猫の爪って思った以上に早く伸びて、先っちょが鋭く尖ってきませんか。
だからといって放置しておくと、危険なことが起こりかねません。
今回は、飼い猫の爪切りについて解説していきます。
1.肉球に爪が刺さる
猫の爪は、下に向かってカーブするように生えています。
かぎ爪と呼ばれ、移動や攻撃・防御に優れていますが、伸びすぎると肉球に突き刺さってしまうことがあります。
つまり長期間にわたって飼い猫の爪切りを怠けていると、最終的には肉球を傷つけてしまうのです。
猫にしていれば、肉球に爪が当たっているだけでも違和感や痛みがあるはずですが、肉球に刺さる状態になると炎症を起こします。
傷口から菌が入り込んで感染症を起こし、場合によっては壊死することもあります。
こうなると自然治癒は望めなくなり、動物病院に連れて行かなければなりません。
猫は自分でも爪のメンテナンスとして爪とぎを行いますが、シニアになると爪とぎの頻度が減り、爪のトラブルが起きがちになります。
愛猫に辛い思いをさせないためにも、定期的にチェックして爪を切ってあげる必要があります。
2.カーテンなどに引っかかって折れる
猫の爪が伸びてくると、カーテンやカーペットなどにも引っかかりやすくなります。
引っかかるだけならまだしも、そのまま爪が折れて出血を伴うケガにつながることもあります。
自宅で止血ができない場合は、動物病院で治療することになります。
爪とぎは鋭くすることが目的なので、とげばとぐほど細くなってしまうという側面があります。
細くなった爪は折れやすく、とくに運動神経のいい猫ほど注意が必要です。
ちなみに猫の爪はタマネギのような構造になっており、古くなった層から自然とはがれていきます。
飼い主さんなら、家の中に猫の爪の一部が落ちているのを見つけることも多いと思いますが、必ずしも爪が折れたというわけではないので、安心してくださいね。
3.同居猫や飼い主を怪我させてしまう
伸びた爪は、当然ながら攻撃性を増します。
猫自身に悪気がなくても、人間や同居しているペットを傷つける可能性があるということです。
さらに、爪の中に菌がいるとひっかかれた人に感染症を起こすこともあります。
代表的なものは「猫ひっかき病」で、リンパ節が腫れて風邪のような症状があらわれます。
ひっかかれた人の免疫力が低下している場合は、麻痺や脊髄障害を起こすこともある怖い感染症です。
また「パスツレラ感染症」も、猫の爪から感染する感染症のひとつです。
パスツレラ菌そのものはすべての猫が保有しているものですが、猫自身が発症に至ることはほとんどありません。
ところが人間が感染した場合は、数時間ほどで赤く腫れあがり、噛まれたところが化膿したり、呼吸器感染症などを引き起こしたりします。
重篤化すると敗血症や腹膜炎に進行して死亡することもあるので油断は禁物です。
以上の事からも、定期的な飼い猫の爪切りは大切な作業なのです。
飼い猫の爪を定期的に切ろうとしても、いつも嫌がって逃げられたり、つかんだ手を引き抜かれたりして、なかなか思うように切ることができないかもしれません。
どうすれば猫の爪をスムーズに切ることができるのでしょうか。
爪きりのタイミングポイントを3つ挙げておきます。
1.リラックスしているときに切る
猫の爪切りは、ぼーっとしているときや眠っているときなどリラックスしているタイミングで行いましょう。
可能であれば2人がかりで、ひとりはおやつを持ったり撫でたりして気を紛らわせながら、その隙にもう一人が切るのがおすすめです。
タオルや洗濯ネットに入れると落ち着く猫もいます。
うちの子は、起きている時はいくらくつろいでいても爪切りを見ると逃げてしまうので、熟睡時にそっと手を取って起きないように素早く切れるだけ切ります。
1回で全部の爪を切るという高望みはせずに、その時切ることができる分だけ、起きるまでの瞬間の作業です。
起きちゃったら、すぐに潔く中断するのがコツです。
2.嫌がったらすぐにやめる
嫌がるそぶりを見せたらすぐにやめることも大切です。
無理強いすると爪切りに恐怖を感じるようになり、二度と切らせてくれなくなる可能性があります。
うちもそうですが、一度にすべての爪を切ろうとしないで、1回1指ずつでいいよ、くらいの気持ちで少しずつ進めていくといいでしょう。
3.終わったらごほうびを与える
爪切りに対する苦手意識を軽減するために、終わったらすぐにごほうびを与えるのも効果的です。
おやつでもいいですし、お気に入りのおもちゃで遊んであげるのもおすすめ。
自宅での爪切りをどうしても嫌がるときは、無理に切ろうとせず、爪切りだけでも行ってもらえる動物病院やトリミングサロンで定期的にプロに切ってもらいましょう。
まとめ
爪切りをさぼっていると怪我や病気につながることがあり、飼い主さんも感染症にかかるリスクなどが増えるので定期的なチェックは怠らないようにしましょう。
爪切り時には、猫に負担がかからないよう、気を紛らわせながら少しずつ切るのがポイントです。
猫自身や家族を守るためにも、1ヵ月に一度程度は切ってあげるのが理想的ですね。