成長した孫に会わせたいとは思うものの、夫の実家への帰省は、義父母との関係がうまくいっている人でさえ、何かと気を使うもの。
子どもを連れての帰省は、姑の口出しにイライラするという本音も聞こえますし、実際に頭を悩ませる人もいるかもしれませんが、なかなか遠慮して言いたいことをストレートには言えないものです。
今回は、関係を悪くせずに姑からの一言から上手に逃れる方法をご紹介します。
子どもが生まれて義父母に会わせるたびに、「まだオムツとれないの」「まだひらがなも読めないの、遅いわね」と成長について、口出しされることがあります。
また、大勢の親戚が集まったなかで、子どもが言うことをきかないとか、少し騒いだりすると、「落ち着きがない子ね」「あなたがちゃんとしつけをしないから」と姑から言われてしまう人もいるのではないでしょうか。
他の親戚の子どもを「大人しくていい子ねー」と褒めて、遠回しに嫌味を言われたという声も聞きます。
姑に悪気はないにしてもこんな風に言われると、自分なりに一生懸命に子育てをしているのに、と拗ねてしまいたくなりますよね。
おそらく姑には自分は立派に子どもを育て上げた子育てのベテランというプライドがあるのでしょう。
そんなときには、「私は育児経験の初心者なので教えてください」というスタンスで、姑に花を持たせながら、話題の矛先を夫の子どもの頃に向ける「質問返し」がおすすめです。
例えば、「子どもの頃、どうだったんですか?」「こんなときはどうしたら機嫌がよくなりましたか?」と夫の子どもの頃の話を振るのです。
すると、「そう言えば、○○にも手を焼いたのよ」と、思い出話に花が咲いて、関心をそらすことができます。
その延長線上で「私があなたくらいの頃は……」と姑から昔の苦労話が出てきたらしめたものです。
「昔は大変でしたね」と話を聞いてあげると、それだけで満足してもらえる場合もあります。
ただし、もし話の中でしつけについて価値観が違う部分を押し付けられそうになった場合には、同調せずにしっかり「考え方が違う」と伝えたいところです。
例えば「それは昔のやり方で、今は違うんです」ではなく「昔はそうだったんですか。今とだいぶ違うんですね。勉強になります」と言えば角が立ちにくいでしょう。
また、子どもの機嫌が悪いときには、普段と違う環境のせいにしてやんわりと「いつもはとってもいい子なんですよ。今日はどうしてなんでしょう……」と言ってもいいでしょう。
「親戚の○○ちゃんは、賞をもらうほど優秀だ」などと、何かと成長や勉強を人と比較されてあれこれ言われると、言葉には出さなくても暗に「母親がちゃんとしていれば」と言われているようで嫌な気持ちになるという方も多いと思います。
また、それを子どもの前で言われると、親としては子どもまで嫌な気分になっていないか気になりますね。
そんな風にやたらと比較してくるときには「イエスバット法」で切り返しましょう。
人は、まず自分の意見を受け入れてもらえると、相手の話にも耳を傾けようという気持ちになります。
そこで「へえ、そうなんですね」という興味なさそうな返事をしたり、「よその子と比較しないでください」「うちの子だって頑張っています」と正面から否定するのではなく、姑の話を一旦受け入れてから、お子さんの良いところをしっかり伝えてあげるのです。
例えば「そうなんですね。○○ちゃん、優秀ですね。きっと勉強が好きなんですね/○○ちゃん、今何年生なんですか?」
「そうそう、うちの□□は、サッカーが好きなんですよ!こないだも、サッカーの試合でシュートを決めたんです」
こんな風に、まずは、姑の話につきあってから、たっぷりとお子さんの良いところを褒めて聞かせましょう。
孫がかわいくて心配なのはわかるのですが、受験や家庭での教育方針にまで口うるさく意見をしてくるのも困りますね。
「お言葉ですが、うちはこういう教育方針なんです」「ご心配には及びませんので、干渉しないでください」とビシッと言いたくなりますが、やはり波風が立たない言葉選びも大切です。
今だけだからと我慢をして黙っていたり、「あ~、はい、そうですね」と曖昧な返事をしていると姑の介入がどんどんエスカレートする恐れがありますので、そうならないうちにしっかり意思を伝えたいところです。
まず、意見を言う前には、緩衝材として「○○(子どもの名前)に期待してくれてありがとうございます」「○○(子どもの名前)を大切に思ってくれてありがとうございます」と感謝の言葉を伝えておきます。
これで、「孫をかわいく思う気持ちは、ありがたく受け取っていますよ」と伝えることができます。
育児に関する世代間にギャップがあるのはありがちなことです。
近頃は、夫も育児に積極的に参加している家庭が多くなってきましたが、親世代の子どもの教育はというと、母親の役目という家庭が大半でした。
そこで、「夫と相談して決めた、これがうちのスタイルなんです」「夫と話し合いながら一緒に子育てしているので安心してください」と夫婦一緒に子育てをしているということをわかってもらいながら、温かく見守っていてほしいと意思を伝えてはいかがでしょうか。
それでも、まだ、あなたに向かって口うるさく言うようでしたら、夫と事前に打ち合わせをしたうえで、「私より、夫のほうがしっかりしているので、何かあれば夫に言ってくださいね」と、夫に間に入ってもらうことを検討してみましょう。
「こんなに小さいうちから保育園に行くのね。かわいそうに」「今は仕事より子育てが大切でしょ」など、母親の仕事に否定的で、理解がない言動にイラっとすることも少なくないようです。
こうした発言は時代錯誤も甚だしいですが、長年その価値観を持ち続けてきた人にとってはそれが当たり前で、今さら変わりようがありません。
自分とは違う価値観の世界で生きている人だと受け入れることが大切です。
とはいえ、何か言われて嫌な気持ちになったら、我慢をせずに言い返したいところです。
そこでおすすめなのが「I(アイ)メッセージ」です。
Iメッセージとは、主語を私=Iにして気持ちを伝える方法です。
例えば「お姑さんは、どうしてそんなひどいことを言うんですか!」と、お姑さんを主語にしたYOUメッセージで話すと、批判的、攻撃的な印象になります。
一方、「(私は)そんな言い方をされると、つらいです/悲しくなります」と、私を主語にしたIメッセージにすると、相手への文句にならず、気持ちを伝えることが出来ます。
あくまで、相手をやり込めることにフォーカスするのではなく自分の気持ちを伝えることに重きを置くのです。
まとめ
物理的に距離が離れていると頻繁に会うのは難しいですが、母の日や誕生日など大事なイベントには、贈り物をするなど大切に思っていることを伝えたり、子どもの運動会などのイベントがあったときにはLINEをしたり動画や写真を送ったりしているそうです。
帰省先に親戚や近所づきあいがあるようなら、帰るたびにちょっとした菓子折りを持っていくといった礼儀と心遣いを忘れないようにすると、気が利くお嫁さんという印象を残すことができ、帰省中の居心地が良くなるのではないでしょうか。
言い返しのフレーズを上手に活用して、姑はもちろん、どんな相手ともうまくつきあえるコミュニケーションスキルを磨いていきましょう。
『感情的にならない子育て』