「令和の思春期」について3回にわたってご紹介してきましたが、いよいよ最終回です。
大暴れ・スマホ依存・反抗期がない…、そんなときに親がとるべき対応とは何なのでしょう。
#3では「コミュニケーション回避タイプ」の反抗期についてご紹介しましたが、今回は、諸富祥彦先生著書『反抗期乗り切りマニュアル―「こんな時どうしたらいい?」がわかる』から、反抗タイプのうち「闘争タイプ」と「反抗期がないタイプ」についてご紹介します。
「闘争タイプ」には、ドアをわざとらしく大きな音でバタンと閉めるといった態度から、大暴れするまで度合いがいろいろありますし、「反抗期がほとんどないタイプ」は、親が反抗期がないままで大丈夫なのか?と心配になるのですが、どうすれば良い対処法となるのでしょうか。



自分でどうしたらいいのかわからない「闘争タイプ」





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「難しい年ごろ」と称される思春期は、時として反抗的な態度をとったり、悪ぶったり、周囲もためらうような乱暴な言葉を使って親を戸惑わせます。

前回もご紹介しましたが、思春期の反抗パターンには3つのタイプがあり、それによって注意すべきポイントや対応のコツがあります。

今回は、3つの反抗パターンのうち「闘争タイプ」と「反抗期がないタイプ」のほか、シングル家庭やステップファミリーにおいての思春期の乗り越え方についてご紹介します。






思春期の代表的な反抗タイプ


1. 親が話しかけても返事をしない「コミュニケーション回避タイプ」

2.『うるさい!』『ほっといて!』と反発する「闘争タイプ」

3.『このままで大丈夫?』と親のほうが心配になる「反抗期がほとんどないタイプ」






2.の「闘争タイプ」ですが、闘争といっても度合いがいろいろあって、ドアをバタンと閉めるといった態度から大暴れまでいろいろあります。
ただし、現代は後者の大暴れは少なくなる傾向にあります。




時代による子どもたちの性質の変化なのでしょうか、現代は昭和のような血気盛んな様子はだいぶ少なくなったように思います。
これは今の時代が、ぶつかるよりも回避する方向に何事も動いている表れなのだと感じています。




とはいえ、大なり小なり感情的になった子どもを目の当たりにすると、親としてはどう対応したらいいかわからなくなりますね。
激しい「闘争タイプ」の場合はその存在が少ない分、子どもが悪目立ちしてしまうのではないかと心配にもなります。




「闘争タイプ」の子どもとかかわるコツは、親が『同じ土俵に上がらないこと』と『力で押さえつけないこと』です。




#1でもご紹介しましたが、子どもの強い反発心から、親子間の争いがヒートアップする前に、ぜひ親がその場から物理的に距離をとり、クールダウンをしてください。




また決して、力で押し潰そうとしないことです。

力ずくの経験をしたことがない、あるいはされたことがない現代の子どもに暴力的に処理しようとしても、単に『親にハラスメントをされた』と思われるだけです。
そうなると関係修復が不可能に陥ることもあるほど、非常に時間がかかることになります。




攻撃的な反抗は、子どもにエネルギーがある証拠でもあります。
子どもが持っているパワーが、将来パワフルに生きるベースになることを期待して、親子で上手に思春期を乗り越えていきましょう。








「闘争タイプ」の反抗ケースとその対処法





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現代では少なくなっているという「闘争タイプ」ですが、まったくなくなったわけではありません。




スマホの画面に四六時中かぶりつき、取り上げたら大暴れして親子関係も最悪になったケースです。





ゲームやSNSに夢中で勉強をしなかったり、注意しても親の話に耳を傾けなくなったB君。
また、深夜まで画面にかじりついているので、朝は時間どおりに起きられず、生活にも問題が出ています。
スマホに振り回されているので、思い切って取り上げたら大暴れする始末。
それを恨んでいるのか、今も親子関係は最悪です。






スマホの問題は、令和時代の思春期の特徴です。
まず、親がスマホを取り上げるのは暴力に値することと覚えておきましょう。




親は子どものために正しいことをしていると考えても、同意がないところでの没収はNGです。
親子関係がこじれる原因になるので、他の解決策を見出すべきです。




もしこれをお読みの親御さんでこれから子どもにスマホを買い与えるなら、ぜひとも買う前に親子で使用ルールを決めることをおすすめします。
「夜10時以降は自室に持ち込まない」「スクリーンタイム機能で使用時間や使用制限をかける」といった具合です。




すでに買い与えていて、子どもがやや依存状態になっている場合も、今から子どもと使用ルールを決めましょう。




ここで大切なことは、子どもが決めたことを理解し、納得(親子で契約)してからルールを実施することです。




親が自分のコントロール下に一方的におこうとすればするほど、子どもはそれを拒否します。
反発心を強めることになりかねませんから、思春期に入ったら、親のいうことを無理にいい聞かせる(守らせる)方法は避けてください。




