一見健康そうに見えても、じつは病気が潜んでいることもありますし、定期的に受けることで早期発見にもつながります。
今回は、健康診断で発見することができる代表的な猫の3つの病気についてご紹介していきます。
猫の心臓病でとくに多いのは、心臓の筋肉が厚くなり徐々に正常に動かなくなる「肥大型心筋症」です。
初期症状では、外にほとんど出てこないため、ある程度病状が進行した段階でレントゲン検査や超音波検査によって見つかることになります。
症状は5段階に分かれますが、重症度や進行速度には個体差があり、発症する年齢も若い猫から高齢猫までさまざまです。
病気が進行すると、少し動いただけで肩で息をしたり、口や鼻の穴をあけて呼吸をしたりするほか、活発に動きたがらないなどの症状がみられます。
また、胸水や腹水、動脈血栓塞栓症(どうみゃくけっせんそくせんしょう)などが起こり、突然死や下半身麻痺などの危険もはらんでいます。
予防や根本治療が難しいので、かかりつけの病院で定期的に健診を受け、早期発見と病状に合わせた対症療法を行うことが大切です。
2.肝臓病
猫の肝臓病は、細菌やウイルス、寄生虫、毒物などさまざまな原因で肝臓に炎症が起こる病気です。
血液検査で肝機能の状態を調べたり、レントゲン検査や超音波検査で肝臓の大きさや状態を調べます。
肝臓は、一部に炎症が起きてもある程度はその働きを維持することができるため、初期症状がほとんどありません。
そのためいつまでも大きな症状があらわれにくいのですが、炎症が何度も起きたり、進行したりすると修復が不可能になり、治療にも時間がかかるため、定期検査での早期発見がとても大切になります。
病気が進行すると、白目や耳の内側にう黄色い黄疸が出たり、嘔吐や下痢を繰り返す、元気消失や食欲不振などの症状がみられるようになります。
健康な猫も絶食が数日続くと「肝リピドーシス」(脂肪肝)になり、命の危険にかかわる事態になることも。
治療法としては、投薬やサプリメントの投与、食事療法などがあります。
3.がん(悪性腫瘍)
猫のがんは、人間と同じように体内で異常な細胞が増える病気で、さまざまな部位でできる可能性があります。
とくに、乳腺がん、血液やリンパ節のリンパ球ががん化するリンパ腫、血中の肥満細胞ががん化する肥満細胞腫、皮膚の表層にできる扁平上皮がんなどが、猫に多くみらます。
がんが顔や体の表面にできた倍は早期に気づきやすいですが、体内にできたがんは、進行して元気消失や食欲減退、下痢や嘔吐、体重減少などの症状があらわれるまで見過ごしてしまうこともあります。
早期発見のためにも、定期的な健康診断として、身体検査や血液検査、レントゲン検査や超音波検査をしておくと安心です。
がんの治療は、がんの種類や進行度、できた部位などによって異なりますが、がん細胞を切除する手術や抗がん剤の投与、放射線治療があります。
まとめ
ご紹介した病名以外にも、健診で発見できる猫の病気は数多くあります。
健康診断を受けないと気づけない病気や早期に発見して治療しないと手遅れになる場合もあるので、愛猫の健康寿命を延ばすためにも後悔しないように定期的な検査を受けて健康維持に努めましょう。