猫はもともと肉食動物のため、その食生活に合うように進化しており、人間や犬とは肝臓の解毒機能が異なっています。
猫の肝臓は、植物に含まれる成分が蓄積しやすく中毒に陥りやすい構造なのです。
猫に悪影響を与える植物は700種類以上あると言われていますが、全てを覚えるのは困難なので、今回は特に毒性が強い植物、必ず避けてほしい植物についてご紹介します。
1. 『カランコエ属』
2. 『プラム属』
3. 『ツツジ属』
4. 『ナス科』
5. 『キンポウゲ科』
6. 『サトイモ科』
7. 『ユリ科』
8. 『トウゴマ』
9. 『ソテツ』
10. 『イヌサフラン』
★ まとめ
1.『カランコエ属』
キョウチクトウ、ジギタリス(キツネノテブクロ)、スズラン、イチイなど
あまり聞きなれない植物ですが、これらの植物には強心剤、つまり心臓に影響を及ぼす成分が含まれています。
葉から茎まで全てのパーツに中毒成分が含まれており、口にすると不整脈などで突然死する可能性があります。
2.『プラム属』
リンゴ、アンズ、チェリー、モモ、ウメなど
プラム属には、植物の種にシアン化物が含まれています。
シアン化物は他の動物にも毒性を示しますが猫は特に注意が必要です。
食べてしまうと種が腸に詰まり、閉塞を起こすこともあります。
中毒症状としては痒み、不安行動、めまい、酸素不足により危険な状態に落ちることがあります。
3.『ツツジ属』
シャクナゲ、アザレア、ゲッケイジュ
植物の全てのパーツに注意が必要です。
ツツジ属にはグラヤノトキシンという成分が含まれており、食べてしまうと嘔吐、不整脈、運動失調、元気消失などを起こします。
4.『ナス科』
イヌホウズキ、チョウセンアサガオ、ニオイバンマツリなど
植物全てのパーツに注意すべきですが、特に未熟な果実に中毒成分が多く含まれます。
副交感神経に影響を与え、散瞳(黒目が大きくなる)、嘔吐、ふらつきなどの症状がでます。
ニオイバンマツリは神経毒性があり、黒目が揺れる(眼振)などの症状を起こし、死に至ることもあります。
5.『キンポウゲ科』
キンポウゲ、クレマチス、アネモネなど
虫に花粉を運んでもらって受粉するため、美しい花が多く、主に観賞用として栽培されています。
毒性植物として有名なトリカブトもこの科に属しています。
葉と茎にアルカロイドを多く含み、食べてしまうと嘔吐、血便、腹痛などの症状が現れます。
6.『サトイモ科』
スパティフィル、アイビー、フィロデンドロン、ディフェンバキアなど
全てのパーツに気をつけなくてはいけませんが、特に茎と葉にシュウ酸エステル結晶という毒性成分が多く含まれています。
食べてしまうと口の中を刺激し、口内の痒み、過剰なよだれ、気道閉塞、また痙攣などの神経症状などがでることがあります。
7.『ユリ科』
ユリ、チューリップ、スズランなど
全てのパーツに毒性があります。
花粉を吸引しただけでも症状がでることもあり、猫にとってもっとも気をつけなくてはいけない植物の1つです。
症状は嘔吐や、元気消失、腎不全など。
治療法がないので、一口でも食べてしまうと命に関わる危険性があります。
8.『トウゴマ』
ひまし油の原料として知られていて、鮮やかな赤い実がなるため観賞用としても栽培されています。
全てのパーツに毒性がありますが、特に種には注意。
リシンという成分により、消化器症状、心不全、けいれん、腎不全などが起こすことがあります。
9.『ソテツ』
全てのパーツに毒性があり、特に種に注意が必要です。
サイカシンという成分により、重度の嘔吐、下痢、運動失調、肝臓壊死などが起こる可能性があります。
10.『イヌサフラン』
全てのパーツに毒性がありますが、特に花、球茎(茎の根本)、種に注意しましょう。
コルヒチンという成分により、腹部痛、麻痺、痙攣などを起こします。
まとめ
植物の呼び名は地域によっても異なることがあるので、勘違いしやすくその点も注意が必要です。
過剰に摂取すると人間や犬にとっても危険な植物ですが、猫は身体が小さく体重も少ないため、植物毒性を受けやすいのです。
少量口にしただけでも中毒になる危険性があるため、部屋に飾る観葉植物を選ぶときは猫にとって危険がないものかどうかをしっかり確認する習慣をつけましょう。
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