長年仕事をしてきた中高年の身からすれば、将来的にAIに奪われてしまう仕事だとか、マンパワーを必要としない仕事が増加するとか、社会人経験をコツコツ重ねてきたベテランと言っても、明日をも知れぬ時代になってきました。
年齢を重ねても新たな資格を手にして、どんどん長くなるであろう定年後に向けて生き抜くチャレンジをしてみませんか?





最近よく耳にする「リスキリング」とは


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具体的に分かりやすく説明するとすれば、例えば、自分が技術者として長年勤めていた馬車メーカーが自動車会社に商売替えすることになったとします。
馬に引かせる車両のことは知り尽くしていても、エンジンの仕組みについてはほぼ素人。
しかしこの会社で生き残っていくには、自動車についての学び直しをしなくてはなりません。


かなり大まかですが、これが最近よく耳にする「リスキリング」です。
訳すと、「将来的な技術革新に備えて新たなスキルを学び直すこと」となります。

再び技術を手に入れることから、Re+スキル+ingで、リスキリングと呼ばれています。




馬車の例えに還ると、馬車が自動車に置き換わったのはだいたい100年前の話ですが、現代はあらゆるものがデジタルに置き換わるDX(デジタルトランスフォーメーション)の時代。

2023年10月、岸田文雄首相が「(DX人材育成などの)リスキリングに5年で1兆円の資金を投じる」と表明したことで、さらに熱い注目を集めるようになりました。




今や「人生100年」とも言われ、老後は長くなるばかり。

中高年の人生の武器となり、リスキリングにも役立つおすすめの資格とは何でしょうか。







人生経験が活かせる資格

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社会保険労務士などは、40代がむしろ若く感じられるほど、50~60代が有資格者のボリュームゾーンを占めています。
その理由として、社労士などが扱うのは主に人に関わる問題になるため、中高年が資格を取得してその仕事に就いたとき、今までの人生経験が生きてくることも多いのです。
反対に20代の大学を出たばかりの人が、『問題社員をどう解雇したらいいか』などという相談に乗るのは難しいと思われるケースも多々あります。


たしかに人生経験なら、中高年というだけで有利な状況です。
ただし新しく物を覚えなくては…となると、悔しいけど悪化の一途をたどっているであろうことも確か。
さて、これで試験、受かるのでしょうか?


中高年になると新しいものを受け入れたがらない人が増えてくるため、能力以前の問題としてモチベーションが上がらず、結果、覚えられない、理解できないと思い込んでしまうケースも少なくありません。




資格を与えるための試験ですから、若い人でも簡単に合格できるとは限りません。
そんなときは、やはり以前から自分が興味を持っていた分野を選んで取り組めば、覚えの悪さをある程度克服することもできるのではないでしょうか。


社会人経験が浅いとテキストをとにかく丸暗記しなくてはいけない若い世代と比べ、中高年は実体験で得た知識の量も格段に多いのです。

例えば社労士試験では、年次有給休暇の知識など、暗記しなくても解ける問題に出合う可能性もあります。


さらに、理解力、洞察力など、過去の経験や学んだことから得た『結晶性』と呼ばれる知能は、加齢による低下が緩やかなので、80歳になっても20代の能力をキープすることがわかっています







取得おすすめ資格4つ

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1.IT関連資格


中高年にお薦めの資格として、リスキリングで多くの人が目指すジャンルといえば、やはりIT分野。


興味のない分野は選ばないほうが効率的だと書きましたが、ITだけは別です。

どんな種類の仕事でも、毎日の生活とも切っても切り離せない存在になっているのがITだからです。

読み・書き・そろばんのようなもので、避けては通れない現代の学びのひとつと考えるのがよいでしょう。




IT系のおすすめ資格の一つはITストラテジスト。
経営者らにIT戦略のアドバイスなどを行う資格で、情報処理技術者試験という国家試験のうちで最もレベルが高い資格として知られています。

ただし、こちらはIT分野にある程度明るく興味のある人が最後の目標とする資格として推奨されるもので、それまでITに関わったことのない人は、入門編とも言えるITパスポートから始めるのが良いのではないでしょうか。
ITパスポートを合格したら、よりレベルを上げた情報セキュリティマネジメントも、トライしがいのある資格です。




生まれた時から身の回りにIT機器のあふれている大学生や高校生なら、ITパスポートは軽々合格することがありますが、情報セキュリティマネジメントは、企業のマネジャーや係長クラスを対象にしたものです。

プログラマーのノウハウなどより、セキュリティーに特化した試験となっていて、どちらもITの仕事に就く予定がなくても、社会人の「読み・書き・そろばん」を装備した証しに持っていれば、何かのときに役に立つ可能性はありそうです。




他にもIT関係では、AIやディープラーニングに関する知識に特化したジェネラリスト検定という民間試験もあります。

近い将来、記者の代わりに記事を書いてくれるようになるかもしれないChatGPTの登場で注目を集めるAIやディープラーニングですが、その仕組みを本腰入れて学ぶためにはぴったりの資格ではないでしょうか。




2.社会保険労務士(社労士)


直接ITに関わる資格ではありませんが、これまでの人生経験を生かせる前出の社会保険労務士や中小企業診断士も難関ではありますが、中高年に合った資格だと言えるでしょう。


社労士は労働問題と社会保険制度の専門家で、企業のパートナーとして「人」の面で企業の発展をサポートする仕事です。
中小企業診断士は、専門知識を生かして、企業と金融機関や行政などをつなぐ手助けをすることもあります。


どんなDX化を進めるにしても、まずはその企業の仕事内容を分析する必要があるため、それを手がける中小企業診断士は、時代がどれほど変化しても必要とされる仕事です。




3.キャリアコンサルタント


社会人経験を生かせる資格としてもう一つ挙げたいのが、キャリアコンサルタントという国家資格です。
企業やハローワークなどでキャリアについての相談に乗る資格で、国も2024年度末までに資格保有者を10万人に増やす計画を打ち出しています。

しかし、受けなくてはいけない講習時間も長いせいか、2023年2月時点では目標の6割程度の資格保有者数に留まっているのが現実。
キャリアコンサルタントは、先々求められる資格かもしれません。




4.ファイナンシャル・プランナー


資産運用などの相談に乗るファイナンシャル・プランニング技能検定も、人生経験を生かしながら、自身の人生設計の見直しなどにも役立つ国家検定でしょう。
100時間前後の勉強で合格できる人もいる3級から挑戦してみるのはいかがでしょうか。




まとめ

新しい資格を取得したからといって、すぐに就業できるとは限りませんし、資格取得によってまったく別の自分に生まれ変わろうとするのには無理があります。
これまでの人生経験を資源として活かせる資格の取得を目指すのがベストと言えるでしょう。
また、時流に乗って資格を選ぶのは大切ですが、流行に振り回されるのは考えものです。AIに特化した専門知識を身につけるよりも、そのベースとなるITの基礎知識を先にしっかり身につける方が得策と言えます。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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