しかし、親の無意識の態度が、子どもの「話そう」という気持ちを遠ざけていることもあるかもしれません。
子どもの本音ときちんと向き合える、対話の心がまえをとともに、子どもが話したくなくなる親がついやってしまう7つのクセもご紹介します。
小さいころは「聞いて聞いて!」と話してくれたけれど、だんだん親に「話しにくいこと」も出てくる子どもたち。
悩みや困りごとを自分で考えて解決したり、友達や先生など親以外の大人に相談できるようになったりするのも成長のひとつですが、「ママやパパに相談してもどうせだめだから」なんて思われてしまうのが、いちばんさびしいのではないでしょうか。
「子どもは『聞いてくれる』という土台があれば、どんどん話してくれます。
大人だって話してもわかってくれなかったり否定されてばかりでは、その人に話すのは嫌になるものです。
こんなふうに、自分の意見は置いて、子どもの話を『ただ聞く』ことができていないケースは、実はけっこう多いのです。
子どもは聞いてもらえないことをわかると、親に話すことをあきらめてしまいます。
すると益々話してくれないから、親は子どもが何を考えているのかわからなくなります。
親の聞き方しだいで、親子の会話は大きく変わります。
まず、日ごろの対話から「聞き方」を見直してみませんか?
大人の聞き方でよく見られる「クセ」をご紹介します。 子どもに対してだけでなく、友達や仕事仲間にも無意識にこんな態度をとっているかもしれませんね。
1.とにかく否定「却下系」
「僕、足が遅いんだ」と聞いて「そんなこと言わない!」と相手の悔しさを瞬時に却下。
「『でもさ、練習すれば大丈夫!』なども同様です。
励ますつもりが、ポジティブの押しつけになってしまうこともあります。
まずは、子どもの痛みを素直に受け止めてあげてください。
2.この子はこういう子「決めつけ」
「この子は内気だから、大人数は向いてない」という具合に、自分の思いこみが正しいことを前提に話を聞いてしまうパターンです。
「人は『確証バイアス』といって、自分の決めつけをもとに、聞きたいことだけを無意識に仕分け反対する情報を無視する傾向があります。
思いこみを取り払って、会話に入れ込まないことを意識しましょう。
3.頼んでないのに「勝手にアドバイザー」
「こうしてみたら?」「パパならこうやるな」と、ついつい助言をプラスしがちではありませんか。
「子どもの気持ちより『自分の言うことを聞いたほうがいいよ』という大人の気持ちが優先してしまうパターンです。
似たタイプで、子どもの話をつい勉強につなげてしまう『教えたがり』タイプも子どもにとっては話したくなくなる対象になるかもしれません。
4.過剰な反応がつらい「おおげさ系」
小さなことでも「すごい!」「天才!」など、いちいちオーバーなリアクションは逆にプレッシャーになります。
同じように、先生の文句を話したら、ママが先生に対して怒りだしちゃった……なんてこともあるので、子どもはうっかり親にグチも言えなくなるのです。
5.聞いてるようで聞いてない「おざなり」
話しながら、相手に対して「あ、右から左に流しているな……」と感じたことはありませんか?
たとえば、なにか作業をしながら「へえ~」と心のこもらない相づちを打たれているのは誰でもかんたんにわかりますよね。
子どもの話に、誠実に耳を傾けたいものです。
6.いつの間にかすり替える「ハイジャック」
「パパもそういうことがあったよ」といった経験談は、話の例えとしてとてもわかりやすいです。
しかし、子どもの話を乗っ取って『私の場合』がメインにならないように気をつけましょう。
大切なのは、子ども自身の『聞いてもらいたい』気持ちを満たすことなのです。
7.話さなきゃよかった「お説教」
「今日、体育の帽子を忘れちゃった」「だから確認しなさいって言ったじゃない!」。
ほんのひとことでお説教がスタート。
これでは、どうせ怒られるから、話すのやめよう、と思ってしまう気持ち、わかりますよね。
まとめ
話し方や聞き方は、それぞれ個性やクセがあるものです。
つい無意識にやってしまっている態度が、相手の心証を悪くしている可能性もあるので、ご紹介したNGを意識しながら会話を重ねていくと、思わぬ自分のクセを発見できるかもしれませんよ。