ルールを設けても子どもが守らないという場合の最終手段としては、Wi‐Fi自体を見直して、利用制限をかけるなどの方法も考えてみましょう。

ネットに接続できる時間帯を決めて家族で制限に取り組めば、メリハリのある生活が送れるはずです。




また、スマホに関しては親のほうも注意が必要です。

アメリカの調査になりますが、「会話中に親がスマホに気を取られていると感じる(25%)」「ときどき、親は自分よりもスマホを大切にしていると感じる(20%)」と答えた子どもがいたという報告があります。




スマホの問題は子どもだけと考えず、まずは親も使う頻度や使っている状況を見直すことが大切です。







反抗期を全然感じないウチの子、大丈夫?





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思春期の3つの反抗タイプの最後は、「反抗期がほとんどないタイプ」です。




令和はこのタイプの子どもが多くなっていて、これも時代を反映しているのかもしれません。
というのも、子どもたちはジェンダー教育により男だから反抗するものだという偏ったイメージを持たなかったり、親に立ち向かうのをカッコ悪いと考える子が増えたているからです。
また、親のほうも厳しくしつけるよりも、友だち親子のほうが心地よいと感じる方が増えているようです。




反抗期がほとんどないことを心の成長の面で心配される親御さんもいますが、まったく問題はありません。
そのままの親子関係で、よりよい絆を築いていってください。




ただし、反抗期がない『いい子』の方向性として、親からの支配的な子育ての結果の場合は、話が違います。
子どもの普段の様子を振り返って、親の顔色ばかりを伺っているようなら、実はやんわりと支配的子育てをしている可能性があります。




自分の感情を出せない子どもは、大人になってから大きな反動がやってきます。
もし、子どもが親の機嫌ばかりを気にしているなら、『○○君(ちゃん)はどう思う? どうしたい?』と我が子の意志や感情を引き出してあげるようにしてください。




「反抗期がほとんどないタイプ」は親としては子育てがラクですが、子どもとの普段の生活のなかで、自分を表現する力が弱いと感じるときに、「○○しなさい」「違うでしょ」といった命令口調や頭ごなしの否定をしていないかを振り返ってみましょう。







シングル家庭やステップファミリーでの思春期の乗り越え方





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現代は家族の形が多様化しています。
シングル家庭だけでなく、親が新しいパートナーと家庭を築くステップファミリーも増えています。




ひとり親で子育てを一手に担ったり、新しく家族となって血縁関係がなかったりする場合は、子どもの思春期をどう乗り越えていけばいいのでしょうか。




シングル家庭の場合、現在は、女性のひとり親が多いのですが、父親がいない分、お父さんの代わりに子どもに厳しく接しなきゃと思っている人が多いようです。
しかしそれは、子どもにとっては心理的には母親不在の状態になります。




厳しくしすぎると子どものつらさを受け入れてくれる人がいなくなってしまうので、母親が父親の代わりを務める必要はないのです。


シングルだというコンプレックスを抱くよりも、母子でいることの楽しさを優先した生活を送りましょう。




ステップファミリーの場合は、特に小学校6年生~高校1年生ごろまでは、家庭環境に大きな変化は避けたほうが無難です。
もし思春期に新しい家族を築くのなら、友だち親子を目指しましょう。




また、いずれの場合も子どもが反抗的な態度を見せたら、これまでに紹介した反抗タイプに合った対応をしてみてください。




シングル家庭でも、ステップファミリーでも、楽しい雰囲気の家庭を築くことが思春期を乗り越えるカギになります。




親が家庭環境の複雑さに負い目を感じずに楽しそうに過ごしていると、子どもは「幸せそうな人が自分の子育てをしてくれている」と感じて、自分の境遇に安心感を得るはずです。








まとめ

令和時代は思春期や反抗期自体ほとんどない子どもも増えてきていますが、親とのコミュニケーションを面倒くさがったり、ドアをバタンと閉めたりするなどの反抗的行動に出る子はまだまだ多く見られます。
子どもが思春期に突入した場合、手や口を出したくなるような場面であっても、大人へのステップだと捉えて一歩引いた姿勢を心がけましょう。
成長段階では、傷つくことも失敗することも、恥をかくことも、どれも大切な経験です。
それをひとつひとつクリアすることで、困難に打たれ強く、きちんと悩んでしっかり自己解決できる大人になれるのだからと、おおらかな気持ちで見守ってあげてください。

『反抗期乗り切りマニュアル―「こんな時どうしたらいい?」がわかる』

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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