私の愛猫も、お互いの身体の毛づくろいし合って仲良くじゃれ合っていたかと思えば、突然「フーッ!」「シャーッ!」と威嚇し始めて、猫パンチを繰り出していることもあります。
一体じゃれ合いと喧嘩の違いは、どこにあるのでしょうね。
今回は、猫同士がじゃれ合いをする理由や喧嘩との違い、安全な対処方法についてご紹介します。
まずは、猫同士がじゃれ合いをする理由についてですが、普段はマイペースな猫でも、さまざまな理由からじゃれ合いを行うことがあります。
1.社会化を学ぶ
子猫同士がじゃれ合いをするのは、社会化を学んでいると思われます。
大人になってからトラブルに発展しないように、猫同士でどれくらいの力で噛めば痛いのかなどを、じゃれ合いながら学んでいるのです。
また、動く相手にじゃれつくのは、狩りの練習も兼ねているといわれています。
2.お互いの関係性を確認
猫同士がじゃれ合いをするのは、お互いの関係性を確認しているという理由もあります。
外で暮らしている野良猫であれば、ほかの猫との縄張り争いなどがありますが、完全室内飼いで暮らしている猫たちには明確な縄張り意識というものはありません。
しかし、多頭飼いの猫は縄張りを共有しているという意識はあるため、家の中で誰が強いのかを確認するために、じゃれ合って力比べをしていると思われます。
また、猫は日頃からキャットタワーの上にいるほうが強いなど、生活をしている中でお互いの関係性の優劣をつけており、そうした小さなことが本格的な喧嘩の予防をしているといえます。
3.遊んでいる
猫同士のじゃれ合いは、人間の子どものように遊びの一環でもあります。
遊びとしてじゃれ合うのは、親子や兄弟などの場合が多いですが、仲の良い猫同士であれば、兄弟でなくてもじゃれ合うことがあるでしょう。
猫同士は遊んでいるつもりでじゃれ合っていても飼い主から見れば取っ組み合いの喧嘩をしているように見えることもあります。
遊んでいるのを止めるのはストレスになる可能性もあるため、じゃれ合いか喧嘩かを見極める必要があります。
では、猫同士のじゃれ合いと喧嘩はどう違うのでしょうか。
飼い主さんは、この違いをきちんと理解しておく必要があると思われます。
特に新しく猫を迎え入れた場合には、注意が必要です。
1.喧嘩前に唸り声を出している
猫は喧嘩をする前には、「ウー」といった聞きなれない唸り声を出します。
また、口を大きく開けて「シャー」というような声を出したときは、相手に対して威嚇をしており、「これ以上近づくと危険だぞ」と相手に合図を出しています。
じゃれ合いのときでも唸り声のような声を出すことはありますが、それは猫が少し興奮しているからなので、聞いたことのないような高い声や低い声でない限りは、気にする必要はありません。
2.毛を逆立てている
猫は、喧嘩をするときには毛を逆立てて威嚇をします。
これは、自分の身体を大きく見せるためにする仕草ですが、毛を逆立てながら背中を丸くしていたら、猫同士の喧嘩が始まる秒読みといえるでしょう。
3.顔に攻撃をしている
猫同士が本気で喧嘩をしているときは、相手に致命傷を負わせようとします。
そのため、爪を立てて目や耳、口などを攻撃しているときは喧嘩をしているといえそうです。
当然ながら、多頭飼いの場合にこのような本気の喧嘩が起こったら、早めに対処しなければ愛猫が怪我をする可能性があるので注意が必要です。
4.本気噛みをしている
猫同士がじゃれ合っているときにも、相手のことを噛むことはあります。
しかし、じゃれ合いのときは甘噛みをしているだけなので、痛みは感じていないでしょう。
猫が本気噛みをしているときは、噛まれた猫が悲鳴や唸り声を出します。
猫同士がじゃれ合っているかどうかわからないときは、噛まれた猫の声も注目しましょう。
猫同士の喧嘩に飼い主さんが安全に対処するにはどうすればよいのでしょうか。
無理やりに喧嘩を止めるのではなく、正しい対処で猫に引っかかれるなどの怪我を予防しましょう。
1.じゃれ合いと喧嘩を見極める
まずは、猫同士がじゃれ合っているのか喧嘩をしているのかを、見極める必要があります。
先述したように、猫同士がじゃれ合っているだけのときに止めてしまうと、猫のストレスの原因となる可能性があります。
そのため、猫の毛が逆立っていないか、顔に攻撃をしていないかなどの見極めが大切です。
2.猫の逃げ場所を作る
猫同士のじゃれ合いや喧嘩は、必ずどちらか一方の猫の逃げ場所を作ってあげましょう。
一方の猫がじゃれ合いに疲れてしまうこともあります。
そんなときに逃げ場所がなければ、本格的な喧嘩に発展してしまうでしょう。
キャットタワーや猫用ベッドなど、猫がとっさに逃げ込める場所があれば、大事になることはないはずです。
3.定期的に爪切りをする
猫同士が喧嘩をしたときに猫が怪我をしてしまわないように、定期的に爪切りをすることが大切です。
爪切りをしておけば、万が一の事故も予防することができます。
また、爪切りをすることで感染症対策にも繋がるでしょう。
4.喧嘩に発展する前に気を逸らす
猫同士が喧嘩に発展する前に、手を叩いたりおもちゃを振り回したりして気を逸らすことも必要です。
猫がじゃれ合っているときには、猫が興奮してしまわないか注意して見ておきましょう。
しかし、喧嘩をする前の猫に触ろうとすると、興奮した猫に引っかかれてしまう可能性があるため無理に触ろうとしてはいけません。
まとめ
しかし、室内で縄張りを共有している中でも、どちらが立場的に上かなどの確認のために、軽いじゃれ合いをして力比べをすることはあります。
また、遊びの延長としてじゃれ合うこともあるでしょう。
大切なのは、じゃれ合いと喧嘩を見極めることです。
猫が喧嘩しても怪我をしてしまわないように、定期的な爪切りと逃げ場所を作ってあげることを忘れずに。
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