2024年1~7月に値上げとなる食品は、予定も含むと昨年同時期の約2倍の20,815品目にのぼるのだとか。
電力料金も最大40%近くアップすることが決まっており、あらゆる分野で追加の値上げが予想されています。
とはいっても、早々に給料アップが望めるわけもなく、収入は変わらないままに何とかしなければならない状況です。
とにかく益々増長するインフレを乗り切るには、まずは出費を減らすしかありません。
生活の様々な場面で発生する払い過ぎを知り、それを減らすにはどうしたらよいのでしょうか。
今回は、あまり知られていない裏ワザ的テクニックをご紹介します。
意識することは少ないかもしれませんが、年金からは社会保険料や税金が「天引き」されています。
元サラリーマンで、現在月22万円の年金を受け取っている方は、年間約15万円が所得税と住民税として徴収されています。
こうした税金を取り戻す方法として、よく紹介されるのが「医療費控除」です。
医療費控除は「家族が払った医療費のうち、一定の基準額を超えた分に応じて、税金が戻ってくる」仕組みです。
控除がある関係で、年金世帯の場合は『総所得金額等の5%』が基準になることが多くなります。
たとえば月22万円の年金を受け取っている65歳以上の人なら、年間の基準額は70,700円です。
医療費がそこまで達していない場合は、医療費控除の申告は自分には関係ないと考える方ももいるでしょう。
そんな方は、様々な出費を「医療費」に足し合わせていく「裏技」を試してみましょう。
例えば、腰痛や高血圧、高血糖の治療で温泉にはいって療養したいと考えた場合、温泉に赴く前に、まず病院に行きましょう。
病院で「温泉療養指示書」をもらい、厚労省の認定を受けた全国17カ所の温浴施設に行くと、料金と交通費が医療費控除に加算できます。
関東なら「江の島アイランドスパ」「綱島源泉 湯けむりの庄」、関西では「神戸みなと温泉 蓮」「ピーアップシングウ」などが認定を受けています。
詳しい情報は、 『温泉利用型健康増進施設連絡会のHP内「施設一覧」』を参照してください。
また、厚生労働省が「歩行1日60分以上」「筋トレ週2~3回」で健康に、という日常生活の運動を推奨していることはご存じでしょうか。
健康促進のためにジムに行く場合も、医者と相談して「運動療法処方箋」をもらえば、『厚労省から認定された全国230ヵ所の施設』なら利用料金を医療費控除にできます。
上記以外にも通院の交通費、病院都合の差額ベッド代なども、医療費控除の対象になります。
夫が月22万円の年金を受給しているケースだと、夫婦合わせて年間20万円の医療費を使ったとすれば、医療費控除によって約1万8000円の税金が戻ってくる計算になるのです。
税金だけでなく、医療費にも無駄をなくすテクニックがあります。
重要なのは、ちょっとした工夫の積み重ねです。
病院に行き、処方箋でお薬を購入する場合、お薬手帳を持っていくと2割負担の方は『服薬管理指導料』が40円安くなります。
また高血圧などの持病で薬をもらっている人は、30日分の処方箋を最大3回使えるリフィル処方箋を出してもらえば、3ヵ月ごとの診察で済み、通院にかかる交通費を減らすことができます。
通院はぜひ平日にするようにしましょう。
土曜の午後や日曜・祝日に受診すると、最大750円ほど支払額が高くなってしまいます。
家計に余裕を持たせたい場合、少し働いてみるのも選択肢のひとつです。
その場合、病気やケガが気になるかもしれませんが、そんな時も「備えあれば憂いなし」です。
病気やケガなどで仕事を休んだ時には、傷病手当金をもらうことができます。
仮に月に9万円分働いていた方が仕事を連続して3日休むと、4日目から最長1年6ヵ月、一日2000円を受け取れます。
週20時間以上働いている等の条件があるので、働き方も考えてみましょう。
家族の介護が始まったら、「障害者控除」をもよりの役所に申請しましょう。
「障害者控除」は、障害を持っている方の所得税や住民税を安くしてもらえる制度のことで、場合によっては住民税をゼロにできます。
基準は自治体により異なりますが、障害者手帳を取得していなくても、要支援認定を受けるだけで適用されるところもあります。
自治体ごとの介護に関するお得情報は、地域包括支援センターに集まってくるので、積極的に連絡してみて活用してください。
もしも要介護認定を受けた親と同居しているなら、世帯分離を届け出るという手もあります。
介護費用には「高額介護サービス費」という制度があり、一定額を超えた分は払い戻される仕組みになっています。
例えば、長男夫婦が母親と同居し、介護をしているとします。
介護費用の自己負担上限は44,400円ですが、長男夫婦が共働きの場合、ヘルパーやショートステイなど、行政のサービス利用が多くなりがちです。
高額介護サービス費があっても、年間50万円以上が介護に費やされてしまこともあります。
こうした方たちこそ、世帯分離をおすすめします。
役所で世帯変更届を出せば、一緒に住んでいても別の世帯として扱われるようになるので、この届出だけで、いくら介護サービスを使っても月15,000円で済むようになる可能性があります。
医療や介護にかかる費用が心配だからといって保険に頼る方もおられますが、これは無駄に繋がっているかもしれません。
長期入院するような大きな病気をしなければ、支払った保険料の元はとれません。
もし仮に大病をしたとしても、高額療養費制度があるので支払いはたかが知れています。
70歳以上の方で年収が約156万~370万円の場合、入院して医療費が月に100万円かかったとしても、自己負担は5万7600円で済むのです。
にもかかわらず、保険料も割高な持病があっても入れる保険に入っているのは、かなり損になるかもしれません。
高齢者を狙いうちにした保険のCMもよく流れていますが、『最高で100万円』と謳いながら、実際は条件つきで、多くの方はそんなにもらえないという悪質な保険もあるので要注意です。
また、広告で「資料請求した人に抽選で神戸牛プレゼント」などと書かれている商品も避けましょう。
あなたの保険料が牛肉に化けて、他人の胃袋に収まることになってしまうかもしれませんよ。
まとめ
それでも不安な方は、さらに日常生活を見直してみましょう。
医療費負担3割の方の場合、メタボの方は非メタボの方と比べて、医療費の支払いが男性は年間2~3万円、女性は3万~5万円高くなるというデータもあります。
毎晩の晩酌をやめてお酒を減らすようにしていき、代わりに『りんご黒酢』を炭酸で割って飲んでみましょう。
食費の節約と同時に、腸内のサビを落としてダイエットの成功と医療費の節約にもなりますよ。