肛門まわりを触ると嫌がるコもいると思いますが、肛門まわりで起こりやすいトラブルを抱えてしまう猫ちゃんもいます。
今回は、そういった時に備えて、肛門ケアの仕方や、トラブルになってしまったときのケア方法について解説したいと思います。
猫の肛門は、よく観察すると左右に小さな穴があります。
時計に例えれば4時と8時の位置になります。
ここに肛門腺(肛門嚢)と呼ばれる袋があり、この中に悪臭がある液体、またはペースト状の分泌物が入っています。
この分泌物は「肛門嚢液」、あるいは「肛門腺液」などと呼ばれています。
通常、排便をする時に肛門腺が圧迫されて、この分泌物がウンチと共に排泄されたり、興奮したときなどに自然と出たりします。
しかし、生まれつきこの肛門腺が出にくかったり、何らかの原因で詰まったり、下痢などによる炎症が原因で排出する穴がふさがってしまうと、肛門腺液が溜まり続けてしまい細菌感染が起こしてしまうことがあります。
その状態が「肛門嚢炎」で、動物病院での治療が必要になります。
猫によっては肉眼では見えにくい場合もあるので、日頃から注意しておくことが必要です。
肛門腺の分泌物は、排便などの刺激に合わせて勝手に排出されるとご説明したように、猫は犬よりも肛門腺がつまることが少ないといわれているため、猫は犬のように日常的に飼い主さんが手で絞る必要はありません。
しかし、異変などにすぐに気付けるように、肛門まわりは定期的にウエットティッシュなどで拭いてあげて清潔にしておくようにしましょう。
普段あまりケアをされない分、症状として出た場合に肛門嚢破裂など重大なトラブルになることが多いです。
猫がしきりにお尻を舐めたり、痒がったりする仕草をみせる場合には獣医さんに相談してみてください。
肛門嚢炎になってしまった場合、猫はそこを触られるのを嫌がります。
肛門まわりを無理に触ると、愛猫との関係性が壊れてしまう原因になりかねるので、病院で処方された薬を飲ませる以外のケアは頑張りすぎなくてもいいでしょう。
猫が肛門を過度に舐めてしまう場合は、エリザベスカラーをつけるなど悪化させないために工夫をしてみましょう。
肛門嚢炎以外にも肛門まわりでよく見られるトラブルとして、便秘や頻尿、尿が出ないなどがあります。
これらのトラブルを抱えている猫ちゃんは、トイレ中に異変が見られることが多くあります。
排泄をしている時に、気づかれないようにそっと近寄り、動作にいつもと違いがないか観察してみましょう。
トイレから出たあとは、便の硬さや頻度、尿の量やニオイなどに変化がないかチェックすることも忘れずに。
まとめ
また、中には分泌物がたまりやすい子や分泌物が固くて絞ることが難しい子もいます。
このようなときは獣医さんやトリミングなどで絞ってもらい、家でもできるように肛門腺絞りのコツを教えてもらっても良いでしょう。
愛猫の異変に気付くためには、日頃から様子をよく見ることがとても大切です。
愛猫の健康チェックを習慣化すると、少しでも違いが見られたときにすぐ動物病院を受診できるので安心ですよ。