「次々と予定が入ってくるので、大切なことに手が回らない」という人がいます。
実はこれ、忙しいからではありません。
予定に対する考え方が、ただ受け身なだけなのです。
あなたらしい人生を送る上で、他の都合に振り回され大切な予定が先延ばしになり「時間敗者」になることは、是非とも避けなくてはなりません。
そうならないための対策は、ただひとつ。
予定は先手必勝、先に押さえてしまおうと自分を戒めるのです。
時間管理のテーマでは、常に出てくる考え方です。
上記のマトリクスにあるように、タスクを「重要度」と「緊急度」で整理し、何があっても「第2領域」を先に固めておきましょう。
他者の都合に振りまわされやすい、いわゆる時間敗者の人を判別するのは、3週間の予定を見るだけで先手必勝になっていないとわかります。
3週間先の予定が、真っ白だと「時間敗者」であることは間違いありません。
それは、自己投資の予定が入っていない証明にもなります。
そうならないために、まず、やっておきたい自己投資のタスクを書き出して、予定に組み込んでしまいます。
しかし、あまりにも自分の都合でやりすぎると、ほかの人に迷惑がかかるのではないかと思われた方もいるでしょう。
厳しいようですが、そんなことを言う人こそが、時間に振り回される「時間敗者」になる人の典型なのです。
調整力が足りない、言い訳にしかなりません。
実際、自分にとって大切なことを確実に実行する「時間強者」は逆です。
まず、自分にとって大切なタスクを先に押さえ、その上で急ぎの仕事依頼が入れば、問題が起きないように調整をするだけのことです。
「それが難しいんじゃないか!」と感じる気持ちを理解することはできます。
「時間強者」になるために大切なタスクを先に押さえることに切り替えても、最初は発生した緊急の仕事に振り回されることもあるかもしれません。
しかし、まずは「3週間後の予定を埋める」ことを最優先にしてみましょう。
生活が一変して習い事に通えるようになり、友人と会う時間も増えるはずです。
もし、今、あなたが時間に振り回されているなら、ぜひ「自分から予定を決める」ことを習慣することをおすすめします。
やることが多くて、もっと効率よくできたらいいのにと、仕事がイヤになる瞬間はないですか。
それは、あなたの「仕事」が多いからでは、ありません。
あなたが忙しいと感じるのは「時間」があるからで、それを「パーキンソンの法則」と言います。
英国の歴史・政治学者のパーキンソンが提唱した
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて使い切るまで膨張する」
という法則です。
たとえば、効率化を図れば3時間で終えられる仕事でも、人は許容される時間を埋め尽くすために仕事をするので、余計な作業をを作ってでもがんばってしまうのです。
時間弱者にならないためにやるべきこと、それは、「仕事を終える時間」をきっちり決めることです。
ただ、人はそれほど頑強にはできていないので、なかなか徹底はできないかも、と危惧されるのは当然のことです。
なので、「仕事を終える時間」を決めるために「その後の予定」も決めてしまうのです。
まずは「残業できる時間」を潰してしまいましょう。
たいした用事でなくてもOK。
会社の帰路に図書館に立ち寄ったり、ちょっとがんばって、興味のある習い事を始めるのもいいでしょう。
それでも、仕事を終える時間を決めると、途中で仕事を投げ出すことになってしまうのではないか、と心配されるかもしれませんが、そんな心配は一切不要です。
まずはやってみて、自分でも不思議なくらい生産性が上がることを実感してみましょう。
人は締め切りを決めると、それに合わせて仕事を効果的に処理しようと考える効果(締め切り効果)が働きます。
たとえば調べ物を検索する場合、5分で調べなければならないとしたら、ダラダラと検索はしないでしょう。
キーワードを絞って、「この情報だけでOK」と決めたり、さらに優良な結果を得たい場合には「人に聞こう」と切り替えたり、スパッと終える方法を考えるはずです。
時間の縛りがあると、書類作成にも時間をかけないようになりますし、メールのやり取りの回数もできるだけ少なく済ませようとしたり、さらに、緊急で仕事の依頼が来た際には、そのまま安請け合いするのではなく、納期の相談を擦り合わせることも習慣になるでしょう。
まずは、仕事を終える時間を決めること。
そして、残務を早々に終えて自己投資の時間を確保するのが「時間強者」になる鉄則です。
まとめ
しかしそれではいつまでたっても自分自身のための時間を確保することはできません。
思い切って「残業はゼロ」と割り切り、仕事は定時でスパッと終えることを自分に課してみてください。
そうすることで、今まで残業していた時間を人間としての成長するための自己投資の時間にあてられる「時間強者」への道が開けるのです。
むしろ生産性が上がることにあなた自身が驚くことになるかもしれませんよ。
『すぐに結果を出す新入社員は、「これ」だけやっている』