「内容重視型」の傾向が強い人
・相手の話の内容や言葉を重視する傾向がある
・事実に意識が向いている
「内容重視型」のクセが強い人は、コミュニケーションを取る際に、話の内容や言葉そのものに焦点を当てます。
そのため、何か理論を積み上げていくときや、内容を詰めていくときに力を発揮するタイプだといえます。
冷静沈着で、感情に流されないため、「できる人」という印象を持たれる可能性を秘めています。 ところが、この傾向だけが強く出すぎてしまうと、相手の感情を無視した冷たい人、空気の読めない人、理屈ばかりまくしたてる人という悪印象を与えてしまう危険性があります。
「内容重視型」のクセが強い人は、話している内容に強い注意・関心があるため、周囲の雰囲気に意識が向かず、ストレートなもののいい方をする傾向があります。
<対処法>
こういうタイプの人へは、「気にせずビシッと対応する戦略」が有効です。
まず第一歩は、「真に受けない」ことです。
このタイプは、相手の気持ちより言葉そのものに意識が向いています。
なので、こっちも気にせずに、そういう人なのだと割り切ることです。
さらにそういう人には、こちらも相手がどう思うか、気分を害さないか、腹を立てるのではないか、などあまり気にせずに、自分が思っていることをストレートに伝えてもかまいません。
話の内容に焦点を当てて、客観的かつ論理的に話をすることです。
■「なぜ、そう思うのですか?」
■「結局、どういうことですか?」
という質問をしたり、結論や理由を明確にして伝えたりすることが、スムーズなコミュニケーションにつながっていきます。
「内容重視型」が強い人は、感情では動きにくいので、論理的に説明して納得してもらうことが得策なのです。
「非言語重視型」の傾向が強い人
・相手の表情や気持ちに気を配る
・その場の雰囲気をくみ取る
「非言語重視型」のクセが強い人は、コミュニケーションを取る際に、言葉以外の相手の表情や振る舞い、相手の感情や気持ちに気を配ることにエネルギーを使います。
つまり会話の内容よりも、人との円滑なコミュニケーションを優先しているといえます。
そのため、周りから思いやりがある、協調性がある人と思われる可能性があります。
ところが、この傾向だけが強く出すぎてしまうと、相手のことばかりが気になってしまい、話すべきことが話せなかったり、言うべきことが言えなかったり、つい感情的になってしまったりする危険性があります。
<対処法>
「非言語重視型」のクセが強い人は、相手の気持ちがわかるだけに、感情的にもなりやすいのです。
こういう人への対処法は、「しっかり観察戦略」が有効です。
まず、このタイプが感情的になっているときは、そういう人なのだと割り切って相手にしないことです。
そして、
■「何か意見がありますか?」
■「何か話したいことがありそうだけど?」
と相手を慮りながら声をかけるといいでしょう。
それは、「観察力」を磨くことです。
ここでは、「キャリブレーション」というテクニックをご紹介します。
「キャリブレーション」はジョン・グリンダー氏とリチャード・バンドラー氏によって提唱された理論)のなかの基本的なNLP(Neuro-Linguistic Programming/神経言語プログラミング)テクニックです。
この「キャリブレーション」とは、「相手をしっかりと観察して、気づく」ことです。
人が無意識に行なっている動作―姿勢、眼球の動き、ジェスチャーや、変化―呼吸や声の大きさ、スピードなどを観察して、相手の心理状態をつかむテクニックで、読心術にも似ています。
なかでも代表的なのが、「アクセシング・キュー」と呼ばれるテクニックです。
「目線」によって、相手がどんなことを考えているかを推察します。
たとえば、こちらから見て相手の目線が、
・右上に向いていると、記憶されたイメージ(過去に見たものなど)
・左上に向いていると、構成されたイメージ(これまでに見たことのないものなど)
・右横に向いていると、記憶された音(過去に聞いた音など)
・左横に向いていると、構成された音(これまでに聞いたことのない音など)
・右下に向いていると、内的対話(自分と対話している)
・左下に向いていると、身体感覚(味覚・嗅覚・触覚などの感触)
と予想できるのです。
目線とその人が考えていることは密接にからんでいることを知っていれば、相手の言葉だけではない非言語情報にも興味が湧くのではないでしょうか。
ちなみに、この理論に基づくと、人は決して上を向いて悩むことができません。
悩んだり、あれこれ考えたりしているときは、必ず下を向いているのです。
まとめ
なかにはとてもクセのあるものの言い方をする人もいるでしょう。
これらの人は、コミュニケーションを取る際に当てている焦点が極端に偏っている可能性があるため、場の雰囲気を乱したり、会話がぶつかったりするのです。
なるべく気持ちよく会話ができるように、今回ご紹介した対処法を上手に利用してくださいね。
『職場のやっかいな人間関係」に負けない法』