そんな専門性を持って「あなたにお願いしたい」と頼りにされる存在になるにはどうしたらいいのでしょうか?
作家である有川真由美氏著書『50歳から花開く人、50歳で止まる人』から、求められ続ける人になるための考え方をご紹介します。
50代から成長するには、仲間の存在を大切にしながら人とかかわっていくことが不可欠です。
求められていないところで、孤軍奮闘したところで、そのエネルギーは実を結ぶことが少なく空しい結果になるかもしれません。
いくつになっても社会で活躍している方は、イキイキと見た目も若く、そういった方たちとお会いして話している時間は楽しい限りです。
なぜなら日常的にさまざまな人たちとつながり、人を楽しませる話題や喜ばせる機会が多いからだと思います。
つまり、若い人に知識や知恵を教えたり、反対に刺激をもらったりすることで、自分を成熟させていく機会が自然に与えられているとも言えるのです。
年齢を重ねると、先々の生きがいや経済的なゆとりのためにも、なんらかの役割を求められ続けることが大切です。
個人が求められる人であり続けるは、ひとつの仕事が終わった後に、また声をかけてもらえる人になるということです。
この年代からの仕事の本当の報酬は、金銭だけでなく「次の仕事」だとも言えます。
約束を守る、メールを的確に素早く返すなど、社会人として当たり前のことを丁寧にきっちりとこなすことが大切です。
50歳を越えても成長する人は、誰かから常に求められる状態を作り続けています。
そういった人に備わっているのが、人間力です。
同じ能力を持つのであれば、嫌いな人よりも好きな人、気の合う話しやすい人に仕事を依頼したいと思うのが人情です。
それはフリーランスに限らず、会社員でも同じです。
会社員であれば、定年というひとつの区切りがあるものの、昨今ではいつ肩たたきがあるかわかりませんし、ましてや定年を過ぎての継続雇用になると立場的にも弱くなり、ますます個人の人間力が大切になってきます。
周囲はみな、自分より若い人たちになるので、今まで培った知識を惜しみなく伝えて愛情をもって接することで、相手からも返ってくるのです。
50歳から即戦力として生きている人の特徴は、「なんでもできます」ではなく、「これができます」と、なんらかの専門性を持っている人が多いそうです。
会社で働いている人は先を見据えて、早い段階から「なにかの専門家として声がかかる自分」を意識しておくことをおすすめします。
周囲が認めてくれる強みをさらにスキルアップすることで、努力の方向性も見えてきます。
専門性といっても、仰仰しく考えることはなく、「○○に詳しい」「△△ができる」と一言で表現できれば、「じゃあこんなことできる?」と声がかかりやすいというものです。
引き受けた仕事には迅速に対応し、最後までやりきることで信頼につながります。
一見当り前のようですが、なかなかこれができない人もいるのです。
そして、頼まれた仕事に対して相手の期待を超え続けていれば、大抵は、「またお願いしたい」と声がかかります。
自分が得意なこと、苦手なことを、意外に気づかない人は多いようです。
自分にとっては当たり前に身についていることなので、人よりも優れていることにピンとこないのです。
そんな場合は、近しい人に尋ねてみるのも手です。
苦手なことを克服するより、得意なことを伸ばすほうが楽しく、仕事のスキルアップにつながります。
縁があってついた仕事をしているなかで、必要に迫られて仕事の範囲が広がり、そのアウトプットを繰り返すうちに、自然にインプットすることも増えていきます。
専門性に才能は必要なく、時間をかければ誰でも専門性が上がります。
自分のスキルを伸ばしたい、もっと成長したいと考えた場合、新しく資格を取ったり、スキルを学ぶことから始める人も少なくないでしょう。
しかし、インプットばかりしていても、実践するアウトプットの場がないと、そのスキルは机上のものとなり、実践のためのスキルには直結しないようです。
たとえばプログラミングの仕事できますと言っても、コードを勉強しただけではプロと言えません。
とにかく、最初は仕事ではなくても、無料でまずは実績を作ることで、本当の仕事につながっていきます。
多くの仕事は3年でやっとプロと呼べて、5年続ければベテラン、10年も経てば人に教えられるようになると思います。
5年10年と続けていること自体が、すでに才能だと言ってもいいのではないでしょうか。
まとめ
人生の後半戦に挑むにあたって、自分が何をしたいのか、何ができるのかを具体的に考えながらワクワクした毎日を送れるように生き方をシフトしていきたいものです。
『50歳から花開く人、50歳で止まる人』