しかしながら猫の飼い主さんにとって、フルーツを買ってきて無造作に食卓の上に置きっぱなしにしておくのはおすすめできません。
飼い主さんが食べていると、興味を持って近づいてくることもあるでしょう。
今回は、愛猫と一緒に楽しむ前に、猫が「食べてもよいフルーツ」「食べてはいけないフルーツ」を確認して行こうと思います。
人間も猫ちゃんも健康の基本は何といっても毎日の食事です。
しかし猫は「完全肉食動物」と言われ、人間とは必要とする栄養素も消化機能も大きく異なるので、基本の食事はキャットフード(総合栄養食)を与えることをおすすめします。
猫が食べるもののなかで、果物はあくまで食べても食べなくてもどっちでもいい「おやつ」という位置付けになります。
実際に与えている飼い主さん方も、栄養補給というよりは水分補給や腸内環境を整える作用を期待しているケースが多いようです。
猫へのフルーツの与え方として、押さえておきたいポイントが大きく3つあります。
1.大きさ
肉食の猫の内臓(消化機能)は植物を消化するのに向いていないため、与えるときは細かく刻んだり、すりおろしたりして、必ず消化しやすい形状にする必要があります。
2.量
果物の糖分は、猫の小さな体にとっては意外とハイカロリーになります。
果物の種類によって適量は異なりますが、基本的には大さじ1程度、ひと口程度と考えましょう。
3.下準備
皮や種といった消化しづらい部分は、食べてしまうと下痢を起こすことがあるので、丁寧に取り除いてください。
果物によっては種で中毒を起こす可能性があるので、注意が必要です。
特に持病がある猫の場合は、事前に必ず獣医師に相談しましょう。
果物は全般的にカリウムを多く含んでいるので、心臓や腎臓に持病がある場合は避けなければなりません。
健康であっても、最初の数回はアレルギーを起こす可能性を考えて、与えるのはごく少量にしましょう。
もし異変が起きた場合はすぐに与えるのを中止して、速やかに受診してくださいね。
猫が食べてもOKな果物から代表的なものをご紹介します。 意外と日頃から人間の食卓にも登場する果物ですよ。
りんご
1年を通じて出回っているりんごですが、食物繊維のペクチンによる整腸効果が期待できるので、便秘がちな猫には効果を発揮してくれそうです。
ただしその分、与えすぎると下痢を起こす可能性があります。
等分も高いので、食べ過ぎると肥満や糖尿病に繋がりかねません。
量には十分に気をつけてくださいね。
梨
秋の味覚のひとつである梨も猫が食べてOKな果物です。
水分が多くジューシーな果物なので、水分補給になります。
和梨・洋梨どちらも大丈夫ですが、シャリシャリとした硬い果肉を喉に詰まらせたりしないよう、必ず細かく刻んであげましょう。
スイカ
夏の果物と言えばスイカ、ですね。
こちらも水分補給に効果が期待できます。
面倒でも、与える前に種は取り除くようにしてくださいね。
カリウムが多く含まれているので、心臓や腎臓に持病がある猫にはあげないようにしましょう。
メロン
メロンは通年栽培されているので、一見高級なイメージがありますが、夏場は意外とお手頃に楽しめる果物です。
スイカと同じく水分を多く含む果物なので、水分補給に良いでしょう。
ただ、こちらもカリウムが多いので、心臓や腎臓の持病がある猫には避けてください。
いちご
見た目もかわいらしく、食卓に登場すると歓声があがるいちご。
子どもたちも大好きな果物です。
猫にもお裾分けしやすいので、コミュニケーションに役立ちそうです。
ビタミンCによる美肌作用より、食物繊維による整腸作用のほうが猫には期待できるでしょう。
与える量は、半粒程度を目安にしてください。
桃
ジューシーな甘みが人気の桃ですが、こちらも水分補給として少量ならOKです。
ただし、桃の種は中毒を起こす可能性があると言われていますので、必ず果肉だけを与えるように注意しましょう。
食べられるなかに入るものの、果物によっては猫に何らかの症状が出る可能性があるものもあります。
もしも猫が欲しがったときは、注意深く様子を見ながら与えるようにしてください。
みかん
人間にとっては、冬場のビタミン補給にぴったりの果物であるみかん。
しかし、みかんの皮に含まれるリモネンという成分は猫にとって致死性の高い成分なのです。
必ず薄皮もむいたうえで果肉のみ与えるようにしてください。
糖分が多いので1/2房程度に留めておくこと。
バナナ
栄養価が高くて消化も良い、おやつや朝食の定番のバナナ。
猫にとっても体に良い果物ですが、ネックになるのがカロリーの高さです。
肥満の原因になりやすいので、ひと口程度を心掛けましょう。
また、バナナの皮は消化に悪く、喉に詰まらせてしまうこともあるので、人間が食べた後も皮を放置しないように気をつけてください。
パイナップル
最近は手軽に購入できるパイナップルですが、たくさん食べると舌がヒリヒリした経験のある方もおられると思います。
これはパイナップルに含まれているたんぱく質分解酵素によるもので、猫にも同様の症状が現れることがあります。
アレルギー反応の一種なので、もし猫が食べた後に口元を気にしていたら、その後は与えないようにしましょう。
さくらんぼ
さくらんぼは食物繊維が豊富なため、猫が下痢を起こしやすい果物です。
もし与えるときは、半粒ほどに留めておきましょう。
また、葉や種には猫にとって毒になる成分が含まれています。
必ず種と果柄は取り除き、果肉だけを与えるようにしましょう。
以降は猫が食べてしまうと命に関わる危険な果物です。
うっかり食べてしまうと大変ですので、購入したときは猫が届かない場所に保存することをおすすめします。
ぶどう(レーズン)
猫が食べると中毒症状となり急性腎不全を起こす可能性があるため、与えないでください。
特に皮のほうが果肉より危険で、最悪の場合は死んでしまうこともあります。
レーズンやぶどうジュースなどの加工品も生のぶどう同様、食べさせないこと。
うっかり落としたレーズンを誤食したりしないよう、注意が必要です。
いちじく
皮・葉・果肉に含まれている成分が中毒を引き起こし、嘔吐や口腔内の炎症を引き起こします。
パパイヤ
パパイヤに含まれるパパインという酵素によってアレルギー反応を起こし、口腔内の炎症につながります。
重症の場合は呼吸困難になることもあるので、十分な注意が必要です。
特に、完熟前の青パパイヤに酵素が多く含まれていますので、絶対に猫が口にしないように注意してください。
マンゴー
マンゴーも猫にとっては危険な果物です。
マンゴーはウルシ科の植物なので、かぶれなどのアレルギー症状を引き起こす可能性があります。
口腔内にかゆみや炎症を起こしたり、嘔吐・下痢や呼吸困難になることもあるので、食べさせないでください。
まとめ
果物だけを与えると物足りないかもしれませんが、フードのトッピングとして与えてみましょう。
水分補給や便秘の予防だけでなく、食欲がないときやフードに飽きてきたときにも効果的です。
ただし、くれぐれも適量を守り、飼い猫ちゃんのアレルギーや肥満に気をつけながら、お楽しみのおやつのひとつとして果物を活用してみてくださいね。
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