相手や状況に応じて、さまざまな種類の境界を個人的に設定することが大切ですが、そのためには、まず自分自身を知り、そして、さまざまな言動に関して自分ならどこで線引きするか認識することです。
誰かが極端に一線を越えたときは声を上げるのも手ですが、相手がまったく悪気なく境界線を超えてきたり、下品なジョークを言ったり、立ち入りすぎた質問をしてきた時はどうすればいいのでしょうか。
そんなときは、「境界線をはっきりさせる言葉(境界線フレーズ)」をいくつか用意しておくと、一線を超えた相手に対応することができます。
ご紹介するすべてのフレーズが、すべての状況やあらゆる人間関係に有効なわけではありません。
たとえば、「なんて変なことを聞くんだろう」はあまりにも立ち入った質問をされたときには有効かもしれませんが、人種差別的な発言をされたときには不十分かもしれません。
それは状況に応じて自分で判断する必要があります。
以下に境界線フレーズの例をいくつか紹介します。状況に応じて使えるようにしておくと便利です。
「なんて変なことを言うんだろう。」
「そんなことを話している時間はないよ。」
「お互いによく考えてから、また後で話そう。」
「そんなことをあなたに説明する義務はありません。」
「それは私には通用しませんよ。」
「ここでいったん中断させてください」
「そんなことは論外です。」
「ただの冗談のつもりかもしれませんが、おもしろくないですよ。」
「なぜそんなこと言ったんですか。」
「なぜそんなことを聞くんですか。」
「その発言は適切だと思いますか。」
「それの何がおもしろいのか説明してもらえますか。」
「○○のことを心配してくれてありがとう。ここから先は私が引き取ります。」
「ググったほうが、いいかもしれませんね。」
繰り返しになりますが、こういうフレーズを一語一句暗記することがこの場合の目標ではなく、こういうフレーズが出てくるように、ちょっとした準備をすることが大切なのです。
それにより、差し迫った対立から距離をとることができます。
時には、沈黙を保つことが最善の策になることもあります。
同僚がこちらの恋愛について節度を超えた質問をしてきたときは、答えないことで「その話はしたくない」という意思表示ができます。
家族がキャリアの選択についてしつこく聞いてきたら、何も言わないことが険悪なケンカを避ける方法かもしれません。
しかし、沈黙することで相手の発言を肯定することになるのも困ります。
誰かが間違った情報や憎しみを広めているなら、どんなに気まずくても声を上げなければなりません。
黙っているよりは、境界線フレーズを使うべきです。
上記でご紹介したフレーズを使えるようにしておくと、慌てたり言葉に詰まったりしないですみますよ。
まとめ
黙って怒りを飲み込めないときに、どういったフレーズで声を上げるかで、その場の雰囲気はずいぶん違ったものになるので、ご紹介した「境界線フレーズ」を参考に、ぜひとっさの時に使えるようにしておいてください。