無理な頼まれ事をもちかけられた場合など、断りたい時に嫌な印象を与えることなくNOと伝えるにはどうすればいいのでしょうか。
今回は、安田正氏著書 『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』 から、知っておくと得する相手に悪い印象を与えることなくNO!と言えるフレーズをご紹介します。
「共感力」とは、相手の心に寄り添って考え、行動する力のことです。
この力が豊かな方は、何事も気持ちよく進められるよう細やかな配慮ができるため、次のような特徴があります。
「空気を読む力」に長けている
対応が懇切「丁寧」
「人当たり」がよく、すぐに打ち解ける
穏やかで、「マイペース」
何事にも前向きに取り組む「モチベーション」がある
こういう特徴がいい形であらわれていると、
新しい環境にもすんなりと受け入れられる
効果的な言葉をサラリとかけられる
面白いほど会話が弾む
相手とペースが合う
目標・ノルマを次々と達成していける
という「いい循環」を巻き起こす、魅力的な存在になります。
優しくて思いやりが深い人、細かい気くばりができるタイプの人たちはみな、「共感力」を上手に活かしているのです。
一方で、この特徴が裏目に出てしまうと、相手を思ってやっていることが、かえって自分の首を絞めることにつながりかねません。
寛容で察する力に長けている → 自分の意見が言えない……
相手を優先 → 自分は後回し……
こういったことに心当たりはありませんか。
「共感力」をプラスに活かして、より魅力的で活躍できるようになるにはどうすればいいのでしょうか。
具体的な例をあげながら、見ていきましょう。
「○○さんはどう思う?」と聞かれると頭が真っ白になる
人から意見を求められるのが苦手
みんながいろいろ相談してくる
こんなことで悩んでいませんか?
「自分の意見」をもつことが苦手
「○○さんはどう思う?」と聞かれて、頭が真っ白になる
「もっと具体的に言ってよ」と言われたことがある
唐突にコメントを求められても月並みなことしか言えない、とか、そもそも、自分のしっかりとした意見がない、という方も珍しくありません。
しかしその態度をそのままにしていると、
他人の意見に流されやすくなる
言われたことだけをやる「指示待ち」になってしまう
「消極的」「主体性に欠ける」と思われる……
といった、悪い事態につながってしまうかもしれません。
それは、変身ポイントである「共感力」がマイナスにあらわれているからです。
「共感」とは、人との情緒的なつながりを重視し、何事も相手の気持ちに寄り添って考えることです。
「共感力」の高い人は、相手の身に起きたことでも、まるで自分のことのように喜んだり、悲しんだりすることができます。
ここでの悩みのように、「自分の意見をもつのが苦手」「他人に流されやすい」といった「共感力」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーに変えることができるのです。
「共感力」がマイナスにあらわれると、なぜ「自分の意見をもつのが苦手」になってしまうのでしょうか。
それは、どのようなときも、「自分自身はどう思うのか」を深く掘り下げないまま相手の考え方にウンウンと納得してしまうクセがついているからかもしれません。
たとえば、誰かから悩み事の相談を受けたとき、共感力が高い人は、「大変だったでしょう」「よく頑張ったね」などと、温かい言葉をとっさにかけることができるので、相手に喜んでもらうことはできます。
ただ、その一方で、何かアドバイスを求められて困った経験はありませんか。
「自分はどう思うか」がハッキリしていなければ、具体的なアイデアを出すのも難しいというもの。
とりわけ、ビジネスの局面では、自分なりの意見や提案がなければ、なかなか評価には結びつきにくいものです。
ではどうすれば、共感力をプラスの出方にすることができるのでしょうか。
マイナスからプラスへの変身のコツは「意見を言う練習をする」ことです。
共感を示したあとに必ず、「~してみたら?」「~しましょうか?」と、提案で締める形にするのです。
最初は簡単な提案で構いません。
「連日、残業続きでまいったよ」「昨晩は子どもが急に熱を出しちゃって……」という人がいれば、「疲れているでしょう。お茶でも買ってきましょうか?」とさりげなく言ってみるのです。
慣れてきたら、知人から相談をもちかけられたり、会社の会議などで発言の機会が与えられたりしたときも、一歩踏み込んで「それだと、こう考えるといいかもね」「仮にこうしてみてはどうでしょうか」と提案してみましょう。
提案せざるを得ない状況に身を置けば、「自分なりの意見」を出す力も自然と身についてくるものです。
わからないことがあっても、人に聞くことが苦手
できそうもない頼まれ事を、安請け合いしてしまう
上司に「わかった?」と聞かれたら、反射的に「大丈夫です」と答えてしまう
上記のように相手に悪く思われたくないという思いからか、なんとかその場だけを取り繕ってしまい、あとで大変な目にあうことはありませんか。
そのままにしていると、
ついつい自分を後回しにしてしまう
やらなければならないことが山積みになる
結局自分の手に負えず、相手に迷惑をかけてしまう……
といった、悪い事態につながってしまうかもしれません。
それは、変身ポイントである「空気を読む力」がマイナスにあらわれているからです。
「空気を読む力」とは、その場の状況から、自分に期待されていることを推し量ったり、相手の仕草や言葉から、相手の心の中を感じ取る力のことです。
ここでの悩みのように、「自分を後回しにしてしまう」「つい引き受けてしまう」といった「空気を読む力」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーにできるのです。
では、「空気を読む力」がマイナスにあらわれると、なぜ自分を後回しにしてしまったり、つい引き受けてしまう、のでしょうか。
このような人は、「空気を読む力」に長けており、自分のことよりも、その場の空気を乱さないことを優先する傾向にあります。
通常であれば、何かについて「わかった?」と確認された場合は、返事をする前に自分がどれだけ理解できているかを確かめるはずです。
「これ、お願いできる?」と聞かれたら、自分にそれを果たすだけの能力や余裕があるかを、まず確認するでしょう。
しかし、冒頭のような悩みを抱えがちな人は、その場の「空気を読む」ことを優先して、つい相手の期待に沿った返事をしてしまいます。
結果として、引っ込みがつかなくなり、自分で自分の首を絞めることになってしまうのです。
ではどうすれば、空気を読む力をプラスの出方にすることができるのでしょう。
マイナスからプラスへの変身のコツは「その場で質問をする」ことです。
「ノー」とストレートに断りづらいのなら、「イエス」と返事しても構いません。
ただ、そのあとに必ず「質問」をするようにするのです。
たとえば「これ、わかった?」と聞かれた場合は、「はい、大体はわかりました。ただ、○○について、もう少しくわしく教えていただけませんか」という具合です。
また、無理な頼み事をもちかけられた場合も、「はい、わかりました。ただ、今やっている仕事が片づいてからでもよろしいですか?」と聞いてみましょう。
これだと「断った感」がないので、相手も悪い気はしません。
むしろ普通に「はい」と答えるよりも、積極的な印象さえあります。
空気を読みつつ、自分も大切にすることができる言い方を、ぜひ試してみてください。
まとめ
空気を読みつつ、その力をプラスに働かせて、一度イエスを言ってから質問するといい」という、受け入れてから自分の意見を言う、相手を傷つけずに自分も大切にすることができる言い方を試してみましょう。
『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』