デイサービスや施設によっては入所の際、ケアシューズを用意して欲しいという要望を伝えられる場合もあります。
高齢者の身体を支えてくれる大切なケアシューズは一日を通して履くこともあるので、機能的でお気に入りのシューズをぜひ見つけてほしいものです。
今回は、介護のためにケアシューズを履くメリットや選ぶときの注意ポイントについてご紹介したいと思います。
ケアシューズとは、高齢者や介護が必要な方の足や歩行に合わせて作られた靴のことです。
柔らかい素材でできており、高齢者の足にフィットしやすくできています。
ケアシューズには、さまざまな種類やデザインがあり、室内履きとしても、外履きとしても利用できるものが多いので、高齢者施設やデイサービスなどでは、室内用、外出用とそれぞれ用意するとよいでしょう。
体の状態にあったケアシューズを履くことで、視力や筋力の低下、持病や薬の影響などで体のバランスが崩れて転倒しやすくなってしまうリスクが減らせます。
ぴったりのケアシューズを履くと、歩く姿勢が良くなり外出意欲が向上して、筋力が維持されるというメリットもあります。
歩きやすくなることで、介助者の負担が軽減されるのも嬉しいポイントです。
1.安定して歩ける
脚力や反射神経の衰えからバランスが崩れやすい方は、かかとをしっかり支えてくれるケアシューズが、歩行のバランスをサポートします。
軽くて滑りにくい靴底のものならさらに安定感があります。
2.つまずきを軽減
歩行時に足が上がりにくくなっている人は、つま先が上がっているケアシューズを履くことでつまずきの軽減につながります。
3.ゆったり履けて蒸れない
外反母趾や足が幅広甲高甲の状態の方は、ゆったりしたデザインのものを選べば足の締め付け感が気になりません。
また、メッシュや綿など通気性のよい素材でできているものを選べば、蒸れも防ぐことができます。
4.靴を履くときにラク
屈んで靴を履くのが 難しくなってきている高齢者向けのやさしいケアシューズも多いようです。
たとえば、開口部が広く着脱が簡単で、素材がゴムなどで広がりやすくなっているタイプや、かかとに取っ手が付いていて足を入れるのがスムーズなタイプなどがあります。
5.足の状態に合わせて調整が可能
O脚の方は、調整した靴底や中敷きを使用することによって歩行の姿勢を整えてくれるものもあります。
また、リウマチやむくみなどには、足にやさしいソフトな素材で甲の締め付けを調整できます。
ケアシューズを選ぶときは、使用する方の体や足、歩行の状態にあわせて以下のような点に注意しながら選びましょう。
1.「履く・脱ぐ」がしやすいもの
脱ぎ履きをする本人はもちろん、施設などでは介護スタッフが利用者の靴を履かせることもよくあります。
介助をする際にも足に怪我をさせないよう、靴の履き口が大きく足が入れやすい、面ファスナーで簡単に脱ぎ履きができるなど、負荷をかけない着脱しやすいタイプが安心です。
2.歩き出しがラクなつま先が上がっているもの
高齢者は筋力・関節可動の低下により、つま先が上げづらくなっています。
足元への注意力も低下するので、さらにつまずきやすくなります。
つま先側だけでなく、かかとも10ミリ程度上がっているタイプは、着地、蹴り出しともにスムーズになります。
かかと部分がないスリッパタイプは、脱げやすくつまずきやすいので危険です。
毎日履いていると、つま先を上げずにすり足での歩き方が習慣となり、転びやすくなってしまいます。
3.滑り止めが歩き方にあっているか
多くのケアシューズは滑り止め加工が施されています。
高齢になると足元の注意力が低下し、滑りやすい場所でも気づかずに歩いてしまいがちです。
施設内では、ほかの利用者様がこぼした水に気づかずに歩いてしまうこともあるので、靴底にグリップ力のあるものを選ぶほうが安心ですが、グリップ力が強すぎる靴は、すり足の多い高齢者は逆につまずきやすくなるのでぜひ使用者様に合ったものを選ぶようにしましょう。
室内用シューズの中には、すり足で歩く人を想定して柔らかい素材でできた、指の付け根やかかとが特に滑らないように作られているものもあります。
4.蒸れない生地かどうか
高齢になると皮膚が弱くなり、足も肌トラブルになることがあります。
ケアシューズは室内で長時間履くこともあるので、メッシュや綿のように、通気性に優れた素材がおすすめです。
5.軽くて足に負担をかけないもの
ケアシューズは足に負担がかからない軽いものを選ぶことが大切。
下肢の筋力が低下している高齢者には軽量な靴がおすすめです。
重いシューズを無理に履いていると、足に負担がかかり、歩き方も崩れてしまいます。
また、ケアシューズを選ぶときは、見た目だけで決めるのではなく、なるべく試し履きをしましょう。
やはり使用するご本人が履いてみて、立ったり、歩いたりして、歩きやすさをチェックしてから購入することが望ましく、できれば足がむくむ夕方の時間帯を選んでください。
施設などで履く場合は、一年中同じシューズを履くことも多いので、夏と冬だと靴下の厚みが変わることもあります。
締め付け感がないように、厚手の靴下を履いて選ぶとよいでしょう。
まとめ
市販のケアシューズだけでなく、使用されるご本人専用に靴底の高さや素材の変更、ベルト長さ調整したオーダーができるお店もあります。
介護に関係のない方でも履けるような、デザインも見た目はスニーカーのようにスタイリッシュで、しかも軽量で動きやすいので、私も仕事用に一足購入しています。
ぜひぴったりなケアシューズを見つけてください。