いくら言っても片付けられない子どもに対して、具体的にどうしたらいいか、そして子どもが自ら無理なく片付けするために、子どもが身につける習慣のコツをご紹介したいと思います。
まずは、モノを「使っているモノ」と「使っていないモノ」に整理します。
それができたら、モノのおうちを決める(収納する)作業に取り掛かります。
「使っているモノ」の中でも「よく使う=1軍」と「あまり使わない=2軍」がありますよね。
ここでしっかり分けておくと、収納がスムーズに決まります。
よく使う1軍のモノは、無理せずにストレスなく出し入れできる一番いい場所に置きます。
たまに使うぐらいの2軍のモノは、多少出し入れしにくい場所でも大丈夫です。
一般的に散らかったり、モノを元の場所に戻すことができないのは、はじめに設定した収納場所や収納方法が合っていないことが多いのです。
例えば、リビングと子ども部屋が離れた場所にあったとします。
子どもが個室ではなくリビングでお絵描きするなら、リビングに文房具の収納場所を置くべきです。
これだと取り出しやすく片付けもしやすくなります。
もし、文房具の収納場所を離れた子ども部屋に設定したらどうでしょうか。
子どもは面倒になり、いちいち個室へ戻しに行かなくなるでしょう。
その距離がとても遠く感じてしまうからです。
よく使うモノ=1軍のモノは、その行動をする時の場所の近くにまとめておくのが鉄則です。
一歩でも、一秒でも近くに収納場所を決めるのがよいでしょう。
また、1軍のモノは、あまり使わないモノ=2軍のモノと混ざらないようにするのもポイントです。
2軍のモノは、必ず1軍モノとは別の場所に置いて区別するようにしましょう。
同じ空間に1軍と2軍が混ざっていると、物を出しにくく、戻しにくい大きな原因になります。
別の場所に置く、収納用品などで仕切るなどして、混ざらないようにします。
整理した時と同様に、親が勝手に収納場所や収納方法を決めず、子どもと話し合って一緒に決めるのがポイントです。
我が家では、娘がヘアゴムやピン留めを洗面台に置きっぱなしにするので、収納場所を決めることにしました。
私が化粧品を入れている洗面台の引き出しか、もしくは別の引き出しはどうかな、と私から提案してみましたが、娘が自分で実際にヘアゴムを出し入れしながら試したところ、どうもしっくりきていない様子。
そして「引き出しにしまうのじゃなくて、見えている方がいい」と伝えてくれました。
なので最終的にヘアゴムを置きっぱなしにしていた洗面台横の壁にマグネットフックをつけて、そこに引っ掛けることにしました。
これなら見やすく、ワンアクションで収納できるので、本人もポイポイ放置することがなくなり、きちんと毎回戻すようになりました。
このようにとても小さなことですが、親子で話し合って子どもの意見を取り入れた収納場所や収納方法を決めると、主体的に片付けられるようになり、モノに対しての責任感も生まれます。
子どもにとって、家のことについて自分の意見を取り入れてもらった経験は、生活や自分の身の回りを整えるためのモチベーションにつながると思います。
また、収納=モノを隠すこと、周りから見えないようにすることが正しいと思っている方はけっこう多いようですが、これは子どもにとって、余計片付けをしにくくなる原因にもなるようです。
収納ボックスを使うにしても、子どもが見つけやすく、取り出しやすく、戻しやすくないと、結局ストレスになって片付ける習慣が身につきません。
子どもがワンアクションで出し入れできるかを基準に、ぜひ親子で楽しく話し合いながらモノのおうちを考えてみてください。
夏休みの宿題などは、ドリルやプリント、絵日記の用紙などサイズも容量もバラバラで何があるのか、また、どのぐらいやったのか、やっていないのか、など管理しにくいかと思います。
おすすめなのは、ポケットホルダーが付いたファイル1冊にまとめてしまう方法です。
ポケットホルダーなら一枚のプリントから、ドリルのような厚みがある冊子まで収納でき、子どもでも出し入れしやすくなります。
学童に行く時も、帰省する時も、さらに新学期の宿題提出でもこのファイル1冊持っていけばいいので、忘れ物の防止にも繋がります。
ファイルの収納場所は、子どもが宿題をする場所の近くがおすすめです。
リビング、ダイニング、学習机など、とにかく手に取りやすく、忘れない場所に置きましょう。
また、夏休みなどの長期休暇は、学校のようにチャイムや時間割がないので、ダラダラと過ごしてしまいがちです。
部屋で遊んでいると、一日中散らかったまま、ということも。
こんな時こそ、片付けを行動の区切りとして活用するのがおすすめです。
学習時間が終わったら、宿題ファイルや文房具を収納場所に戻してから、ゲームをするというように、一つの行動が終わったらモノを元に戻してから次の行動に移すというような一連の流れで行う習慣をつけると、時間のメリハリがつきます。
子どもの成長と共に持ち物が変わり、それに対する思いも変わります。
その時その時の変化に合わせてモノを整理し、ひとまず収納場所を決め、うまく片付けられなかったらまた変えてみる、そうやって試行錯誤することが大切です。
こうでなきゃいけない、これが正解、と子どもに理想を押し付けず、親子で一緒に考えながら柔軟に変えていくことができたら、家族みんなが暮らしやすい家になると思います。
まとめ
片付ける場所は、そのモノを使う場所の近くに決めること。
文房具類は、子どもが毎日使うものなので、手が届きやすい場所に収納します。
プリントやドリルなどの学習材料も、ポケットホルダー付きのファイルならサイズが違う教材やプリントも1冊にまとめやすいですよ。
モノたちの居心地の良い場所はどこなのかを、親子で話し合いながら決めていくのは楽しい作業ですし、子どもも自主的な片付け習慣がつくのではないでしょうか。