「ママ、お茶!」「パパ、ブロック!」「先生、おやつ!」
子どもがこんなふうに言ってくること、よくありますよね。
こんなときよくある受け答えが、
「ママはお茶じゃありません」
「ブロックが何なの? 最後まで言わないとわかんないよ」
といった答え方。
大人は、「自分で気づいて言い直してほしい」と思って、ある種突き放すような言い方をするんですが、これ、子どもは混乱してしまうんです。
なぜ子どもがひと言で済ませようとするのか、大きく分けると2つ理由があると言われています。
まず1つ目が、大人の言葉の影響です。
たとえば「ハイ起きて」「片づけて」など、無意識にひと言で伝えることってよくありますよね。
2つ目は、大人の察しがよすぎることです。
子どもが大きくなっても、たとえば「えーと」と何かを探していたら「あーこのおもちゃね。はい」と手渡したり、鼻水をたらした子が「ママ」と言ってそばに来たら「はいはい、おはな出てるね」とティッシュでふいたりと、先回りしてやってしまうことがありませんか。
その経験を積み重ねていくと、子どもの中で「あ、最後まで言わなくても伝わるんだ」という意識ができるわけですね。
ではどうすればいいかというと、答えはとっても簡単で、まず1つ目としては大人がひと言でのコミュニケーションを極力避けることです。
たとえば朝起こすときは「朝ごはんだから起きて」、お片づけも「これからお出かけするから、お片づけしてね」と、理由を前に言うことでできます。
そして2つ目の非常に重要なこととしては、大人が察しの悪い人間を演出&演技するのがとても効果的だということです。
「ママ、お茶」「うん、お茶っておいしいよねぇ」
「パパ、ブロック」「うん、パパもブロック好きだな」
といった具合です。
子どもが「あっ、ちゃんと言わなくちゃ、わからないんだな」と自分で気がつくことによって、言葉で伝えようとする姿につながっていくと思います。
わざわざ怖い顔をしながら、「ママはお茶じゃないよ」「最後まで言わないとわかんないよ」といった言い方や注意をしなくても、大人が察しの悪いふりをするほうが何倍も効果的ですので、ぜひやってみてください。
まとめ
大人が子どもの言葉に対して、あえて何が言いたいのか、察しの悪いふりをして気づかせるのがとても効果的なようです。
『子どもが伸びるスゴ技大全 カリスマ保育士てぃ先生の子育て○×図鑑』