「ゴメン寝」とは、猫が前足を揃えて頭を床につけたり、毛布やクッションなどに顔をうずめたりして眠る寝姿のこと。
時々窒息するんじゃないかしら…と心配するほど、顔をうずめていますよね。
うちにいるメス猫も、急に寒くなった今週から、寝る姿勢はほとんど「ごめん寝」ポーズになりました。
でも、オス猫はしないんですよね。
不思議です。
今回は、猫がなぜ「ごめん寝」をするのかについて掘り下げてみようと思います。
一緒に生活していると、時々面白い寝方を見ることがあると思います。
それは季節によって、また、体調によっても変わるようです。
あまりかまってほしがらないツンデレな猫でも寝ている姿で、暑がっているのか、寒がっているのか、緊張しているのか、リラックスしているのかなどを見て取ることができます。
季節によって猫の寝相が変わるのは、主に体温の調節に関係があります。
猫の耳や足先には毛細血管が集まっているので、暑いときには広げて体内の熱を出し、寒いときには収縮して熱を逃さないようにします。
とくに寒くなる冬は、呼吸すると鼻が冷たくなりやすいので、顔を覆って眠ることが増えてきます。
両手で顔や目の辺りを隠しながらうつ伏せに寝ていると、まるで土下座をしているように見えるので「ごめん寝」と呼ばれるようになったようです。
このかわいい寝方は、ごめん寝のほかに、「すまん寝」「ゆるして寝」などとも呼ばれています。
1.光が眩しい
周囲の光がまぶしい時に、目の構造によって光を多く感じる猫は、ごめん寝をして眩しさを避けようとします。
猫は人間に比べ、ごく微量の光であっても、網膜の後ろにタペタムという反射板でより鮮明に光を感知することができます。
その光が視神経を刺激し、暗い場所でもしっかりと物を見ることができます。
猫は動体視力は優れていますが、視力自体はそれほど良くはないのです。
猫が眩しい場所でごめん寝をしていたら、飼い主さんのそばから離れたくないので、眩しくても我慢している可能性があります。
その場合は、部屋の明るさを弱めたり、カーテンを締めるなどして、光の入る量を少なくしてあげましょう。
2.周辺の雑音がうるさい
耳の良い猫は、騒々しさから逃れるためにごめん寝をすることがあります。
猫の聴力は大変優れており、200m先を歩いているネズミの足音を聞きとることができると言われています。
野生時代の名残りから、寝ていても耳がアンテナとして敏感に機能しています。
なので、ごめん寝をして耳を下向きにすることで、騒々しい雑音を減少させていると考えられます。
3.うつ伏せでたまたま寝落ち
身体の柔らかい猫は、リラックスした香箱座りの体勢からごめん寝をすることも多いようです。
くつろいでいる最中に眠気に襲われ、頭を前に倒してごめん寝のポーズになってしまう場合もあります。
子猫時代に母猫の身体の中へ顔を埋めて寝ていた名残りで、毛布やクッションなどの柔らかい物に顔を埋めて寝る姿も「ごめん寝」と言います。
4.病気の可能性?
一見寝ているように見えますが、実は意図的に頭を壁や柱などに押し付ける「ヘッドプレッシング」が見られる場合は、病気の可能性があります。
壁や柱など硬い場所に、猫が頭を押し付けて動かない場合は、脳に何らかのトラブルが発生している可能性を考えましょう。
ヘッドプレッシング以外の症状として、同じ場所をウロウロする、発作が起きている、視覚の障害がある、壁をじっと見つめたまま動かない、鳴き声や鳴く頻度がおかしいなどの様子が見られます。
少しでも変だと感じたら、手遅れにならないように、すぐに病院を受診してください。
まとめ
ごめん寝は大変に可愛らしいポーズですが、その理由は様々なものがあるようです。
ごめん寝姿で気持ち良さそうに眠っていたら、愛猫の愛らしさを堪能するチャンスです。心ゆくまでほのぼの眺めてくださいね。
ただし、病気が関わっているかもと感じたら、すぐにかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。