毎日ストレスにまみれながら働く人のWell-being(幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態)を実現していくためにはどうすればよいのでしょうか。
一人ひとりのWell-beingにつながるライフスタイルをデザインしていくために、今回は、私たち人間の持っているネガティブ思考を紐解く「3つのP」についてご紹介したいと思います。




ネガティブ思考を紐解く「3つのP」



◇ ◇ ◇


現代社会においては、職場でもプライベートでもストレスがつきものです。
自分ではどうしようもないことを過度に経験するとストレスが溜まります。
その溜まったストレスを軽減できる方法があります。




それは自分の考え方のくせを知り、微調整することです。




マーティン・セリグマン博士がおこなった、学習性無力感の研究から着想を得て提唱されている「3つのP」をご紹介します。
これは、私たちが抱くネガティブ思考を3つに分解した頭文字です。




1.個人化=ersonalization


「どうせ私なんか~だから」のように、必要以上に自分のせいにしていませんか。
例えば、クライアントとの約束が急になくなったとします。
ある人は「何か急な予定でも入ったのだろう」と考えますが、個人化しやすい人は「きっと、私なんかに時間を割きたくないのかも」と思ってしまう、といった場合です。




2.普遍化=ervasiveness


「一事が万事」という言葉があります。
一度起きた自分にとってよくないことを、他の事にも広げ、普遍的に捉えてしまっていませんか。
例えば、お付き合いしていた女性とうまくいかずお別れした男性が、「自分は魅力がないんだ。きっとほかの女性とだって、うまくいくはずないんだ。
なんなら仕事だってうまくいかないかもしれない…」などと、他のことにも広げてマイナス方向にとらえてしまうことです。




3.永続化=ermanence


一度起きたネガティブな出来事が、ずっと続いてしまう、と考えることを指します。
例えば、なにか仕事で失敗した際、「自分はいつまで経っても仕事ができないダメな人間なんだ。
きっとこれから努力したって永遠にできるようにはならない。」といった感じです。




やりがちな考え方



◇ ◇ ◇


この3つのPは、私たちのこころが重くなる考え方です。

ということは、この3つそれぞれを、反対のベクトルに向けると、こころが軽くなるということになりませんか。




1.個人化は非個人化へ
「必ずしも自分のせいじゃない」



何でもかんでも「私のせいだ…」なんて思わずに「多かれ少なかれみんなそうかもしれないじゃない」に変えてみる。




2.普遍化は特定化へ
「今回は不運にもそうだったけど他にだいじょうぶなことはある」



「結局なんでもそう…」ってブルーになるところを「今回はたまたま運が悪かっただけ」と信じましょう。




3.永続化は一時的へ
「今は耐え時。前を向いていればいつか笑える日が来る」



「どうせこれからも続く…」なんて言わずに「次こそはいける!」と声に出して言ってみましょう。




私たちは1日に何万回と思考しますから、まずは意識化できると練習のチャンスはたくさんあります。

まずは日ごろから、仕事や生活の中で、こころが軽くなる考え方を意識して、すこしずつ実践していきましょう。




他にも遺伝子的にも文化的にも生真面目である日本人がしがちな考え方として、以下のような特徴があります。




自分への関連づけ:自分に関係のないことまで自分の個人的責任だと判断してしまう

根拠のない推論:具体的な根拠がないまま結論を急ぎ、否定的に推測する

完璧主義:デジタル思考、白黒思考。白黒、〇か×かをはっきりさせないと気が済まない

選択的な注目:自分に関係のある特定の部分だけが気になり、抽象的に結論づけること

過大評価&過小評価:欠点を実際より過大に評価する一方で、長所は逆に過小評価する

感情による判断:客観的事実よりも、自分の感情から状況を判断する





誰もがやってしまいがちな考え方です。




「最近、なんか疲れていてネガティブ思考寄りだなぁ」と感じる方がいらしたら、ぜひとも振り返って確認するようにしてください。




ブルーな気持ちは無理に変えようとしないで



◇ ◇ ◇


「思考」がなぜこころを軽くするのに重要なのかというと、「思考」は私たちの「気分」に直結しているからです。




私たちは毎日、たくさんの出来事に遭遇しますが、そのたびに、




出来事⇒思考⇒気分⇒行動




という流れを繰り返しています。




たとえば、


・(出来事)上司に「最近、仕事がんばってるね」と言われた⇒
・(思考)「さらなる作業が振ってくるのではないか?」⇒
・(気分)「不安、猜疑心」
・(行動)⇒「がんばってる風は見せない。上司と目を合わせない」






といったかんじです。




いいか悪いかは別として、ある出来事が、自分の考えを通して、気分や行動につながっていく経路がおわかりいただけると思います。




この中で、起こる「出来事」や湧き出る「気分」は変えづらいですが、「思考」や「行動」を変えることは比較的簡単です。




先ほどの例、同じ出来事が別の方に起きたとしましょう。





・(出来事)上司に「最近、仕事がんばってるね」と言われた⇒
・(思考)「上司にねぎらってもらえた。期待してもらえている」⇒
・(気分) 「嬉しい」
  ・(行動)⇒「今日は家族にケーキでも買って帰ろう」




同じ出来事でも、考え方の違いによって、気分や行動がまるっきり変わってくるということです。






まとめ

そもそも人間は思考の8割がネガティブ、とも言われています。
だから皆、多かれ少なかれ出来事をネガティブにとらえてしまいがちなのです。
ネガティブ思考がだめ、というわけではありませんが、ただそれが続くと、自分にとって苦しい状態が続きます。
いつもこころが重くなる思考をしているとそれがくせになってしまい、その思考が気分や行動に影響を及ぼすからです。
こころと体は繋がっていて、ブルーなきもちによって、お腹が痛くなったり、眠れなくなったりすることもあります。
もしも最近、「ブルーになりがちでちょっと苦しいな」と思われていたら、ぜひ、3つのPでアプローチを試みてください。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。