苦手な上司や先輩に強い口調で怒られたり、締め切りに間に合わずに焦っているときに限って、緊張や焦りから、普段通りにパフォーマンスできず困った経験はないでしょうか?人間の身体は恐怖や焦りで緊張すると、普段通りに動かなくなってしまうものです。
一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事である大野萌子先生の新刊『1ステップで気分があがる↑気持ちのきりかえ事典』から、仕事で恐怖感や焦りを抱いたときの気持ちのきりかえ方をご紹介します。




恐怖を感じたときの正解は「その場を離れる」



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「先日、上司からお説教を受けている最中、緊張してうまく経緯を話せず、さらに怒られてしまった」とか「上司から突然怒鳴られたとき、言葉が出なくなってしまった」というような経験をした方は、決して少なくないでしょう。


怒られているときに身体の動きが止まる大きな理由は、人間は恐怖を感じると身体が緊張するからです。

体が緊張すると、自律神経に影響して、気持ちがどんどん焦ります。
そして、言うべき言葉を間違えたり、うまく話せなくなったりして、相手からさらなる反感を買ってしまうことになるのです。


では、恐怖感に邪魔されて平常心を保てないときは、どうすればいいのでしょうか?


一番良い方法は、とにかく「その場を離れる」ことです。


場所や環境を変えると、否が応でも脳が刺激を受けるので、いま抱いている負の感情をきりかえることができます。

しかし、怒られている最中に急に立ちあがって別の場所へ行くわけにもいきませんよね。
そんなときに、こっそり気持ちをきりかえる方法としておすすめなのが、手を開いたり、閉じたりすることです。

手を「グー」で強く握ってから「パー」で開く、というように緩急をつけた動きを繰り返すと、身体の血流が良くなって、気持ちがほぐれていきます。

また、手を握ったり開いたりする作業に意識を向けることで、少し気持ちが冷静になって、どうしよう怒られてしまった…という緊張感が薄れていきます。




怒っている人への返答の仕方



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怒っている人と話すとき、相手の怒りをさらに増幅させないようにするには、気持ちと事実を完全に切り分けることが大切です。


どうしてこういう事態になってしまったのかを説明する際に「自分としては、そういうつもりじゃなかったんです…」や「努力はしたんですけど…」と、自分の気持ちや感情を伝えたり、自分に不利にならないような言い訳をしたくなりますが、怒っている相手に言い訳は受け入れてもらえません。
むしろ、言い訳を聞くだけでイライラされてしまい、逆効果になります。


怒っている相手に通じるのは、言い訳ではなく説明だけです。
だから、なにを聞かれても、起こった事実だけを返答するのが一番です。


「時系列で申しあげますと、●●ということがありまして、▲▲ということがありました。そのとき、私はこういう対応をして……」など、事実ベースで、会話するように心がけてください。


怒っているとき、人は「なんでそんなことになったのか」という説明を求めてきます。
そのため、その答えとなる事実が積み重なった経緯を聞く分には、怒りが増幅することはありません。


「怒られたくない」「自分は悪くない」ということを優先して、感情をベースにしてしますと、話すときに緊張し、焦ってしまいます。
しかし、起こった事実関係だけを頭の中で整理していけば、冷静になり次第に緊張がおさまります。


相手が怒っている様子を見ると、つい「すみません」「申し訳ありません」という言葉を連呼したくなりますが、謝りすぎると、逆に相手からは「『すみません』と言えば済むと思っているのか」と思われてしまいます。

申し訳ない気持ちを伝えたいのであれば、謝罪の言葉を連呼するのではなく、「このような事態を招いてしまって申し訳ありませんでした」「意向に沿えなかったことに対して、本当に申し訳ないと感じています」など、冒頭や最後にびしっとまとめるほうが印象は良くなります。




いつもと同じことができないのは焦っている証拠



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〆切りが近いのに、やるべき仕事が全く終わっていない状況では、誰しも、頭が回らなくなってしまいます。


気持ちが焦ると脳が冷静な判断ができなくなるので、普段ならば一度でできることなのに何度もやり直しが必要になったり、余計に時間がかかってしまうこともあります。


人間は気持ちが焦っているときに、「いま自分が焦っている」と自覚するのは難しいのです。
なので普段できることがすんなりできず、凡ミスを連発してしまうときには、「いま自分は焦っているな」と自覚してほしいと思います。


たとえば、


・メールの送信先を間違える。
・簡単な計算を間違える。
・チャットやLINEなどの書き込みを全く違う人に送ってしまう。


など、いつもしない失敗をしたときこそ、「自分は焦っているんだな」と気が付く良いチャンスです。


何気ないミスを連発してしまうときは、気持ちをリセットすべきタイミングだと考えてください。

「急がば回れ」という言葉もあるように、いかに時間がないからといって焦って仕事をするよりは、気持ちを立て直してから再度取り組むほうが、結果的にパフォーマンスは上がります。

そして気持ちをリセットするためにやってほしいのが「いまやっている仕事から離れて、違う作業をすること」です。

「〆切が迫っているのに、そんなことをしている時間はない」と思うかもしれませんが、とりあえず一旦、いまやっている仕事から離れてみてください。


たとえば、A社の仕事をしているなら、別のB社の仕事をしてみるとか、報告書を作って焦っているなら、一旦おいてメールを返信したり、経費精算をしたり、電話をかけたりして、全く違う仕事をしてみるのもいいでしょう。


こういう時こそ「急がば回れ」なのです。


また、楽しい気持ちになると仕事に戻ったときにモチベーションが高まるので、「急がば回れ」ついでに時間を決めて、ネットショッピングやネットサーフィンなどをしたり、お茶を飲んだり、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、散歩をしたりするのもおすすめです。




まとめ

仕事中にメンタルの不調になっても、なかなか自分では認められず、そのまま突っ走ってしまいさらに大きな失敗をしでかすことがあります。
そんな時は、ご紹介したような方法でまずは気持ちを立て直すことが肝心です。
ぜひとも、焦らず、臨機応変にリフレッシュタイムを導入して、気持ちをきりかえてみてくださいね。

『1ステップで気分があがる↑気持ちのきりかえ事典』

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。