「尊重力」とは、人に敬意をもって接し、忠実に行動する力のことです。
このタイプの人は、どんな相手にでもペースを合わせられるため、
・「協調性」がある
・物事を「慎重」に進める
・忍耐強く「信念」がある
・「誠実」で素直
といった特徴がいい形であらわれています。
さらに、
・相手の話をよく聞いた上で、自分の意見をしっかり伝えられる
・趣旨をきちんと説明できる
・自信をもって物事をやり遂げていく
・一緒にいるとホッとする
という「いい循環」を巻き起こす、魅力的な存在でもあります。
礼儀正しい人、可愛がられやすい人はみな、「尊重力」を上手に活かしていると考えて間違いないです。
一方で、この特徴が裏目に出てしまうと、リーダーやほかのメンバーを補佐する役割りばかりを担ってしまい、自分自身が評価されにくくなります。
もしも、あなたが
・存在感を出せない
・自信がなさげで頼りない
といったことに心当たりがあるのなら、「尊重力」を活かして、より魅力的で活躍できるように気持ちを切り替えることが大切です。
では、具体的な例をあげながら、見ていきましょう。
あなたは、
・もめ事は避けたい
・ホンネを言うのが苦手
・誰かの意見や考え方に合わせがち
・無難で当たりさわりのないことを言ってしまう
こんなことで悩んでいませんか?
世間には、なるべく角が立たないようにと、何かと中立的な立場をとる人がいます。
フェアでいることは一見よいように思えますが、どっちつかずの対応をとり続けていると、
・相手の印象に残りにくい
・よそよそしい関係から発展しにくい
・納得のいかない結論に決まってしまうことがある
といった、悪い事態につながってしまうかもしれません。
それは、変身ポイントである「尊重力」がマイナスにあらわれているからです。
「尊重力」とは、人に敬意をもって接し、忠実に行動する力のこと。
尊重力が高い人は、どんな立場の相手にでも敬意を表し、礼を尽くすことができます。
また、相手のいいところを素早く見つけ、素直に評価できるのも、尊重力が高い人の特徴です。
ここでの悩みのように、「当たりさわりのない態度をとることが多い」といった「尊重力」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーにできるのです。
「尊重力」がマイナスにあらわれる場合
相手を過度に尊重するあまり、「気にさわらないように」「なるべく問題を引き起こさないように」と、何事にも慎重になり過ぎる傾向があるため、角が立たないぶん、曖昧でどっちつかずな答え方になってしまうのです。
ただ、これは一概に悪いこととはいい切れません。
このような人は、思考が柔軟で、大きな変化にもすぐに適応できるのが特徴です。
たとえば、チームの体制や組織の方向性がガラッと変わっても、動じることなく適応できるのは、このような人ならではの魅力のひとつでもあります。
反面、人間関係の局面では、相手に「物足りない」「腹を割って話せない」とマイナスに受け取られてしまうこともあるようです。
「尊重力」がプラスにあらわれる場合
ではどうすれば、尊重力をプラスの出方にすることができるのでしょうか。
マイナスからプラスへの変身のコツは「自分の考えをハッキリさせる」ことです。
ただし、そこで敵をつくらないコツとして、自分は賛成なのか反対なのか、白なのか黒なのかということを明言する前に、
「感覚的にしかわからないんですが……」
「私の考えでは……」
とひと言、前置きを入れるのです。
また、複数の中から選ぶような局面では、「Aさんの話が心に響きました」などと含みをもたせて言ってもいいでしょう。
自分自身の「常にフェアである」ことの魅力を活かせば、難しいジャッジも簡単に下すことができるようになります。
あなたは、こんなことで悩んでいませんか?
・強気な発言をする人がいると、自分の言いたいことが言えなくなってしまう
・強く主張されると、うまく言い返すことができない
・納得のできない結論に従うことが多い
周囲にワンマンタイプの人がいるときに、強気でこられると無条件に従ってしまうというのは、やってしまいがちな対応です。
しかし、そのままにしていると、
・我慢ばかりでストレスが溜まる
・自分の気持ちを押し殺すクセがつく
・自分の意見を言うのが、どんどん苦手になってくる
といった、悪い事態につながってしまうかもしれません。
なぜそんなことが起きるのでしょうか。
それは、変身ポイントである「協調性」がマイナスにあらわれているからです。
「協調性」とは、たとえ性格や意見が異なっても、互いに譲り合うことで調和をはかろうとする力のことです。
「協調性」に富んだ人は、互いの利害が対立するような場面でも、それぞれの立場を尊重しつつ、協力して物事を進めることができます。
ここでの悩みのように、「言い返したくても言い返せない」「強気でこられると従ってしまう」といった「協調性」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーにできるのです。
「協調性」がマイナスにあらわれる場合
なぜ「言い返したくても言い返せない」「強気でこられると従ってしまう」のでしょうか。
協調性に富んだ人は弱気で、相手の強気な態度に怖じ気づいている、というわけではありません。
むしろ、人一倍冷静でなるべく物事を荒立てたくない、人間関係に波風を立てたくないという気持ちから、相手に強く主張されれば、じっと我慢して相手に合わせてしまうのです。
せっかく、事前に「こういったことを話そう」といったプランや話す準備をしているのに、結局言えずじまいになってしまうのは、非常にもったいない話ですね。
「協調性」がプラスにあらわれる場合
どうすれば、協調性をプラスの出方にすることができるのでしょうか。
本当の協調性とは、自分を押し殺すことではなく、相手が受け入れやすい表現で、タイミングよく自分の意見を言うことです。
絶好のタイミングは、相手が言いたいことを全部言い終えたあとです。
自分の意見をなるべく短くまとめて、次のように言ってみましょう。
「若干、別の考え方をしているかもしれませんが、少しお話ししてもいいですか?」
「それでは3分だけお時間をいただいて、私の意見を述べてもいいですか?」
もっとも、あまりハッキリと伝えられず、初めのうちは反撃にあって言い負かされるかもしれません。
ただし、そのようにして必ず自分の考えを伝える習慣があれば、やがては芯のある人として、発言力が増してくるはずです。
まとめ
場の空気の角を立てることなく、相手のいいところを素早く見つけて評価し、協調性をもって、自己主張のタイミングをはかることが大切なようです。
自己主張の前に、一言「あくまで、私的な意見ではありますが…」などと前置きを入れることも忘れないようにしましょう。
『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』