいそうですが、気圧の低下により、頭痛などを感じている可能性はあります。
また、あまりにも落ち着きがない場合は、抗不安剤などを内服するとのことです。
2.胃腸の不調
気圧の変動は、一部のペットにとって胃腸の問題を引き起こすことがあります。
血液検査をして、アミラーゼや炎症反応などの数値は正常値でも、食べないという子もいます。
血液検査の結果が正常でも、気圧が下がると、腸の運動が低下し、消化不良や腹痛を引き起こす可能性があるそうです。
このために食欲も低下してしまうとのことです。
3.天候の変化による行動変化
ペットを飼っていると、雷や雨が降り出す前でも飼い主にはわからない変化を察知します。
目に見えない気圧の変動や静電気が増加するなどの前兆をかぎ取り、不安や恐怖心を感じるのだそうです。
この不安感から、小刻みに震えて部屋の隅に隠れる行動をとることがあります。
逆に、部屋を走り回ったり、家具を引っかいたり、かじったりすることもあります。
気象病の症状は、猫でも個体によって異なる場合があります。
しかし、症状の多少はあってもやはり不快な状態であることは確かなので、十分なケアが必要です。
ペット気象病の症状を軽減するためには、以下の対策を考慮してみてください。
【室内環境の調整】
室内の温度と湿度を一定に保ち、快適な環境で過ごせるようにしましょう。
また、適切な換気や空気清浄機を使うことでも症状を緩和できることがあります。
【ケアの仕方】
ペットは不安を感じているので、飼い主さんが安心感を与えることが大切です。
気象病に対処するために、以下の方法が役立ちます。
1.安全な場所の提供
犬や猫が気圧の変動や天候の変化によって不安を感じる場合は、落ちつける場所を見つけてあげましょう。
狭いスペースやベッドの下など、自分が守られていると感じる場所に居られることが大切です。
2.リラクゼーション
心身ともにできるだけリラックスしてもらうことも大切です。
マッサージや静かな音楽、リラックスできる環境を作ってあげましょう。
3.飼い主のサポート
飼い主の存在自体が安心感につながることがあります。
気象病の症状が現れた場合は、飼い主がそばにつきそって落ち着かせることが大切です。
やさしい穏やかな声で話しかけたり、撫でたりすることで、不安を和らげることができるでしょう。
仕事などで、家にいることができない場合は、前もって、かかりつけの獣医師に気圧の変化で具合が悪くなることを相談して、薬を処方してもらうのもいいでしょう。
まとめ
気圧の変化が激しいと食欲が落ちる、動きが鈍く、なんとなく辛そうに見えるなどという変化があれば、ひょっとして、それは、飼い猫の気象病かもしれません。
そのような場面に出くわしたとき、適切な対処の仕方ができるようにしておきましょう。