猫は本来夜行性の動物です。
そのため夜に走り回ることが多く、飼い主さんが寝ているときに大きな音を出して走りまわるため「夜の大運動会」なんて呼ばれることもあります。
突然大暴れする愛猫に対して、心配したり、どうして急に暴れだすの?と不思議に感じたり、就寝中に起こされて、走り回らないでー!と言いたくなることもあると思います。
実は、猫が大運動会を開催することには理由があり、また、それには愛猫が危険な状態であることを示すサインが含まれている可能性もあるのです。
今回は、猫が急に走り出す理由について解説したいと思います。
猫が突然走り出す行動には名前があって、「真空行動」と呼ばれています。
真空行動とは猫の本能的な行動で、身体のエネルギーを発散させるために走り回っているのです。
語源については諸説ありますが、何もないところを走り回るなどが理由が考えられます。
飼い猫が、突然室内を走り出す真空行動ですが、基本的には30分前後で終了します。
猫にとっても必要な行動であるため、無理に止めようとしたり妨害するのはやめてあげてくださいね。
猫が急に走り出すのは、主に下のような理由があります。
1.運動不足・ストレス解消
完全室内飼いの猫の場合、ストレスがたまっていて発散するために走り回っている可能性もあります。
室内飼育は、自由に外に出入りする放し飼いよりも安全性が高い反面、運動不足に陥りやすいデメリットがあります。
そのため、飼い主さんが定期的な遊びに誘って猫の運動を促してあげることが重要です。
猫は一度に長時間の運動を必要とはしません。
だいたい5~15分前後の運動をしたら、休憩をしましょう。
そのような短時間の運動を1日に複数回取り入れてあげると、猫もストレスが少なく真空行動の数も少なくなります。
2.トイレハイ
猫がトイレを使った直後に走り出す場合は、トイレハイである可能性が高いです。
トイレハイも猫に残る野生本能に由来する行動のひとつです。
猫の祖先たちは、常に外敵から襲われるリスクに警戒して暮らしてきましたが、排泄時だけはどうしても無防備になってしまいます。
そのため、猫の祖先たちは排泄が完了したら、速やかにその場を走り去ることで危機を回避していました。
現在の飼い猫にも野生の習性が色濃く残っており、トイレが完了したら、勢いよく飛び出してしまうのです。
3.体調の変化・病気の可能性
猫が突然走り出す理由として、病気や体調不良の可能性も考えられます。
猫が走り出した後、荒い息で口呼吸をしていたり、また痒そうな仕草をしている場合は注意が必要です。
そのような症状がみられた場合は、なるべく早いタイミングで動物病院を受診し、異常がないか診察してもらうことをおすすめします。
4.狩猟本能
猫は肉食動物ですから、古くから狩猟で獲物を捕まえて生存してきました。
急に走り出す行為は、その本能に従った行動だとも言えます。
猫が家にある何かを標的にし、勝手にハンティングしているとも考えられます。
また、妄想のハンティングをしているとも言われています。
5.体力があり余っている
運動不足ではなく、シンプルに体力があり余っていることから、急に走り出すケースもあります。
これは特に若い猫に多く見られ、多くは「遊び足りない」と感じていることが原因です。
まとめ
そのため、うるさいからと飼い主さんがその行動を妨害してしまうと、かえって猫にストレスを与えてしまうことにもなりかねません。
どうしても猫の足音が気になる方は、カーペットを敷くなどの防音対策を施す方向で備えてみましょう。