例えば、「理想の彼女の役を演じる」「理解のある友達の役を演じる」「相手の求めるようにふるまう」など、先回りして相手の機嫌を取ってしまっていることもあるでしょう。
相手の機嫌を損ねずに良好な関係を保つことは、一見自分のためのようにみえますが、自分の気持ちを抑えたり、見ないふりをする分、気付かぬうちにストレスを溜めてしまいます。
最終的にあなたが苦しくなって回りのケアをしなくなった時、ふたりの関係性は突然崩れてしまうかもしれません。
そうならないために、今回は普段から気を使いすぎている人が意識するべき4つのポイントをご紹介します。
自他の境界線とは、自分と他人は別である、という感覚です。
生まれたての赤ちゃんは自他の境界がはっきりしておらず、親と一体化した状態です。
どこまでが自分でどこからが自分ではないのかも曖昧です。
そのため、自分の欲求は親が満たしてくれ、そうなるのは自分の力だという万能感をもっています。 しかし、成長発達していく中で、欲求は必ず満たされるものではなく、自分と親は別であることに気づくようになります。
自他の境界線が曖昧なままだと、気持ちが不安定になったり、対人関係で様々なトラブルが起きやすくなります。
他者からの影響を受けやすくなり、振り回されたり、傷つきやすくなるのです。
そして、自分の考えを他者に押し付けてしまうことや、他人の問題を自分のことのように感じ、なんとかしなきゃと責任を被ってしまいます。
他人がつらいときには、自分も一緒につらさを感じるべきだと思ったり、他者から嫌われることに対して過剰に不安になったりします。
自他の境界線は、曖昧で変化しやすいものです。
この曖昧さは誰にでも起こりえることで、状況や相手によって変化しやすいことを自覚して、以下にご紹介する対処法を意識して参考にしていきましょう。
1.何が心配で自己犠牲的になるのか考える
あなたが自己犠牲をしてまで相手の機嫌を取るのはなぜなのでしょうか。
例えば、相手の気持ちをケアしないことで、嫌われることや見捨てられることが怖いですか。
あなたが相手の感情に巻き込まれたり、自己犠牲してしまったりするときに、あなたの心の奥にある気持ちや想いに注目して、自分が何を心配しているのか考えましょう。
2.中心に自分自身を置く
自分を中心に置き、何をする時でもまずは自分の心の声を聴くようにしましょう。
心が苦しいときは、「機嫌を取るのは苦しい」「自分のことも見てほしい」「本当は〇〇したくない」など、心の声が聞こえてくるはずです。
今、自分がどのような気持ちを感じているのか、すぐに分からなくても、まずは、「わたしは今どんな気持ちだろう」と自分に投げかけてみてください。
地道に続けていると段々と自分の心の声が分かるようになります。
3.あえて機嫌を取ることを意識して選択する
基本的に自分の機嫌は自分で取るものなので、いつどんな時でも、先回りをして相手の気持ちのケアをしたり、相手の機嫌を直すような行動を取る必要はありません。
頼まれたらケアをするくらいでいいのです。
時には、円滑な対人関係を続ける上で、他者の顔色を窺う必要もあるかもしれません。
その時、あなたには、あえて機嫌を取らない選択肢も、あえて機嫌を取る選択肢も、どちらも持っていることを忘れないようにしましょう。
そして、必要に応じて、今回はあえて相手の機嫌を取る選択をしているのだと意識してその行動を選びましょう。
4.「私」を主語にした会話を心がける
他者を主語にするのではなく、「私はこう思う」「私はこう感じる」と自分の感情を伝えみましょう。
他者と違う考えを持つことや、違う気持ちでいることは、普通のことで、悪いことではありません。
自分を主語にして感情を伝えることは、相手を否定することでも、相手との関係を壊すものでもありません。
それで壊れてしまうような関係は、もともと健康的なものではないのです。
まとめ
気づかないままだと無意識に巻き込まれてしまうので、まずは、自他の境界線という考え方があることを知り、意識してみしょう。
そして、「これは自分の問題」「これは相手の問題」ときちんと分けるようにします。
理想は、「相手の問題」の責任をひとりで負わず、なんとかしようとしないことですが、まずは意識してみるところから始めてみてください。